ハイランドパークの味わい|12年・15年・18年の違いと飲み方
ハイランドパーク12年と18年の味わいの違いを解説。蜂蜜と穏やかな煙の12年、シェリー樽の果実とスパイスが主役の18年を比べ、ハイボールやストレートなど飲み方の選び方、度数・価格、正規品と並行輸入品の見分け方もわかります。
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定番3本の基本情報|正式名・度数・価格(税込・2026年10月時点)
先に結論です。12年は蜂蜜の甘さと穏やかな煙のバランスが骨格です。18年はシェリー樽由来のジャムのような果実とスパイスが主役で、煙は奥に回ります。毎日のハイボールなら12年、ストレートで特別な1杯なら18年が選びやすい1本です。15年は現行の公式情報が乏しいため、本記事では香味の比較対象から外します。
ハイランドパークはスコットランド本土の北、オークニー諸島の蒸溜所で、1798年創業とされます(記録上の創業者はデヴィッド・ロバートソンとされ、密造者マグナス・ユンソンの伝承も語られます)。1937年にハイランド・ディスティラーズ社の傘下に入りました。同社は1999年にエドリントン・グループに買収され、現在はエドリントン社が所有しています。日本の正規輸入元は三陽物産で、2020年1月から取り扱っています。
定番3本の正式名・度数・価格
| 銘柄(正式名) | 度数/容量 | 着色の表記 | ブランドサイトの希望小売価格(税別) | 報道ベースの税込価格(2025年5月改定前→改定後) |
|---|---|---|---|---|
| 12年 ヴァイキング・オナー | 40.0%/700ml | ナチュラルカラー | 6,000円 | 6,600円→7,700円 |
| 15年 ヴァイキング・ハート | 44%/700ml | 表記を確認できず | 15,000円 | 16,500円→18,150円 |
| 18年 ヴァイキング・プライド | 43.0%/700ml | ナチュラルカラー | 21,000円 | 23,100円→26,400円 |
2026年10月時点の数字です。ブランドサイトの税別価格に消費税10%を足すと、6,600円・16,500円・23,100円になります。これは改定前の税込価格と一致するため、サイトの表記は値上げ前のまま残っている可能性が高いと読めます。改定後の税込価格は報道によるもので、輸入元の正式発表は確認できていません。2026年以降の値上げも確認できていないため、表の数字は目安として扱ってください。現在の店頭価格の目安は、12年が4,640円前後(2026年11月3日時点)、15年が4,785円前後(2026年11月3日時点)、18年が4,785円前後(2026年11月3日時点)です。
度数の差は飲み比べの条件を変える
12年の40.0%は、スコッチウイスキー規則(SWR 2009)が定める瓶詰め時の最低度数です。15年は44%で、43%と書かれた資料がありますが誤りです。15年(44%)と18年(43%)は、ストレートのままだと度数差が比較に混ざります。度数のそろえ方は、後述の「度数をそろえて比べる手順」で示します。
着色と冷却濾過について
SWRでは、色調整のためのカラメル(E150a)の添加が認められています。そのため「ナチュラルカラー」の表記は、着色していないことを示す意味のある情報です。輸入元サイトでこの表記を確認できるのは12年と18年です。15年に着色があるかどうか、また3本が冷却濾過(低温で濁りの成分を取り除く工程)をしているかどうかは公表情報で確認できません。加水したときの白濁などから推測で断定するのも避けたほうが安全です。
正規品と並行輸入品の見分け方
店頭には、三陽物産の正規品と並行輸入品が並ぶことがあります。並行輸入品は仕入れ経路や為替によって価格が上下し、入荷量も安定しません。安く見えても次に同じ価格で買えるとは限りません。バーで定番として置く場合や、贈答で日本語の裏ラベルと安定した供給を重視する場合は、正規品を選ぶと判断しやすくなります。
新パッケージと「18年終売」の情報
12年・15年・18年は、2025年4月からオークニー諸島をイメージした新パッケージに順次切り替わっています。輸入元の発表では、中身の味わいは変わりません。店頭で新旧の箱が混在していても、中身の違いを理由に選び分ける必要はありません。贈答で見た目をそろえたいときだけ、箱の新旧を確認すれば十分です。
一方、「18年が終売になった」という情報が出回っています。しかし2026年10月時点で、定番3本の終売・休売は確認できていません。確認できた事実はパッケージの変更だけです。終売情報の出どころは、18年の終売情報を検証した別記事で整理しています。
ハイランドパークの味わいはどこから来るのか|麦芽・ピート・蒸溜・樽

ハイランドパークの「甘さの後ろに穏やかな煙がある」という印象は、1つの工程だけで決まるものではありません。麦芽の配合、ピートの質、蒸溜、樽の4つが重なって生まれます。工程ごとに、よく見かける説明と実態のずれも含めて整理します。
麦芽|自家製麦は約2割で、残りはノンピート
蒸溜所では、発芽中の大麦を床に広げて人の手で返すフロアモルティングを今も自社で続けています。輸入元の説明では、スコットランドでこれを続けているのは6蒸溜所だけです。ハイランドパークはテニスコートほどの床を5面使っています。ただし「全量をフロアモルティングしている」「麦芽はすべて自家製のピート麦芽」という説明は誤りです。自家製麦でまかなうのは必要な大麦の約20%で、そこに約20ppm(フェノール値。スモーキーさの目安。資料によっては30ppm台とするものもある)のピートを焚いています。この数値は麦芽の値で、蒸溜後の原酒や製品に残るフェノール濃度はこれより大幅に低くなります。残りは本土のシンプソンズ社から仕入れるノンピート麦芽です。
ピートを焚いた麦芽と焚いていない麦芽を合わせて仕込むので、仕込み全体のスモーク成分は自家製麦の分より薄まります。仕込み全体の数値は公表されていないため、ここで換算して断定はしません。それでも、アイラの強いピートのような薬品や海藻を思わせる煙ではなく、甘さの後ろに控えるスモークになる理由は、この配合で説明できます。「20ppm=中程度のピート」とだけ読むと、実際の香りより強い煙を想像してしまう点に注意してください。
ピート|ヘザーを多く含む島の泥炭
ピートは近くのホビスター・ムーアで掘ったもので、深さの異なる3つの層を使い分けています。樹木の少ないオークニーの植生を反映して、このピートはヘザー(ヒースの一種)を多く含みます。公式ノートでは、12年の香りを「ヘザーハニーの甘さとピーティーなスモーキーさ」、18年の香りを「円熟した花の香り」と表現しています。ヘザーを含むピートは、アイラの海藻・ヨード系の煙と比べて、甘く香ばしい煙をもたらすとされます。ピートが左右するのはこの煙の質です。蜜や花の香りには、発酵・蒸溜で決まる酒質と樽の寄与も大きく関わります。
蒸溜|ポットスチル4基(初溜2・再溜2)
蒸溜器はポットスチル4基で、初溜2基・再溜2基の構成です。糖化・発酵の工程では、木製(オレゴンパイン)のウォッシュバック(発酵槽)を使うとされます。発酵時間、ラインアームの角度、ミドルカット(蒸溜液のうち製品に使う中間部分)の幅は、公表値を確認できないため数値では示しません。蒸溜器の形から還流の多さを推測して「軽い酒質」「重い酒質」と決めつけるのは避けます。確かめられる麦芽と樽の情報から香味を説明するほうが正確です。
樽|シェリーシーズンド樽が主体で、比率は資料によって違う
熟成には、スペイン産のオロロソ・シェリーで処理したシェリーシーズンド樽を主に使います。これはソレラで長年シェリーを熟成してきた古樽ではありません。樽材にシェリーをなじませてから出荷する、ウイスキー熟成のための樽です。樽の比率は資料によって異なります。2020年の輸入元の説明ではシェリー樽8割・バーボン樽2割で、海外メディアには約9割とする資料もあります。いずれにしても「すべてシェリー樽」ではありません。
ハイランドパークは、ヨーロピアンオーク(欧州産オーク)とアメリカンオーク(米国産オーク)の両方のシェリーシーズンド樽を使います。同じシェリーシーズンドでも、ヨーロピアンオークはタンニン、ドライフルーツ、スパイスを与え、アメリカンオークはバニラやココナッツ、明るい果実の甘さを与えます。スペインで組まれる樽は、一般に内側を強く焦がすチャーではなく、曲げ加工時の加熱によるトーストで仕上げられます。ハイランドパークの樽の焼き方の仕様は、公表情報では確認できません。年数ごとの樹種の比率も公表されていないため、数値では示しません。
同じシェリー樽でも、使用回数で香味の出方が変わります。ファーストフィル(シェリー処理後に初めてウイスキーを詰める樽)は、色とドライフルーツ、スパイスを強く与えます。リフィル(2回目以降)は樽の影響が穏やかで、原酒の甘さと煙を残しやすくなります。18年のエスプレッソを思わせるロースト感やスパイスは、ヨーロピアンオークのファーストフィルが寄与する典型的な香味です。12年との違いは、こうした樽の比重の差として読むと整理しやすくなります。年数違いの性格は、樹種と使用回数の配合によって変わります。
年数で変わるのは煙の比重と「樽とのバランス」
熟成が長いほど、フェノール類(煙の成分)は揮発や酸化で減ります。同時に、樽由来の成分(ドライフルーツ、スパイス、タンニン)が増えるため、煙の比重は二重に下がります。また、年数違いは同じ原酒がそのまま年を重ねたものではなく、樽の配合が異なる別のレシピです。12年の公式ノートの味わいは「丸みを帯びたスモーキーな甘さ」、18年は「フルーツジャムとエスプレッソのクリーミーさの中にスパイス」です。この違いが、年数違いの香味の骨格になっています。海沿いの冷涼な環境では、一般に樽との反応が穏やかに進み、長く熟成しても樽の成分が急に強くなりにくくなります。
- 甘さの後ろにある煙をはっきり感じたい場合:12年
- 樽由来のドライフルーツやスパイスを主役にしたい場合:18年
- 15年:現行の公式の樽構成と香味表記を確認できないため、本記事では比較対象から外す。まず12年と18年で好みの方向を確かめるのが確実
ラベルの「12年」が示すもの
スコッチウイスキー規則(SWR 2009)では、シングルモルトを「1つの蒸溜所で、大麦麦芽だけを原料に、ポットスチルで蒸溜したもの」と定めています。また、ラベルの年数は、ボトルに入っている原酒のうち最も若いものの熟成年数です。そのため、12年に12年より長く熟成した原酒が入っていても規則上は問題ありません。「12年=12年物だけ」ではなく、年数は最低限の保証です。実際の香味は、ここまで見てきた麦芽の配合と樽の組み合わせで決まります。
12年・15年・18年の味わいを比較|香り・味・余韻と度数の差
3本の違いは、樽由来の要素とスモークの比重と、度数の差の2点に分けると整理しやすくなります。公式のテイスティングノートを確認できるのは12年と18年です。15年は現行の公式の樽構成も香味の表記も確認できなかったため、下の比較表から外しています。表では、公式の表記と、構造から読める傾向を分けて示します。
3本の香り・味・余韻の比較表
| 項目 | 12年 ヴァイキング・オナー | 18年 ヴァイキング・プライド |
|---|---|---|
| 度数 | 40.0% | 43.0% |
| ノージング(香り) | 公式:ヘザーハニーの甘さとピーティーなスモーキーさ | 公式:はちみつ漬けのエキゾチックフルーツ、円熟した花の香り |
| パレット(味) | 公式:丸みを帯びたスモーキーな甘さ | 公式:フルーツジャムとエスプレッソのクリーミーさの中にスパイス |
| フィニッシュ(余韻) | 公式の余韻表記なし。蜂蜜の甘さの後に煙が残る構成 | 公式の余韻表記なし。樽由来のスパイスとコクが中心で、煙は奥に残る構成 |
| スモークの感じ取りやすさ | 2本のうちで感じやすい | 奥で全体を支える役 |
12年|蜂蜜とスモークの均衡が骨格
12年の骨格は、蜂蜜の甘さとスモークの均衡です。樽の成分がまだ前に出きらない段階なので、自家製麦に由来する煙が甘さの輪郭として残ります。そのため、3本のうちスモークを最も感じ取りやすい1本です。40.0%で揮発が穏やかなため、ストレートでも鼻を刺されにくく、蜜の層と煙の層を分けて取れます。年数違いを比べるときは、12年を基準の1本にすると違いを測りやすくなります。
18年|樽の厚みが前に出て、煙は支え役に回る
18年は長い熟成によって、シェリー樽由来の要素が厚くなります。ジャムのような果実、エスプレッソを思わせるロースト感、スパイスがそれにあたります。スモークは消えたわけではなく、甘さと樽香の下で全体を引き締める支えに回ります。12年の後に飲むと「煙が減った」と感じやすいのは、前章で述べたとおり煙の比重が下がった結果です。
15年|44%と熟成年数から読める位置
15年については、現行の公式の樽構成と香味表記を確認できませんでした。そのため本記事では、香味の比較と推奨の対象から外します。度数の扱いは、下の「度数をそろえて比べる手順」で示します。手元に15年がある場合は、自宅での飲み比べで12年と18年の間に並べ、自分の舌で位置を確かめる材料にしてください。購入前には、輸入元のブランドページで最新の公式ノートを確認してください。
度数をそろえて比べる手順
40%の12年と比べると、15年・18年はストレートでアルコールの立ち上がりが強く出ます。15年(44%)と18年(43%)の差は1ポイントで、比較への影響は小さく、主に効くのは40%の12年との差です。この差を除いて比べるには、水を足して約40%にそろえます。15mlを基準にすると、44%を40%にするには水が約1.5ml(15ml×44÷40=16.5ml)、43%を40%にするには約1.1ml(15ml×43÷40≒16.1ml)必要です。1滴は約0.05mlなので数滴では足りず、スポイトで量を測って加えます。具体的な手順は、次の章の「自宅でできる3本の飲み比べ手順」にまとめています。
ロット差と時期による印象の揺れ
シェリー樽の比率は、資料によって8割とも約9割ともされています。ファーストフィルとリフィルの配合など、樽の履歴も時期によって変わりえます。そのため、同じ年数でも購入時期によって印象が揺れることがあります。なお、前述のとおりパッケージ変更の前後で中身は同じです。厳密に比べたいときは、近い時期に開栓したボトル同士で並べてください。開栓時期が大きく違うボトルを比べると、ロット差に開栓後の酸化による変化が混ざってしまいます。
年数別の飲み方と、自宅でできる3本の飲み比べ手順

ストレート・ロック・ハイボールの基本の作り方は、別記事『ハイランドパークの飲み方』にまとめています。ここでは、年数ごとにどの飲み方が合うかと、3本を並べて比べる手順を扱います。
年数ごとに向く飲み方と理由
| 銘柄 | 向く飲み方 | 理由 |
|---|---|---|
| 12年(40.0%) | ハイボール、水割り、トゥワイスアップ | 加水や炭酸でも甘さと煙の輪郭が残る |
| 15年(44%) | ストレートから少量ずつ加水 | 公式の香味・樽構成を確認できないため推奨は控える。ストレートから少量ずつ加水して変化を確かめる |
| 18年(43.0%) | ストレートに数滴の加水 | シェリー樽由来の果実香とスパイスが主役。氷や大量の水では閉じやすく、数滴の水で開かせるのが向く |
比率と手順
- トゥワイスアップ:ウイスキーと常温の水を1:1にする。氷は入れない。冷たい水を使うと香りが立たない
- ハイボール:ウイスキーと炭酸を1:3〜4にする(30mlなら炭酸90〜120ml)。グラスと炭酸はよく冷やしておく。氷を満たしたグラスにウイスキーを注いで冷やし、炭酸は氷に当てずに内壁を伝わせて注ぐ。マドラーで縦に1回だけ混ぜて、炭酸が抜けるのを防ぐ
- 加水:スポイトで2〜3滴ずつ足し、そのたびにグラスを回して香りを取る。香りが平板になり始めたら足しすぎなので、その手前で止める
グラスと温度
チューリップ型のテイスティンググラスは、ふくらんだ胴で揮発した香りをため、すぼまった口から鼻へ集めます。ロックグラスは口が広いので香りが拡散します。アルコールの刺激と煙は感じ取れても、蜜や花のような繊細な香りは拾いにくくなります。温度は室温が基本です。冷やしすぎると香りの成分が揮発しにくくなり、ヘザーハニーの甘い香りや、18年のシェリー樽に由来する果実香が閉じてしまいます。
自宅でできる3本の飲み比べ手順
- 各15mlにそろえる。シングル(約30ml)で3杯飲むと合計90mlになり、後半ほど嗅覚と味覚が鈍る
- 同じ形のグラスを3脚使う。形が違うと香りの集まり方が変わる
- 12年→15年→18年の順に飲む。樽の厚みが増す順なので、18年を先に飲むと12年の甘さが痩せて感じられる
- 1本ごとに水を飲んで口をリセットする
- 2巡目は、前章の分量どおり15年に約1.5ml、18年に約1.1mlの常温の水をスポイトで加え、軽く回して1〜2分置いてから比べる。1巡目と比べて印象が変わった部分が、度数の差によるもの
開栓後の保管
開栓すると、空気に触れた酸化と、軽い香りの揮発で香味が変わっていきます。ボトルの中の空気が多いほど変化は早く進みます。残量が半分を切ったら、小瓶に移して空間を減らします。保管はボトルを立てて冷暗所に置きます。横に寝かせると、度数の高い液体にコルクが触れ続けて劣化しやすくなります。
バーでの頼み方と1杯の価格の考え方
注文では、年数と飲み方をセットで伝えます。たとえば「ハイランドパーク12年をストレートで、チェイサー付きで」と頼みます。15年や18年を加水しながら飲みたいときは「ストレートで、加水用の水を別にください」と添えると、自分で量を調整できます。3本を飲み比べたい場合は、ハーフ量で出せるかを先に確かめると、自宅と同じ条件に近づけられます。
1杯の価格は、ボトルの仕入れ値を1杯の量で割った原価に、氷・グラス・人件費・開栓後のロスなどの経費と利益を乗せて決まります。700mlのボトルを30mlで注ぐと、取れるのは約23杯です。高価格帯のボトルほど原価にかける倍率を抑える店が多いため、12年と18年の1杯の差は、ボトルの価格差ほどには開かないことが多いです。
結局どれを選ぶか|目的別の判断基準と30mlあたりの価格
年数を選ぶときは、まず30mlあたりの価格を比べます。報じられている2025年5月改定後の税込価格を700mlで割り、30mlに換算しました。輸入元の正式発表は確認できていないため、数字は目安です。
| 銘柄 | 改定後の税込価格(報道) | 30mlあたり | 12年との比 | 向く目的 |
|---|---|---|---|---|
| 12年 ヴァイキング・オナー | 7,700円 | 約330円 | 1倍 | 初めての1本、毎日のハイボール |
| 15年 ヴァイキング・ハート | 18,150円 | 約778円 | 約2.4倍 | 比較対象外(現行の公式香味・樽構成を確認できず) |
| 18年 ヴァイキング・プライド | 26,400円 | 約1,131円 | 約3.4倍 | 贈り物、特別な1杯 |
18年の1杯は12年の約3.4倍の価格ですが、香味が3.4倍良くなるわけではありません。前章のとおり、年数違いは樽配合の異なる別レシピで、変わるのは煙の比重と樽とのバランスです。蜂蜜とスモークの均衡そのものを楽しみたい人には、前述の骨格を持つ12年のほうが合う場合があり、しかも1杯約330円で日常に回せます。18年はシェリー樽由来の果実とスパイスが主役です。そのため、炭酸で薄めて冷やすハイボールでは香りが閉じやすく、個性を活かしにくくなります。価格差は「樽の厚みにいくら払うか」で判断してください。
目的別の選び方
- 初めての1本、毎日のハイボール用:12年。1杯約330円で、薄めても甘さと煙の輪郭が残る
- 15年:現行の公式の香味表記と樽構成を確認できないため、本記事では推奨しない。手に取るなら、ストレートから少量ずつ加水して変化を確かめる
- 贈り物、記念日の1杯:18年。ストレートか数滴の加水で飲むことを前提に選ぶ
贈り物にするときの確認点
2025年4月から順次新パッケージに切り替わり、外箱の印象が変わりました。前述のとおり中身は同じなので、確認するのは箱の新旧をそろえたいかどうかだけで足ります。海外の知人や取引先へ配送する場合や、手荷物で持っていく場合は、相手の国の酒類の持ち込み・輸入ルールを事前に確認してください。免税範囲や、配送業者が酒類を扱えるかどうかなどが該当します。
12年が合わなかったときの代わり
12年のどこが合わなかったのかによって、次の1本を選び分けます。
- 甘さとコクが物足りない(シェリー樽の厚みが欲しい):グレンドロナック 12年
- 煙が物足りない(スモークをもっと強くしたい):カリラ 12年
- 甘さでも煙でもなく、質感を変えたい:北ハイランドの蝋っぽい質感を持つクライヌリッシュ 14年
評価の背景と最近の動き
ハイランドパークの評価でよく引かれるのは、米国の酒類評論家F・ポール・パカルト氏が18年を「世界最高の蒸留酒」と評したことです。ただしこれは18年という特定のボトルに対する評価で、時期も古いものです。12年・15年・18年それぞれの最近の受賞歴は確認できていないため、年数を選ぶ根拠にはしないほうが確実です。新製品では、2025年11月に米国で、2026年1月13日に英国(The Whisky Exchange独占、£60)で、カスクストレングス(加水しない樽出し度数)の新シリーズ第1弾となる限定品「Cask Strength: Heather」(63.6%)が発売されています(BevNet 2025年11月24日掲載のプレスリリース、The Whiskey Washによる)。詳しくはカスクストレングスの別記事で扱っています。
よくある質問

ハイランドパークをロックで飲むなら、どの年数が向きますか?
12年が向きます。氷で温度が下がると香りが立ちにくくなり、溶けた水で度数も下がります。それでも、前述の12年の骨格のとおり、輪郭が残りやすいです。18年は氷で果実香とスパイスが閉じやすいため、ロックにするなら大きめの氷を1つ入れ、溶ける前の早い段階で香りを取るのが無難です。
加水に使う水は何を選べばよいですか?
常温の軟水が基本です。硬度の高い水はミネラルの味が加わります。塩素の残る水道水は、塩素臭がヘザーハニーや花の香りを覆います。冷えた水は香りを閉じさせるので避けます。飲み比べでは3本とも同じ水を使い、口のリセットに飲むチェイサーも同じ水にそろえると、水の違いが比較に混ざりません。
加水したときや冷やしたときに白く濁るのは劣化ですか?
劣化ではありません。度数や温度が下がると、アルコールに溶けていた脂肪酸エステルなどの成分が溶けきれなくなります。それが細かく析出して濁って見える現象で、香味の一部を担う成分です。ただし、ハイランドパークが冷却濾過をしているかどうかは公表されていないため、濁り方から製法を断定するのは避けてください。
12年のハイボールにレモンを入れてもよいですか?
好みで構いませんが、まずは入れずに飲むのがおすすめです。レモンピールのオイルや果汁の酸は香りが強く、12年の持ち味であるヘザーハニーの甘さと穏やかなスモークを覆いやすいためです。柑橘を足すなら果汁は搾らず、ピールをグラスの上で軽く絞って香りだけを乗せる程度にすると、骨格を崩しにくくなります。
バーでハーフ(15ml)を頼めない店では、どう飲み比べればよいですか?
まず本数を絞ります。違いが最も大きい12年と18年の2杯に限れば、シングル(約30ml)でも合計60mlに収まります。同行者がいれば、1杯ずつ頼んで分け合う方法もあります。どちらの場合も、同じ形のグラスで出してもらえるかを確かめ、チェイサーを頼んで1杯ごとに口をリセットします。1杯を飲み切る必要はありません。少量ずつ口に含んで香りと味を取り、残すつもりで頼むと、後半に感覚が鈍るのを抑えられます。
開栓後どのくらいで香りが変わりますか? 変化は何で判断すればよいですか?
変化の速さは、ボトル内の空気の量と保管温度で大きく変わるため、一律の期間では言えません。判断するには、基準を手元に残すのが確実です。開栓直後に30mlほどを小瓶に移して密栓し、冷暗所に置いておきます。後日、ボトルから注いだものと並べて香りを取り、蜜や花のような軽い香りが薄れていないか、香りが平板になっていないかを比べます。アルコールの角が取れて飲みやすくなる変化が先に出ることもあります。その場合は好ましい変化かどうかを、基準と並べて判断してください。
出典・参考にした情報
- WANDS「最北の権威『ハイランドパーク』取り扱い開始ー三陽物産」(確認日 2026-10-13)
- 三陽物産ブランドサイト(確認日 2026-10-13)
- 三陽物産ブランドサイト(確認日 2026-10-13)
- ノリフネ!(確認日 2026-10-13)
- The Whiskey Wash(確認日 2026-10-13)
- The Spirits Business(確認日 2026-10-13)
この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。