ブッカーズのハイボール比率と作り方|度数別の割り方と飲み方
60%超のブッカーズをハイボールにするなら1:5(仕上がり約10%)が目安。香り重視の1:4、食中向けの1:6まで度数別の割り方を解説し、無濾過・無加水や熟成庫中段の樽が香味に与える影響もわかります。
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ブッカーズはハイボールに向くか:無濾過・無加水の樽出し度数から考える
ブッカーズはハイボールにしても樽由来の香りがしっかり残るので、ソーダ割りに向くバーボンです。目安はウイスキー1:ソーダ5(仕上がり約10%)です。香りを優先するなら1:4、食中酒にするときや初めて飲むときは1:6にします。ただし瓶詰め度数が60%を超えるため、40%台のバーボンと同じ1:3〜1:4で割るとグラスの中の度数が高くなり、刺激と苦味が前に出やすくなります。比率を度数に合わせれば、高価なボトルを割っても「もったいない」飲み方にはなりません。本記事の比率はすべて「ウイスキー:ソーダ」の順で表し、数値はメーカーが示すものではなく、ラベル度数からの計算値です。
ブッカーズとは:熟成庫の中央から選ばれた樽
ブッカーズは、ジム・ビームの名誉蒸溜責任者だったブッカー・ノォが、熟成庫の中央部分から選んだ樽で造るバーボンです。1988年に商品化されました。造っているのはケンタッキー州のジム・ビーム蒸溜所で、ブランドの持ち主はサントリーホールディングス傘下のサントリー グローバル スピリッツです。
ジム・ビームは、サワーマッシュ法で発酵させます。これは、前回の蒸溜で残った酸性の残液(バックセット)を次の仕込みに戻す方法です。もろみの酸度がそろうため雑菌が増えにくくなり、仕込みごとの香味のぶれも抑えられます。蒸溜はコラムスチル(連続式蒸溜機)で行い、その留液をダブラー(2回目の蒸溜器)でもう一度蒸溜して、酒質を整えます。
香味の個性を大きく決めるのは熟成です。多層の熟成庫では、上段ほど夏に高温になり、樽材からの抽出も水分とアルコールの抜け方も強く進みます。下段は冷えて熟成がゆっくりになります。中段はその中間で、樽材から抽出される量と、樽から抜ける量の進み方がどちらにも偏りにくい位置です。ここで数年寝かせると、樽由来のバニラや焦がした糖の甘い香りが、木の渋みに勝ちすぎずに乗ります。
無濾過・無加水が意味すること
メーカーは「unfiltered, uncut(無濾過・無加水)」とうたっています。冷却濾過とは、瓶詰め前に原酒を0〜−10℃前後まで冷やし、低温で析出する長鎖脂肪酸エチルエステルや長鎖脂肪酸などをフィルターで除く工程です。ブッカーズはこれを行わず、加水もしないで、樽出しの度数(カスクストレングス)のまま瓶詰めします。濾過をまったくしないわけではありません。樽の焦げかすなどを除く程度の処理にとどめる、という意味で「無濾過」とうたっています。冷却濾過で除かれる成分が残るぶん、口当たりの厚みが残ります。
バーボンの定義と、125プルーフを超える理由
| 項目 | 米国連邦規則(27 CFR §5.143) |
|---|---|
| 原料 | トウモロコシ51%以上 |
| 蒸溜 | 160プルーフ以下 |
| 樽詰め | 125プルーフ以下 |
| 熟成容器 | 内側を焦がした新しいオーク容器 |
| 瓶詰め | 40%以上 |
| 添加物 | 着色料・香味料の添加不可(バーボン全般) |
| ストレート・バーボン | 2年以上熟成。4年未満は熟成年数の表示が必要 |
樽詰めは125プルーフが上限です。それでも、米国の2026年第1弾「Big Easy Batch(2026-01)」は129.1プルーフ(64.55%)で瓶詰めされています。ケンタッキーの多層ラックハウスでは、上段ほど夏に高温になります。湿度が低い環境では、水分がアルコールより先に樽材を通って抜けるため、樽詰め時より度数が上がります。スコットランドの冷涼で湿った倉庫では逆に、アルコールが先に抜けて度数が下がりやすくなります。
度数はバッチごとに違う
熟成年数は通常6〜8年で、度数はこれまで121〜130.6プルーフ(60.5〜65.3%)の幅があります。「ブッカーズは63度」とは決めつけず、年版、バッチ番号、ラベルの度数を確かめてください。
- 米国 2026-01 Big Easy Batch:64.55%、7年2か月15日熟成
- 米国 2026-02 Milkshake Batch:62.2%、7年6か月12日熟成
- 日本版:2026年版 63.2%、2026年版 63%前後(63.0%とする資料と63.3%とする資料がある)
マッシュビル(原料の配合)は、ジム・ビームの定番品と同系統(トウモロコシ77%・ライ麦13%・大麦麦芽10%とされる)です。原料が定番品と同系統なら、違いを生むのは、熟成庫の中段から選ぶ樽、6〜8年の熟成、加水しない度数です。樽の焦がし具合はチャー4(最も深い焦がし)とされます。焦がした層の下には、熱で木材の糖がカラメル化した層(レッドレイヤー)ができ、そこからバニリンや甘いトースト香が溶け出します。ソーダで割っても残る甘い香りの多くは、この層に由来します。
ハイボールの比率は度数から逆算する
60%を超えるため、40%台と同じウイスキー1:ソーダ3で割ると、仕上がりは約15%になります。1:5なら約10%で、一般的なハイボールに近い濃さです。比率の決め方は次章の早見表を参照してください。
度数別のハイボール比率早見表:バッチの度数から割る量を決める

仕上がりの度数は「ウイスキーの度数 ÷(1+ソーダの倍数)」で出せます。逆に、狙いたい度数から割る量を決めるなら「ソーダの倍数 = ウイスキーの度数 ÷ 目標度数 − 1」です。どちらも氷が溶ける前の値で、実際にはステアや時間の経過で溶けた水の分だけ、ここから下がります。
よく見かける「1:3」を検算する
通説の1:3(ウイスキー1・ソーダ3、つまりソーダ3倍)は、40%前後のウイスキーを前提にした比率です。日本版2026年版(63%前後)を1:3で割ると、63 ÷ 4 で約15.8%になります。40%のウイスキーを1:3〜1:4で割った約8〜10%と比べて、倍近い強さです。ブッカーズで同じ8〜10%に収めるには、62%前後のバッチなら62 ÷ 6 = 約10.3%、62 ÷ 7 = 約8.9%となり、ウイスキー1に対してソーダ5〜6が目安です。
バッチ別の早見表
| バッチ | 度数 | 1:4 | 1:5 | 1:6 |
|---|---|---|---|---|
| 米国 2026-01 Big Easy Batch | 64.55% | 約12.9% | 約10.8% | 約9.2% |
| 日本版 2026年版 | 63%前後 | 約12.6〜12.7% | 約10.5〜10.6% | 約9.0% |
| 米国 2026-02 Milkshake Batch | 62.2% | 約12.4% | 約10.4% | 約8.9% |
同じ1:5でも、62.2%と64.55%では仕上がりに約0.4%の差が出ます。店で「10%で出す」と決めているなら、バッチが変わるたびに倍数を計算し直してください。目標10%なら、62.2%のバッチはソーダ約5.2倍、64.55%のバッチは約5.5倍です。目標9%なら、それぞれ約5.9倍と約6.2倍になります。番号が似ていても度数が違うことがあるので、計算にはラベルの度数を使ってください。
30mlか45mlかで、ソーダとグラスが変わる
比率を広げると、ソーダの量が一気に増えます。グラスに氷を詰めると、液体が入る分はグラス容量のおよそ半分です。そのため、液量の約2倍の容量があるグラスを選ぶと、ソーダを注ぎ切れます。
- 30ml × 1:5:ソーダ150ml、液量180ml。350ml前後のタンブラー
- 30ml × 1:6:ソーダ180ml、液量210ml。400ml前後のタンブラー
- 45ml × 1:5:ソーダ225ml、液量270ml。500ml前後のグラス
- 45ml × 1:6:ソーダ270ml、液量315ml。一般的なタンブラーでは収まりにくい
家庭で1杯を楽しむなら30mlが扱いやすい量です。45mlで割るときは、大きめのグラスを用意するか、比率を1:5にとどめてください。店で量を変えても、比率が同じなら仕上がりの度数は同じです。
比率の決め方:飲む場面で選ぶ
- 香りを優先する:1:4(約12〜13%)。樽由来のバニラや焦がした樽の甘い香りが立ちやすい反面、アルコールの刺激も残ります。食事と合わせず、少量をゆっくり飲む場面向き
- 食中酒にする:1:5〜1:6(約9〜11%)。炭酸の切れが前に出て、揚げ物や肉料理の脂を流します。度数が高めのバッチほど1:6寄りにする
- 初めて飲む人に出す:1:6から始める。強いと感じなければ、次の1杯を1:5に縮める
度数が高いまま割ると、エタノールの刺激に炭酸の刺激が重なり、苦味や辛さが前に出ます。逆に薄めすぎると、無濾過で残した香りの厚みが炭酸に埋もれます。まずは1:5で1杯作ってください。香りが物足りなければ1:4に、刺激が強ければ1:6に動かすと、ちょうどよい比率を見つけやすくなります。ボトルは冷蔵でも常温でもかまいません。グラスの中で氷とステアして液温を下げ、そのとき溶けた水は比率に含めて考えます。ソーダは冷やしておき、氷に当てずに静かに注いで、混ぜるのは一度だけにします。
ブッカーズハイボールの作り方と失敗例:苦味・白濁・炭酸抜けの理由
作り方の手順:冷やす順番が仕上がりを決める
- グラスに氷を詰めて冷やし、溶けた水は捨てる。氷は大きな透明氷を使う。塊が大きいほど体積あたりの表面積が小さく、溶けにくい。透明氷は内部のひびや気泡が少なく割れにくいため、さらに溶けにくく、炭酸の泡が出るきっかけにもなりにくい。ソーダは冷蔵庫でよく冷やしておく
- ボトル(冷蔵または常温)からブッカーズを注ぎ、氷と一緒に10回ほど軽く混ぜて液温を下げる。ここで溶けた水も加水の一部として比率に含めて考える
- 溶けて減った分の氷を足す
- ソーダを氷に当てないように、グラスの内側に沿わせて静かに注ぐ
- バースプーンを底まで差し込み、縦に1回だけ持ち上げて混ぜる
炭酸ガスは、液体の温度が低いほど多く溶けていられます。そのため、冷えたソーダほど炭酸が抜けにくくなります。常温の酒を注ぐと、その熱で氷が溶けて薄まります。先に酒を氷で冷やしておけば、ソーダを注いだあとの融解を減らせ、液温の上昇と炭酸の抜けも抑えられます。混ぜる回数を1回にするのも、かき混ぜるたびにガスが逃げるからです。
失敗例1:苦味が強く出る
渋みや苦味は、主に樽材のタンニンに由来します。バーボンは内側を焦がした新しい樽で熟成させます。焦げた炭の層(チャー層)は、硫黄化合物など不要な成分を吸着します。その下の熱で分解された層からは、バニリンや焦がした糖の甘い香りが溶け出します。ブッカーズは通常6〜8年寝かせるため、こうした甘い成分とともにタンニンもしっかり溶け込んでいます。ストレートでは渋みが甘さに包まれて目立ちません。ところが冷やすと甘さを感じにくくなり、炭酸の刺激も加わるため、タンニンの渋みや苦味が表に出てきます。
- ソーダの比率を上げる。苦いと感じたら、まず1段階薄める
- レモンは果汁を入れない。酸味が加わると、渋みが締まって硬く感じられる
- 香りが欲しいときは、皮をグラスの上で搾り、精油だけを表面に落とす
失敗例2:白く濁る
前の章で触れたとおり、ブッカーズは冷却濾過をしていません。そのため、脂肪酸エステルなどの香味成分がボトルに残っています。これらはアルコールに溶けやすく、水に溶けにくい性質です。冷やすうえに割って度数も下がるので、ハイボールは溶け切れなくなった成分が細かく析出しやすい条件になります。これが白濁の正体です。異物でも劣化でもなく、温度が上がれば薄れます。見た目を気にする店では、出すときに「無濾過なので冷えると少し濁ります」と一言添えると、問い合わせを防げます。
失敗例3:アルコールの刺激が強い
60%を超える度数のままだと、鼻や舌ではエタノールの刺激が先に来て、樽の香りが覆い隠されます。水分が増えると、溶け込んでいた香りの成分が液面から立ちやすくなるとされます。割ることで、バニラや焦がした樽の甘い香りを拾いやすくなります。ツンとくる刺激を感じたら、氷を足すより、ソーダを増やして度数そのものを下げてください。
ソーダの選び方:炭酸の強さと水の硬度
| 観点 | 出方の傾向 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 強炭酸 | 切れが鋭く、薄めても炭酸が残る。苦味も強調されやすい | 1:5〜1:6で薄めに割る、食中酒 |
| 中程度の炭酸 | 口当たりが丸く、甘さとバニラが前に出る | 1:4で香りを優先する |
| 硬水(硬度300mg/L以上が目安) | ミネラル感で辛口に締まり、樽の渋みが目立ちやすい | 甘さを抑えたいとき |
| 軟水(硬度100mg/L未満が目安) | 樽香と甘さが素直に出る | 苦味が気になるとき、初めての人 |
迷ったら、軟水の強炭酸から始めてください。苦味が出たら炭酸の弱いものに、甘さが重いと感じたら硬水に切り替えると判断しやすくなります。
店で出すときの値付けの考え方
まず、仕入れ値を容量で割って1mlあたりの原価を出します。希望小売価格(経緯は次章)が税込11,000円・750mlの場合、1mlあたり約14.7円になり、30mlで約440円、20mlで約293円です。700ml入りのボトルなら、1mlあたり約15.7円、30mlで約471円です。実際の計算は実売価格(22,880円前後・2026年11月3日時点)で行ってください。
原価を抑えるため、ウイスキー20mlをソーダ100mlで割る(1:5)設定もあります。比率が同じなので度数は30mlの1杯と変わらず、300ml級のグラスで足ります。ただし20mlは一般的なシングル(30ml)より少ないため、メニューに量を明記してください。告げずに減らすと、客には原価を抑えた薄い1杯と受け取られます。
- 酒の原価=仕入れ値 ÷ 容量 × 1杯の量
- 1杯の原価=酒の原価+ソーダ代+氷代
- 売価=1杯の原価 ÷ 目標原価率
- 人件費は原価率に含めず、店全体の比率で別に管理する
1:5や1:6ではソーダを150〜180ml使うため、高価なソーダや透明氷を使うほど原価が上がります。酒だけで値を決めず、1杯分を合計してから売価を決めてください。
ハイボール以外の飲み方との使い分け:ストレート・トゥワイスアップ・ロック

ハイボールは比率を合わせれば食中酒としてよく合います。ただ、ボトルの個性を確かめるなら、冷やさず炭酸も入れない飲み方から始めるのが近道です。同じボトルでも、温度と度数によって拾える香味の幅が変わります。
ストレート:10〜15mlとチェイサーで
度数が60%を超えるため、30mlのシングルを注ぐと、2口目以降は舌がエタノールに慣れ、香りを拾えなくなります。チューリップ型のテイスティンググラスに10〜15mlを注ぎ、常温の水をチェイサーとして同量以上添えてください。一度に口に含む量は少なくし、飲むたびに水で舌を戻します。口のすぼまったグラスは香りを集めます。鼻を近づけすぎなければ、アルコールの刺激も避けられます。
トゥワイスアップ:1:1で約31%に下げる
トゥワイスアップは、常温の水と1:1で割る飲み方です。62.2%の米国2026-02は約31.1%、64.55%の米国2026-01でも約32.3%になります。度数がストレートの半分になると、鼻を刺すエタノールが引きます。その奥にあるバニラ、焦がした樽の甘い香り、スパイスが分かれて感じ取れます。
トゥワイスアップが香りの確認に向くのは、冷やさないからです。温度が下がると香りの成分は揮発しにくくなります。ハイボールやロックでは隠れる香りも、常温なら拾えます。ウイスキー15〜20mlに、常温の軟水を同量合わせてください。31%前後ではまだアルコールの刺激が残るため、ブレンダーの評価では20%前後まで薄めることが多くあります。ブッカーズなら、ウイスキー1に水2で約21%です。
少しずつ加水する:数滴ずつ変化を追う
- 加水する前に、ストレートで香りと味を確かめ、印象を書き留める
- スポイトか小さじで、水を2〜3滴落とす
- グラスを軽く回し、30秒ほど置いてから香りを取る
- 同じ手順を繰り返し、香りが開いた点と、輪郭がぼやけ始めた点を記録する
最初の数滴で刺激が和らぎ、甘い香りが前に出てきます。足し続けると、どこかで香りの輪郭が弱まる点が来ます。その手前が、そのバッチにとっての適量です。度数はバッチごとに違うので、ボトルを替えたら試し直してください。
ロック:強さから甘さへ移っていく
大きな氷に30mlを注いだ直後は、冷えて甘さが引っ込み、度数の強さだけが目立ちます。氷が溶けるにつれて度数が下がり、刺激が収まると、キャラメルやバニラの甘さが表に出てきます。さらに氷が小さくなり液温が上がると、香りは戻りますが、水っぽさも出始めます。1杯の中で味わいが移っていくのを楽しむ飲み方です。大きな透明氷を1個使い、その変化をゆっくりにしてください。
コーラをチェイサーにする
コーラで割るのではなく、ストレートやロックの合間にコーラを飲む方法です。割らないので、グラスの中のブッカーズの味わいは損なわれません。コーラの冷たさと甘さが、強い度数で疲れた舌を戻してくれます。ただしコーラは糖分が多く、甘さが舌に残ります。香りを細かく確かめたい1杯目は水をチェイサーにし、コーラは2杯目以降に回すと、味の判断がぶれません。
条件別の選び方
| 条件 | 飲み方 | 量・比率の目安 | ねらい |
|---|---|---|---|
| 初めて開けたボトル | ストレート→トゥワイスアップ | 10〜15ml、続けて1:1 | バッチの個性をつかむ |
| 食事と合わせる | ハイボール | 1:5〜1:6 | 脂を流し、料理の邪魔をしない |
| 冬にゆっくり飲む | ロック、または少しずつ加水 | 30ml、大きな氷1個 | 時間とともに出る甘さを追う |
| 度数の強さが苦手 | ロック+コーラのチェイサー | 30ml | 割らずに飲みやすくする |
合わせる料理
内側を焦がした新しい樽から来る香ばしさと甘さに合うものを選びます。燻製チーズやベーコンなどの燻製、ローストしたアーモンドやクルミ、スペアリブや照り焼きなど甘辛いたれの肉料理、カカオ分の高いチョコレートが合わせやすい組み合わせです。ストレートやトゥワイスアップには少量のつまみを、食事にはハイボールを、と分けてください。
開栓後の保管
60%を超える度数があれば、腐敗の心配はまずありません。注意すべきは香りの変化です。飲み進めて液面が下がると、瓶の中の空気が増えます。すると揮発しやすい香りの成分が抜け、酸化も進みます。残りが3分の1を切ったら、液がほぼ満ちる容量の小瓶に移すのが目安です。保管は立てたまま、直射日光と暖房の当たらない場所にしてください。度数の高い酒を横にして保管すると、コルク栓が傷みやすくなります。
年版・バッチの違いと価格:日本の流通品と米国バッチを区別して選ぶ
ブッカーズの価格を調べると、「定価7,700円」という数字がいまも出てきます。これは2026年版までの日本の希望小売価格(税込)で、現在の価格ではありません。2026年版からは税込11,000円(税別10,000円)に改定されています。値上げの理由は、原材料費・資材費・輸送費が世界的に上がったためとされます。購入や仕入れの判断は、実売価格で行ってください。
流通している区分
| 区分 | 度数 | 価格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日本版 2026年版まで | 2026年版 63.2% | 税込7,700円(希望小売) | 「定価7,700円」はこの時期の価格 |
| 日本版 2026年版以降 | 2026年版 63%前後 | 税込11,000円(希望小売) | 2026年版は750ml |
| 米国 2026-01 Big Easy Batch | 64.55% | — | 7年2か月15日熟成。5つの製造日の原酒を、5つの別々の熟成庫で寝かせて合わせている |
| 米国 2026-02 Milkshake Batch | 62.2% | 99.99ドル(米国希望小売) | 2026年6月11日発表(6月発売)。7年6か月12日熟成。4つの熟成庫の原酒を使用 |
番号が似ていても、度数で照合する
ブッカーズのバッチは、製造日や熟成庫が異なる樽を組み合わせて造られます。熟成庫は場所によって温度の振れ幅が違います。そのため、樽材から溶け出す成分の量も、水分とアルコールの抜け方も変わります。組み合わせる樽が違えば、度数も香味も別物になります。番号が似ていても度数が違うことがあるので、比率はラベルの度数で計算し、評価を読むときも番号の末尾まで照合してください。
700mlと750ml:ラベルの3点を確かめる
日本の正規品は、2021〜2026年版が750ml入りで流通しています。700ml入りは、それより前の年版や別の流通経路の品に見られます。買う前に、ラベルの次の3点を確かめてください。
- 容量:700mlか750mlか。価格を比べるときは、容量で割って1mlあたりの単価にする
- 度数:同じ年でもバッチごとに違う。前の章の計算式に入れる数字になる
- バッチ番号・年版:日本版の年版か、米国のバッチかを見分ける手がかりになる
商品名に「2026」とだけあり、バッチ番号や度数が書かれていない出品は、どのボトルか特定できません。届いてみたら想定と違う、ということが起こりえます。
目的別の選び方
- ハイボール用に買う:62%前後など度数が低めのバッチは、ソーダの倍数を抑えても狙った度数に収まりやすい。そのぶん炭酸が抜けにくく、香りも残る
- 手元のボトルを使う:開けたてはストレートやトゥワイスアップでバッチの個性をつかむ。液面が下がって香りが抜け始めたら、割り用に回す。香りの細かな差が出にくいハイボールなら、香りの抜けが気になりにくい
- 店で出す:バッチが替わったら、度数と容量を控えて比率と1mlあたりの原価を計算し直す
贈り物にするときの注意
60%を超える度数であることを、渡すときに伝えてください。40%台のバーボンと同じ感覚で飲むと、強すぎて敬遠されやすくなります。あわせて年版とバッチ番号、ラベルの度数をメモで添えておきます。受け取った人がその数字から割る比率を決められ、海外の評価を調べるときにも別のバッチと取り違えずに済みます。
よくある質問

ブッカーズのボトルを冷凍庫で冷やしておいてもよいですか。
60%を超える度数なので、家庭用の冷凍庫で凍ることはまずありません。ただし冷やしすぎると甘さを感じにくくなります。冷えたときの濁りについては、作り方の章の「失敗例2:白く濁る」を参照してください。ハイボールにはボトルを冷蔵か常温のまま使い、グラスで氷と10回ほど混ぜて液温を下げてください。そこで溶けた水は比率に含めて考えます。
バーでブッカーズのハイボールを頼むとき、どう伝えると好みの濃さになりますか。
「ハイボール」とだけ頼むと、40%台のウイスキーと同じウイスキー1:ソーダ3〜4で作られることがあります。「ウイスキー1にソーダ5で」のように、どちらをどれだけ入れるかを言葉で伝えると確実です。あわせて開いているボトルの年版とバッチ、ラベルの度数を聞いておくと、次の1杯で比率を調整しやすくなります。
ソーダは大きいペットボトルと小瓶のどちらがよいですか。
1杯ごとに使い切れる小瓶か缶が向きます。大きなボトルは開けたあと、注ぐたびにガスが抜けるので、2杯目以降は切れが落ちます。30mlを1:5で割るならソーダは150ml、1:6なら180mlです。この量に近い容量を選ぶと、毎回開けたての炭酸で作れます。
ジンジャーエールやコーラで割ってもよいですか。
割ることはできますが、甘味料や香料が樽由来のバニラや焦がした樽の甘い香りに重なり、バッチごとの違いは拾いにくくなります。仕上がりの度数はソーダ割りと同じ式で出せるので、比率も1:5前後が目安です。バッチの個性を確かめたい1杯目はソーダで割り、甘い割り材は2杯目以降に回してください。
出典・参考にした情報
- Beam Distilling「Booker's Bourbon」(確認日 2026-10-13)
- The Whiskey Wash(確認日 2026-10-13)
- whiskies.wiki(確認日 2026-10-13)
- 酒買取専門店(確認日 2026-10-13)
- グルメ Watch(確認日 2026-10-13)
- The Daily Pour(確認日 2026-10-13)
この記事で紹介した銘柄
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