美味しいハイボールの作り方|比率と炭酸を逃がさない手順
ハイボールの基本はウイスキー30mlにソーダ120ml。グラスの予冷からソーダの注ぎ方、縦に1回だけ混ぜる仕上げまで5つの手順と各工程の意味を解説。炭酸が抜ける原因や味がぶれたときの見直し方、銘柄に合わせた比率の決め方もわかります。
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美味しいハイボールの基本の作り方|5つの手順と各工程の意味
基本形は、ウイスキー30mlに、よく冷えたソーダ120mlです。メーカーが案内する基本手順は、①グラスに氷を一杯に入れて冷やす、②ウイスキーを注ぐ、③ウイスキーと氷を混ぜる、④ソーダを加える、⑤最後に縦に1回だけ混ぜる、の5工程です。工程ごとに目的が違います。計量は味と度数を毎回同じに再現するため、グラスとウイスキーの予冷は温度を管理するため、ソーダを静かに注ぐのは炭酸を保つため、最後の軽い撹拌は濃さをなじませるためです。温度が大事なのは、二酸化炭素が液温の低いほど水に溶けやすく、温度が上がるほど泡として抜けていくからです。なお、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。民法上の成年年齢は18歳に引き下げられましたが、飲酒できる年齢は20歳のままです。
材料と道具の目安
| 項目 | 目安 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| グラス | 容量300〜350ml程度の縦長タンブラー | 口径が狭いほど液面の面積が小さくなり、ガスが抜けにくい |
| ソーダ | よく冷えた無糖の炭酸水 | 甘味がないほうが原酒の香味がそのまま出る。冷えているほどガスが残る |
| 氷 | 溶けにくい大きめの硬い氷 | 表面積が小さく溶けにくいため、水っぽくなりにくく、泡立ちも抑えられる |
| 道具 | マドラー | グラスの底まで届く長さのもの |
比率は銘柄の度数や香味で変わります(次の章で、公式比率を出発点に、仕上がり度数も見ながら決める方法を説明します)。
5つの手順と各工程の意味
- グラスに氷を一杯に入れ、マドラーで回して冷やす:ソーダが温かいグラスに触れて温度が上がり、ガスが抜けるのを防ぎます。冷やすうちに溶けて出た水は、ウイスキーを注ぐ前に必ず捨てます。残すと、ソーダを注ぐ前から味が薄まります。
- ウイスキーを注ぐ:量はジガー(バー用の計量カップ)で量ります。目分量で注ぐと、比率が杯ごとにずれます。
- ウイスキーと氷をよく混ぜる:ウイスキー自体を冷やし、後から注ぐソーダとの温度差を小さくするための工程です。常温のウイスキーにソーダを注ぐと、接したところでソーダが温まり、ガスが抜けます。混ぜて嵩が減った分は、氷を足してグラスの縁まで戻します。
- ソーダを静かに注ぐ:氷に直接当てず、グラスの内側を伝わせて注ぎます。ソーダが氷にぶつかると、その衝撃と氷の表面の凹凸をきっかけに泡が一気に出て、ガスが失われます。ソーダの瓶や缶は注ぐ直前に開けます。
- マドラーで縦に1回だけ混ぜる:注ぎ方によっては、ウイスキーとソーダがなじみきらず、飲む場所で濃さに差が出ることがあります。炭酸を逃がさないよう、軽くなじませます。マドラーを氷の下まで差し込み、底の氷を1回持ち上げて下ろすだけで十分です。グルグル回すと液がかき回され、そのぶんガスが抜けます。メーカーも、ソーダを加えた後の混ぜすぎを避けるよう案内しています。
味がぶれたときの原因は、温度の失敗とガスの失敗に分けて考えます。温度の失敗は、グラス、ウイスキー、ソーダのどれかがぬるいことで起こります。①と③の冷やし方と、材料の保管を見直します。ガスの失敗は、④の注ぎ方と⑤の混ぜ方で起こります。②で量がずれた場合は比率の失敗です。ジガーで量れば防げます。うまくいかないときは、失敗例の章の症状表で原因を切り分けます。
比率の正解は1:4だけではない|公式レシピを仕上がり度数で比べる

メーカーが一般的な目安として示す比率はウイスキー1:ソーダ3〜4で、幅があります。**「黄金比は必ず1:4」とは言えません。**各社の公式比率は違いますが、仕上がりのアルコール度数を計算すると、数字の意味がそろって見えてきます。
公式レシピを仕上がり度数で並べる
仕上がり度数は「ウイスキーの度数 ÷(1+ソーダの倍率)」で求められます。下の表は、氷が溶けて増える水を含まない理論値です。
| レシピ | ウイスキーの度数 | 比率 | 仕上がり度数(理論値) | 添え方 |
|---|---|---|---|---|
| 角瓶(公式) | 40% | 1:4 | 8% | レモンを少し搾る |
| ジムビーム(公式) | 40% | 30ml:120ml(1:4) | 8% | レモンを軽く搾る |
| キリン 陸(推奨) | 50% | 1:5 | 約8.3% | レモンは入れない |
| 40%のボトルを濃いめに | 40% | 1:3 | 10% | — |
| 50%のボトルを1:4で | 50% | 1:4 | 10% | — |
公式の3レシピは、比率が1:4と1:5に分かれていても、仕上がりはいずれも8%前後です。50%の陸を1:4で割ると10%になり、40%のボトルを1:3で割ったときと同じ濃さになります。陸の1:5は「薄めの指定」ではありません。度数が50%あるため、ソーダを増やしても、ほかの銘柄と同じ8%台に収まる比率です。
最初の一杯は公式比率か1:4で作り、味を見て調整する
判断の出発点は、ボトルに公式比率があればその比率、なければ1:4です。この比率で最初の一杯を作り、香りが物足りなければソーダを減らし、アルコールの熱さが気になればソーダを増やします。同じ度数でも、原酒の香味の強さや、炭酸の感じ方は銘柄によって違います。度数の計算だけでは、その銘柄に合う比率は決まりません。
仕上がり度数の逆算は、比率を変えるときの補助として使います。ソーダの倍率は「ウイスキーの度数 ÷ 目標の度数 − 1」で出せます。8%に合わせるなら、40%のボトルは1:4、50%のボトルは1:5.25、46%のボトルなら約1:4.75です。ただし、これは氷が溶ける前の計算値です。実際の度数は、溶けた水が加わるぶん、飲み進めるうちに下がります。飲食店で複数の銘柄を出すなら、計算上の仕上がり度数をそろえておくと、銘柄による飲み口の強さの差を小さくする目安になります。
シングル・ダブルとグラスの容量
- シングル30ml:1:3で総量120ml、1:4で150ml、1:5で180ml
- ダブル60ml:1:3で総量240ml、1:4で300ml、1:5で360ml
氷を縁まで詰めたグラスでは、液体が入るのは氷のすき間だけです。どれだけ入るかは氷の大きさや形、詰め方で変わるため、グラスの表示容量だけでは判断できません。使う氷をグラスに詰めた状態で水を注ぎ、必要な液量が入るかを一度確かめておきます。シングルを1:4で割るなら液体150ml、ダブルを1:4で割るなら液体だけで300mlが入る必要があります。収まらないグラスでは無理に注ぎ足さず、大きいグラスに替えるか、シングルを2杯に分けます。ソーダを減らして収めると比率が崩れ、40%のボトルなら1:3で計算上10%、それより減らせばさらに濃くなります。
濃いめ(1:3)と軽め(1:5)で変わること
40%のボトルを1:3で割ると10%になります。アルコールが多いぶん香りの成分が立ち上がりやすく、樽由来のバニラやウッディな香り、熟成香を拾いやすくなります。その代わり、液の4分の1がウイスキーで炭酸ガスを含まないため、ソーダの割合が下がって泡の刺激は穏やかになります。アルコールの熱さも舌に残りやすく、ハイボールらしい爽快感より、香りを味わう1杯に寄ります。
40%のボトルを1:5で割ると約6.7%です。ソーダが6分の5を占めるので、炭酸の刺激は強く、口当たりは軽くなります。一方で、香りは水で薄まって輪郭がぼやけやすく、熟成の短い原酒や香りの穏やかな銘柄では、水っぽく感じることがあります。キリン 陸は度数が50%あるため、1:5でも仕上がりは8%台です。
- 香りや樽の個性を味わいたい:40%のボトルで1:3、仕上がり10%
- 食事に合わせて喉ごしを優先したい:仕上がり7%前後(40%なら約1:4.7、50%なら約1:6)。さらに軽くするなら40%で1:5(約6.7%)
- 度数が45%を超えるボトル:公式比率があればそれで、なければ8%になる倍率で作り、物足りなければソーダを0.5ずつ減らす
炭酸が抜ける理由とその防ぎ方|温度・氷・注ぎ方の仕組み
ハイボールの炭酸が抜ける原因は、大きく3つに分けられます。液温が高いこと、泡ができるきっかけが多いこと、注ぐ前のソーダからすでにガスが抜けていることです。どれか1つでも当てはまれば、ほかの手順をいくら丁寧にしても、気の抜けた1杯になります。
温度:一番ぬるい材料が仕上がりを決める
二酸化炭素は、液温が低いほど多く水に溶けていられます。ハイボールのグラスの中では、ソーダ、ウイスキー、グラス、氷の温度が混ざり合います。ソーダだけを冷やしても、常温のウイスキーやグラスに触れたところで液温が上がり、溶けきれなくなったガスが泡になって抜けます。冷蔵庫で冷やしたソーダを使っていても気が抜ける場合は、ほかの材料のどれかがぬるいと考えて切り分けます。前の章で触れたとおり、グラスとウイスキーを氷で冷やすのはこのためです。
泡の起点:ガスは「きっかけ」がある場所から抜ける
溶けている二酸化炭素は、なめらかな液中では泡になりにくい性質があります。泡が生まれるのは、気体がわずかに残った微細なすき間です。具体的には、氷の表面の凹凸やひび、グラスの細かな傷、布巾で拭いたときに残る繊維、乾いた水滴の跡などが起点になります。グラスの同じ場所から泡の筋が立ち続ける場合は、そこに傷か付着物があります。
注ぐ勢いで液が乱れることも、泡を増やす原因になります。ソーダを氷に当てると、凹凸の多い氷の表面と衝撃が重なり、泡が一気に出ます。グラスの内側を伝わせて注ぐのは、ソーダを傷の少ない滑らかな面に沿わせ、乱れを最小限にするためです。ソーダを加えた後に混ぜすぎないのも同じ理由です。撹拌するたびに液が乱れて、泡のきっかけが増えます。グラスは洗った後に繊維の出ない布で拭くか、伏せて自然乾燥させます。
氷:十分な量を、できれば大きめで
氷を十分に入れると、液体の熱を受け止める冷たい塊が多くなり、グラスの中を低温に保ちやすくなります。氷が少ないと、飲み進めるうちに氷が溶けきって冷やす役がなくなり、液温が上がってガスも抜けやすくなります。ただし、氷が溶ける量は、氷が受け取った熱の量で決まります。氷を増やしただけで、溶ける水の量が必ず減るわけではありません。
大きめの氷は、同じ量なら小さな氷を多く入れるより表面積を抑えやすく、溶けるペースが急になりにくくなります。それでも、薄まりを抑える手順の中心は、溶ける原因になる熱をグラスに持ち込まないことです。グラスを氷で予冷し、そのとき出た水を捨て、ウイスキーとソーダも冷やしてから使います。
家庭での実行基準は、においのない氷を十分な量使い、できれば大きめを選ぶことです。家庭の冷凍庫で作る氷が白く濁るのは、内部に細かな気泡などを含むためです。ただ、溶け方は氷の大きさや形、温度にも左右されるため、透明かどうかだけで仕上がりが決まるわけではありません。また、冷凍庫から出したばかりの氷は、液体を注いだ瞬間に温度差で割れることがあります。割れると新しい面ができ、溶けやすさも泡立ちも増します。表面がうっすら濡れるまで数十秒置いてから使うと、割れにくくなります。
ウイスキーを冷凍庫で冷やすのは正解か
度数40%以上のウイスキーは、家庭用の冷凍庫では凍りません。冷凍庫で冷やしたウイスキーは氷をほとんど溶かさないので、液温が低いまま仕上がり、炭酸の保持には有利です。一方、香りの成分は温度が低いほど揮発しにくくなります。キンキンに冷やすと、樽由来のバニラや熟成香、果実の香りが立ちにくくなります。
| 重視すること | ウイスキーの冷やし方 | 向く場面 |
|---|---|---|
| キレと炭酸の刺激 | 冷凍庫で冷やし、グラスも冷やしておく | 食事中、揚げ物と合わせる1杯、暑い日 |
| 香りと樽の個性 | 常温のまま氷と混ぜて冷やす(基本手順) | 食後、香りの強い銘柄、濃いめの1:3 |
| 両方をほどほどに | 冷蔵庫で冷やし、氷と軽く混ぜる | 銘柄を問わない普段使い |
炭酸水:家庭で一番多い原因は「開けてから時間がたったソーダ」
ハイボールのガスは、すべてソーダが運んでいます。ウイスキーは炭酸を含まないため、1:4で割れば、ソーダが持っていたガスの濃さは単純計算で5分の4に下がります。そこへ氷の溶けた水が加わるので、元のソーダは強いほど有利です。強炭酸を選ぶ理由は「刺激が好きだから」ではなく、薄まった後に残るガスを確保するためです。
- 開栓直後に使う:一度開けたボトルは、閉め直しても注ぐたびに中のガスが空いた空間へ抜ける
- 小容量を使い切る:大容量ボトルを数日かけて使うより、1〜2杯分の小瓶や缶を使い切るほうがガスが残る
- 冷蔵庫の奥で冷やす:開閉のたびに温度が上下するドアポケットより、温度が安定した奥に置く
- 持ち運び後は落ち着かせる:揺れたボトルをすぐ開けると、開栓時にガスが一気に抜ける
銘柄で割り方を変える|角瓶・ジムビーム・陸に見る製法と公式レシピの関係

公式レシピの違いは、比率よりも「レモンを入れるかどうか」によく表れます。理由は、それぞれの原酒と樽の造りにあります。
| 銘柄 | 度数 | 原酒・樽の特徴 | 公式の割り方 | レモン | 容量 | 希望小売価格(税別) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 角瓶 | 40% | 山崎・白州のバーボン樽で熟成したモルト原酒を軸に、グレーン原酒とブレンドしたブレンデッドウイスキー | 1:4 | 少し搾る | 700ml(シングル約23杯) | — |
| ジムビーム | 40% | トウモロコシ主体の穀物で造り、レベル4のチャーを施したアメリカンホワイトオーク新樽で熟成 | 30ml:120ml(1:4) | 軽く搾る | 700ml(シングル約23杯) | 1,180円前後(2026年10月15日時点) |
| キリン 陸 | 50% | 富士御殿場蒸溜所の原酒が主体、一部に輸入原酒。冷却濾過なし | 1:5 | 入れない | 500ml(シングル約16杯) | — |
価格はメーカー希望小売価格(税別)で、店頭の実売価格とは異なります。
角瓶:バーボン樽の甘さをレモンで締める1:4
角瓶は、山崎・白州のバーボン樽で熟成したモルト原酒を軸に、グレーン原酒とブレンドしたブレンデッドウイスキーです。グレーン原酒は、連続式蒸溜機で高い度数まで蒸溜した、香味の軽い原酒です。このグレーン原酒が全体を軽く保つため、ソーダで割っても重くなりにくくなります。バーボン樽は、バーボンの熟成を終えたアメリカンオークの樽です。この樽で熟成したモルト原酒からは、バニラのような甘い香りが出ます。公式レシピは1:4で、レモンを少し搾ります。甘さの輪郭を、レモンの酸と皮の香りで引き締める組み合わせです。搾るのは数滴で十分です。果肉をグラスに沈めると、その凹凸が泡の起点になり、ガスが抜けやすくなります。角瓶は、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2025のジャパニーズウイスキー部門で、2年連続のゴールドを受賞しています。
ジムビーム:30ml:120mlにレモンを軽く搾る
ジムビームの公式レシピは、ウイスキー30mlに炭酸水120mlを加え、レモンを軽く搾る手順です。比率は角瓶と同じ1:4です。レモンの酸が甘さを引き締め、揚げ物などの食事にも合わせやすくなります。レモンを入れない飲み方は、公式の割り方ではなく好みによるアレンジです。酸が加わらないぶん、穀物由来の甘さと樽の香ばしさが前に出ます。
甘さと香ばしさの由来は、穀物と樽の2つです。バーボンは、トウモロコシ51%以上の穀物で造り、内側を焦がした新しいオーク容器で熟成することが米国の法律で定められています。新樽はジムビーム独自の選択ではなく、バーボン全般の条件です。穀物の面では、原料の過半を占めるトウモロコシが甘さを生みます。樽の面では、ジムビームは内側をレベル4まで焦がしたアメリカンホワイトオークの新樽を使います。チャー(樽の内側を火で焦がす処理)でできた炭の層の下には、熱で木の成分が分解された層ができ、そこからバニリンやカラメルのような香りが原酒に移ります。
キリン 陸:50%を1:5で、レモンを入れずに
キリン 陸は、富士御殿場蒸溜所の原酒を主体に、一部に輸入原酒をブレンドしています。アルコール度数は50%です。冷却濾過は行っていませんが、品質管理上の常温濾過は行っています。冷却濾過は、ウイスキーを約0℃前後まで冷やして、脂肪酸エステルなど濁りの元になる成分を濾し取る工程です。行わないと口当たりの厚みが残りやすく、度数が下がって冷えると白濁しやすくなります。推奨は1:5で、50%を1:5で割った仕上がりは約8.3%です。推奨はレモンなしです。レモンの酸と皮の油分は原酒の香りに重なるため、入れずに原酒の香りをそのまま味わう設計と読めます。
冷却濾過をしていないウイスキーは、冷やしたり加水したりすると白く濁る場合があります。冷却濾過で取り除かれる成分が、度数と温度が下がって析出したもので、品質の異常ではありません。どの程度起こるかは銘柄によって異なり、キリンは陸について、50%で瓶詰めすることで香味成分がほとんど析出しないと説明しています。冷却濾過をしていない銘柄をハイボールで出す飲食店では、客に濁りの理由を説明できるようにしておくと安心です。
ラベル表示にも注意が必要です。日本洋酒酒造組合の自主基準では、原料に麦芽を使い、日本国内で糖化・発酵・蒸溜し、国内で3年以上、700リットル以下の木樽で貯蔵し、国内で瓶詰めしたものだけが「ジャパニーズウイスキー」と表示できます。輸入原酒を含む陸は、この表示を使えない区分になります。これは表示ルール上の区分であり、味の優劣を示すものではありません。
どの銘柄をどう割るかの判断基準
- 樽由来のバニラの甘さを、爽快に飲みたい:角瓶を1:4、レモンを数滴
- 食事に合わせて甘さを締めたい:ジムビームを30ml:120ml、公式どおりレモンを軽く搾る
- 甘く香ばしい樽香を前に出したい:ジムビームを30ml:120mlで、レモンを省くアレンジ
- 原酒の香りを薄めずに、炭酸を多めにしたい:キリン 陸を1:5、レモンなし
ハイボールの失敗例と直し方|家庭と店で味を安定させる判断基準
ハイボールの失敗は、症状から原因をかなり絞り込めます。薄い、気が抜けている、アルコールが刺さる、味がぼやける、の4つに分けて、原因と直し方を対応させます。
| 症状 | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 薄くて水っぽい | 材料やグラスがぬるい/氷が少ない/グラスを冷やした水を捨てていない | 材料とグラスを冷やし、氷を十分に入れ、予冷で出た水を捨ててからウイスキーを注ぐ |
| 炭酸が弱い | ぬるいソーダ/開栓後に時間がたったソーダ/ソーダを入れた後の混ぜすぎ | 冷えたソーダを注ぐ直前に開け、混ぜるのは縦に1回だけ |
| アルコールの刺激が強い | ウイスキーとソーダが混ざりきっていない/比率が濃すぎる | マドラーを底の氷の下まで入れる。仕上がり8%前後になる比率に戻す |
| 味がぼやける | 氷やグラスへのにおい移り/レモンの入れすぎ | 氷を密閉容器で保存し、グラスの洗剤を残さない。レモンは数滴にする |
見落とされやすいのが、においの問題です。冷凍庫の氷は、一緒に入っている食品のにおいを吸います。グラスに洗剤の香料が残ることもあります。ハイボールは液の大半がソーダなので、わずかな異臭でも原酒の香りが覆われます。グラスを鼻に近づけて、空の状態で何かにおうなら、まずそこから直します。
店で味をそろえる4つの運用
- ジガーで毎回量る:シングル30mlなど店の規定量を決め、目分量での注ぎ足しをなくします
- グラスとソーダは冷やして保管する:作るたびに冷やす手間が減り、1杯目と忙しい時間帯の1杯の差が小さくなります
- ソーダは小容量のボトルを使い切る:1〜2杯分で空になる容量にすると、注文ごとの開栓が回ります
- グラスと氷を1種類に固定する:グラスの容量や氷の形が変わると、入る液量と溶け方が変わり、比率も崩れます
グラスの選び方
- 炭酸を長く保ちたい:縦長のタンブラー。液面が小さく、泡が抜けにくい
- 軽い口当たりを出したい:薄手のグラス。唇に触れる縁が薄く、液体がすっと入る
- ゆっくり飲む、店で冷たさを保ちたい:厚手のグラス。冷えたガラスが熱を受け止め、液温が上がりにくい
レモンは「搾る」「香りだけ」「入れない」で使い分ける
搾ると、酸味が加わって甘さが引き締まります。香りだけをつけるときは、皮をグラスの上でひねり、皮の油分を液面に吹きかけます。酸味は加わらず、柑橘の香りだけが乗ります。判断は銘柄ごとにします。角瓶のようにバーボン樽由来の甘さが前に出る銘柄は数滴搾る、原酒の香りを残したい銘柄は皮の香りだけにする、陸のように公式がレモンなしを推奨する銘柄は入れない、が基準です。果肉を沈めない理由は前の章で触れたとおりです。
開栓後のウイスキーの保管
直射日光と高温を避け、栓をしっかり閉めて立てて保管します。立てるのは、コルク栓が度数の高い液体に長く触れて傷むのを防ぐためです。残量が減るとボトル内の空気が増え、香りが変化しやすくなります。残りが3分の1を切ったら、早めに飲み切る計画を立てます。
よくある質問

スモーキーな銘柄をハイボールにするときは、割り方を変えるべきですか
仕上がりを8%前後にする比率から始める考え方は同じです。スモーキーな香りは、麦芽を乾燥させるときにピートを焚き、その煙に含まれるフェノール類が麦芽に付くことで生まれます。ソーダで割っても残りやすい香りなので、レモンを搾ると酸と煙の香りがぶつかることがあります。まずはレモンなしで飲み、足すなら皮の香りだけから試します。
店で「濃いめ」を頼むときは、どう伝えると確実ですか
「濃いめ」は、ウイスキーを増やす店とソーダを減らす店があり、店によって意味が違います。確実なのは「ダブルで」「1:3で」と、量か比率で伝えることです。グラスに収まるかどうかは、比率の章の「シングル・ダブルとグラスの容量」を参照してください。
700mlのボトル1本で、ハイボールは何杯作れますか
シングル30mlで量れば約23杯です。1杯あたりのウイスキー代は「価格÷約23杯」で計算できます。500mlのボトルなら約16杯で割ります。実際には実売価格が基準になり、ソーダ、氷、レモンの費用も加わります。毎回ジガーで量らないと、杯数も原価もずれます。
家庭用の炭酸水メーカーで作ったソーダでも、美味しいハイボールになりますか
なります。ポイントは、ガスを入れる前の水をよく冷やしておくことです。二酸化炭素は液温が低いほど水に溶けやすいため、冷えた水に注入したほうがガスが多く残ります。作り置きはせず、飲む直前にガスを入れます。注入した直後に開けるとガスが抜けやすいので、少し落ち着かせてから注ぎます。
ジンジャーエールで割るとどうなりますか
糖分と生姜の風味が加わり、甘く飲みやすくなる一方、原酒の香りは後ろに下がります。甘味で味のバランスが変わるため、ソーダと同じ量を注ぐのではなく、割り材を控えめにした1:3寄りから試します。甘さが前に出すぎていなければ、そこから少しずつ足して好みの濃さに合わせます。
缶のハイボールとの違いは何ですか
缶は比率とガスの量が製造時に決まっています。自分で作る場合は、比率、氷、グラス、レモンを調整できます。
出典・参考にした情報
この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。