バーボンウイスキー

ウッドフォードリザーブの飲み方完全ガイド|ストレート・カクテル

ウッドフォードリザーブの飲み方を解説。ストレートは15〜30mlに数滴ずつ加水、ハイボールは1:3、カクテルはオールドファッションドがおすすめ。ライ麦18%のマッシュビルや蒸溜方法から味の特徴もわかります。

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ウッドフォードリザーブはどんなバーボンか:原料・蒸溜・樽から読む味の設計

まずはストレート15〜30mlに数滴ずつ加水し、ライ麦のスパイスとバニラの釣り合いを確かめてください。普段飲みならハイボール1:3、カクテルならオールドファッションドが最もこの銘柄の個性を引き出します。ダブルオークドはストレートかトゥワイスアップで飲むのが向いています。

ウッドフォードリザーブは、米国ケンタッキー州ヴェルサイユの蒸溜所で造られるバーボンです。この土地での蒸溜は1812年に始まり、蒸溜所は米国の国定歴史建造物に指定されています。ただし、現在のブランドは歴史をそのまま引き継いだものではありません。ブラウンフォーマンが1990年代に施設を修復し、1996年に立ち上げました。日本では2024年4月1日から、ブラウンフォーマンジャパンが販売しています。日本で流通する標準品は43.2度・750mlです(米国品との違いは後述)。分類はケンタッキー・ストレートバーボンです。ストレートバーボンは米国の連邦規則で、コーン51%以上、内側を焦がした新樽で2年以上熟成、着色・香味料の添加なしと定められています。

マッシュビル:ライ麦18%が甘さに輪郭をつける

マッシュビル(原料穀物の配合比率)は、トウモロコシ72%・ライ麦18%・大麦麦芽10%です。ライ麦18%は、バーボンとしてはライ麦をやや多めに使う配合です。スパイス感の由来は1つではありません。ライ麦は胡椒のような辛さを、新樽はシナモンやクローブに近い甘いスパイスを与えます。トウモロコシ由来の丸い甘みは、それだけだと平板になりがちです。そこにライ麦の辛さが加わることで、甘さの後半が引き締まり、輪郭がはっきりします。ストレートで飲むと、甘さが先に広がり、遅れて舌の奥にピリッとした刺激が来ます。この時間差が、配合の釣り合いを確かめる目安になります。

香味を段階ごとに整理すると、次のとおりです。

  • ノーズ(香り):洋梨、ドライフルーツ、バニラ
  • パレット(口に含んだときの味):キャラメル、トフィー、カカオ、胡椒
  • フィニッシュ(飲み込んだ後の余韻):中程度の長さで、スパイスが残ります

蒸溜:「ポットスチル3回蒸溜100%」は誤り

「3回蒸溜」はこの銘柄の代名詞のように語られますが、正確ではありません。製品は、ヴェルサイユの蒸溜所にある銅製ポットスチル3基で蒸溜した原酒と、ルイビルの施設で連続式蒸溜機を使って造った原酒のブレンドです。3基のポットスチルは、ビアスチル(発酵液を最初に蒸溜する釜)・ハイワインスチル・スピリットスチルとして、原酒を1回ずつ順に通す構成です。1基で3回繰り返すのではなく、3基を通すことで3回蒸溜になります。ポットスチル原酒と連続式原酒の配合比は公表されていません。そのため、香味のどの部分がどちらの原酒から来るかは断定できません。香味の手がかりとして確かめられるのは、公表されているマッシュビルと、新樽での熟成です。

工程ごとに見る香味の由来

工程内容香味への影響
発酵独自の酵母で、木製(サイプレス材)の発酵槽を使い約6日スコッチの一般的な発酵時間(48〜70時間程度)と比べて長い。一般に、発酵を長く取るとエステル(果実のような香りの成分)が増える方向に働くとされる
仕込み水敷地内の泉から取る石灰岩質の水鉄分が少なく、発酵に向いた水質とされる
樽内側を焦がしたアメリカンオークの新樽焦がした層の下で木材の成分が熱で分解され、バニラ、キャラメル、トーストのような香りとして溶け出す
着色不可(ストレートバーボンは法律で添加物が禁止)色はすべて樽から来る

樽は新樽なので、前に入っていた酒の影響はありません。甘い香りの大半は、焦がした層と木材そのものから来ています。

熟成庫と年数表示

熟成には石造りの熟成庫を使い、冬季に加温と冷却を繰り返します(ヒートサイクリング)。樽の中の原酒は、温度が上がると樽材に染み込み、下がると戻ります。冬は気温が低いままで温度の上下が小さくなりますが、加温と冷却で周期的な変化をつくることで、原酒が樽材に出入りする回数を増やします。これにより、木材成分の抽出と酸化が進みます。熟成を進めるのは暖かさそのものではなく、温度の上下です。

ラベルに熟成年数の表示はありません。年数表示がなくても、品質は判断できます。冒頭で触れたとおり、ストレートバーボンは2年以上の熟成が条件です。そのうえで米国の規則では、熟成4年未満のストレートバーボンには年数の表示が必要です。ラベルに「ストレートバーボン」とあって年数表示がなければ、4年以上熟成した原酒だと読み取れます。それ以上に頼りになるのは、実際の香味です。加水で果実香がどう開くか、樽の甘さとスパイスの釣り合いが取れているかを確かめてください。

造り手と評価

  • マスターディスティラー:2023年2月からエリザベス・マッコール。前任のクリス・モリス(2003〜2023年)は名誉マスターディスティラーに就任
  • 受賞:2023年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションで、標準品とダブルオークドがともにダブルゴールド
  • メーカーの紹介:ブラウンフォーマンジャパンは「世界売上No.1のスーパープレミアムアメリカンウイスキー(IWSR 2023年)」「ケンタッキーダービーの公式バーボン」と案内しています。いずれもメーカーによる表現です

ストレート・加水・ロック・ハイボール:度数から考える飲み方の使い分け

ウイスキーのイメージ写真

日本で流通する標準品は43.2度です。飲み方を選ぶことは、どの度数で飲むかを選ぶことでもあります。度数が下がるほど、アルコールの刺激は弱まり、香りの成分は液面に出やすくなります。一方で、薄めすぎると香りそのものが感じ取れないほど少なくなります。以下では、度数ごとに何が起きるかを軸に整理します。

ストレートと加水:数滴ずつ足して香りの変化を確かめる

最初はストレートで15〜30mlを注ぎます。グラスは脚付きのテイスティンググラスかグレンケアンを使います。口がすぼまった形のため、香りが鼻の位置に集まります(グラス選びの詳細は関連記事で扱います)。舌を休めるために、チェイサーの水は必ず用意してください。

次に加水します。スポイトか小さじを使い、次の順で進めます。

  1. 加水前に香りと味を確かめます。ライ麦由来の刺激がどの程度あるかを覚えておきます
  2. 水を2〜3滴足してグラスを軽く回し、30秒ほど置いてから香りを取ります
  3. 香りがまだ開ききらなければ、さらに数滴足します。合計で小さじ1杯(約5ml)までを目安にします

30mlに5mlを足すと、度数は約37度になります。アルコールの刺激が和らぎ、熟した果実やバニラの香りが前に出てきます。足しすぎるとスパイスの輪郭がぼやけるため、その手前で止めるのが判断の基準です。

トゥワイスアップ:香りを最も細かくとらえる

ウイスキーと常温の水を1:1で合わせると、約21〜22度になります。ブレンダーが香りを評価するときの度数に近く、刺激がほとんど邪魔をしません。発酵由来の洋梨のような果実香と、焦がした新樽由来のバニラやトーストの香りを、分けてとらえやすくなります。水を冷やすと香りが立ちにくくなるので、常温の軟水を使ってください。

ロック:冷えで閉じ、溶けた水で開く

ロックには、溶けにくい大きな氷を使います。注いだ直後は液温が急に下がり、香りの成分が揮発しにくくなるため、甘みも香りもいったん閉じます。その後、氷が溶けるにつれて度数が下がり、香りが少しずつ開いていきます。ロックが勧められるのは、冷えによる引き締まりと加水による開きを、1杯の中で順に味わえるからです。小さな氷では溶けるのが速く、香りが開ききる前に薄くなってしまいます。

ハイボール:1:3なら樽のスパイスが残る

「水割りやハイボールにすると個性が消える」という見方があります。これは比率しだいです。1:4を超えると、樽香が弱まりやすくなります。1:3(氷の溶け分を除いて約11度)なら、ライ麦と樽に由来するスパイスが炭酸の泡に乗って残ります。目安は1:3〜4です。

  1. グラスと炭酸水を冷蔵庫で冷やしておきます
  2. グラスに氷だけを入れて回し、グラスを冷やします
  3. 溶けた水を捨てます
  4. ウイスキー30〜45mlを注いで10回ほどステアし、ウイスキーを冷やします
  5. 減った分の氷を補います
  6. 炭酸水90〜135ml(1:3の場合)を、氷に当てないようにグラスの縁から注ぎます
  7. マドラーで底から1回だけ持ち上げるように混ぜます

飲み方ごとの目安

飲み方度数の目安香りの出方向いている場面
ストレート43.2度樽の甘さとスパイスが濃く、刺激も強い銘柄の全体像をつかむ最初の1杯
加水(数滴〜小さじ1)約37〜43度刺激が和らぎ、果実とバニラが前に出る食後にゆっくり飲むとき
トゥワイスアップ(1:1)約21〜22度香りが最も細かく分かれて感じられるダブルオークドとの飲み比べ、香りの確認
ロック43度前後から徐々に下がる最初は閉じ、時間とともに開く会話しながら長く飲むとき
ハイボール(1:3〜4)約9〜11度スパイスと樽香が泡とともに立つ食事中、揚げ物と合わせるとき

合わせる食べ物

  • 赤身肉(ストレート):樽由来のキャラメルの甘みが、焼いた肉の香ばしさと重なり、ライ麦の辛さが脂の重さを切ります
  • ダークチョコレート(ストレート):カカオの苦みと、焦がした樽由来のバニラの甘みが引き立て合います
  • ナッツ(ストレート):ナッツの油分が舌を覆って刺激を和らげ、ローストした香りがトーストの香りと重なります
  • 揚げ物(ハイボール):炭酸とアルコールが油を洗い流し、残ったスパイスが衣の甘みを引き締めます

バーでの頼み方

量はシングル30ml、ダブル60mlが一般的な目安です。店によって違うので、気になる場合は注文のときに確かめてください。「ウッドフォードをシングルで、加水少し」と頼めば、ストレートに数滴の水を添えてもらえます。「ダブルのロックで」と頼めば、大きな氷で時間の変化を楽しめます。ハイボールは「濃いめ、1:3で」と比率まで伝えると、香りを残した1杯になります。

カクテルで飲む:オールドファッションド・ミントジュレップ・公式レシピ

前の章で触れたとおり、ウッドフォードリザーブはライ麦18%のスパイスと新樽の甘さを併せ持ちます。カクテルでは、このスパイスが副材料に埋もれずに残るかが出来を分けます。

オールドファッションド:日本のブランドが軸に据える1杯

日本ではこのカクテルを軸に宣伝しています。2025年1月13日〜2月9日には全国約100店のバーでオリジナルのオールドファッションドのフェアを開きました。2025年12月12〜14日には渋谷キャストで、ブランド単独では国内初の一般向けイベントを開き、限定のオールドファッションドを15種出しています。

  • ウッドフォードリザーブ 45〜60ml
  • 角砂糖1個(またはシュガーシロップ5ml)
  • アンゴスチュラ・ビターズ 2ダッシュ
  • オレンジピール

角砂糖にビターズを染ませ、少量の水で溶かしてからバーボンと大きな氷を入れます。氷は冷凍庫から出したての硬いものを使い、15〜20回を目安に混ぜて冷やします。ステアの回数は、氷の大きさと温度で変わります。混ぜた後に一口含み、アルコールの角が取れたところで止めるのが判断の基準です。最後にオレンジピールを搾りかけてください。ビターズのクローブやシナモンの香りは、新樽由来のシナモンに近い香りと系統が重なり、ライ麦由来の胡椒のような辛さがそこに加わります。そのため、甘さの上にスパイスの層が厚く残ります。

ミントジュレップ:ミントは潰さず、器ごとしっかり冷やす

ミントジュレップはケンタッキーダービーで伝統的に飲まれる1杯です。なお、ダービー会場の公式ミントジュレップは、同じブラウンフォーマンのオールド・フォレスターを使ったものです。器は金属製のジュレップカップ(なければ厚手のロックグラス)を使います。

  1. 器にミント8〜10枚とシロップ10mlを入れ、ペストルで2〜3回軽く押します
  2. クラッシュドアイスを詰め、バーボン60mlを注ぎます
  3. 底から持ち上げるように混ぜ、よく冷やします。金属製のカップなら、外側が白く霜をまとうのが目安です
  4. 氷を山盛りに足し、ミントの枝を飾ります

失敗しやすいのは3点です。1つ目はミントを潰しすぎることで、葉脈が裂けると青臭い苦味が出ます。2つ目は角氷を使うことで、冷えが足りなくなります。3つ目は器を手で包んで持つことで、外側が温まります。金属製のカップでは、手の熱で霜が消えてしまいます。器は上の縁を持ってください。なお、ガラスの器では霜がつきにくいため、霜の有無は金属カップの場合だけの基準です。

ウッドフォード・スパイア:メーカー公式サイトのレシピ

材料公式(oz)ml換算
ウッドフォードリザーブ1.5oz約45ml
レモネード2oz約60ml
クランベリージュース1oz約30ml

氷を入れたグラスに注ぎ、レモンピールを飾ります。日本のレモネードは甘さに幅があるため、甘いものを使うときはクランベリーを少し増やして酸味で締めてください。

バックスタイル:ジンジャーエールで割る

氷を入れたグラスに、バーボン45mlとくし形に切ったライム1/4個を搾り入れます。ジンジャーエール90〜120mlを注ぎ、1回だけ混ぜます。生姜の辛さとライ麦のスパイスが同じ方向を向くため、割っても輪郭が残ります。甘口のジンジャーエールを使うなら、ライムを多めにしてください。

マンハッタン:甘いベルモットに負けない

バーボン45ml、スイートベルモット15〜20ml、ビターズ1ダッシュをミキシンググラスでステアし、冷やしたカクテルグラスに注ぎます。コーン比率の高い甘口バーボンでは、ベルモットの甘さと重なって平板になりがちです。ライ麦18%のスパイスがあると、後半に辛さが立ちます。ベルモットを20mlまで増やしても、ウイスキーの味が前に残ります。

店の運営者向け:標準品とダブルオークドの使い分け

  • カクテルのベース:標準品(750ml、3,795円前後・2026年11月3日時点)。ライ麦のスパイスが副材料に埋もれにくく、カクテルの軸に向きます
  • ストレートや少量での提供:ダブルオークド(2025年11月17日に43%・700mlで販売再開、3,795円前後・2026年11月3日時点)。深くトーストした2つ目の樽の香りは、割ると目立たなくなるため、ストレートで出すほうが価値が伝わります
  • 提案の流れ:オールドファッションドを頼んだ客に、ダブルオークドのストレートやトゥワイスアップを2杯目として勧めると、同じ銘柄の樽の違いを体験してもらえます

標準品・ダブルオークド・ライの違いと、どれをどう飲むか

ウイスキーのイメージ写真

日本で「ウッドフォードリザーブ」として売られている標準品は、米国ではウッドフォードリザーブ ディスティラーズセレクトの名で流通しています。同じ系列には、樽を2つ使うダブルオークドや、ライ麦を主原料にしたウッドフォードリザーブ ライなどがあります。日本で選べる品と度数は製品ごとに違うため、まずラベルの表示を確かめてから飲み方を決めてください。

ディスティラーズセレクト:日本品は43.2度、米国品は45.2%

前の章で触れたとおり、日本で流通する標準品は43.2度・750mlです。米国の公式サイトに載っている45.2%(90.4プルーフ)は米国品の数字で、日本品の度数ではありません。海外のテイスティングノートやカクテルのレシピは45.2%を前提に書かれています。日本品で同じ比率に作ると、度数が2ポイント低い分だけ、仕上がりが少し軽くなります。並行輸入品は米国品と同じ表示の場合があるので、贈り物にするときは、どちらの度数のボトルを選んだかを把握しておくと説明がずれません。

ダブルオークド:2つ目の樽の「深いトーストと軽い焦がし」

ダブルオークドは、標準品と同じく内側を焦がした新樽で熟成させたあと、別の樽に移して2回目の熟成をします。香味を決めるのは2つ目の樽の処理です。この樽は、時間をかけて深くトーストしてから、軽く焦がします。

  • トースト(低めの火で長く加熱する処理):木材のヘミセルロースが熱で糖に分解されてカラメル化し、リグニンからはバニラの香りの成分が生まれます。時間をかけるほど熱が木の奥まで届き、甘い香りの元が厚い層になります
  • チャー(強火で表面を炭化させる処理):炭の層が硫黄系などの重い香りを吸着し、香りがこもるのを防ぎます。焦がしを軽く留めるのは、その下にあるトーストした層を燃やしてしまわないためです

甘い香りの元を多く残しつつ、炭の層で香りの抜けも確保します。この組み合わせのため、標準品よりも甘みが濃くなり、焙煎したカカオのような香りとチョコレートのような口当たりの厚みが加わります。

日本での販売状況:ダブルオークドは2025年11月に再開

日本のダブルオークドは2024年4月から約1年7か月販売されず、2025年11月17日に43%・700mlで販売を再開しました。販売元がブラウンフォーマンジャパンに切り替わった時期と重なります。標準品の750mlとは容量が違うので、売り場で並べて比べるときは1mlあたりで見てください。

ウッドフォードリザーブ ライが日本でいま正規に販売されているかは確認できていません。確かめる手順は次のとおりです。

  1. ブラウンフォーマンジャパンの製品ページと新製品のプレスリリースに、ライが載っているかを見ます
  2. 店頭やネット通販では、裏ラベルで確かめます(ラベルの見方は第5章参照)

製品ごとの違いと向いている飲み方

製品度数容量熟成方法向いている飲み方日本での販売状況
ディスティラーズセレクト(日本名:ウッドフォードリザーブ)日本品43.2度/米国品45.2%日本品750ml内側を焦がした新樽ストレート、加水、ハイボール、カクテルブラウンフォーマンジャパンが販売
ダブルオークド日本品43%日本品700ml焦がした新樽のあと、深くトーストして軽く焦がした別の樽で2回目の熟成ストレート、数滴の加水、トゥワイスアップ2025年11月17日に販売再開
ライ米国品45.2%米国品750ml内側を焦がした新樽(米国品の原料はライ麦53%・トウモロコシ33%・大麦麦芽14%)マンハッタン、サゼラック系など、ライ主体の辛さを生かすカクテル正規品は未確認(裏ラベルで確認)

どれをどう飲むか

  • 家で1本を幅広く使うなら標準品:ライ麦のスパイスがあるため、炭酸や副材料で割っても輪郭が残ります
  • 食後にゆっくり飲むならダブルオークド:ストレートで甘みを確かめたあと、2〜3滴の水を足すとチョコレートのような香りが開きます
  • ダブルオークドを炭酸で割るのは避けます:泡が甘い香りを一気に押し上げるため、甘さが重く感じやすくなります。冷やして飲みたいなら、大きな氷1つのロックにとどめます
  • 2本を飲み比べるなら同じ条件で:どちらもトゥワイスアップにすると、2つ目の樽が加えた甘さと厚みの差がはっきり分かります

いま日本でいくら・誰が売っているか:2024年の販売元変更と購入のポイント

第1章で触れたブラウンフォーマンジャパンへの販売元の切り替えを、ここで詳しく整理します。それまで販売していたアサヒビールとの契約は2024年3月31日で終わり、翌日からメーカーの日本法人が自社で販売しています。この切り替えは、同社の2024年4月1日付プレスリリースで発表されました。ネット上には切り替え前の情報も残っているため、時期ごとに整理します。

時期輸入・販売元価格の情報読むときの注意
2024年3月31日までアサヒビール「参考小売価格4,090円(税別)」はこの時期の数字現在の価格の根拠にはならない
2024年4月1日〜ブラウンフォーマンジャパン—自社販売を開始
2024年7月1日出荷分〜ブラウンフォーマンジャパン4,090円→4,450円(税別)。750mlは約10%の値上げ13品目を改定

現在の価格は3,795円前後(2026年11月3日時点)です。

購入時に裏ラベルで確かめる2点

  • 輸入者名:ブラウンフォーマンジャパンとあれば正規品です。アサヒビールとあれば2024年3月以前に流通した在庫です。それ以外の社名なら並行輸入品です
  • 度数と容量:正規品の標準品は43.2度・750mlです。並行輸入品は度数や容量が違う場合があります。違うボトルでは、加水量やカクテルの比率を調整してください

店の運営者向け:1杯原価から売価を組む

  1. 1杯原価を出す:仕入れ値(目安は3,795円前後・2026年11月3日時点)を杯数で割ります。750mlを30mlで割ると25杯ですが、これは理論値です。計量のロスや味見の分を見込み、24杯で割ると安全側の数字になります。ダブルオークドは700mlで理論値は約23杯です。仕入れ値(目安は3,795円前後・2026年11月3日時点)をもとに、同じように計算します
  2. 売価を決める:1杯原価を目標の原価率で割ります。原価率を25%に置くなら、売価は1杯原価の4倍です
  3. カクテルの場合:ビターズ、砂糖、オレンジ、氷などの副材料の費用を足してから、同じ計算をします
  4. ダブルオークドの見せ方:標準品のストレートとの差額がメニュー上で分かる価格にします
  5. 値上げがあったとき:仕入れ値を差し替えて計算し直します。2024年7月のように約10%上がった場合、売価を据え置くと原価率25%は約27.5%まで上がります

贈り物と外国人客への提案

米国の知人や外国人客に日本で買ったボトルを勧めるときは、「Japanese bottling is 43.2% ABV, a little softer than the US 45.2%」のように一言添えると、味の印象の違いを誤解されません(度数差は第4章参照)。

開栓後の保管

  • 立てて置く:コルク栓が度数の高い液体に触れ続けると傷みます。栓が崩れたり、においが移ったりする原因になります
  • 直射日光と高温を避ける:光と熱は香りの成分を変質させます。温度変化の少ない戸棚の中が向いています
  • 半分を切ったら早めに飲み切る:瓶の中の空気が増えると、酸化と揮発が進み、香りが変わりやすくなります

なお、アサヒビール表示の未開栓品も、光と熱を避けていれば瓶内で劣化は進みにくいです。

よくある質問

ウイスキーのイメージ写真

水割りにするときの比率と作り方は?

水はウイスキーの3倍まで(1:3)にとどめると、ライ麦のスパイスが残ります。まずグラスに氷だけを入れて回し、グラスを冷やしてから溶けた水を捨てます。次にウイスキーを注いで10回ほどステアし、ウイスキーを冷やします。減った分の氷を補い、常温の軟水を氷に当てないように注いで、底から1回持ち上げるように混ぜてください。氷の冷えで香りは閉じるため、香りを細かく見たいときは氷を使わないトゥワイスアップが向いています。

ボトルを冷凍庫で冷やしてストレートで飲んでもよいですか?

家庭の冷凍庫で凍ることはありませんが、あまり勧めません。冷えると香りの成分が揮発しにくくなり、新樽由来のバニラや発酵由来の果実香がほとんど立たなくなります。口当たりはとろりと重くなる一方で、ライ麦のスパイスの輪郭も鈍ります。冷たさを楽しみたいなら、溶けた水で香りが開いていく大きな氷のロックのほうがこの銘柄に合います。

香りを嗅ぐとアルコールが鼻を刺して、甘い香りが分かりません。

鼻をグラスの奥まで入れず、縁から少し離して軽く吸ってみてください。揮発の速いアルコールに香りが覆われにくくなります。口を少し開けたまま嗅ぐと、刺激はさらに和らぎます。それでも分かりにくければ、グラスを回して少し置いてから嗅ぎ直します。加水で香りを開く方法は、第2章の加水手順を参照してください。

以前飲んだボトルと味が違う気がするのはなぜですか?

主な理由はロット差です。複数の樽の原酒を合わせて味を揃えていても、樽ごとの差は完全には消えません。ボトルの度数表示が違う場合は、並行輸入品の度数差(第4章参照)も考えられます。

2026年10月の酒税改正で値上がりしましたか?

2026年10月の酒税改正はビール類の税率統一が中心で、ウイスキーの税率は変わりません。この銘柄の価格改定は、ブラウンフォーマンジャパンの発表で確かめてください。

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。