安くて美味しいウイスキーの選び方|2026年の価格と飲み方
角瓶やトリス、ブラックニッカ クリアなど手頃なウイスキーから、甘さ・軽さ・燻香など好み別に最初の1本の選び方を紹介します。グレーン原酒や連続式蒸溜、樽の使い方から安くても美味しく作れる理由を解説し、ハイボールなどの飲み方も紹介します。
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なぜ安くても美味しく作れるのか:グレーン原酒・連続式蒸溜・樽の使い方から見るコストと味の関係
先に結論です。好み別に、最初の1本は次のように選んでください。
- まず1本なら:角瓶、トリスウイスキー、ブラックニッカ クリアのどれかをハイボールで
- 甘さが欲しいなら:エヴァンウィリアムズ ブラック
- 軽さが欲しいなら:カティサーク
- 燻香を試したいなら:ティーチャーズ
- ストレートも楽しみたいなら:グレンフィディック 12年
なぜこの価格で美味しく作れるのかは、以下の製法から説明できます。手頃な価格帯のウイスキーの多くは、モルト原酒とグレーン原酒を混ぜたブレンデッドウイスキーです。安さは手抜きから生まれるものではありません。原酒の造り方、蒸溜の設計、樽の使い分けによって、コストと味の両方を狙って作られています。「安いウイスキーはまずい」と感じる場合も、多くは品質が低いからではありません。軽さを前提にした設計を、ストレートの重厚さで評価していることが原因です。
グレーン原酒と連続式蒸溜がコストを下げる
グレーン原酒は、とうもろこしや小麦などの穀物に、糖化の酵素源として少量の大麦麦芽を加えて仕込み、連続式蒸溜機(もろみを流し込み続けながら、一度に高い度数まで蒸溜できる装置)で造ります。1回ごとに釜を空けて仕込み直す単式のポットスチルと違い、止めずに大量に造れます。そのため、生産量が増えるほど1本あたりのコストが下がります。スコッチウイスキー規則(SWR 2009)では、グレーンを94.8%未満で蒸溜するよう定めています。なお、SWRはスコッチの規定で、日本のグレーンには適用されません。高い度数で蒸溜するため香味成分は少なくなりますが、無味ではありません。熟成によって樽由来の甘さと、なめらかな口当たりを得ます。ハイボールにしても味が崩れにくいのは、グレーンが度数と甘さの土台を担い、モルトが香りを担うという分業になっているためです。「クセがない」という評価は、こうした設計どおりの結果です。
モルト原酒側で決まる重さと軽さ
ブレンドの性格は、モルト原酒の造り方で変わります。発酵を長く取るとエステルが増え、果実や花のような香りが出やすくなります。ポットスチルのネックが高いほど、またラインアームが上向きであるほど、還流(蒸気が冷えて釜に戻り、再び蒸溜されること)が増えます。還流が増えると、軽く華やかな酒質になります。冷却器も酒質を左右します。シェル・アンド・チューブ式では蒸気が銅に多く触れるため、硫黄系の重さが除かれて軽くなります。ワームタブ式は銅との接触が少なく、重く肉厚な酒質を残しやすい方式です。一方、ミドルカット(製品に使う中留部分の切り取り方)の終わりを遅くすると、後半に出てくる油っぽい成分や重い成分が残ります。軽いグレーンに重めのモルトを少し合わせる、あるいは軽いモルトで全体をそろえる、という組み立てが価格帯ごとの味の差になります。
安いのにスモーキーになる理由
スモーキーさは、麦芽を乾かすときに焚くピートの煙に含まれるフェノール類から生まれます。麦芽の段階のフェノール値(ppm)が、そのまま製品に残るわけではありません。フェノール類は蒸溜の後半に多く出るため、カットをどこで取るかで残る量が変わります。さらに熟成の間にも穏やかになります。ただし、人は少ない量のフェノールでも香りとして感じ取れます。そのため、ブレンドに入れるピーテッドモルトの比率を少し上げるだけで、全体がはっきり燻香を帯びます。ティーチャーズは、ブレンデッドとしてはモルト原酒の比率が高い銘柄です(メーカーはモルト比率45%以上と案内しています)。核となるアードモア蒸溜所のピーテッドモルトが燻香を担います。高価な長期熟成の原酒に頼らず、この配合比率によって個性を作っています。
樽の使い方:スコッチとバーボンの違い
スコッチの熟成樽の主流は、バーボンの熟成に使った後のアメリカンオーク樽です。シェリー樽の多くは、ソレラで長く使われた古樽ではありません。ウイスキー用にシェリーを一定期間なじませた「シーズニング樽」です。ファーストフィル樽は、前の中身(バーボンやシェリー)が抜けた後に、初めてスコッチを詰める樽を指します。チャーは強火で樽の内側を炭化させる処理です。トーストは弱火で長く焼いて、木の糖分を分解させる処理です。トーストは甘く香ばしい成分を生み、チャーでできた炭の層は硫黄臭などを吸着します。
| 項目 | スコッチの低価格帯 | バーボン |
|---|---|---|
| 主な樽 | バーボン樽のリフィル(2回目以降に使う樽)が中心 | 内側を焦がした新しいオーク樽(法律で必須) |
| 樽の成分の出方 | 穏やかで、原酒の個性が前に出る | 短い期間で色とバニラ・カラメル香が強く出る |
| シェリー樽 | 多くはシーズニング樽。数が少なく高価なため、香味の中心にはなりにくい。香りの出方は樽の作り方で大きく違う | 使わない |
ファーストフィル樽は、樽の成分を強く与えます。リフィル樽はそれより穏やかです。バーボンは、チャーをした新樽で熟成させることが法律で求められています。焦げた層の下で熱分解した木の糖分やバニリンが早く溶け出すため、熟成が短くても色と甘い香りが出ます。低価格のバーボンが「若くても甘い」のはこのためです。
年数表記と色を読み違えない
SWR 2009では、スコッチの熟成期間を3年以上と定めています。また、色をそろえるためのカラメル(E150a)の使用も認めています。このため、色の濃さだけで熟成の長さは判断できません。冷却濾過は、液を冷やし、低温で濁りの原因になる脂肪酸エステルなどを取り除く工程です。濾過していない銘柄は、加水や氷で冷やしたときに白く濁ることがありますが、品質の問題ではありません。年数表記のない(NAS)銘柄も、若い原酒だけで造られているとは限りません。年数表記は、ブレンドに入った最も若い原酒の年数を示すものです。熟成が長い原酒は樽の影響が強くなるため、ハイボールに向く軽さが失われることがあります。用途によっては「長いほど良い」が成り立ちません。
国産の定番銘柄をどう見るか
角瓶は、サントリーが「山崎・白州蒸溜所のバーボン樽原酒をバランスよく配合」と案内しています。ブラックニッカ クリアは、ノンピートモルトを使っているとニッカが案内しています。燻香を避けたい人の判断材料になります。トリスウイスキーの原酒構成と、3銘柄のスチル構成、冷却濾過や着色の有無は公表されていません。仕様が公表されていない銘柄は、後述の手順(失敗例1)で設計の意図を確かめられます。
タイプ別・安くて美味しいウイスキーの選び方:国産ブレンデッド、スコッチ、バーボン、カナディアン

角瓶、トリスウイスキー、ブラックニッカ クリアは、どこでも手に入りやすい定番です。まずこの3本のどれかを基準の1本としてハイボールで飲んでみてください。
サントリーは角ハイボールの作り方として、角瓶1に対してソーダ4の比率を案内しています。この比率でも味の骨格が残ります。 早見表のハイボールの比率のうち、濃いめの側で作ると甘さが残ります。
- ブラックニッカ クリア(度数37%、1,001円前後・2026年10月9日時点):ノンピートモルトを使うため燻香がなく、3本の中で最も癖が少ない方向です。軽さを生かすなら、早見表の濃いめの側の比率が向きます。
そのうえで「もっと穀物の甘さが欲しい」「もっと軽くしたい」「樽の甘さやスパイスが欲しい」のどれに当てはまるかで、次の1本を選ぶと失敗しにくくなります。
国産ブレンデッド:グレーン原酒そのものを味わう
キリンの富士御殿場蒸溜所は、蒸溜器の組み合わせを変えて、性格の違うグレーン原酒を造り分けています。キリン 陸は度数50%で、グレーンの柔らかさを生かした設計です。度数が高いぶん、氷が溶けても、炭酸で割っても、甘さが薄まりにくいのが持ち味です。グレーンは無味の原酒ではありません。陸は、そのことを確かめる材料になります。
スコッチとカナディアン:軽さの作り方が違う
カティサークは、軽いモルトとグレーンを合わせたスコッチのブレンデッドです。柑橘や青りんごを思わせる軽快な香りがあり、レモンピールを添えたハイボールで香りが立ちます。カナディアンクラブは、度数を高く蒸溜した軽いベースウイスキーと、香りづけ用のウイスキーを組み合わせて造ります。さらに、樽に詰める前にブレンドするという造り方が知られています。口当たりのなめらかさが特徴で、ジンジャーエール割りや水割りのように、アルコールの角を立てたくない飲み方に向きます。
バーボン:新樽の甘さと、ライ麦の比率によるスパイス
バーボンの甘さは、内側を焦がした新樽から出るバニラとカラメルの香りが中心です。もう一つ見るべきなのが、マッシュビル(原料穀物の配合)です。コーンが多いと甘く丸い味になり、ライ麦が多いと胡椒やシナモンのようなスパイスと、ドライな後味が出ます。アーリータイムズとエヴァンウィリアムズ ブラックは、コーン由来の甘さが前に出るタイプです。オールドグランダッドは、ライ麦の比率が高い配合で知られます。同じ新樽の甘さの上に、スパイスがはっきり乗ります。ハイボールにすると、甘いタイプは炭酸で甘さが和らぎます。一方、ライ麦の多いタイプは香りが締まり、食事に合わせやすくなります。
| 銘柄 | タイプ | 香味の方向 | 向く飲み方 | 希望小売価格 |
|---|---|---|---|---|
| 角瓶 | 国産ブレンデッド | 甘い(バーボン樽)・ドライな後味 | ハイボール | — |
| トリスウイスキー | 国産ブレンデッド | 軽い・甘い | ハイボール | — |
| ブラックニッカ クリア | 国産ブレンデッド | 軽い(ノンピート) | ハイボール、水割り | 1,001円前後(2026年10月9日時点) |
| キリン 陸 | 国産ブレンデッド | 軽い・甘い | ロック、ハイボール | — |
| カティサーク | スコッチ・ブレンデッド | 軽い | ハイボール | 1,150円前後(2026年10月9日時点) |
| ティーチャーズ | スコッチ・ブレンデッド | スモーキー | ハイボール、ロック | — |
| カナディアンクラブ | カナディアン | 軽い(なめらか) | ジンジャーエール割り、水割り | 1,222円前後(2026年10月9日時点) |
| アーリータイムズ | バーボン | 甘い | ハイボール、ロック | — |
| エヴァンウィリアムズ ブラック | バーボン | 甘い | ロック、ハイボール | 1,899円前後(2026年10月9日時点) |
| オールドグランダッド | バーボン | スパイシー・甘い | ハイボール、ロック | 36,600円前後(2026年10月9日時点) |
| グレンマレイ エルギン クラシック | シングルモルト | 軽い(果実・麦芽) | トゥワイスアップ、ハイボール | 2,820円前後(2026年10月9日時点) |
| グレンフィディック 12年 | シングルモルト | 甘い(洋梨・樽) | ストレート、トゥワイスアップ | 3,960円前後(2026年10月9日時点) |
※価格は、メーカーが確認できた希望小売価格です。実際の店頭価格は店や時期で大きく変わり、メーカーの価格改定も続いています。購入の前に販売店で確かめてください。スモーキーさを求める人は、ピーテッドモルトを使っていると示す銘柄から選んでください。
予算を一段上げるなら:シングルモルトとの違いは香りの「芯」に出る
ブレンデッドは、グレーン原酒が香りの輪郭をなめらかにします。シングルモルト(1つの蒸溜所のモルト原酒だけで造ったもの)は、その蒸溜所の発酵と蒸溜の個性が、香りの芯としてそのまま出ます。グレンマレイ エルギン クラシックは、バーボン樽の熟成が中心です。麦芽と青い果実の香りがまっすぐ届き、蒸溜所の酒質を知る入口になります。グレンフィディック 12年は、アメリカンオークとシェリー樽の原酒を合わせています。洋梨の香りに樽の甘さが重なります。同じ量を注ぎ、数滴ずつ加水して比べると違いが分かります。ブレンデッドは香りがすぐ平らになりやすく、シングルモルトは加水で香りが開く傾向があります。
贈り物・訪日客への案内では「ジャパニーズウイスキー」表示を確かめる
日本洋酒酒造組合は2021年2月12日に表示基準を決め、同年4月1日から適用しました(2024年3月31日まで経過措置)。これは法律ではなく、業界の自主基準です。主な条件は次のとおりです。原材料は麦芽、穀類、日本国内でとった水に限り、麦芽を必ず使うこと。糖化・発酵・蒸溜を国内の蒸溜所で行い、蒸溜時の度数を95%未満とすること。700リットル以下の木製樽に詰めて、国内で3年以上貯蔵すること。国内で瓶詰めし、瓶詰め時の度数を40%以上とすること。なお、色を整えるためのカラメルの使用は認められています。そのため、ジャパニーズウイスキーでも色の濃さは熟成の長さの目安になりません。海外の原酒を混ぜた商品は、この表示ができません。
- ラベルや裏ラベルに「ジャパニーズウイスキー」の文字があるかを見る
- 「ウイスキー」とだけ書かれている国産銘柄は、海外原酒を使っている可能性があるため、メーカーの商品ページで原酒の説明を確かめる
- 「日本の」を条件にした贈り物や案内では、表示のある銘柄を選び、表示の意味も添えて伝える
安いウイスキーを美味しく飲む実務:ハイボール・水割り・トゥワイスアップの比率と手順
安い銘柄ほど、飲み方で評価が大きく変わります。ストレートでアルコールの刺激が強く感じられるのは、香りが弱いからとは限りません。エタノールの濃度が高いと、香りの成分の多くは液体の中に溶け込んだままになります。さらにエタノールの刺激が鼻の感覚を覆ってしまいます。加水して濃度が下がると、エタノールになじんでいた香りの成分が液面に出やすくなり、刺激も弱まります。そのため、同じ液体でも香りの量が増えたように感じられます。
比率と手順の早見表
| 飲み方 | 比率(ウイスキー:割り材) | 温度と氷 | 手順の要点 | 向くタイプの例 |
|---|---|---|---|---|
| トゥワイスアップ | 1:1(常温の水) | 氷なし・常温 | 少量加水で香りの変化を追ってから1:1にする | 銘柄の素性を確かめたいとき全般 |
| ハイボール | 1:3〜4(炭酸)。新樽の甘さが強いバーボンや角瓶は1:4、軽い銘柄は1:3寄り | グラス・ウイスキー・炭酸をすべて冷やす | 氷→ウイスキー→炭酸の順、縦に1回だけ混ぜる | アーリータイムズ、カティサーク |
| 水割り | 1:2〜2.5(水)。度数50%の銘柄は1:2.5〜3 | 氷で先にウイスキーを冷やす | ウイスキーを冷やしてから水を加え、軽く混ぜる | キリン 陸などグレーン主体の軽い銘柄 |
トゥワイスアップ:香りが開く点を探す
トゥワイスアップは、ウイスキーと常温の水を1:1で合わせる飲み方です。銘柄を評価するときは、いきなり1:1にしません。まず数滴ずつ水を加える少量加水で香りの開く点を探し、最後に1:1まで加えます。グラスは、口がすぼまったテイスティンググラスを使います。広がった香りが口の部分に集まるためです。少量加水の手順は次のとおりです。グラスを2つ用意し、それぞれに15mlずつ注ぎます。片方はストレートのまま比較用に残します。もう片方に、常温の軟水をスポイトで数滴ずつ加えます。加えるたびにグラスを軽く回し、香りをかぎます。最初の数滴で変化を確かめたら、その後は5mlほどずつ加え、15mlで1:1にします。香りが急に増える点があれば、そこがその銘柄の飲み頃です。冷たい水を使うと香りの成分が出にくくなるので、常温の水を使います。
ハイボール:炭酸を逃がさない手順
炭酸ガスは、液体の温度が低いほど多く溶け込みます。グラス、ウイスキー、炭酸をすべて冷やしておくのはこのためです。氷を入れてからウイスキーを注ぎ、ここで一度混ぜて冷やします。炭酸は氷に当てずに、グラスの内側に沿わせて静かに注ぎます。氷の表面の細かい凹凸が泡の出発点になり、ガスが抜けるからです。最後に、マドラーを氷の下に差し込んで、縦に1回持ち上げるだけにします。何度も混ぜると、そのたびに炭酸が抜けていきます。比率は早見表のとおり、銘柄のタイプで変えます。
水割り:グレーン主体の銘柄が向く理由
氷とウイスキーを先に混ぜて十分に冷やしてから、水を加えます。冷えた状態で薄めると、アルコールの角が立ちにくくなります。度数40%の銘柄を1:2〜2.5に割ると、およそ11〜13%まで下がります。この濃さでは、重いモルトの香りは輪郭がぼやけやすくなります。一方、連続式蒸溜で造った軽いグレーン原酒は、熟成で得た甘さとなめらかさが味の土台になっています。そのため、薄めても味のバランスが崩れにくく、食事にも合わせやすくなります。キリン 陸は度数50%なので、同じ1:2〜2.5では約14〜17%と濃くなります。早見表のとおり1:2.5〜3にすると、40%の銘柄に近い濃さでグレーンの柔らかさが出ます。
量をそろえると比較ができる
日本の店では、シングルを約30ml、ダブルを約60mlとすることが多いです。家でもメジャーカップで量を毎回そろえると、比率が一定になり、銘柄ごとの違いだけを比べられます。目分量で注ぐと、同じ銘柄でも日によって濃さが変わり、正しく評価できません。
開けた後の保管と、容量の選び方
瓶の中で液体が減って空気が増えるほど、酸化と香りの揮発が進みます。残りが3分の1を切ったら、早めに飲み切る目安にしてください。直射日光と高温を避け、瓶は立てて保管します。寝かせると、度数の高い液体が栓に長く触れて、栓が傷みやすくなるためです。
- 毎日ハイボールを飲む、または店で使う:大容量のペットボトルのほうが1杯あたりの単価を下げやすい
- 週に数回の家飲み、または複数の銘柄を飲み比べたい:700ml瓶なら、空気が増える前に飲み切りやすい
缶ハイボールという選択肢
トリスハイボール缶は、原材料の配合を見直した新しいレシピで、2025年12月下旬以降に発売されました。発売時の希望小売価格(税別)は350ml 178円、500ml 241円です(2026年10月の酒税改正より前の価格)。2026年10月1日の酒税改正で、缶ハイボールを含むRTD(そのまま飲める缶入りの酒)は増税になりました。今の価格は店頭で確かめてください。
失敗しない1本の決め方:よくある失敗例と条件別の判断基準

失敗例1:軽い銘柄をストレートだけで評価する
グレーン主体の軽い銘柄をストレートで飲み、刺激の強さから「安いからまずい」と判断してしまう例です。度数が高いと、エタノールの刺激が香りを覆います。評価には、ストレートとトゥワイスアップ用に15mlずつ、ハイボール用に別に30mlを用意し、次の順に行います。
- ストレートの15mlで、香りと口に含んだ味(パレット)を確かめる
- もう一方の15mlに少量加水し、最後に1:1のトゥワイスアップにして、加水で甘さが開くかを見る(モルトの比率や樽の影響があれば開き、グレーン主体の軽い設計なら平らになりやすい)
- 別の30mlをハイボールにして、炭酸の中で香りが残るかを見る
- どれでも平らに感じたら、その銘柄を割り材の多い飲み方に回す
評価の基準は「ストレートで美味しいか」ではありません。「どの飲み方で設計どおりの味になるか」で判断します。燻香の有無は手順では補えないため、欲しいならピーテッドモルトを使っていると示す銘柄を、避けたいならノンピートと示す銘柄を選びます。
失敗例2:古い価格で予算を組む
価格の改定は銘柄ごとに時期が違います。古い記事や値札の価格で予算を組まず、銘柄表の希望小売価格とメーカーの最新の案内、店頭の価格を照らし合わせてから決めてください。記事中の希望小売価格は、2026年10月時点のメーカー発表に基づきます。
失敗例3:家のハイボールが水っぽくなる
比率と温度は早見表のとおりです。水っぽくなる原因の多くは、氷が溶けた水です。次の3点で防げます。
- ウイスキーは冷凍庫で冷やしておく(度数が高いため凍らない)
- 氷とウイスキーを混ぜたあと、溶けて出た水をいったん捨ててから炭酸を注ぐ
- ひびの入った氷や小さい氷は表面積が大きく溶けやすいため、硬く大きい氷を使う
失敗例4:「国産」と「ジャパニーズウイスキー」を取り違える
国産でも海外原酒を含む商品は「ジャパニーズウイスキー」と表示できません(基準は贈り物・訪日客への案内の節を参照)。贈り物では、ラベルの表示を確かめてから選んでください。
条件別の判断基準
| 条件 | 向くタイプ | 銘柄の例 | 予算の目安 |
|---|---|---|---|
| 毎日ハイボールを飲む | ハイボール前提で設計された国産ブレンデッド | 角瓶、トリスウイスキー | —、— |
| 焼酎の水割りから乗り換える | なめらかで角の立たないカナディアン | カナディアンクラブ | 1,222円前後(2026年10月9日時点) |
| ストレートでも楽しみたい | モルトの芯があるシングルモルト | グレンフィディック 12年 | 3,960円前後(2026年10月9日時点) |
| 甘い味が好き | 新樽の甘さが出たコーン主体のバーボン | エヴァンウィリアムズ ブラック | 1,899円前後(2026年10月9日時点) |
| スモーキーな味を試したい | モルト比率が高く、核となるアードモアのピーテッドモルトが燻香を担うブレンデッド | ティーチャーズ | — |
| 贈り物や外国人の案内 | 「ジャパニーズウイスキー」表示のある銘柄 | 山崎NV、白州NV(表示を確かめる) | —、— |
酒販店・バーで低価格帯をハイボール用に置く場合
700ml瓶からシングル30mlを取ると、計算上は23杯です。実際にはこぼれや瓶に残る分があるため、22杯前後で原価を計算すると安全です。1杯の原価は、ボトルの仕入れ値を杯数で割った額に、炭酸・氷・レモンの費用を足して出します。販売価格は、この原価を店の目標とする原価率で割り戻して決めます。注ぐ量の管理はメジャーカップで行います。比率は銘柄ごとに決め、その比率をレシピとして固定します。量と比率がぶれると、原価も味も一定になりません。提供する杯数が多い店では、1.8Lなどの大容量品を選ぶと1杯あたりの原価を下げやすくなります。銘柄は、決めた比率で香りの骨格が残るかどうかを、失敗例1の手順で試してから決めてください。
よくある質問
ストレートを頼むとき、チェイサーや加水用の水はどう頼めばよいですか?
チェイサーと加水用の水は別物です。チェイサーは、ウイスキーの合間に飲んで口の中を整える水で、冷たい水で出されることが多くあります。グラスに加えるためのものではありません。香りを開かせたいときは、「加水用に常温の水を少しください」と別に頼みます。スポイトや小さなピッチャーで出す店もあります。少しずつ加えて、香りの変化を確かめてください。
同じ銘柄なのに、前に買ったボトルと味が違うと感じるのはなぜですか?
ブレンデッドは、毎回同じ樽の原酒を使えるわけではありません。樽ごとに熟成の進み方が違うため、ブレンダーは手元にある原酒の状態を見て配合を調整し、味をそろえています。それでも細かな差は出ます。トリスウイスキーのように名称やパッケージが変わる時期もあるので、比べるときはラベルの表記も確かめてください。
大容量ペットボトルのウイスキーを、小さな瓶に移し替えてもよいですか?
移し替えは有効です。理由は本文の保管の節のとおりです。瓶はぬるま湯でよくすすぎ、洗剤を使った場合は香りが残らないよう何度もすすぎます。その後、口を下にして数日置き、内側を完全に乾かしてください。水滴が残っていると、度数や香りが変わる原因になります。移し替えた瓶には、銘柄名と移し替えた日付をラベルに書いておくと、飲み比べや飲み切りの管理がしやすくなります。
家でハイボールを作るとき、炭酸水はどう選べばよいですか?
見るべき点は3つあります。1つ目はガスの強さです。強炭酸は、氷に触れたり混ぜたりしてガスが抜けても刺激が残りやすく、甘さの強い銘柄を引き締めます。通常の炭酸は当たりが柔らかく、軽い銘柄の香りを邪魔しません。2つ目は容量です。大きいボトルは開け閉めのたびにガスが抜けるため、家で飲む量が少ないなら、1回で使い切れる小容量のほうが向いています。3つ目は味です。香り付きの炭酸水はウイスキーの香りと重なるため、銘柄の違いを比べたいときは無味のものを選んでください。
出典・参考にした情報

この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。