福山雅治の好きなウイスキーは?アードベッグとニッカ フロンティア
福山雅治がGOETHEで挙げたのは終売のアードベッグオールモスト・ゼアとスーパーノヴァ。定番アードベッグ10年との違い、発言銘柄の見分け方、中古市場での確認ポイント、贈り物選びのコツまで整理して紹介します。
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福山雅治が好きなウイスキーは何か:GOETHEで名前を挙げた銘柄を発言の確度で整理
福山雅治が好きな酒として名前を挙げたウイスキーは、終売の「アードベッグ オールモスト・ゼア」と、2009年・2010年の「アードベッグ スーパーノヴァ」の2つです。出典は幻冬舎『GOETHE』2022年10月号です。福山雅治は同号の表紙に登場し、6ページのインタビューで酒へのこだわりを語っています。2つともアイラ島のアードベッグ蒸溜所の限定品で、定番品ではありません。
名前が挙がった2銘柄の中身
オールモスト・ゼアは、1998年蒸溜・2007年瓶詰めの9年熟成です。度数54.1%のカスクストレングス(樽出しの度数のまま、加水せずに瓶詰めしたもの)で、すでに終売です。
スーパーノヴァは、2009年版が度数58.9%、2026年版が度数60.1%の限定品で、どちらも終売です。
「好きな銘柄=アードベッグ10年」は発言とずれる
定番のアードベッグ10年は、バーボン樽熟成、度数46%、冷却濾過なし、着色なしの仕様です。入手しやすいため「福山雅治の好きな銘柄は10年」と紹介する記事や動画がありますが、インタビューで名前が挙がったのは10年ではありません。同じ蒸溜所の方向性を知る入口にはなります。ただし、カスクストレングスの限定品とは度数も熟成の経緯も違います。店頭やカウンターで聞かれたら「本人が挙げたのは終売の限定品です。現行品で同じ蒸溜所を試すなら10年です」と分けて伝えると、誤りがありません。
同じインタビューに出るほかの銘柄と、話の文脈
| 銘柄 | 出てきた文脈 | 本人の好みとして扱えるか |
|---|---|---|
| アードベッグ オールモスト・ゼア | 好きな酒として名前を挙げた(終売) | 扱える |
| アードベッグ スーパーノヴァ(2009年・2010年) | 好きな酒として名前を挙げた(限定品・終売) | 扱える |
| アードベッグ10年 | 名前は挙がっていない | 扱えない |
| ボウモア17年 | 映画『容疑者Xの献身』で湯川学が持参した酒 | 扱えない(役柄の話) |
| ザ・フェイマスグラウス | 北欧旅行で買った酒 | 旅の話として分けて扱う |
| マッカラン(1930〜40年代) | タモリに銀座のバーで飲ませてもらった酒 | 体験の話として分けて扱う |
| ニッカ フロンティア | ニッカウヰスキー国内スペシャルアンバサダーとしてTVCMに出演(GOETHEでの発言ではない) | アンバサダー・CM出演として分けて扱う |
検索・購入の前に確かめること
- GOETHEの記事内では「アードベック」とも表記されています。「アードベッグ」「アードベック」の両方で検索し、英語の「Ardbeg Almost There」「Ardbeg Supernova」も試すと見落としが減ります。
- スーパーノヴァで本人の発言に合わせるなら、ラベルの年表記が2009年か2010年かを確認します。
- 終売品を中古市場で探すときは、ラベルの度数(54.1%・58.9%・60.1%)が上記の仕様と一致するか、キャップシールの状態や液面の高さに不自然な点がないかを見ます。
- 入手しやすさを優先して贈るなら、発言の銘柄とは違うことを添えたうえで、アードベッグ10年(5,049円前後・2026年11月3日時点)を選ぶ方法があります。
ファンブログやSNSでは、これ以外の銘柄が福山雅治の好みとして語られることもあります。しかし、一次情報で出どころを確認できないため、好きな銘柄として断定はできません。
ウイスキーを好きになったきっかけ:北極圏の雪解け水で割った一杯とタモリの助言

ワインから芋焼酎・日本酒を経て、ウイスキーへ
福山雅治の酒の好みは、いくつかの段階を経て移ってきました。1990年代はワインを好み、その後は芋焼酎と日本酒、そして最後にウイスキーへ。ワイン、芋焼酎、日本酒はいずれも原料の個性が香味にはっきり出る酒です。その流れでウイスキーをとらえると、後に語る「麦だけで作る」という言葉にもつながります。
きっかけは北極圏の雪解け水で割った水割り
ウイスキーに興味を持ったきっかけは、スウェーデン北部のアビスコ国立公園を起点とするトレイル「キングスレーデン」でのトレッキングです。そこで北極圏の雪解け水で割った水割りを飲んだことを、『GOETHE』2022年10月号で語っています。このとき買ったのがザ・フェイマスグラウスです。モルトウイスキーとグレーンウイスキーを合わせたブレンデッドスコッチで、入口はシングルモルトではありませんでした。
雪解け水の水割りがおいしく感じられるのには理由があります。ミネラルの少ない軟水は、カルシウムやマグネシウムに由来する苦味や渋みを加えにくく、ウイスキーの香りをそのまま薄めて広げます。冷たい水はエタノールの刺激も和らげます。ただし冷やしすぎると香りが立ちにくくなります。水割りは、香りの厚みよりも飲み口の軽さを楽しむ飲み方です。穏やかなブレンデッドに向いています。
- 水は硬度の低い軟水を選び、冷やしておく。国産のミネラルウォーターの多くは軟水にあたる
- タンブラーに氷を満たし、ウイスキーを注いでよく混ぜ、グラスと酒を冷やす
- 溶けて減った分の氷を足す。ウイスキー1に対して水2〜2.5を注ぎ、軽く混ぜる。シングル30mlなら水は60〜75mlが目安
- 度数の高いカスクストレングスは、同じ比率では濃くなる。1対3から試す
本人の言葉:「ストイックな生産過程」と「男っぽい色気」
シングルモルトについて、本人は「シングルモルトの魅力は…麦だけで作るというそのストイックな生産過程」と語っています(出典:GOETHE)。スコッチウイスキー規則(SWR 2009)では、シングルモルト・スコッチを大麦麦芽だけを原料に、単一の蒸溜所でポットスチル(単式蒸溜器)により蒸溜したものと定めています。トウモロコシや小麦を加えることはできず、連続式蒸溜器も使えません。一方で、色をそろえるためのスピリットカラメル(E150a)の添加は認められています。「麦だけ」が指すのは、原料の穀物と蒸溜の方法だと読むのが正確です。
同じインタビューでは「ウイスキーという酒にはなぜか男っぽい色気がある」とも語っています(出典:GOETHE)。「色気」が何を指すのかまでは、本人は細かく説明していません。
タモリの助言と、銀座のバーで飲んだ古いマッカラン
タモリからは「先人たちが認めたものには理由がある」という趣旨の助言を受けたと語っています。銀座のバーでタモリに飲ませてもらったのは、1930〜40年代のマッカランでした。
ウイスキーは、瓶詰めした後に樽の中のような熟成は進みません。古いボトルの香味は、当時の製麦、加熱方式、樽の調達が現在と違うことに加え、長年の保管による酸化や液面の低下の影響も受けています。同じ銘柄名でも、現行品とは別物として味わうのが前提です。オールドボトルを頼むときは、次の順で進めると失敗しにくくなります。
- 液面の高さと保管状態をバーテンダーに尋ねる
- まず少量をストレートで飲み、加水は数滴ずつにとどめる
撮影現場への私物持ち込みの報道
撮影現場に私物のウイスキーを持ち込んだとも報じられていますが、銘柄までは確かめられないため、ここでは特定しません。映画『容疑者Xの献身』で湯川学が持参するボウモア17年は、役柄に関わる一本です。本人が好きなウイスキーとして挙げた銘柄ではありません。
店で「きっかけになったウイスキーは?」と聞かれたときは、ザ・フェイマスグラウスの水割りが答えになります。軟水で、1対2〜2.5の比率で出すと、話の筋と一杯の中身がそろいます。出典はGOETHE 2022年10月号です。
オールモスト・ゼアとスーパーノヴァはどんな酒か:数値と製法で読むアードベッグの限定品
福山雅治が『GOETHE』2022年10月号で名前を挙げたアードベッグは、定番の10年ではありません。挙げたのは「オールモスト・ゼア」と、2009年・2010年の「スーパーノヴァ」で、どちらも限定品として造られ、すでに終売です。オールモスト・ゼアは9年熟成、スーパーノヴァは年数非公表です。どちらも高い度数のまま、冷却濾過せずに瓶詰めしているという共通点があります。数値と製法を順に見ると、アードベッグの煙の強さと甘さがどこから来るのかが分かります。
オールモスト・ゼア:10年に届く手前の9年熟成
アードベッグ オールモスト・ゼアは、1998年に蒸溜し、2007年に瓶詰めした9年熟成です。度数54.1%のカスクストレングスで、冷却濾過もしていません。アードベッグ蒸溜所は1997年にグレンモーレンジ社に買収され、1998年に本格的に生産を再開しました。この新体制で蒸溜した原酒の成長を、6年(ベリー・ヤング)→8年(スティル・ヤング)→9年(オールモスト・ゼア)→10年(ルネッサンス、2008年)と段階的に公開したシリーズの3作目にあたります。当時店頭に並んでいた定番の10年は、それ以前の旧体制時代の原酒で造られていました。9年で瓶詰めしたのは、新体制の原酒が10年に届く直前の姿を見せるためです。名前のとおり「あと少しで10年に届く」途中の姿を切り取った酒で、完成形のなめらかさよりも、手前にある勢いを味わうための一本という位置づけになります。
スーパーノヴァ:2009年版と2026年版の違い
アードベッグ スーパーノヴァは、2009年版が度数58.9%、2026年版が度数60.1%です。麦芽のフェノール値(ピート〈泥炭〉の煙から麦芽に付く、スモーキーな成分の量)は、どちらも100ppm超とされます。数値の上では、2026年版のほうが度数が一段高い仕様です。同じ名前でも年ごとに中身が違うボトリングなので、酒販店での仕入れやバーでの注文では「スーパーノヴァの2009年」のように年号まで確認して伝える必要があります。
| 銘柄 | 度数 | フェノール値 | 仕様 | 現在 |
|---|---|---|---|---|
| オールモスト・ゼア | 54.1% | 確かな数値なし | 1998年蒸溜・2007年瓶詰めの9年、カスクストレングス、冷却濾過なし | 終売 |
| スーパーノヴァ 2009 | 58.9% | 100ppm超とされる | 限定品 | 終売 |
| スーパーノヴァ 2010 | 60.1% | 100ppm超とされる | 限定品 | 終売 |
| 参考:アードベッグ10年(定番) | 46% | 約55ppmと紹介されることが多い | バーボン樽熟成、冷却濾過なし、着色なし | 現行品 |
ppmは「麦芽にどれだけ煙を吸わせたか」の目安
フェノール値は、麦芽を乾燥させるときに焚くピートの煙から付く成分の量で、多くの場合は麦芽の段階で測った値です。蒸溜で原酒に移るのはその一部で、カットと熟成を経ると液体に残る量はさらに減ります。そのため、100ppm超と約55ppmの数字の差が、そのまま飲んだときの煙の強さの差になるわけではありません。
煙の残り方を左右する工程:ミドルカットとピューリファイアー
蒸溜液は、前溜・ミドルカット(製品に使う中間部分)・後溜に分けて取ります。フェノール類は蒸溜の後半に多く出てきます。そのため、ミドルカットを後ろまで取るほど煙が残り、早めに切り上げるほどクリーンな原酒になります。同じ麦芽を使っても蒸溜所ごとにスモーキーさが違う大きな理由は、このカットの位置です。
アードベッグの再溜釜(2回目の蒸溜に使う釜)には、ピューリファイアー(精溜器)が付いているとされます。重い成分を釜に戻す還流が増えるため、原酒は軽く、果実味のある性格になると説明されることが多い構造です。強い煙の下に甘さや果実味が感じられるのは、この軽さと結びつけて語られます。
若い熟成年数と高い度数が評価される理由
樽熟成には、荒い成分を時間をかけて和らげる働きがあります。一般に、ピートの香りも年数とともに穏やかになります。9年熟成で度数54.1%のオールモスト・ゼアは、樽による角の取れ方がまだ少なく、ピートの煙と麦由来の甘みがじかに出ます。加水していないので、香りの成分も薄まっていません。「熟成年数が長いほど良い」とは限らず、ピートの個性を強く見せたいなら若さはむしろ利点になります。10年に届く手前の勢いをそのまま瓶に収めた一本として評価されるのは、そのためです。
冷却濾過なしの意味
冷却濾過は、瓶詰めの前に原酒を冷やして濾過する工程です。濾過すると脂肪酸エステルなどが取り除かれますが、この工程を省けばそれらが残り、口当たりに厚みが出ます。その代わり、加水したり冷やしたりすると白く濁ることがあります。これは劣化ではありません。50〜60%台の限定品は数滴の加水で香りが大きく変わり、冷やすと香りが閉じやすいため、まず常温で少量ずつ試すのが基本です。
今から飲むならどれを選ぶか:限定品の探し方とアードベッグ10年・ウーガダール・コリーヴレッカン

終売の限定品を手に入れるなら:二次流通で確かめる4点
オールモスト・ゼアとスーパーノヴァ(2009年版・2026年版)はどちらも終売で、新品が正規の流通に出ることはもうありません。手に入れる方法は、オークションやフリマなどの二次流通か、在庫を持つバーに限られます。定価がないため、スーパーノヴァの価格は年版とボトルの状態で大きく変わります。二次流通で買うなら、出品写真と説明文で次の4点を確かめてください。
- 開栓の有無:「未開栓」と明記され、キャップ周りの写真があるか。開栓品は中身が入れ替えられていないと言い切れない
- ラベルとキャップシール:破れ、剥がし跡、シールの浮きがないか。年版の表記が説明と写真で一致しているか
- 液面の高さ:肩より明らかに下がっていれば、長期保管中に栓の隙間から揮発した目減りを疑う。香りも抜けている可能性がある
- 出品者の酒類販売免許:酒を継続して売るには免許が必要。免許の表示がない個人からの購入は避ける
現実的なのはバーで1杯:頼み方と値段の理由
1本を買うより、オールドボトルや終売品を置くバーで1杯頼むほうが確実で、出費も抑えられます。注文するときは「アードベッグのスーパーノヴァ、2009年版はありますか。まずストレートで、少なめに」のように、銘柄名に年版を添えて伝えます。2009年版は58.9%、2026年版は60.1%と度数が高いので、チェイサーの水を数滴ずつ落としながら飲むと、アルコールの刺激に隠れていたピート由来の香りや甘い香りを感じ取りやすくなります。1杯の値段は、注文する前に聞いておくと安心です。
希少品の1杯が高く設定される理由は3つあります。店が二次流通の相場に近い値段で仕入れていること。残りが少なく、次に入荷できる見込みがないこと。開栓後はボトル内の空気が増えて香りが少しずつ抜けるため、飲み切るまでの劣化リスクを値段に含めていることです。
定番のアードベッグ 10年と、その上の選択肢
一年中買えるのはアードベッグ 10年です。バーボン樽熟成、度数46%で、冷却濾過も着色もしていません。バーボン樽は内側を焦がしたアメリカンオークの樽で、バニラのような甘さがピートの煙っぽさを下から支えます。店頭価格の目安は5,049円前後(2026年11月3日時点)です。
度数の高さという点で限定品に近い体験をしたいなら、樽出しの度数で瓶詰めしたアードベッグ 10年 カスクストレングスが候補になります。日本では2026年2月24日に、アードベッグ コミッティーストア限定・数量限定で発売されました(MHD モエ ヘネシー ディアジオ、税込14,300円)。在庫状況は要確認です。
アードベッグ ウーガダールとアードベッグ コリーヴレッカンも定番の銘柄で、どちらも熟成年数の表記がないノンエイジ、冷却濾過なしです。違いは樽構成にあります。ウーガダールは度数54.2%で、バーボン樽原酒とシェリー樽原酒を合わせた構成です。シェリー樽由来の干しぶどうやチョコレートのような甘さが、煙に重なります。コリーヴレッカンは度数57.1%で、バーボン樽原酒とフレンチオーク樽原酒を合わせた構成です。黒い果実やスパイス、タールのような重さが出ます。甘さ重視ならウーガダール、骨太さ重視ならコリーヴレッカンと考えると選びやすくなります。
| 銘柄 | 位置づけ | 度数 | 入手しやすさ | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|
| アードベッグ 10年 | 定番。バーボン樽熟成 | 46% | 通年で購入可 | 5,049円前後(2026年11月3日時点) |
| アードベッグ ウーガダール | 定番。バーボン樽とシェリー樽の原酒。干しぶどうやチョコレートの甘さ | 54.2% | 通年で購入可 | 8,514円前後(2026年11月3日時点) |
| アードベッグ コリーヴレッカン | 定番。バーボン樽とフレンチオーク樽の原酒。黒い果実とスパイス、タールの重さ | 57.1% | 通年で購入可 | 8,880円前後(2026年11月3日時点) |
| アードベッグ 10年 カスクストレングス | 2026年2月発売の限定品 | 樽出しの度数 | コミッティー限定・数量限定 | 税込14,300円(発売時) |
| オールモスト・ゼア | 限定品・9年熟成 | 54.1% | 終売(二次流通かバー) | 状態次第 |
| スーパーノヴァ 2009/2010 | 限定品 | 58.9%/60.1% | 終売(二次流通かバー) | 年版と状態次第 |
目的別の選び方
- 初めてアイラモルトを飲む人、ファンへの贈り物:アードベッグ 10年。46%なので、ストレートでも加水しても味が崩れにくい
- 煙っぽさに加えて甘さや厚みがほしい人:甘さ重視ならウーガダール、骨太さ重視ならコリーヴレッカン
- 度数の高さや限定品らしさを味わいたい人:10年 カスクストレングス(コミッティー限定・数量限定)か、バーでオールモスト・ゼアやスーパーノヴァを1杯
贈り物にするときは、「福山雅治さんが名前を挙げたのは限定品のオールモスト・ゼアとスーパーノヴァで、これは同じ蒸溜所の定番品です」と一言添えましょう。本人がふだん飲んでいる銘柄だという誤解を防げます。
ニッカ フロンティアと福山雅治:CM出演銘柄の仕様と、2026年時点の買える状況
福山雅治はニッカウヰスキーの国内スペシャルアンバサダーに起用されており(アサヒビール、2024年7月5日発表)、ニッカ フロンティアのTVCMに出演している。2024年8月6日には「THE NIKKA WHISKY TOKYO」のオープニングセレモニーにも出席した。
仕様:余市のヘビーピートモルトを軸にした48%のブレンデッド
ニッカ フロンティアは2024年10月1日発売のブレンデッドウイスキー(モルト原酒とグレーン原酒を合わせたウイスキー)だ。ニッカ創業90周年を機に開発され、2020年の「ニッカ セッション」以来4年ぶりの新ブランドになる。キーモルト(香味の軸になる原酒)は余市蒸溜所のヘビーピートモルトで、冷却濾過なし、度数48%、容量500ml。参考小売価格は税別2,000円(オープン価格)で、製造はニッカウヰスキー柏工場。実売価格の目安は6,900円前後(2026年11月3日時点)。
ヘビーピートとは、乾燥時に焚くピートの煙からフェノール類を多く吸わせた麦芽のことで、発酵と蒸溜を経てもその一部がニューメイク(蒸溜したての原酒)に残る。冷却濾過をしていないため、口当たりに厚みが出やすい。度数48%は一般的なブレンデッドより高く、ハイボールや水割りにしても香りが薄まりにくい。
モルト比率について具体的な数字を挙げる情報もあるが、メーカーの公表値は確認できない。店頭で比率を聞かれたときは「非公表」と答えるのが正確だ。
「終売」ではない:販売状況の時系列
- 2024年10月1日:発売
- 2025年4月1日出荷分から:需要が供給を上回ったため飲食店専用になり、家庭用の出荷を一時停止
- 2025年12月上旬:家庭用(店頭・EC)の出荷を再開
「4月から買えなくなる」「終売」という情報は、2025年春の一時停止を伝えたものか、それを誤って伝えたものだ。現在は家庭用の出荷が再開しており、終売ではない。アサヒビールは、酒類販売免許のない個人が継続的に転売すると酒税法違反になる可能性があると注意を呼びかけている。贈り物にするなら、フリマアプリで高値の出品を買うのは避け、免許のある酒販店や正規のECで参考小売価格に近い値段で買うのが確実だ。
アードベッグとの共通点と違い
GOETHEのインタビューで本人が好きな酒として挙げたのは、アードベッグの限定品「オールモスト・ゼア」と「スーパーノヴァ(2009・2010)」だ。フロンティアは、余市のヘビーピートモルトをキーモルトにしている。どちらもヘビーピートの麦芽を香味の軸にした点は共通するが、広告起用と本人の好みは別の話だ。度数も、限定品の54〜60%台に対してフロンティアは48%と開きがある。
| 項目 | ニッカ フロンティア | アードベッグ 10年(参考:現行で比べやすい定番品) |
|---|---|---|
| 分類 | ブレンデッドウイスキー | アイラのシングルモルト |
| スモーキーさの軸 | 余市蒸溜所のヘビーピートモルト | ヘビーピートの麦芽 |
| 度数 | 48% | 46% |
| 冷却濾過 | なし | なし |
| 容量 | 500ml | 700ml |
| 福山雅治との関係 | 国内スペシャルアンバサダーとしてTVCMに出演 | 本人が挙げたのは同じブランドの限定品(10年ではない) |
| 価格の目安 | 6,900円前後(2026年11月3日時点) | 5,049円前後(2026年11月3日時点) |
酒販店やバーで「福山雅治が好きなウイスキーは?」と聞かれたときは、次のように答え分けると正確だ。国内スペシャルアンバサダーとしてCMに出ている銘柄は「ニッカ フロンティア」。インタビューで好きな酒として挙げたのは、終売になったアードベッグの限定品。フロンティアは、少量をストレートで香りを確かめてからハイボールにすると、ピートの香りの変化が分かりやすい。
福山流を家で再現する:水割り・ハイボール・少量の加水の比率と、なぜ香りが開くのか

福山雅治がウイスキーに惹かれたきっかけは、北極圏の雪解け水で割った水割りでした。家で再現するなら、まず水を選びます。雪解け水は一般にミネラル分が少ない水です。硬度の低い軟水は香りを邪魔しにくく、カルシウムやマグネシウムの多い硬水では口当たりが重くなり、香りの出方も変わります。冷やした国産の軟水のミネラルウォーターを使うのが基本です。塩素の匂いが残る水道水は、そのまま使わないでください。
比率と手順の目安
- トゥワイスアップ(1:1):常温の水で割ります。冷やすと香りが閉じるため、香りを確かめる飲み方として常温で作ります。
- 水割り(1:2〜2.5):グラスに氷を詰めて混ぜ、グラスが冷えたら溶けた水を捨てます。ウイスキーを注いでよく混ぜ、氷を足してから水を注ぎ、軽く混ぜます。
- ハイボール(1:3〜4):冷やしたグラスに氷とウイスキーを入れて混ぜます。よく冷えた炭酸をグラスの内側に沿わせて注ぎます。氷に直接当てると泡が抜けます。最後はマドラーで底から一度持ち上げる程度にとどめ、混ぜすぎないでください。
同じ比率でも、元の度数が高いほど仕上がりの度数は高くなります。下の表は、溶けた氷の水を含めずに計算した値です。
| 銘柄(度数) | 水割り 1:2 | ハイボール 1:4 |
|---|---|---|
| 一般的な40% | 約13% | 8% |
| アードベッグ 10年(46%) | 約15% | 約9% |
| ニッカ フロンティア(48%) | 16% | 約10% |
| オールモスト・ゼア(54.1%) | 約18% | 約11% |
| スーパーノヴァ 2010(60.1%) | 約20% | 約12% |
40%のウイスキーと同じくらいの強さにしたい場合は、割る量を増やします。48%のフロンティアなら水割りは1:2.6前後、ハイボールは1:5前後です。60%前後のカスクストレングスなら、水割りは1:3.5前後、ハイボールは1:6.5前後になります。CMの「フロートハイボール」を再現する場合は、上の比率を使わず、アサヒビール公式の案内で手順と分量を確かめてから作ってください。
少量の加水で香りが開く理由
度数が下がると、スモーキーな香りのもとになるグアヤコールなどのフェノール類が液面の近くに集まりやすくなり、香りが立つとする研究報告があります。フェノール類は、ピートを焚いて乾かした麦芽に取り込まれた成分です。アードベッグはこの成分が多いため、加水による変化が分かりやすい銘柄です。
- チューリップ型のグラスに15〜20mlを注ぎ、まずストレートで香りをとります。
- スポイトで水を2〜3滴加えます。グラスを回して30秒ほど置き、もう一度香りをとります。
- 煙の刺激が和らぎ、柑橘や甘い香りが前に出てきたところが目安です。アードベッグ 10年(46%)は数滴で香りが変わります。54〜60%台のものは滴数を増やしてください。
グラスと量、開栓後の保管
香りをとるなら、口のすぼまったチューリップ型のグラスを使います。水割りとハイボールにはタンブラーを使います。量はシングルが約30ml、ダブルが約60mlです。家で作るときは、シングルを基準にすると比率を決めやすくなります。
- 瓶は立てて保管します。コルクが高い度数の液体に触れ続けると傷みやすいためです。
- 直射日光と高温を避けます。
- 中身が減ると瓶の中の空気が増え、香りが抜けやすくなります。残りが3分の1ほどになったら、早めに飲み切ってください。
よくある質問
Q. 福山雅治さんが好きなウイスキーの銘柄は公表されていますか? はい。『GOETHE』2022年10月号のインタビューで、終売の「アードベッグ オールモスト・ゼア」と、2009年・2010年の「アードベッグ スーパーノヴァ」を好きな酒として挙げています。
Q. 本人が好きな銘柄はアードベッグ 10年ですか? いいえ。GOETHEのインタビューで名前を挙げたのは、限定品の「オールモスト・ゼア」と、2009年・2010年の「スーパーノヴァ」です。10年はシリーズ以前からある定番品です。シリーズ最終作のルネッサンス以降、新体制で蒸溜した原酒が主体になりました。同じ蒸溜所の個性を知る入口にはなりますが、「福山雅治の好きな銘柄」とは言えません。
Q. バーボン派ですか、スコッチ派ですか? バーボンかスコッチかを明言したわけではありませんが、GOETHEで好きな酒として挙げたのは、スコッチのアイラモルト、アードベッグの限定品です。同じインタビューでは、シングルモルトの魅力を「麦だけで作るというそのストイックな生産過程」とも語っています。
Q. ボウモア17年は本人の好みですか? 映画『容疑者Xの献身』で湯川学が持参した酒として出てくる銘柄です。本人の好みとして語られたものではありません。
Q. ジャパニーズウイスキーとの関係はありますか? ニッカウヰスキーの国内スペシャルアンバサダーを務め、ニッカ フロンティアのTVCMに出演しています。2024年8月には「THE NIKKA WHISKY TOKYO」のオープニングセレモニーにも出席しました。ただし、フロンティアはGOETHEで好きな酒として挙げた銘柄ではありません。
Q. ニッカ フロンティアは終売ですか? 終売ではありません。2025年4月から家庭用の出荷が一時止まっていましたが、同年12月上旬に再開しました。アサヒビールは、酒類販売免許のない個人が継続的に転売すると酒税法違反になる可能性があると注意を呼びかけています。
Q. 限定品は今買えますか? オールモスト・ゼアもスーパーノヴァ(2009・2010)も終売です。手に入れる方法は、二次流通か、開栓済みのボトルを置いているバーに限られます。買う場合は、販売者が酒類販売免許を持っているかと、液面の高さを確かめてください。定番のアードベッグ 10年(5,049円前後・2026年11月3日時点)で、まず系統をつかむのが現実的です。
Q. ほかの銘柄が好きという話は本当ですか? インタビューには、北欧旅行で買った「ザ・フェイマスグラウス」や、タモリに飲ませてもらった1930〜40年代の「マッカラン」も出てきます。ただし、好きな酒としてはっきり挙げたのは上の2銘柄だけです。それ以外の逸話は、出典を確かめてから扱ってください。
この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。