ウイスキー買取価格の相場表|山崎・響・白州の査定額を比較
2026年10月時点の山崎・白州・響の買取掲載額を大黒屋とキングラムリカーで比較。差額は最大6,000円で、箱や付属品、容量など条件の違いで比較が成り立たない点と、事前査定で比べる際の確認ポイントを解説します。
2026年10月の買取相場:山崎・白州・響の掲載買取額を2社で比較
2026年10月時点の主要銘柄について、大黒屋とキングラムリカーの価格表から同じ銘柄の行を並べ、各社が付けている条件を併記しました。条件は店ごとに書き方が異なり、金額だけを比べると判断を誤ります。
- 大黒屋:ウイスキー買取価格表。2026年10月3日更新。価格表には宅配買取と店頭買取の両方の案内がある
- キングラムリカー:価格表は「2026年10月」の表示、山崎18年の個別ページは2026年9月29日更新。法人・業者からの買取はできないと明記している
- 確認時点:2026年10月上旬。各社の更新日が揃っていないため、表の金額は同じ日の査定額ではない
- 容量:容量が違うボトルは別の行・別の額になる。手元のボトルの容量が、該当する行の容量と一致しているかを確認する
表の差額は、掲載されている参考額同士の比較です。確定した査定額の差ではありません。売るかどうかは、同じ日に各店から取った事前査定額で判断してください。バーや酒販店など事業者の在庫には、キングラムリカーの掲載額は当てはまりません。
| 銘柄 | 大黒屋の掲載額と条件 | キングラムリカーの掲載額と条件 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 山崎(年数表記なし) | 9,000円 | 9,500円(背面ラベル下部にQRコード印字がある場合。印字がなければ1,000円減額) | 500円(キングラムリカーのQRコード印字ありの額との差) |
| 山崎12年 | 19,000円(ホログラムシール・箱あり) | 20,500円(ホログラムシールあり。箱の有無は問わない) | 1,500円 |
| 白州12年 | 19,000円(箱・ホログラムシールあり) | 20,500円(同条件) | 1,500円 |
| 響17年 | 50,000円(指定の箱あり) | 50,000円(休売直前タイプの上開き箱あり) | 同額(箱の型の条件が異なる) |
| 響21年 | 68,000円(現行箱・ホログラム・QRコードシールあり) | 72,000円(箱・ホログラム・QRコードシールあり) | 4,000円 |
| 山崎18年 | 87,000円(箱・ホログラム・QRコードシールあり) | 93,000円(同条件) | 6,000円 |
| 山崎25年 | 800,000円(新型・ホログラム・QRコードシール付きの完品) | 掲載なし | 比較不可 |
今回比較できた掲載額の差は最大6,000円
差額を比べられたのは5銘柄です。山崎(年数表記なし)が500円(キングラムリカーのQRコード印字ありの額との比較)、山崎12年と白州12年が1,500円、響21年が4,000円、山崎18年が6,000円でした。比率で見ると、どれも1割に届きません。
響17年は同額ですが、箱の条件が異なります。山崎25年は比較できません。このため、どちらも差額の比較には含めていません。この5銘柄では、掲載額が高い銘柄ほど差額も大きくなりました。ただし比較できた銘柄が少なく、価格帯全体の傾向とまでは言えません。
掲載額が80万円の山崎25年では、1社の見積もりだけで売却を決める理由はありません。今回の2社では同条件の比較ができないため、他の店にも「新型・ホログラム・QRコードシール付き完品」という同じ条件を伝えて見積もりを取ることが前提になります。
条件が一つ違うと、比較が成り立たない
響17年は両社とも同額ですが、箱の型の条件が異なります(詳しくは休売の章で説明します)。手元の箱が上開きかどうかを先に確認してください。
響21年も、大黒屋は「現行箱」、キングラムリカーは「箱」と、条件の書き方が違います。旧仕様の箱が付いたボトルでは、大黒屋の68,000円がそのまま当てはまらない可能性があります。
山崎18年では、付属品が1つ欠けたときの減額が、2社の差額(最大6,000円)より大きくなります(次の章の減額表を参照)。ただし、キングラムリカーの山崎12年のように箱の有無を問わない掲載もあります。付属品による減額は、銘柄と店ごとに確認してください。
掲載額は「条件を満たしたときの参考値」
大黒屋は、実際の査定額が状態・付属品・在庫などによって変動すると明記しています。表の金額は、記載の条件をすべて満たした場合の目安です。受け取れる額を保証するものではありません。同じ銘柄でも、店の在庫状況によって査定額は上下します。
見積もり前に箱の型を確認する
見積もりの具体的な手順は「売るか、置くか、提供するか」の章にまとめています。ここでは箱の型(響17年は上開きか、響21年は現行箱か)だけ先に確認してください。
価格表の金額がそのまま査定額にならない理由:箱・シール・状態での減額

山崎18年の付属品ごとの減額幅は、満額との割合で見ると影響の大きさがよく分かります。キングラムリカーの価格表では、箱・ホログラム・QRコードシールがすべて揃った状態の掲載額が93,000円です。そこから欠けた付属品ごとの減額を差し引くと、次のようになります。
| 状態 | 減額 | 差し引き後の目安 | 満額に対する減額の割合 |
|---|---|---|---|
| 箱・ホログラム・QRコードシールあり(満額) | なし | 93,000円 | 0% |
| 箱なし | 10,000円 | 83,000円 | 約11% |
| ホログラムシールなし | 15,000円 | 78,000円 | 約16% |
| 箱・ホログラムシールともになし(単純合算の試算) | 25,000円 | 68,000円 | 約27% |
最後の行は、2つの減額を足しただけの試算です。両方が欠けたときに減額が単純に合算されるのか、別の基準で査定されるのかは、価格表からは読み取れません。該当するボトルを売る場合は、見積もりの段階で店に確認してください。
山崎18年では、シールなしの減額が箱なしより大きい
キングラムリカーの価格表では、山崎18年のこの価格区分で、ホログラムシールなしの減額(15,000円)が箱なしの減額(10,000円)より大きく設定されています。減額の理由は、価格表には書かれていません。買取店は買い取ったボトルを再販するため、真贋の確認などが査定に影響する可能性はあります。それでも、この差の理由を店に確認せずに断定することはできません。
ホログラムシールは、サントリーが2024年3月製造分から順次導入したものです(サントリーの発表)。それより前に製造された正規流通品には、シールが貼られていないものもあります。シールがないことは、それだけで中身の信頼性が低いことを意味しません。査定ではボトルの仕様や購入・出荷の時期を店に伝え、どの区分で査定されるのか、減額の理由は何かを確認してください。シールの有無だけで真贋を判断しないことも大切です。
査定で見られる状態のチェックリスト
- 液面の低下:肩口より下まで下がったボトルは、減額や買取不可の対象になりやすい(液面が下がる仕組みは下の「保管の3原則」を参照)
- ラベルの汚れ・剥がれ・色あせ:湿気によるシミ、日焼けによる退色、擦れ
- キャップシールの破れ:開栓の有無を疑われる原因になる
- 箱の傷み:角の潰れ、水濡れ、日焼け、破れ
- 付属品の有無:冊子、外箱の内側の仕切り、ホログラムシール・QRコードシール
減額を避けるための保管の3原則
- **箱とシールを捨てない。**シールは剥がれかけていても触らず、箱は潰さずにそのまま残す
- **直射日光と高温を避け、ボトルを立てて保管する。**横にすると度数の高い中身がコルクに触れ続け、コルクの劣化や液漏れにつながる。高温は中身の膨張で液漏れを招き、日光はラベルと箱を退色させる。温度の上下を繰り返すとコルクの隙間から空気が出入りし、年単位で液面が下がる
- **ボトルは箱に入れたまま保管する。**光・ほこり・擦れからラベルとシールを守れる
バーや酒販店では、照明の当たるバックバーに未開栓のボトルを並べていることがあります。売却する可能性のあるボトルは、陳列に使わず、箱ごと棚の奥や倉庫に移しておくと、ラベルと箱の退色を防げます。
事業者の在庫を売る場合は、先に売り先が法人・事業者からの買取を受け付けているかを確認します。キングラムリカーは法人・業者からは買い取らないと明記しているため(キングラムリカーの注意事項)、上の減額表を含め、同社の掲載額は店の在庫には当てはまりません。箱を処分する前に、事業者からの買取に対応する店に、箱なしでどれだけ減額されるかを確認してください。
同じ山崎で年数表記なしと25年に約89倍の差がつくのはなぜか:原酒と熟成から見る相場の根拠
山崎(年数表記なし)のに対して、山崎25年はです。前の章の表にある大黒屋の掲載額同士で比べると、約89倍の開きがあります。この差は「25という数字が大きいから」では説明しきれません。長期熟成原酒をボトルに詰められる量が限られていることは、供給側の制約として価格差の一因になります。ただし、それだけで約89倍という比率が決まるわけではありません。買取額には、メーカーの出荷量、購入したい人の需要、ボトルの仕様、買取店が再販する先の相場(二次流通での評価)も効きます。
年数表記は「最も若い原酒の年数」を示す
ボトルの年数は、平均でも最古でもありません。使った原酒のうち、最も若いものの年数です。サントリーは白州12年を「酒齢12年以上のモルト原酒」、響21年を「酒齢21年以上のモルト原酒とグレーン原酒」と表記しています。響21年なら、21年に満たない原酒は1滴も使えません。つまり年数表記品は、その年数に達した在庫の中からしか組み上げられません。年数表記なしの製品も、ジャパニーズウイスキーと名乗るには、業界の自主基準で国内3年以上の木樽貯蔵が求められます。それでも特定の年数に縛られない分、その時点の在庫から原酒を選べます。
長期熟成原酒が少なくなる3つの理由
- 蒸発による目減り:熟成中、原酒は樽材を通して少しずつ揮発し、年々量が減る。失われる分はエンジェルズシェアと呼ばれ、熟成期間が長いほど樽に残る量は少なくなる
- 仕込み時点で上限が決まる:25年熟成の原酒は、25年以上前に蒸溜したもの。現在の需要に合わせて後から増やすことはできず、当時の仕込み量が供給の上限になる
- 樽の選別:同じ時期に詰めても、熟成の進み方は樽ごとに違う。求める香味から外れた樽は長期熟成品の候補から外れるため、年数を重ねるほど候補が絞られる
3つの要因は重なって効きます。仕込みの時点で量が決まり、蒸発で減り、選別でさらに絞られます。そのため25年ものに回せる原酒は、12年ものよりはるかに少なくなります。
原酒の造り分けが長期熟成品の前提になる
山崎蒸溜所では、形状の異なるポットスチル(単式蒸溜器)16基を使っています。サントリーの説明では、初溜(1回目の蒸溜)は直火で、再溜(2回目の蒸溜)は間接加熱(蒸気による加熱)で行っています(サントリーの蒸溜工程の説明)。
スチルの形状と原酒の性格の関係は、一般に次のように説明されます。
- ネックが長く、ラインアーム(スチル上部から冷却器へ蒸気を送る管)が上向きのスチル:蒸気が途中で凝縮して釜に戻る還流(リフラックス)が増え、軽い酒質になりやすい
- ネックが短いスチルや、ラインアームが下向きのスチル:重い成分が冷却器まで届きやすく、重い酒質が残りやすい
- 直火加熱:釜の底で焦げつきが起き、メイラード反応(糖とアミノ酸が加熱で反応して香ばしい香りを生む反応)が進んで、香ばしい重さが出やすい
- ミドルカット(蒸溜液のうち、製品に使う中留部分の切り出し範囲):取り方によって、エステル(果実のような香りの成分)や重い成分の比率が変わる
山崎の各スチルの設定値は公表されていません。
山崎12年には、ホワイトオーク・スパニッシュオーク・ミズナラの各樽の原酒が使われています。蒸溜と樽の組み合わせで性格の違う原酒を揃えておけば、香味を設計するときの選択肢が広がります。ただし、これは香味設計の話です。設備の多様さから、山崎25年の買取額を直接導くことはできません。各製品の原酒構成やピート値(麦芽の乾燥時に焚く泥炭に由来する香りの強さ)は公表されていません。
響21年の「数量限定」表示と二次流通
響21年は、モルト原酒とグレーン原酒(トウモロコシなどを主原料に、連続式蒸溜で造る原酒)をブレンドした製品です。サントリーは700mlを数量限定と表示しています。出荷量に上限があるとメーカー自身が示しているため、正規の流通で手に入らなかった需要が二次流通に回り、買取額を支える構図になります。響17年も「休売中」の案内が続き、新たな出荷がありません。
| 銘柄 | メーカーの表示 | 供給を絞る要因 |
|---|---|---|
| 山崎(年数表記なし) | 年数表記なし | 特定の年数に縛られず、在庫から原酒を選べる |
| 白州12年 | 酒齢12年以上のモルト原酒 | 12年以上熟成した在庫に限られる |
| 響17年 | 休売中(新たな出荷なし) | 休売の章を参照 |
| 響21年 | 酒齢21年以上のモルト原酒とグレーン原酒、700mlは数量限定 | 21年以上の在庫に限られ、出荷量にも上限がある |
| 山崎25年 | 年数表記25年 | 25年以上前の仕込み量と、蒸発・選別による減少 |
「長いほど美味しい」と「長いほど高く売れる」は別の話
買取相場を主に決めるのは供給の希少性で、香味の優劣を直接示すものではありません。熟成が長くなると樽由来の要素は増えますが、それが好ましいかどうかは飲み手によって分かれます。山崎12年は、2024年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジで全部門最高賞「シュプリーム チャンピオン スピリット」を受賞しました。受賞は需要側の評価として相場の下支えになりえます。ただし、受賞によって買取額が決まったとまでは言えません。
- 売却額を重視する場合:年数表記品、特に数量限定や休売の銘柄は、希少性が価格に反映されやすい。付属品を揃えたうえで複数の店に見積もりを依頼する
- 飲んで楽しむ場合:年数表記なしや12年ものの買取額が低いのは、供給量の差によるもの。香味が劣ることを意味しない
休売・限定品・表示基準が相場に効く仕組み:響17年は「終売」ではなく「休売中」

響17年について、サントリーは2018年9月以降「休売中」と案内しています。買取店の価格表や個人売買では「終売」と書かれることがありますが、これはメーカーの公式な扱いとは異なります。休売は販売を一時的に止めている状態、終売は販売を終えた状態です。響17年についてメーカーは販売終了を案内していないため、「終売品」と断定する根拠はありません。
休売と終売では売り時の判断が変わる
前の章で触れたとおり、響17年の掲載買取額は2社ともです。この額を支えているのは、新たな出荷が止まり、市場に残る本数が増えないことです。終売であれば、供給が戻らないことが確定しています。休売は、販売再開の余地を残した状態です。販売が再開されて正規の流通で買えるようになれば、二次流通に回っていた需要が減り、需給が変わる可能性があります。再開の時期や再開後の相場は、メーカーの案内からは読み取れません。そのため、保有するか売るかは、目的ごとに分けて判断します。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 売却が目的で、手元に置く理由がない | 再開の告知を待たずに見積もりを取る。現在の相場は、出荷が止まっていることを前提に成り立っている |
| 値上がりを待って保有したい | メーカーの響の案内ページを定期的に確認する。販売再開の告知が出た時点で、見積もりを取り直す |
| バー・酒販店の在庫 | 響17年も、提供による見込みの手取り額と、事業者からの買取に対応する店の見積額を比べて判断する(計算方法は判断手順の章を参照) |
休売品は箱の型がそのまま価格の区分になる
響17年は、出荷時期によって外装が異なります。キングラムリカーは「休売直前タイプの上開き箱」を、大黒屋は「指定の箱」を査定の条件にしています。休売中は新しい箱で出荷されることがないため、市場に残る外装の種類は増えません。手元の箱がどの型かによって、どの価格区分に当てはまるかが決まります。また、同じ17年表記でも、ブレンドは出荷時点の原酒在庫から組み立てられます。そのため、箱の型は出荷時期を見分ける手がかりとしても扱われます。見積もりを依頼するときは、上開きかどうかが分かる箱の写真を添えてください。そのうえで、どの区分の価格で査定されるかを店に確認します。
ジャパニーズウイスキー表示基準は製法を確かめる手がかり
日本洋酒酒造組合のジャパニーズウイスキー表示基準は自主基準で、商品に「ジャパニーズウイスキー」と表示するための製法の要件を定めています(日本洋酒酒造組合の基準)。主な要件は次のとおりで、経過措置は2024年3月31日に終了しました。
- 国内での糖化・発酵・蒸留
- 国内での3年以上の木樽貯蔵
- 国内での瓶詰め
**海外の原酒を国内で瓶詰めしただけの製品は、ジャパニーズウイスキーに該当しません。**表示は、製法を確かめる手がかりになります。ただし、表示の有無だけで原酒の産地や真贋を証明することはできません。表示が買取額をどれだけ動かすかも、実際の査定データがない限り断定できません。買取額は、銘柄・仕様・状態・需要によって変わります。
- 表ラベルや裏ラベルに「ジャパニーズウイスキー」「JAPANESE WHISKY」と明記されているかを確認する
- 日本語の銘柄名、和風の意匠、国内の製造者名だけでは、基準を満たす証明にならない
- 裏ラベルの製造者・所在地が、メーカーの製品ページの説明と一致しているかを確認する
- 古いボトルは、基準の制定や経過措置の終了より前に出荷されている場合がある。表示の有無だけで判断せず、製造時期とメーカーの情報を確認する
- 表記がなく判断がつかない場合は、メーカーに原酒の蒸留地と貯蔵地を問い合わせる
外国人への贈り物では、相手が「日本で造られたウイスキー」として受け取ることが前提になります。購入前に上の項目を確認し、表記がはっきりした製品を選んでください。贈らずに手元に残ったボトルを売るときも、表記は製法を説明する手がかりになります。ただし、表記の有無だけで査定額が決まるものではありません。
売るか、置くか、提供するか:損をしないための判断手順
手放すかどうかを決める前に、売却・保管・提供のどれを選んでも損が出ない順番で手を動かします。前の章までで確認した付属品と状態の見方を、実際の売却の流れに組み込むと次のようになります。
売却前の4つの手順
- 記録する:銘柄・年数表記・箱の型・ホログラムシール・QRコードシールを写真に残す。後から店ごとに条件を伝え直す手間がなくなり、査定時に「最初の写真と状態が違う」と言われた場合の照合材料にもなる
- 掲載額をそろえて見る:2社以上の価格表で、手元のボトルと同じ条件の行を確認する。あわせて価格表の更新日を確認する。大黒屋の価格表には「2026年10月3日更新」のように日付が入っている。日付のない表や数か月前の表は、問い合わせて現在の額を確かめる。法人・事業者として売る場合は、その前に各店が買取対象にしているかを確認する(下の「バー・酒販店」の項を参照)
- 売り方を決める:宅配・店頭・出張のどれを使うかを決め、その方法の前提を確認する。大黒屋の価格表には、宅配買取と店頭買取の両方の案内がある(山崎の価格表)。自分が使う方法で掲載額が適用されるかを確認する。宅配は梱包と破損時の扱い、店頭は持ち込み時の検品、出張は対象地域や本数の条件を確認する。古物の買取では本人確認書類の提示を求められる
- 事前査定を取る:写真を送って事前査定額を受け取り、手順2で確認した掲載額との差を見る。差が大きい場合は、付属品・状態・在庫のどれが理由かを確認する
比較にかける手間は、ボトルの価格帯に合わせます。掲載額が1万円前後の山崎(年数表記なし)では、2社の差は500円です。今回の表では山崎18年の差額が6,000円ありました。山崎25年のように同条件で比較できる店が限られる銘柄では、見積もりを1社増やすたびに判断材料が増えます。
開栓済みボトルは「売れない前提」で考える
開栓済みのボトルは、多くの価格表で買取対象から外れています。買い手は中身がすり替えられていないかを確認できず、未開栓品として再販もできないためです。キャップシールを一度切れば、その時点で未開栓品としての価値は失われます。売る可能性が少しでもあるボトルは、開けないことが原則です。
飲用時の香味は、これとは別の問題です。飲み進めるとボトル内の空間(ヘッドスペース)が広がります。残量が少なくなって開閉を重ねると、香味が変化することがあります。変化の速さは、残量、開閉の頻度、栓の密閉性、温度、原酒の香味構成によって変わります。サントリーも、具体的な期間は一概に言えないとしています(サントリーの案内)。開栓したボトルは、提供や飲用の前に香りと味を確かめてください。
長期保管で加える注意
保管場所と温度の注意は、前の章の「保管の3原則」のとおりです。加えて、キャップシールの上からテープを巻くなど封の部分に手を加えると開栓を疑われる原因になるため、封には触れないでください。
バー・酒販店:提供の見込み手取りと買取見積額で比べる
最初に、売り先が事業者の在庫を買い取るかを確認します。キングラムリカーは法人・業者からの買取を受け付けていません(キングラムリカーの注意事項)。そのため、店の在庫には同社の掲載額を使えません。事業者からの買取に対応する店に見積もりを依頼し、その見積額を比較の基準にします。
そのうえで、次の順で比べます。
- 販売できる杯数を見積もる:700mlを、実際の1杯の注ぎ量で割る。シングル30mlなら理論上約23杯、ダブル60mlなら約11杯になる。ここから、注ぎ量の誤差、味見、最後に瓶に残る量、売れ残りの見込みを差し引く
- 見込み収入を出す:販売できる杯数×1杯の提供価格(税抜)で計算する
- 変動費とロスを引く:1杯ごとにかかる費用を差し引く。ハイボールや水割りなら炭酸水・水・氷などの割材、カード決済の手数料などが当たる
- 買取見積額と比べる:3で出た額が、事業者からの買取に対応する店の実際の見積額を上回るかを確認する。手数料や送料がかかる場合は、差し引いた受取額で比べる
仕入れ値は、売っても提供しても、すでに支払った費用です。どちらを選んでも同じ額がかかるため、この比較には含めません。提供の側で原価を差し引き、さらに買取額と比べると、仕入れ値を二重に数えることになります。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 見込み手取りが買取見積額を十分に上回り、数週間で1本が空く | 提供に回す |
| 見込み手取りは上回るが、1本空けるのに数か月かかる | 香味が変化する可能性があるため、提供前に香りと味の状態を確認する。売れ残りの見込みを杯数に反映し、開栓する本数を絞るか、売却を検討する |
| 見込み手取りが買取見積額を下回る、または注文がほとんど入らない | 開栓せずに見積もりを取る |
回転の遅い長期熟成品をどうしても提供に回す場合は、残量が半分を切った時点で小容量の瓶に移し替えるという方法があります。ヘッドスペースを小さく保つことで、香りの劣化を遅らせられます。ただし、移し替えたボトルは売却の選択肢から完全に外れます。開栓する前に、事業者からの買取に対応する店で事前査定を取り、買取見積額を把握したうえで決めてください。
よくある質問

店で開栓したボトルの残りを、ボトル買いのお客様に持ち帰りで売ってもよいですか?
店内で注いで提供するのは、飲食店としての営業の範囲です。一方、酒類を持ち帰り用に販売するには、原則として酒類小売業免許が必要です。開栓済みのボトルの残りを持ち帰りで売る場合も、この持ち帰り販売に当たるかどうかが問題になります。期限付酒類小売業免許の特例を除き、免許のない飲食店は持ち帰り販売を行えません。自店が該当するかを含めて、販売する前に所轄の税務署に確認してください。
売る予定のボトルを、ワインセラーや冷蔵庫で保管してもよいですか?
ワインセラーは温度が安定しているため候補になります。ただし、ワイン向けの高めの湿度設定のままでは、ラベルや箱にシミが出る原因になります。湿度を調整できない機種では、箱とラベルの状態を定期的に確認してください。冷蔵庫は、出し入れのたびにボトルや箱に結露が生じ、ラベルや箱を傷めます。売却を前提とした保管には向きません。
箱を失くした場合、別のボトルの箱を入手して揃えれば、箱ありの掲載額で売れますか?
まず、その銘柄について、売る予定の店が箱なしでどれだけ減額するかを確認してください。キングラムリカーの山崎12年のように、箱の有無を問わない掲載もあります。後から入手した箱が条件を満たすかどうかは、価格表には書かれていません。響17年のように、箱の型が出荷時期の手がかりとして扱われる銘柄もあります。そうした銘柄では、ボトルと箱の組み合わせが合わないと、条件どおりに評価されない可能性があります。箱を買う前に、別に入手した箱であることを店に伝え、減額幅が変わるかを確認してください。
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。