クボカン クリエーション9の樽|バージンオーク×マンサニージャ
トマーティン蒸溜所の限定品ク・ボカン Creation #9を解説。「#9」が熟成年数でない理由、2008年蒸留・ヴァージンオーク17年以上とマンサニージャ樽後熟の構成、未確認の点、バーでの杯数と価格の考え方まで整理します。
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ク・ボカン Creation #9の発表内容とスペック
ク・ボカン Creation #9は、トマーティン蒸溜所が2026年10月12日に発表した限定品です。ク・ボカンは、軽くピートを焚いたスコットランド産大麦を使い、トマーティン蒸溜所で冬季に少量ずつ蒸留するブランドです。発表されたスペックは以下のとおりです。出典は、特記のない限りメーカー(トマーティン蒸溜所)の2026年10月の案内です。
| 項目 | 内容 | 出典・確認時点 |
|---|---|---|
| 発表日 | 2026年10月12日 | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 蒸留年 | 2008年 | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 麦芽のピート度 | 15ppm | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 使用樽 | アメリカン・ヴァージンオーク樽、マンサニージャ・シェリー樽 | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 熟成 | 原酒の大半がヴァージンオーク樽で17年以上 | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 構成 | 別に熟成させた原酒をマンサニージャ樽で後熟し、新樽で熟成させた原酒と合わせた構成 | トマーティン蒸溜所の公式シリーズ一覧(2026年10月確認) |
| マンサニージャ樽側の期間(報道) | リフィル樽で13年、マンサニージャ樽で4年半 | The Whiskey Washの発売記事(2026年10月12日)。メーカーの案内では期間は明示されていません |
| 内容量/度数 | 700ml/46% | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 着色・冷却濾過 | 無着色・冷却濾過なし | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 限定本数 | 世界3,800本 | トマーティン蒸溜所の発表(2026年10月) |
| 英国公式ページの価格 | 45ポンド(「オンライン購入不可」と表示) | トマーティン蒸溜所の英国公式ページ(2026年10月確認) |
「#9」は熟成年数ではありません
「#9」はCreationシリーズの通し番号で、9年熟成という意味ではありません。メーカーが示しているのは、2008年蒸留であることと、原酒の大半がアメリカン・ヴァージンオーク樽で17年以上熟成したことです。これは瓶全体の年数表示ではありません。残りの原酒は別に熟成させたあとマンサニージャ樽で後熟しています。マンサニージャ樽での期間をメーカーは明示していません(報道ではリフィル樽で13年、マンサニージャ樽で4年半。上の表を参照)。
スコッチウイスキー規則(SWR 2009)では、年数表示は樽の種類を問わず通算した熟成期間で決まり、含まれる原酒のうち最も若いものに合わせます。そのため、マンサニージャ樽での期間が分からなくても、それだけで原酒の年齢が変わるわけではありません。確認できないのは、全量が2008年蒸留かどうかと、瓶詰め日がいつかです。本品は年数を表示していないため、「17年もの」と言い換えるのは避けるのが正確です。メーカーは本品を「Creationシリーズで最も熟成期間の長い製品」と位置づけていますが、これはメーカー側の表現です。
樽と製法の組み合わせが意味すること
本品は、新樽で長期熟成させた原酒と、辛口のマンサニージャ・シェリー樽で後熟した原酒を組み合わせた構成です。マンサニージャはナッツや塩気を連想させる辛口のシェリーです。ただし、その性格が樽を通してどの程度移るかは、樽の素性(ボデガ樽かシーズニング樽か)と期間しだいで、未確認です。詳細は次章で説明します。
日本での入手と価格の判断
- 国内の発売・価格は未発表です(詳細は後述)
- バーでは、700mlを30mlのシングルで割ると理論上は約23杯です。実際には注ぎ損じや提供前の試飲分が出るため、販売できる杯数はこれより少なめに見積もります。1杯原価は「仕入れ値÷実際に取れる杯数」で出します。売価は、店の目標原価率で1杯原価を割り、決済手数料や人件費などの経費も踏まえて決めます。入手困難な限定品は、通常品より原価率を下げて設定する店もあります。開栓後は、減ったボトル内の空気で香りが変わるため、早めに提供しきる計画を立ててください
- 贈答用の場合、ラベルの「#9」を年数と誤解されないよう、「17年以上熟成の原酒が大半」と一言添えると正確に伝わります
なぜヴァージンオーク17年以上とマンサニージャ樽なのか|樽と製法から読む設計

ここでは、その組み合わせがスコッチの中でどれほど珍しいのか、メーカーが明かしていない部分はどこかを整理します。
新樽で17年以上という選択が珍しい理由
ヴァージンオーク樽は、ほかの酒を入れたことのない新樽です。木材から直接成分が溶け出すため、バニリン(バニラ香の元)やオークラクトン(ココナッツ様の香り)、タンニンが強く出やすい樽です。
スコッチウイスキー規則(SWR 2009)が求めるのは、700リットル以下のオーク樽でスコットランド国内で3年以上熟成させることです。新樽を使ってはいけないという決まりはありません。それでもスコッチの主流がリフィル樽やバーボン樽である理由は2つあります。最大の理由は供給とコストです。バーボンは法律で新樽の使用が義務付けられているため、使用済みの樽が安定して安く手に入ります。加えて、新樽は抽出が速く、オーバーオークになりやすい樽です。新樽で長く寝かせると、木の成分が蒸留所の個性を覆い隠すオーバーオークになりやすく、渋みや削った木材のような乾いた印象が前に出ます。そのため新樽は、短期の後熟や、若い原酒に骨格を与える用途に使われることが多い樽です。熟成期間が長いことが、そのまま長所になるとは限りません。
これに対して本品は、原酒の大半を新樽で17年以上熟成させています。新樽での長期熟成を前面に出した設計で、この点が本品の最大の特徴です。仕上がりの評価は、ボトルが手元に届いてから判断する部分です。
樽についてメーカーが明かしていない点
次の項目は、いずれも香味の出方を左右しますが、メーカーは明示していません。推測で補わず、未確認として扱います。
| 項目 | 状況 | 香味への影響 |
|---|---|---|
| チャー/トーストの強さ | 未確認 | チャー(内側を焦がす処理)やトースト(加熱して焼く処理)の条件は未公表です。液色だけから樽の処理や熟成年数は判断できません |
| 樽の容量 | 未確認 | 容量が小さいほど液量あたりの木の接触面積が増え、抽出が速まります |
| マンサニージャ樽での期間 | メーカーは未明示 | 報道(The Whiskey Wash、2026年10月12日)では、リフィル樽で13年熟成させたあとマンサニージャ樽で4年半とされています。メーカーの案内で確認できるまでは報道ベースの数値として扱います |
| ボデガ樽かシーズニング樽か | 未確認 | 下の段落を参照してください |
マンサニージャとオロロソ、PXの違い
マンサニージャは、サンルーカル・デ・バラメダで熟成させるフィノ系のシェリーです。どちらも酒精強化するシェリーですが、マンサニージャはフロール(産膜酵母の膜)が生きられる低めの度数にとどめるため、液面がフロールに覆われ、酸素から守られた生物学的熟成になります。オロロソはフロールが育たない高い度数まで強化するため、空気に触れて酸化熟成します。オロロソは原則として辛口ですが、酸化熟成による濃い色とナッツ香を持ちます。ペドロ・ヒメネス(PX)は、天日で干したブドウから造る極甘口です。「シェリー樽=濃厚で甘い」という通説のうち、色の濃さはオロロソとPXに、甘さは主にPXに当てはまる話です。
スコッチでいう「シェリー樽」には、ボデガ(シェリー蔵)で実際にシェリーの熟成に使われた樽と、ウイスキー向けにシェリーを入れて一定期間ならしたシーズニング樽があります。現在スコッチで使われるシェリー樽の多くはシーズニング樽です。マンサニージャ樽から明確な塩気が移るかどうかは定説ではなく、樽の素性と期間に左右されます。本品の樽がシーズニング樽か、実際にシェリーの熟成に使われた樽かは、メーカーが明示していないため不明です。
原酒側の設計
トマーティンは、ク・ボカンを冬季に少量ずつ、大型の銅製ポットスチルでゆっくり蒸留すると説明しています。大型スチルでゆっくり蒸留すると、銅との接触と還流(蒸気がスチル内で凝縮して釜に戻ること)が増え、軽い酒質になりやすいとされます。またメーカーは、スピリットスチルでのカットを早めにとるとしています。これは、ハート(製品に使う中留)からフェインツ(後留)への切り替えを高めの度数で行う、つまりカットを高めにとるという意味です。具体的なカット度数は公表されていません。
15ppmは麦芽の段階の数値です。フェノールの一部は蒸留で残らず、熟成中にも変化するため、製品中のフェノールは麦芽より低くなるのが一般的です。メーカーは、熟成後の煙の印象を穏やかと説明しています。ppmの数字を、そのまま煙たさの強さと読み替えないでください。公式沿革によると、蒸溜所に残るスチルは現在12基です。ウォッシュスチルとスピリットスチルの内訳や形状は確認できていません。
仕入れと提供での確認ポイント
- 酒販店:国内輸入元に、マンサニージャ樽での期間(報道の4年半がメーカーの数値か)、樽の素性、全量が2008年蒸留か、瓶詰め日について追加情報があるかを問い合わせます。回答が得られない場合は、POPや商品説明で「未確認」の部分を断定しないでください
- バー:開栓したら、提供者がまず少量を試し、渋みや香りの出方を確かめておきます。客にはストレート、少量の加水、氷入りのどれを希望するかを尋ねます。加水はスポイトで数滴ずつ足し、渋みと甘さのバランスを確かめながら勧めると失敗が少なくなります
- 比較試飲:濃厚なシェリー樽の銘柄と並べる場合は、オロロソ(辛口だが酸化熟成で色が濃く、ナッツ香が強い)やPX(極甘口)とは製法が異なるマンサニージャの樽であることを先に伝え、「濃く甘いシェリー樽」という期待で注文されないようにします
Creationシリーズの樽使いを時系列で比較|#9は何が違うのか
Creationシリーズは、ボトリングごとに樽構成を変えるシリーズです。番号が変わると、樽の前歴(以前に入っていた酒)も産地も変わります。トマーティンの公式シリーズ一覧と公式アーカイブなどで確認できた作品を番号順に並べると、次のとおりです。確認できていない部分は、推測で埋めずに「未確認」としています。
| 番号 | 確認できた樽構成 | 構成の特徴 |
|---|---|---|
| #1 | モスカテル・デ・セトゥーバル樽、インペリアルスタウト樽 | ポルトガルの甘口の酒精強化ワインと、ビールという前歴の異なる2種の樽を組み合わせた構成 |
| #2 | 焼酎樽(国分グループ本社の情報)、ヨーロピアン・ヴァージンオーク樽(トマーティン公式アーカイブ) | 焼酎樽と新樽を組み合わせた作品 |
| #3 | モロッコ産カベルネ・ソーヴィニヨン樽、北米産ライウイスキー樽 | ワインとウイスキーという前歴の異なる2種の樽を組み合わせた構成 |
| #4 | トウニーポート樽、コニャック樽 | 酒精強化ワインとブランデーの樽を組み合わせた構成 |
| #5 | アンデスオーク樽(ほかの樽は未確認) | 南米産の樽材という、樽材の産地が軸 |
| #6 | スペイン産ペドロ・ヒメネス樽、ジャマイカ産ラム樽 | 酒の種類も産地も異なる2種の樽を組み合わせた構成 |
| #7 | ピノー・デ・シャラント・ルージュ樽、アメリカン・ヴァージンオーク樽 | ブドウ果汁にコニャックを加えて造る甘口の赤ピノーの樽と、新樽を組み合わせた構成 |
| #8 | アイスワイン樽、ベルデホ樽 | 凍ったブドウから造る甘口ワインの樽と、スペインの白ブドウ品種ベルデホのワイン樽を組み合わせた構成 |
| #9 | アメリカン・ヴァージンオーク樽、マンサニージャ・シェリー樽 | 原酒の大半が新樽で17年以上。メーカーはシリーズで最も熟成期間が長いと位置づけ |
焼酎樽を使ったのは#2で、#9ではありません
焼酎樽を使ったのはCreation #2で、国分グループ本社の情報で確認できます。メーカーの発表では、#9の使用樽はアメリカン・ヴァージンオーク樽とマンサニージャ・シェリー樽の2種です。焼酎樽は含まれていません。#2は日本の樽を使った作品のため、国内では「クボカン=焼酎樽」という印象で語られがちです。焼酎樽の作品を探している場合は、手に取ったボトルが**#2か#9か**を必ず確認してください。
既出作と#9の設計の違い
確認できた既出作のうち、#3と#6は、前歴も産地も異なる2種の樽を組み合わせてフィニッシュした構成です。#2の焼酎樽や#5のアンデスオークも、樽の素性で個性を出す方向にあります。既出作の多くは、ク・ボカンの原酒に「どの樽の要素を重ねるか」で作品ごとの違いを打ち出してきました。
新樽そのものは、#2(ヨーロピアン・ヴァージンオーク)や#7(アメリカン・ヴァージンオーク)でも使われています。これに対して#9は、原酒の大半を新樽で17年以上熟成させ、熟成期間の長さを前面に出しています。マンサニージャ樽は、別に熟成させた原酒の後熟に使われ、その原酒を新樽熟成の原酒と合わせています(トマーティン公式シリーズ一覧)。同じ原酒を2種の樽で順にフィニッシュした構成とは異なります。また、確認できた範囲では既出作の熟成年数が分かっていません。#9との年数差を数字で比べることは避けてください。
コレクションと飲み比べの判断基準
- 購入・仕入れ:商品名の「Creation」だけで判断せず、ラベルと商品ページで番号を確認します。ボトルの見た目が似ていても、樽構成はまったく別物です
- 酒販店の説明:シリーズ共通の説明文を流用せず、番号ごとに樽構成を書き分けます。#2の焼酎樽の説明を#9の棚に置くのが、最も起こりやすい誤りです
- 飲み比べの組み方:#6と#9を並べると、同じシェリー系でも極甘口のPXと辛口のマンサニージャという、樽の性格の違いを確かめられます。#9を単独の主役にする場合は、新樽由来の要素が前に出ることを前提に組みます
- 飲み比べの条件:各銘柄を同量(例:15mlずつ)、同じ形のグラス、同じ温度で並べます。最初はストレートで比べ、加水する場合は全銘柄に同じ滴数を加えます。条件をそろえないと、樽の違いと注ぎ方の違いを区別できません
- コレクションの記録:番号、樽構成、確認できた出典を一覧にし、未確認の番号は空欄のまま残します。国内輸入元の案内で確認できた時点で埋めます
- 贈答:ラベルの番号に加え、樽構成を一言メモで添えると、受け取った人が既出作と取り違えずに済みます
日本で買えるか・価格はどうなるか|正規輸入の状況と代わりの選択肢

**2026年10月24日時点で、ク・ボカン Creation #9の日本での発売も国内定価も発表されていません。**国内向けの発売日、輸入元からの案内、終売や休売の情報も確認できていません。予約や価格の情報が出ても、国内輸入元の正式な発表と照らし合わせてから判断してください。
45ポンドから国内価格を見積もれない理由
45ポンドは英国のメーカー公式ページに載っている価格で、日本国内の販売価格ではありません。英国の小売価格には、英国の酒税と付加価値税がすでに含まれています。輸出される分にはこれらがかからない一方、日本では輸送費、保険、日本の酒税、消費税、輸入元と小売店の流通マージンが加わります。価格の内訳がまったく別物なので、為替レートを掛けた円の金額は、高すぎる見積もりにも安すぎる見積もりにもなり得ます。仕入れの予算は、輸入元が示す卸価格が出てから組んでください。
個人輸入と過去作の国内流通
英国公式ページには、2026年10月の確認時点で「オンライン購入不可」と表示されていました。公式ルートで直接買えない状態なので、海外の販売店経由の個人輸入も、在庫、日本への発送の可否、到着時に課される税のどれもが不確かです。過去のCreationシリーズでは、#3や#5などが国内の販売ページで「正規品」と表記されて流通しました。ただし、#9も同じように正規輸入されるかどうかは分かっていません。日本向けの割当数は発表されておらず、世界3,800本という数字から国内の入荷数は推定できません。入荷数や予約の確実性は、販売店または輸入元の案内で確認してください。
入手を検討するときの手順
- 国内正規輸入元の発表を確認します。取扱店や予約の案内は、輸入元の告知と内容が一致しているかを照らし合わせます
- 店頭や商品ページで「正規品」の表記を確認し、ボトルの輸入者表示シールに輸入者の名称と所在地があるかを見ます
- 並行輸入品は、価格に加えて状態を確認します。液面が下がっていないか、キャップの封は傷んでいないか、箱があるか、保管環境はどうだったかを販売店に尋ねます
- 贈答用なら、正規品であることと外箱の有無を優先します。受け取る人が海外在住の場合は、相手国への持ち込みや発送の規制も事前に確かめます
手に入らない場合の代わりの選択肢
同じ蒸溜所の原酒の個性を知りたいなら、ク・ボカンの通常品やトマーティン レガシーなどの定番品が入口になります(それぞれ別記事で解説しています)。樽の方向性で比べたい場合は、次の表を目安にしてください。なお、国内の定番品でマンサニージャ樽を軸にした銘柄は少ないため、どれも#9と同じ設計ではありません。何を比べるかの条件で選んでください。価格は執筆時(2026年10月)の相場です。
| 比べたい条件 | 銘柄 | 樽構成(メーカー公式の案内) | #9との違い | 価格(2026年10月の相場) |
|---|---|---|---|---|
| 濃いシェリー樽との対比 | グレンドロナック 12年 | ペドロ・ヒメネス樽とオロロソ樽 | 酸化熟成系と極甘口のシェリー樽が軸。ピートは前面に出ない | 5,940円前後(2026年10月24日時点) |
| オーク樽とシェリー樽の二層構成 | アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード | 伝統的なオーク樽とシェリー樽の原酒を合わせた構成 | 新樽の長期熟成ではない。ノンピート | 5,687円前後(2026年10月24日時点) |
| ピートと甘口の樽の重なり | カリラ ディスティラーズエディション | モスカテル樽での後熟 | 樽はシェリーではなく甘口ワイン系。ピートは#9より明確に出る | 8,908円前後(2026年10月24日時点) |
| 複数の樽を重ねた構成 | オーヘントッシャン スリーウッド | バーボン樽、オロロソ樽、ペドロ・ヒメネス樽 | 3回蒸留の軽い原酒。ノンピートで、シェリー樽は酸化熟成のオロロソと極甘口のPX | 5,588円前後(2026年10月24日時点) |
- 塩気と辛口の要素に関心がある場合:表の銘柄に、フロールの下で熟成する辛口のマンサニージャの樽を使ったものはありません。#9のマンサニージャの性格を代わりに体験できる銘柄ではないことを、店頭の説明でも明示してください
- 軽いピートと樽の組み合わせに関心がある場合:表の中でピートを軸にしているのはカリラ ディスティラーズエディションだけです。#9よりピートがはっきり出る銘柄として比べると、15ppmという仕様の位置づけがつかみやすくなります
- バーで代わりに提供する場合:「#9の代用品」ではなく「樽の違いを比べる一杯」として案内すると、期待との食い違いを防げます
限定品を飲む・出す・贈るときの判断基準|46%・ノンチルフィルタードの扱い方
白濁は成分の析出で、劣化ではありません
冷却濾過は、瓶詰め前に原酒を冷やしてフィルターに通し、低温で濁る成分を取り除く工程です。主に除かれるのは、パルミチン酸エチルやラウリン酸エチルなどの長鎖脂肪酸エステルや、樽由来の脂質です。本品はこの工程を経ていません。そのため、46%の瓶内では溶けているこれらの成分が、加水で度数が下がったときや、氷・冷蔵で温度が下がったときに溶けきれなくなり、白い濁りとして現れます。温度や度数が戻れば再び溶けるため、品質の異常ではありません。冬に輸送したあと、瓶の中がうっすら濁って見えることもあります。
- バーでの説明例:「冷却濾過をしていないので、水を足すと白く濁ります。香味成分を取り除いていないためで、傷んではいません」
- 贈答での添え書き例:「寒い場所で濁ることがありますが、室温に戻すと澄みます」
クボカン クリエーション9のよくある質問

Q. Creation #9は9年熟成ですか
9年熟成ではありません。「#9」はシリーズの通し番号です。年数の考え方は、冒頭の「「#9」は熟成年数ではありません」の項を参照してください。
Q. 焼酎樽は使っていますか
使っていません。焼酎樽を使ったのは#2です(シリーズ比較の章を参照)。
Q. 日本で買えますか。日本円でいくらですか
2026年10月24日時点で、日本での発売も国内定価も発表されていません。45ポンドは英国の価格で、円に換算しても国内価格の目安にはなりません。理由と入手の手順は「日本で買えるか・価格はどうなるか」の章を参照してください。
Q. 予約受付を見かけたら、販売店に何を確認すればよいですか
次の点を尋ねると、予約の確かさを判断しやすくなります。
- 輸入者:国内正規輸入元の取り扱いか、並行輸入か
- 入荷の確実性:入荷数が決まっているか、入荷数によって抽選や数量調整になるか
- 価格:予約時点の価格が確定価格か、入荷時に変わる可能性があるか
- 条件:入荷しなかった場合の扱いと、キャンセルや返金の条件
Q. メニューや値札にはどう書けばよいですか
「17年」とは書かず、「Creation #9(シリーズ番号)」「原酒の大半を新樽で17年以上熟成」「マンサニージャ樽で後熟した原酒を合わせた構成」「46%・無着色・冷却濾過なし」のように、メーカーが示した仕様の範囲で書きます。国内価格が出るまでは、価格欄を「入荷時に案内」としておくと、正式価格との食い違いを防げます。
Q. 受賞歴や終売情報はありますか
受賞歴も終売・休売情報も、確認できていません。受賞歴の記載を見かけた場合は、次の3点を確かめてください。コンペティションの名称、開催年、そして対象が#9そのものかどうか(ほかの番号やブランド全体の受賞ではないか)です。また、限定品の「完売」とメーカーが告知する「終売」は意味が異なります。販売店の「在庫切れ」を終売と読み替えないでください。どちらの情報も、確認でき次第この記事を更新します。
Q. ピートの強さはどのくらいですか
麦芽のピート度は15ppmで、ライトピートに当たります(トマーティン蒸溜所、2026年10月12日)。麦芽段階の数値と製品の煙たさの関係は、本文「原酒側の設計」を参照してください。新樽での長期熟成では、一般に樽の要素がピートより前に出やすいとされますが、本品の実際は未確認です。
- バーでの案内:「強いピートを」という注文には#9を第一候補にせず、「軽いピートと樽の甘さ」を求める客に勧める
よくある質問
ハイボールや水割りで飲んでも問題ありませんか
飲めますが、樽の構成を確かめたいなら最初の一杯はストレートが適しています。炭酸は苦みや渋みを際立たせやすく、新樽由来のタンニンが前に出る可能性があります。また冷却濾過をしていないため、氷と炭酸で白く濁ります。割る場合は、ストレートで香味を確かめてから、濁ることを伝えたうえで出してください。
どんな形のグラスで出すのが向いていますか
口がすぼまったチューリップ型のテイスティンググラスが向いています。香りが口元に集まるため、新樽由来のバニラ香や、メーカーがテイスティング表現として挙げる塩キャラメル、トーストしたアーモンドといった印象(トマーティン蒸溜所の発表)を嗅ぎ分けやすくなります。46%なので、注いだ直後はアルコールの刺激が先に立ちます。少し置いて香りが落ち着いてから確かめると、樽の要素をとらえやすくなります。
開栓後のボトルはどう保管すればよいですか
立てて保管し、直射日光と温度変化の大きい場所を避けてください。横に寝かせると、度数の高い液体がコルクに触れ続け、劣化や臭い移りの原因になります。残量が減るとボトル内の空気が増え、香りの変化が早まります。自宅で少しずつ飲むなら、残りが少なくなった時点で小さな瓶に移し替え、空気に触れる量を減らす方法があります。
液色の濃さで樽の効き方や熟成の長さを判断できますか
判断の材料にはなりにくいです。本品は無着色なので色は樽由来ですが、スコッチでは色調整用のカラメル(E150a)が認められており、他銘柄と比べるならまず着色の有無をそろえる必要があります。また、本品のチャーやトーストの条件は未公表で、液色だけから樽の処理や熟成年数は判断できません。色の濃さを年数やシェリー樽の影響と読み替えないでください。
出典・参考にした情報
- Cù Bòcan Creation #9: Where sweet meets salty(確認日 2026-10-24)
- Cù Bòcan’s Latest Creation Is Inspired By Cinema Popcorn(確認日 2026-10-24)
- 国分グループ本社(確認日 2026-10-24)
この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。