終売・休売情報

ブラントン終売は本当?ブラック・ゴールド・フロムザバレルの現状

ブラントンは終売していません。ブラック・ゴールド・ストレート・フロム・ザ・バレルを含む4種の2026年10月時点の現状と参考小売価格、品切れと終売の見分け方、宝酒造の公式ページで現行品か確かめる手順を解説します。

本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。 掲載している商品の価格・在庫は変動するため、最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

結論:ブラントンは終売していない|2026年10月時点の公式4種と参考小売価格

ブラントンは終売していません。 2026年10月の確認時点で、輸入元の宝酒造の商品情報ページには、ブラントン、ブラントン ゴールド、ブラントン ブラックの3種が載っています。どれにも終売の表示はありません。販売ルート限定のブラントン ストレート・フロム・ザ・バレルは、この商品情報ページには載っていません。ただし、2026年6月のニュースリリースで現行品として案内されています。店頭や通販で見かけないのは、品切れか販売ルートの違いによるものです。製造や輸入が終わったわけではありません。「ブラックは終売」という話もメーカー情報と合いません。ブラックは公式の商品詳細ページに今も掲載されています。

商品名度数容量参考小売価格(税抜)価格の出どころ
ブラントン ブラック40%750ml9,000円宝酒造の商品詳細ページ(2026年10月確認。公式オンラインショップでは税込9,900円で購入できる状態)
ブラントン46.5%750ml18,000円SFWSC2026の受賞を伝える2026年6月24日付の報道(報道ベース・公式未確認)
ブラントン ゴールド51.5%750ml27,000円同上(報道ベース・公式未確認)
ブラントン ストレート・フロム・ザ・バレル(販売ルート限定)66%750ml33,000円同上(報道ベース・公式未確認)

表の数字は、すべて2026年10月に確認したものです。ブラック以外の3種は、宝酒造の商品詳細ページで参考小売価格を確認できていません。報道に基づく数字として扱ってください。店頭の販売価格は各販売店が決めます。この表は「上乗せがどの程度か」を測る基準として使ってください。

度数表記は日本と米国で違う

海外のレビューと比べるときは、米国表記(プルーフ)との対応に注意が必要です(「4種の違いと選び方」の章の表を参照)。

価格は「確認日つき」で扱う

宝酒造は2026年6月11日に、2026年10月1日出荷分からの価格改定を発表しました。この改定の対象にブラントンは入っていません。過去の改定履歴は、次章の表で整理しています。

現行品かどうかを公式ページで確かめる手順

  1. 宝酒造の商品情報ページで「ブラントン」を検索し、商品詳細ページに度数・容量・参考小売価格が載っているかを見る
  2. 詳細ページに「終売」「販売終了」の記載がないかを確認する
  3. 宝酒造オンラインショップの商品ページで在庫表示を見る。「品切れ」「販売休止」は在庫の状態を示す表示にすぎない。ほかの通販サイトの表示も同じように読む。「在庫切れ」はその店の在庫の状態を示し、「取扱終了」はその店が扱いをやめたという意味で、どちらもメーカーの終売とは別のこと。1つの店の表示で結論を出さず、商品情報ページに掲載が残っていれば終売ではないと判断する
  4. ストレート・フロム・ザ・バレルは販売ルート限定のため、商品情報ページに載っておらず、一般の酒販店の棚にないのも通常の状態。現行品かどうかは宝酒造のニュースリリースで確かめる。酒販店やバーは、取引先の卸に入荷枠と仕入れ価格を確認する

SFWSC2026でも評価を受けている

サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2026では、ブラントンとストレート・フロム・ザ・バレルがダブルゴールド、ゴールドがシルバーを受賞しました。2026年も受賞が続いていることは、これらが現行品として評価を受けている裏付けになります。

なぜ「終売」と言われるのか|値上げ・品切れ・販売休止・限定品を時系列で整理

ウイスキーのイメージ写真

「ブラントンは終売」という話は、性質の違う出来事が重なって広まりました。大きく分けると、続いた値上げ、店頭の品切れ、期間を区切った販売休止、数量限定品の売り切れ、海外の「限定」情報の5つです。どれも、製造や輸入が終わったことを示すものではありません。

値上げの履歴|公式に確認できる改定

時期内容理由(公表ベース)
2017年1月値上げ(2020年の発表で「2017年1月以来」とされた改定)公表内容は未確認
2020年5月1日出荷分ブラントン全品を値上げ(2020年2月25日発表)米国内のバーボン原酒の品薄、原材料費・物流費の上昇
2023年11月1日出荷分全6品の参考小売価格を20〜23%値上げ(2023年7月27日発表)現地での製造コスト上昇による輸入価格の高騰
2024年10月1日出荷分洋酒を含む価格改定(2024年6月6日発表)。参考小売価格(税抜)はブラントンが16,500円→18,000円、ゴールドが24,500円→27,000円―
2026年10月1日出荷分宝酒造の価格改定の対象にブラントンは入っていない(2026年6月11日発表)―

公式に確認できるブラントンの値上げは、2020年5月1日出荷分、2023年11月1日出荷分、2024年10月1日出荷分の3回です。2020年の理由にある「原酒の品薄」は、熟成期間とシングルバレルの選別という製造の仕組みから来ています(「品薄が続くのはなぜか」の章で詳しく説明)。値上げのたびに「出荷が減った」「もう入らない」という声が出て、それが「終売」と言い換えられて広まりました。

2024年10月の改定は、リリース本文に品目別の価格が載っていません。 2024年6月6日の発表は、洋酒を含む2024年10月1日出荷分からの価格改定です。2023年改定後の参考小売価格(税抜)は、ブラントンが16,500円、ゴールドが24,500円でした。これが現在の18,000円と27,000円に変わっていることから、この改定でブラントンも値上げされたと判断できます。値上げを確かめるときは、宝酒造のニュースリリースで「発表日」と「何月何日の出荷分からか」の2点を見てください。この2点が書かれていない情報は、仕入れや値付けの判断に使わないでください。

2023年の対象は6品|ギフトセットとミニチュアも入る

2023年の値上げ対象は、750ml、ゴールド750ml、ブラック750ml、ストレート・フロム・ザ・バレル750ml(販売ルート限定)、ギフトセット750ml、ミニチュア50mlの6品です。ボトルの種類が4つなのに対象が6品なのは、ギフトセットとミニチュアが別の品目として数えられているためです。贈答用に箱入りを探す人や、試飲用・手土産用に50mlを扱う酒販店は、この2品にも改定が及んでいることを前提に価格を確認してください。ギフトセットだけが棚から消えても、それは中身の銘柄の終売を意味しません。

終売・休売・欠品はそれぞれ意味が違う

  • 終売:メーカーが製造や輸入を終えること。宝酒造の商品情報ページから掲載が消え、終売の告知が出る
  • 休売・販売休止:一時的に販売を止めていて、再開が予定されている状態。販売店の「9月末頃まで販売休止」のように期限の目安が付く
  • 欠品:その店に在庫がないだけの状態。メーカー側の供給は続いている
  • 販売ルート限定:取り扱う経路が限られている商品。ストレート・フロム・ザ・バレルがこれにあたる
  • 数量限定品の終売:記念セットなど本数が決まった商品の売り切れ。通常品の継続とは関係しない

海外の「限定」が日本で「終売」に変わる理由

米国では、ゴールドとストレート・フロム・ザ・バレルは、もともと一部の国際市場だけで売られていました。2020年からは米国内でも年1回の限定リリースになっています。英語圏のレビューや販売情報にある「limited」「hard to find」は、米国内での出方を指しています。これが訳されて伝わるうちに「日本でも買えなくなる」「終売」と受け取られやすくなります。日本向けの供給状況は、宝酒造の情報で判断してください。

通販の「在庫切れ」「取扱終了」の読み方

通販の表示の読み方と、宝酒造の商品情報ページとの照らし合わせ方は、前の章の「現行品かどうかを公式ページで確かめる手順」にまとめています。

ブラントン ブラックは終売?公式の掲載状況・JANコード・40%の意味

ブラントン ブラックは終売していません。 前の章で触れたとおり、2026年10月の確認時点で、宝酒造の商品詳細ページにブラックが掲載されており、終売の表示もありません。店頭で見かけないのは品切れによるもので、商品がなくなったわけではありません。

公式の仕様|ブラックを特定する5つの項目

項目宝酒造の公表内容
度数40%
容量750ml(カートン入り)
原材料モルト・グレーン
JANコード4904670305150
参考小売価格9,000円(税抜)/税込9,900円

宝酒造は、ブラックを「ブラントンの味と香りはそのままに、口当たりをややマイルドに仕上げた」シングルバレル(1つの樽の原酒だけを瓶詰めする方式)の商品と説明しています。

店頭・通販で正規の現行品かを見分ける手順

  1. JANコードを照合する。瓶やカートンのバーコード下の数字が4904670305150と一致するかを見る。通販では商品ページのJAN欄で確認する
  2. 「正規輸入品」の表記を確認する。店頭では裏ラベルの輸入者表示が宝酒造かどうかも見る
  3. 度数が40%であることを確かめる。46.5%や「93 PROOF」と書かれていれば、それはブラックではない。米国の標準品など、別の商品にあたる
  4. ラベルの手書き情報を確かめる。ブラントンのラベルには、瓶詰め日(Dumped on)、樽番号(Barrel No.)、熟成庫(Warehouse)、ラック番号(Rick No.)、ボトル番号が手書きで記される。通販では、これらが読み取れる画像があるかを見る
  5. これらがそろわない出品は、並行輸入品か別の商品と考える。贈答用や店の在庫にする場合は、購入前に販売者へ確認する

40%の意味|米国の標準品とは別の商品

ブラックは日本など一部の市場に向けた商品です。米国の標準品(46.5%)の度数を表記違いで示したものではありません。度数の差には、瓶詰め時の加水量が直接効きます。ただし、製品ごとの樽の選別基準や熟成年数が同じかどうかは公表されていません。そのため、香味の違いがすべて加水によるとは言えません。ブラックは標準品より若い樽を使うという見方もありますが、これも公表された情報ではありません。ブラックは標準品より度数が低い分、エタノールが鼻や舌に与える刺激が弱くなり、口の中で感じる油のような厚み(ボディ)も穏やかになります。ストレートで飲んでも刺激が少なく、ハイボールや水割りにすると軽い飲み口になります。

ブラックと標準品の違いが加水だけによるものかどうかは、度数をそろえて飲み比べると確かめられます。46.5%の標準品30mlに水を約5ml加えると、度数は約40%になります。同じ形のグラスに注ぎ、香りの立ち方と余韻の長さを比べます。度数をそろえても差が残る場合、その差は加水以外の要因によるものです。つまり、樽の選別基準の違いか、樽ごとの個性です。1本ずつの比較では、どちらによるものかを判別できません。シングルバレルは1樽ずつ瓶詰めするため、同じ銘柄でも瓶ごとに香味が少しずつ違います。なお、マッシュビル(穀物の配合比率)や冷却濾過(低温で濁りの成分を取り除く処理)の有無は公表されていません。違いの理由をこれらに求めるのは推測にとどまります。

特に見つかりにくい理由と、割高かどうかの判断基準

ブラックは現行4種で最も安く、「まず1本試したい」人や贈答用の需要が集中します。そのため入荷してもすぐに売り切れます。量販店ではで並ぶこともあります。この価格を税込9,900円と比べて判断します。

販売価格(税込)判断
9,900円+実際の送料まで正規の水準。照合が済めば購入してよい
それを超える正規品かどうかを照合したうえで、超えた額を「確実に手に入れるには」の章の基準で判断する。公式オンラインショップの再入荷を待つかどうかも比べて決める

「ブラックはなくなる」「最後の入荷」を確かめる方法

  • 販売者に「最後の入荷」の根拠を尋ねる。根拠が「その店への次回入荷が未定」という意味なら、メーカーの終売とは別のこと。根拠を示せない販売文句は、価格や購入時期を判断する材料にしない

品薄が続くのはなぜか|シングルバレル・ウェアハウスH・熟成年数から見る供給の仕組み

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ブラントンの品薄は、人気だけでなく製造の仕組みから来ています。ブランドの所有者は宝ホールディングス傘下のAge International, Inc.です。蒸溜はSazerac社が独占的に担い、ケンタッキー州フランクフォートのバッファロートレース蒸溜所でつくられます。1984年にマスターディスティラーのエルマー・T・リーが立ち上げ、「シングルバレルとして売り出された最初の現代バーボン」とされています。つまり、ブランドを持つ会社と原酒をつくる会社が分かれています。出荷量は、蒸溜所の熟成庫で育った樽の量に左右されます。

シングルバレルは「選ばれた樽の数」で出荷量が決まる

多くのバーボンは、数十から数百の樽を混ぜて(ヴァッティング)味を揃えます。この方式なら、個性の強い樽も弱い樽も、配合で吸収して製品にできます。シングルバレルは1つの樽の中身だけを瓶詰めするため、樽1本ごとに基準を満たすかどうかを判断します。基準から外れた樽は、ブラントンとしては出荷できません。そのため、熟成させた樽のうち製品になる割合(歩留まり)が下がります。また、混ぜて平均化しないので、樽ごとの個性がそのまま瓶に出ます。同じ銘柄でも瓶によって甘さやスパイス感が違うのは、このためです。

ウェアハウスH|金属張りの熟成庫が香味と量の両方を決める

ブラントンは伝統的に、ウェアハウスHの樽から選ばれてきたとされます。ウェアハウスHは、バッファロートレースで唯一の金属張りの熟成庫です。煉瓦や石造りの庫に比べると、壁が熱をため込まないため、外気温の変化がそのまま庫内に伝わります。気温が上がると原酒は膨張し、内面の焦げ層を通って樽材に入り込みます。気温が下がると収縮し、樽材から糖分やバニリンなどの成分を連れて戻ります。寒暖差が大きいほどこの出入りが増え、香味は濃くなります。

熱は蒸発の仕方も変えます。温度が高く湿度の低い環境では、水がエタノールより先に蒸発します。そのため樽の中の度数が上がりやすく、蒸発で失われる量(エンジェルズシェア)も大きくなります。湿度の高いスコットランドの熟成庫では逆に度数が下がる傾向があり、これと対照的です。ストレート・フロム・ザ・バレルの66%という高い樽出し度数も、この環境と結びついています。同時に、目減りが大きいほど1樽から瓶詰めできる量は減ります。ブラントンはウェアハウスHを中心に熟成されるとされ、同じ条件の熟成庫はすぐには増やせません。新しい庫を建てても、同じ条件の原酒がすぐに手に入るわけではありません。

熟成期間が生む時間差

ブラントンの熟成年数はラベルに表示されず、公表されていません。ただし、ストレート・バーボンの表示要件(2年以上)を大きく上回る年数の原酒を使っています。そのため、増産しても瓶詰めに回るまで数年単位の時間差が生じます。2026年に需要が伸びて仕込みを増やしても、その原酒が瓶詰めされるのは数年後です。いま店に届いている量は、何年も前に何樽仕込んだかで決まっています。2020年の値上げ理由が「米国内のバーボン原酒の品薄」だったのは、この時間差を短期間では埋められないためです。

新樽の義務が樽のコストを下げにくくする

米国の規則では、バーボンは内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させなければなりません。スコッチのように樽を何度も使い回して費用を分散することができず、仕込む樽の数だけ新しい樽を買う必要があります。使い終えた樽は主にスコッチなど他の酒の熟成に回ります。樽材の調達と製樽の費用は、仕込み量に比例して毎回かかります。2023年の値上げ理由「現地での製造コスト上昇による輸入価格の高騰」は、こうした量を増やすほど費用が積み上がる構造と結びついています。

公表されていない仕様

マッシュビル(原料穀物の配合比率)は、Buffalo Trace Mashbill #2(ライ麦比率の高いレシピ)と広く言われています。ただし、メーカーは比率を公表していません。樽の焦がし具合(チャーの等級)も、公式な数字は公表されていません。

この仕組みを前提にした判断基準

  • 個人で購入する場合:品薄は数年単位で続く前提で考える。入荷を待つより、公式オンラインショップの在庫表示をこまめに確認するほうが確実
  • 酒販店の仕入れ:一度の入荷量で次回の入荷を見込まない。卸に年間の割当と入荷の周期を確認する
  • バーの場合:ラベルに手書きされた樽番号と瓶詰め日を控え、樽番号ごとに香味メモを残す。シングルバレルでは1樽が1ロットにあたるため、樽番号が変われば香味が変わる前提でメニューの香味の説明を更新する
  • 贈答の場合:時期の決まった贈り物は、在庫を確認できた時点で早めに確保する

4種の違いと選び方|度数と加水の有無で変わる香味、バーでの1杯あたりの原価

現行4種で最も分かりやすい違いは、**加水量(度数)**です。ただし、ゴールドとストレート・フロム・ザ・バレルは、高い度数で出すことを前提に樽が選ばれます。原酒の度数や熟成の進み方による選別です。つまり、度数(加水量)と、それに合わせた樽の選定の両方で違いが生まれます。ブラックの40%については前の章で触れました。米国のプルーフ表記との対応は、下の表にまとめています。

商品度数(米国表記)公式に確認できる製法香味の傾向向いている人・用途
ブラック40%(米国に同じ商品なし)シングルバレル。濾過の有無は非公表刺激が穏やかで軽い初めての1本、食中酒、ハイボール
ブラントン46.5%(93プルーフ)シングルバレル。濾過の有無は非公表甘さ・樽香・スパイスの釣り合いが取れている基準の味を知りたい人
ゴールド51.5%(103プルーフ)シングルバレル。濾過の有無は非公表厚みとタンニンの渋みが増す度数の強さと重さを求める人
ストレート・フロム・ザ・バレル66%加水も濾過もせず、樽からそのまま瓶詰め原酒の濃さがそのまま出る原酒そのものを味わいたい人、加水による変化を確かめたい人

加水が少ないほど、樽由来の要素が前に出る

バーボンの甘い香りの多くは樽から来ます。内側を焦がした新樽では、焦げ層の下で熱分解した木材からバニリン(バニラの香り成分)が生まれ、焦げた糖分がキャラメルやトーストの香りになります。オークからはタンニンも溶け出し、渋みや引き締まった後味を生みます。加水はこれらの成分を一様に薄めます。そのため度数が高いほど、バニラやキャラメルの香り、タンニンの渋み、舌を覆うオイリーな口当たりが強く出ます。ただし、ゴールドの厚みやタンニンは度数だけで説明できるとは限りません。樽の選別基準の違いが加わっている可能性があり、その基準は公表されていません。

ただし、度数が高ければ香りも立つわけではありません。エタノールの濃度が高いと、鼻を刺す刺激が他の香りを覆います。66%のまま香りを取ると、アルコールの刺激しか感じられないことが多くあります。濾過していない原酒は、加水や冷却で白く濁ることがあります。これは脂肪酸エステルなどの成分が残っているためで、品質の問題ではありません。ほかの3種の冷却濾過の有無は公表されていないので、濁りの出方で判断しないでください。

66%を段階的に加水して確かめる手順

  1. 瓶のラベルの度数を確認する。無加水の樽出し原酒なので、樽ごとに度数が異なることがある。66%と異なる場合は「注いだ量×ラベル度数÷目標度数−注いだ量」で加える水の量を計算し直す(以下の水量は66%の場合)
  2. チューリップ型のテイスティンググラスに30mlを注ぐ。まずは鼻を近づけすぎず、グラスの縁から少し離して香りを取る
  3. 常温の軟水を約6ml加えて約55%にする。グラスを軽く回し、1分ほど置いてから香りを取る
  4. さらに約6.5ml加え、合計約12.5mlで約46.5%にする。標準品と同じ度数で、香りの立ち方を比べられる
  5. 合計約19.5mlで約40%になる。香りが開ききる度数と、甘さや厚みが痩せ始める度数の境目を記録する

水の量は、アルコールと水が混ざると体積がわずかに縮む分を考えない概算です。スポイトで少しずつ加え、一度に入れすぎないようにします。飲み方全般は「ブラントンの飲み方・種類・味わいの完全ガイド」(/complete-guide-blantons-whiskey-how-to-drink-types-taste-buying/)で詳しく扱っています。

条件別の選び方

  • 初めて飲む人、食事に合わせる人:ブラック。刺激が穏やかで、価格の負担も小さい
  • ハイボールにする人:価格を抑えたい、軽く飲みたいならブラック。ただし割ると4種で最も軽くなるため、樽香を残したい場合はブラントン(46.5%)を使う
  • ブランドの基準の味を知りたい人、海外のレビューと比べたい人:ブラントン(46.5%)
  • 度数の強さと厚みを求める人、ロックで氷が溶けても味の芯を残したい人:ゴールド
  • 加水による変化を自分で確かめたい人、原酒そのものを味わいたい人:ストレート・フロム・ザ・バレル

バーでの1杯あたりの原価の出し方

750mlをシングル30mlで注ぐと25杯とれます。参考小売価格(税抜)を25で割ると、1杯あたりの原価はブラックが約360円、ブラントンが約720円、ゴールドが約1,080円、ストレート・フロム・ザ・バレルが約1,320円です(ブラック以外は報道ベース・公式未確認の価格で計算)。実際の計算では、参考小売価格の代わりに自店の仕入れ値(税抜)を使います。注ぎこぼしや試飲に回す分を見込む店は、25杯ではなく24杯で割ってください。

販売価格は「1杯あたりの原価÷目標の原価率」で求めます。たとえば原価率を30%に置く店なら、ブラントンの30mlは720円÷0.3で2,400円が目安です(報道ベース・公式未確認の価格による例)。原価率は店の方針で変わるため、数字は自店の基準に置き換えてください。ゴールドとストレート・フロム・ザ・バレルは15mlのハーフショットも用意すると、価格の負担を抑えて注文してもらいやすくなります。

確実に手に入れるには|定価で買うルート、転売価格の見極め、贈答の注意、代わりの銘柄

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定価で買う近道は、輸入元の宝酒造オンラインショップと正規取扱店の2つです。2026年10月の確認時点で、公式オンラインショップのブラックは税込9,900円で購入できる状態でした。

定価で買うルート

  • 宝酒造オンラインショップ:商品ページの在庫表示を確認する。「品切れ」でも掲載が残っていれば、再入荷を待てる
  • 正規取扱店:入荷の頻度と、予約や抽選の有無を問い合わせる。入荷のタイミングが分かれば、何店も回る必要がなくなる
  • ストレート・フロム・ザ・バレル:販売ルート限定のため、一般の店では見かけにくい。正規の取扱店に、まず扱いがあるかどうかを尋ねる

転売価格を見極める基準

判断の基準は、参考小売価格(税込)に実際の送料を足した額です。税込に換算すると、ブラックは9,900円、ブラントンは19,800円、ゴールドは29,700円、ストレート・フロム・ザ・バレルは36,300円です(ブラック以外は報道ベース・公式未確認の参考小売価格からの換算)。店頭や通販の価格がこの額に送料を足した範囲に収まれば、正規の水準です。それを超える上乗せは、超えた額が送料の何倍かで判断します。上乗せが送料の何倍にもなる場合は、流通の手間では説明できない転売価格と考えます。期日のない買い物なら、正規ルートの入荷を待つほうが確実です。

  • 並行輸入品:「93 PROOF」などプルーフ表記の英語ラベルだけで、日本語の度数表示(46.5%)や宝酒造の輸入者表示がないもの。正規品とは流通経路が違うため、価格の比較に使わない
  • 箱なし:贈答に向かず、保管の状態も確かめにくい
  • キャップだけ・空き瓶との組み合わせの出品:中身の保証がない。収集目的と割り切れる場合に限る

8種類の馬と騎手のキャップ

キャップは8種類あり、それぞれに刻まれた文字を並べると「B-L-A-N-T-O-N-'S」になります。馬の姿も、スタートからゴールまでの連続した場面になっています。メーカーが特定の文字を希少品として案内した事実はありません。中身の香味は樽ごとに違いますが、キャップの文字とは関係しないため、どのキャップかで値段に差をつける販売には根拠が乏しいと考えてください。

海外の知人や訪日客に贈るとき

ブラックは米国の標準品とは別の40%の商品なので(「ブラントン ブラックは終売?」の章を参照)、米国在住の人には珍しい手土産になりえます。ただし、持ち込める酒類の免税範囲や数量の制限は国によって違います。贈る前に、相手国の税関が公表している規定を確認してください。瓶は機内持ち込みの液体制限にかかるため、預け荷物にするのが基本です。箱入りのまま緩衝材で包むと、割れを防げます。

代わりの銘柄|製造元と度数で選ぶ

銘柄製造元度数(米国表記)比べどころ
イーグルレア 10年バッファロートレース蒸溜所90プルーフ(45%)同じ蒸溜所で、ライ麦比率の低いレシピとされる原酒を10年熟成。穀物の配合や樽の選び方が同じとは限らないため、熟成年数だけの違いとしては比べられない。同じ蒸溜所の個性が共通して出るか、ブラントンのスパイス感がレシピ由来か熟成由来かを考える手がかりになる(レシピは非公表)
ウッドフォードリザーブブラウン・フォーマン社のウッドフォードリザーブ蒸溜所90.4プルーフ(45.2%)ポットスチルで蒸溜した原酒を含み、ブラントンとは系統の違う樽香
エライジャクレイグ スモールバッチヘブンヒル94プルーフ(47%)少数の樽を混ぜる方式。ブラントン46.5%に近い度数で樽香を比べられる

3銘柄とも度数がブラントン(46.5%)に近いため、アルコールの刺激の差に引きずられずに、製造元による香味の違いを比べられます。日本で流通している品は度数表示が米国と異なる場合があるので、ラベルで確かめてください。

よくある質問

4種を飲み比べるときは、どの順番で注ぐのがよいですか?

度数の低い順に、ブラック40%、ブラントン46.5%、ゴールド51.5%、ストレート・フロム・ザ・バレル66%と進めます。高い度数から飲むと、アルコールの刺激で鼻と舌の感覚が鈍ります。そうなると、後に飲む軽い1杯の香りを拾えません。同じ形のグラスに同じ量を注ぎ、合間に常温の水で口を戻すと差が分かりやすくなります。

ブラックでハイボールをつくるとき、香りを残すコツはありますか?

比率と温度を押さえることです。一般的な基準は、ウイスキー30mlに対して炭酸水90〜120ml(1:3〜1:4)です。45mlで作るなら炭酸水は135〜180mlになります。ブラックは40%と4種で最も度数が低く、割ると軽くなりやすいので、1:3寄りにすると味が痩せにくくなります。グラス、ウイスキー、炭酸水はすべてよく冷やしておきます。温度が高いと炭酸が抜けやすく、氷も早く溶けて味が薄まります。手順は次のとおりです。グラスに氷を詰めて回し、グラスが冷えたら溶けて出た水を捨てます。氷を足してからブラックを注ぎ、軽く混ぜて冷やします。炭酸水は氷に当てないよう縁から静かに注ぎます。最後はマドラーで縦に一度持ち上げる程度にとどめると、泡を保ったまま樽由来の甘い香りが立ちます。

開栓直後と、しばらく経ってからでは香りが変わりますか?

変わります。開栓直後はエタノールの刺激が前に出て、甘い香りが閉じて感じられることがあります。空気に触れるうちに刺激が落ち着き、バニラやキャラメルの香りを取りやすくなります。ただし空気に触れる時間が長すぎると、華やかな香りから先に弱まります。開けたら注ぐたびに香りを記録し、瓶ごとの飲み頃を見極めてください。保存では、残量が半分を切ったら小瓶へ移し、瓶の中の空気を減らして酸化を遅らせます。高い度数の液体が触れ続けるとコルクが傷むため、瓶は立てて保管します。直射日光と高温も避けてください。

バーで同じ銘柄の新しい瓶を開けたとき、前の瓶との違いをメニューにどう書けばよいですか?

まず、新しい瓶のラベルに手書きされた樽番号と瓶詰め日を控えます。前の瓶が残っていれば、同じ形のグラスに同じ量を注いで並べ、香り、口当たり、余韻の違いを短い言葉で記録します。メニューには「樽番号○○」と樽番号を添え、香味の説明をその樽の記録に合わせて書き換えます。樽番号が同じなら同じ樽の原酒なので、説明はそのまま使えます。シングルバレルでは瓶ごとに樽が変わりうることを一行添えておくと、前回と味が違うと感じた客への説明にもなります。

ストレート・フロム・ザ・バレルをカウンターで出すとき、加水用の水はどう添えればよいですか?

常温の軟水を、小さなピッチャーかスポイトで別に添えます。最初の一口は加水せずに試し、そのあと数滴ずつ加えて香りの変化を見てもらうよう伝えます。冷たい水は香りを閉じやすいので避けます。度数は樽ごとに異なるため、ラベルの度数を確かめてから案内してください。目標の度数を聞かれたら、「注いだ量×ラベル度数÷目標度数−注いだ量」で加える水の量を出せます。66%の30mlなら、約12.5mlで約46.5%になります。

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。