ニュース・トレンド情報

ウイスキーニュース2026年9月|富士12年・ボウモア9年ほか

富士12年やボウモア9年など2026年秋のウイスキー新商品情報を発売日順に整理。価格改定や限定品の在庫状況、入手経路まで仕入れ判断に役立つ形でまとめました。

本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。 掲載している商品の価格・在庫は変動するため、最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

2026年秋のウイスキーニュース一覧:発売日・価格・入手経路を時系列で整理

2026年9〜10月時点で押さえておきたい新商品は、富士12年(海外・国内の空港免税店で先行発売)、ボウモア9年とボウモア シェリー3種(国内で通年化)、竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026(数量限定)です。このほか、既存品の変更としてサントリーの価格改定とブラックニッカのパッケージ刷新があります。性質が違うので、発売日だけを並べても仕入れや接客の判断には使えません。下の表は新商品と既存品の変更に分けて載せています。新商品の表は発売日順で、「いつ・どこで・誰が買えるか」まで示しています。

商品名発売日容量度数価格価格の種類税別/税込限定/通年入手経路ニュースの種類
竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 20262026年6月16日(発売済み)700ml43%27,500円国内参考小売価格税込国内1万本限定国内流通(在庫と入荷予定は販売店・卸に確認)数量限定品
ボウモア9年2026年9月29日(発売済み)700ml40%4,780円前後(2026年10月13日時点)希望小売価格税別通年全国発売国内での通年発売
ボウモア シェリー 12年2026年9月29日(発売済み)700ml40%7,590円希望小売価格税別通年全国発売国内での通年発売
ボウモア シェリー 15年2026年9月29日(発売済み)700ml43%13,754円希望小売価格税別通年全国発売国内での通年発売
ボウモア シェリー 18年2026年9月29日(発売済み)700ml43%19,320円希望小売価格税別通年全国発売国内での通年発売
富士12年2026年10月(英国・フランス)、11月(米国・国内の空港免税店)に発売予定700ml48%メーカーの設定なしオープン価格—先行発売(国内の一般販売は2027年以降の予定)英・仏・米の市場と国内の空港免税店(羽田・成田・関西)地域・流通を限った先行発売
商品名時期変更の内容価格入手経路
ブラックニッカ クリア/リッチブレンド/ディープブレンド2026年3月下旬以降、商品・容器ごとに順次パッケージ刷新(中味は従来品と同じ)—従来どおりの流通
サントリー「響」「山崎」「白州」など一部商品2026年4月1日出荷分から改定生産者価格の改定改定後の仕入れ値は取引先に確認従来どおりの流通
ニッカ フロンティア既存品富士12年と同じ48%・ノンチルで比べられる既存品—従来どおりの流通

価格の欄は同じ尺度で比べられません。

  • ボウモア9年とボウモア シェリー3種は、税別の希望小売価格です。税込で比べるなら消費税10%を足します。
  • 竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026は、税込の国内参考小売価格です。
  • 富士12年はオープン価格で、メーカーは価格を示していません。
  • サントリーの4月の改定は、生産者価格(メーカーの出荷価格)の改定です。

ニュースを4種類に分けると、仕入れの急ぎ方が決まる

  • 国内での通年発売(ボウモア9年、ボウモア シェリー3種):発売日に在庫を厚く積む必要はありません。既存のボウモアとの棚の並びと、グラス1杯の価格帯を先に決めます。そのうえで、回転を見て発注量を調整します。
  • 数量限定品(竹鶴 エッセンシャルズ 2026):国内1万本(海外分と合わせて計2万本)の限定で、6月16日に発売されました。メーカーは出荷完了や追加出荷の有無を公表していないため、現在の在庫と今後の入荷予定は販売店・卸に確認します。1杯の売価は、実際の仕入れ値から1杯原価の手順で計算します。
  • 地域・流通を限った先行発売(富士12年):国内は2027年以降まで通常の仕入れルートがありません。11月以降に客から聞かれたときの答え方を準備しておきます。
  • 中味を変えない変更(ブラックニッカのパッケージ刷新):3月下旬以降、商品・容器ごとに順次切り替わっており、店頭では新旧のボトルが混在します。棚札やメニューの写真を更新し、見た目が違っても中味は同じだと説明できるようにしておきます。

富士12年はなぜ『シングルグレーンの12年』なのか:3種の蒸留器と48%・ノンチルの意味

ウイスキーのイメージ写真

「富士12年」は、キリンの「富士」ブランドで初の12年熟成品です。容量は700ml、度数は48%で、冷却濾過はしていません。価格はオープン価格です。原酒には富士御殿場蒸溜所で造る3タイプのグレーン原酒を使います。

3種の蒸留器が「グレーン=癖がない」を覆す

同蒸溜所は、5塔式の連続蒸留器、ケトル蒸留器、ダブラー蒸留器を使い分けています。連続式は塔を重ねるほど還流(蒸気が凝縮して塔内に戻り、再び蒸留されること)と精留が進みます。そのため重い成分が取り除かれ、軽く澄んだ原酒になりやすくなります。一方、ケトル蒸留器は単式蒸留器と精留塔を組み合わせたバッチ式です。ダブラー蒸留器は、連続式のビアカラムで得た留液をダブラーで再蒸留する方式(バーボンで標準的な方式)で、両者は仕組みが異なります。キリンはどちらも、香味成分を多く残した原酒を造る蒸留器と説明しています。グレーンを「量を稼ぐための癖のない混ぜ物」とみなす通説は、この設計には当てはまりません。軽さと厚みを蒸留方式で作り分け、それを組み合わせて1本にしています。

12年は長いのか:樽と原酒の釣り合いで見る

連続式由来の軽い原酒は樽の影響を受けやすく、樽材のリグニンが分解してできるバニリン(バニラ様の香り)や、オーク由来の甘い香りが前に出やすくなります。一方、香味成分を多く残す原酒は、一般に樽香の下でも原酒の個性が残りやすいと考えられます(富士12年の配合比と使用樽は非公表)。ただし、年数が長いほど良いとは限りません。樽の個性が原酒を覆うと、渋みや木の香りばかりが立ち、蒸留で作り分けた違いが見えなくなります。評価の軸は年数の長さではなく、樽香の下に原酒の輪郭が残っているかどうかです。ノージングでは樽の種類を当てにいかず、樽香と原酒の香りの比重を見てください。

48%・ノンチルの実務:濁りと提供の目安

冷却濾過は、瓶詰め前に原酒を一般に0℃前後まで冷やし、低温で析出する成分をフィルターで濾し取る工程です。取り除かれるのは主に、炭素数の多い脂肪酸のエチルエステル(ラウリン酸エチル、パルミチン酸エチルなど)や脂肪酸です。これらはアルコールには溶けやすく水には溶けにくいため、度数が下がるほど、また温度が下がるほど溶けきれなくなります。一般に46%前後を下回ると析出しやすくなるとされ、ノンチルの製品に46%以上で瓶詰めするものが多いのはこのためです。48%の富士12年はボトルの中では澄んでいても、加水や氷、冷えた炭酸で度数と温度が同時に下がると、白く濁ることがあります。これは冷却濾過で除かれる成分が残っているためで、品質の劣化ではありません。バーでは提供前に「冷やすと白く濁りますが、濾過していないためです」とひと言添えておくと、客に安心してもらえます。

  • ストレート:シングル30mlをチューリップ型のグラスに注ぎ、まず香りを取ります
  • 加水:スポイトで数滴ずつ加え、その都度香りを確かめます。48%ではアルコールの刺激が香りを隠しやすいので、少量の水で穀物や果実の香りが開くかを見ます
  • ハイボール:48%を1:3で割ると約12%、1:3.8で割ると、40%を1:3で割ったときと同じ約10%になります。1:3〜1:3.8の範囲で試飲して比率を決め、濁りが出る前提で出します

「シングルグレーンジャパニーズウイスキー」が示すこと

「シングルグレーン」は日本の表示基準では定義されていない慣用表示で、SWR 2009のSingle Grain Scotch(単一蒸溜所で蒸留、蒸留器の方式は問わない)に準じた使い方です。富士12年の場合は、富士御殿場蒸溜所1か所のグレーン原酒で造っていることを示します。

どこで買えるか

メーカーが示す2026年中の国内の販路は、11月からの羽田・成田・関西の空港免税店です。空港免税店は一般に出国手続き後の区域にあるため、取り扱いの有無や購入条件は各店舗で確認してください。英国・フランス・米国に住む知人への贈り物なら、現地で買ってもらうほうが確実な場合もあります。

  • 国内客への答え方:「一般販売は2027年以降の予定です。今年は11月から空港の免税店で扱われますが、出国手続き後の店舗なので、ご旅行の際に各店舗でご確認ください」
  • 訪日客への答え方:「英国とフランスでは10月、米国では11月に発売予定です。お住まいの国で探すほうが早いかもしれません」

ボウモア9年とボウモア シェリー3種の通年化:樽構成の読み方と『蒸留休止』ニュースの影響

サントリーの発表によると、「ボウモア9年」は国内で2026年9月29日に新発売され、定番ラインナップに加わりました。「ボウモア シェリー」12年・15年・18年も同日に全国で発売され、国内の通年商品になったため、限定品として一度だけ仕入れるのではなく、定番の棚に組み込めます。価格と発売日は冒頭の一覧表のとおりです。

商品熟成・後熟に使った樽(公表範囲)
ボウモア9年アメリカンオークのバーボン樽と、ヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽で熟成した原酒を使います
ボウモア シェリー12年・15年・18年いずれもシェリー樽で後熟した製品です。度数は12年が40%、15年・18年が43%です

ボウモア9年のピートのフェノール値(ppm。麦芽に移ったピート由来のフェノール類の濃度)、冷却濾過と着色の有無、樽の比率は公表されていません。接客で聞かれたら「非公表」と答えるのが正確です。

スモーキーさはどの工程で生まれるか

ボウモア蒸溜所は、浸水した大麦を床に広げて手作業で返しながら発芽させるフロアモルティングを、現在も自社で続けている数少ない蒸溜所です。ただし、自社のフロアモルティングでまかなうのは使用麦芽の一部で、残りは外部の製麦業者から仕様を指定して調達したピーテッド麦芽を使います。発芽を止める乾燥(キルニング)の工程ではピートを焚き、煙に含まれるフェノール類を麦芽に移します。製品の煙香は、ピートで乾燥した麦芽(自社製・外部調達の両方)に付いたフェノール類に由来します。フェノール類は、麦芽の表面がまだ湿っている乾燥の初期に特に付きやすくなります。ボウモアの麦芽はアイラの中では中程度のピートとして語られることが多いものの、これは蒸溜所の麦芽仕様についての一般的な位置づけで、製品の公表値ではありません。ボウモア9年の製品値は公表されていません。

麦芽に付いた香りがどれだけ製品に残るかは、蒸留でどこまでを製品に使うか(ミドルカット)の取り方で大きく変わります。フェノール類は沸点が高く水になじみやすいため、ミドルカットの後半からフェインツ(後留)にかけて多く出てきます。そのため、カットを遅らせて後半まで取るほど煙香は強く残り、早めに切るほど軽くなります。ボウモアのカットポイントは公表されていません。さらに、煙香はその後の熟成によっても減っていきます。そのため、麦芽の数値がそのまま瓶の中の煙たさになるわけではありません。ボウモア9年の香味について、サントリーは「やわらかなスモーキーさと甘い樽香」と説明しています。これは製品の説明であり、9年という熟成年数や上に挙げた製法の一般的な影響から導いたものではありません。

バーボン樽とオロロソ樽が担うもの

バーボン樽は、内側を強く焦がした(チャー)アメリカンオークの樽で、バニラやはちみつを思わせる軽やかな甘さを加えます。オロロソシェリー樽で熟成した原酒は、干しぶどうのようなドライフルーツを思わせる香味に寄与し得ます。ただし樽由来の香味は、樹種だけでなく、シェリーによるシーズニングの条件、樽の製法、使用回数、熟成期間によっても変わります。なお一般に、ウイスキー用のシェリー樽の多くは、シェリーの熟成に使い終えた樽ではありません。樽づくりのためにシェリーを一定期間入れて味付け(シーズニング)した樽です。この商品の樽の比率、ファーストフィル(ウイスキーの熟成に初めて使う樽)かリフィル(2回目以降)か、シーズニングの条件は公表されていません。「ソレラで使われた樽」のように、出自を断定する説明はしないようにします。

蒸溜所には、インダール湖に面して建つ石造りの熟成庫「No.1 Vaults」があります。土の床に樽を低く積むダンネージ式の倉庫で、ボウモアはスコットランド最古級の熟成庫と紹介しています。ただし、ボウモア9年やシェリー3種の原酒がどの熟成庫で何年過ごしたかは公表されていないため、海沿いの熟成を製品ごとの香味の理由として断定はしません。

シェリー12年・15年・18年をフライトで出す

3種はいずれもシェリー樽で後熟した製品で、9月29日から通年でそろったため、定番の飲み比べメニューにできます。ただし原酒の構成や後熟の条件は製品ごとに異なり得るので、3種の差を熟成年数だけが生んだものとして説明しません。飲み比べは、製品ごとの香味の違いを観察するものとして組みます。確かめたいのは、樽由来の果実香やタンニン、煙の出方が3種でどう違うかです。「長いほど良い」という比べ方ではなく、煙と樽の釣り合いがどの製品で自分の好みに合うかを探す比べ方にします。

  1. 同じ形のチューリップ型グラスを3脚用意し、1種あたり15ml前後を注ぎます。3種で合計45ml程度となり、シングル(30ml)の1.5杯分で比較に十分な量になります。
  2. 12年→15年→18年の順に出します。重い18年から始めると、後に飲む若い年数が薄く感じられるためです。
  3. まずストレートで香りをとり、次に数滴の水を加えてもう一度香りをとります。加水で香りがどれだけ開くかも、製品ごとの違いとして比べられます。
  4. チェイサーを添え、各グラスの前に年数を書いたカードを置きます。値付けは、3種の15mlあたり原価を合計し、店の目標原価率で割って売価を決めます。単品3杯の合計より少し安くすると、注文を促しやすくなります。

「蒸留休止」ニュースをどう読むか

ボウモア蒸溜所は、2026年の残りの期間は蒸留を休止すると案内しています。熟成年数を表示する商品は、表示された年数以上前に蒸留し、樽で熟成させた原酒で造られます。そのため今年の蒸留が止まっても、9年やシェリー12〜18年の在庫がすぐに店頭から減るとは限りません。休止の理由、再開の時期、今後の供給計画は、公式発表で確かめられる範囲を超えて推測しません。売り場で「もう手に入らなくなる」とあおる説明は根拠がないので避けます。客に聞かれたら「蒸留は休止中ですが、いま出ている商品は過去に蒸留した原酒で造られています」と、事実だけを伝えます。

「アイラで見学できるか」と聞かれたら

アイラはスコットランドの島で、ピートの効いたウイスキーの産地として知られます。訪日客や海外の知人に聞かれたら、蒸留は休止していることを伝えたうえで、見学の可否は公式サイトで確認するよう案内します。休止中は蒸留器が動いている様子を見られない可能性もあります。英語で伝える場合の例は次のとおりです。

  • Bowmore has paused distillation for the rest of 2026.(ボウモアは2026年の残りの期間は蒸留を休止しています)
  • Please check the official website for whether tours are running.(見学ツアーを実施しているかどうかは公式サイトで確認してください)

ニッカの2026年の動き:竹鶴 エッセンシャルズ限定・フロンティアの仕様・ブラックニッカ新パッケージ

ウイスキーのイメージ写真

竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026:確定情報と売るときの注意

発売は6月16日で、国内1万本(海外分と合わせて計2万本)の限定品です。700ml・43%で、メーカーの国内参考小売価格は税込27,500円です。余市・宮城峡の両蒸溜所で2000年に仕込んだ長期熟成原酒を一部に使っています。

「2000年仕込みの原酒を一部使用」は年数表記ではありません。 年数表記は、瓶の中で最も若い原酒の熟成年数を示すものです。この商品は年数を掲げておらず、2000年の原酒がどの比率で入っているのか、どの程度若い原酒と合わせているのかも公表されていません。そのため「25年もの」「26年熟成」と説明するのは誤りです。店頭では「2000年に仕込んだ余市と宮城峡の長期熟成原酒を一部に使った、年数表記のないピュアモルト」と説明するのが正確です。

日本では「ピュアモルト」は法令・表示基準上の定義がない慣用表示で、単一蒸溜所のモルトにも使われてきました。竹鶴ピュアモルトでは、複数の蒸溜所のモルト原酒だけを使った、グレーンを含まないウイスキーを指し、スコッチでいうBlended Maltに当たる製品です。SWR 2009はスコッチ向けの規則で、この区分を「Blended Malt」と呼び、「Pure Malt」の表示を認めていません。英語圏の客には「a blended malt(複数の蒸溜所のモルトのみ)」と言うと通じやすくなります。メーカーが公表しているのは、2000年に仕込んだ余市・宮城峡の原酒を一部に使っていることまでです。石炭直火で蒸留する余市と、スチームで間接加熱する宮城峡は原酒の性格が異なりますが、ボトル全体の原酒構成は公表されていないため、「余市と宮城峡だけでできている」とは説明しません。

数量限定品は抽選販売になることが多く、発売日に定価で買えるとは限りません。時間が経つと、二次流通の価格が参考小売価格を上回ることもあります。贈答品を探す客には、次の2通りに分けて案内します。定価で買いたいなら、各販売店の抽選告知を追う。贈る日に間に合わせたいなら、価格差が出る前提で探す。1杯の売価は、参考小売価格ではなく実際の仕入れ値から、1杯原価の手順で計算します。

ニッカ フロンティア:富士12年と比べられる48%・ノンチルの既存品

フロンティアは2026年の新商品ではありませんが、富士12年と同じ48%・ノンチルフィルタード(冷却濾過をしない)の既存品として比べられます。余市のヘビーピート(ピートを強く焚いて乾燥させた麦芽)のモルト原酒をキーモルトにしたブレンデッドで、モルト比率は51%以上です。冷やしたり割ったりすると白く濁ることがありますが、冷却濾過で除かれる脂肪酸のエステルなどが残っているためで、劣化ではありません。ハイボールの比率は、富士12年と同じく1:3〜1:3.8の範囲で試飲して決めます。

ブラックニッカ3種の新パッケージ:中身は変わっていない

クリア、リッチブレンド、ディープブレンドの3種は、2026年3月下旬以降、商品・容器ごとに順次パッケージを刷新しています。中身は変えていないとメーカーが案内しています。店頭で新旧のパッケージが混在したときは、次の基準で判断します。

  • 値付け:中身が同じなので、新旧で価格を分ける理由はありません。
  • 陳列:同じ棚に並べ、旧パッケージを手前に置いて先に売り切ります。
  • 接客:「ラベルが変わっただけで、中身は同じです」とはっきり答えられます。
  • バー:ハイボールなどのレシピや原価計算は変える必要がありません。
  • 在庫管理:商品コードの扱いは、卸の案内で確認します。

価格改定・表示基準・一次情報の確かめ方:ニュースを仕入れと提供の判断に使う

サントリーの価格改定で確かめること

サントリーは2026年4月1日出荷分から、「響」「山崎」「白州」など一部商品の生産者価格(メーカーの出荷価格)を改定し、希望小売価格の設定がある商品ではそれも改定しました。実際の店頭価格は販売店が決めるため、改定幅がそのまま小売価格に表れるとは限りません。公式発表で主な対象ブランドを確認します。一部に対象外の商品もあるため、個別商品の対象可否と改定後の仕入れ値は取引先に確かめます。

1杯原価の出し方と売価の見直し手順

1杯原価は「仕入れ値÷注げる杯数」で求めます。700mlをシングル30mlで注ぐと、計算上は約23杯になります(700÷30≒23.3)。実際には液だれ、試飲、瓶底の残りでこれより少なくなります。そのため、棚卸しで数えた実際の杯数を割る数に使います。

  1. 改定後の仕入れ値を、取引先の請求額で確かめます。旧価格の在庫が残っていても、次の補充は新価格になるので、売価は新しい原価で組みます
  2. 新しい1杯原価=新しい仕入れ値÷実際の杯数
  3. 売価=1杯原価÷店の目標原価率。端数は価格帯の区切りで丸めます
  4. ダブル(60ml)は原価を2倍にします。ハイボールは炭酸・氷・副材料の原価を足して別に計算します
  5. メニューとボトルキープの価格表を同時に直します

「ジャパニーズウイスキー」は業界の自主基準

日本洋酒酒造組合の表示基準は、次のような要件を定めています。原材料は麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限り、麦芽は必ず使います。国内で糖化・発酵・蒸留します。700L以下の木樽で国内3年以上貯蔵します。国内で瓶詰めし、そのとき40%以上とします。これは業界の自主基準で、法律による義務ではありません。スコッチは、スコッチウイスキー規則(SWR 2009)という法令で定義されています。この規則は、700L以下のオーク樽でスコットランドで3年以上熟成することなどを定めており、法的な拘束力の有無が両者の違いです。国税庁は、ジャパニーズウイスキーの地理的表示(GI)の指定を検討事項としています。

プレスリリースで確かめる6項目

項目確かめる点
発売日・地域全国発売か、海外や免税店での先行か
価格価格の種類と、税込か税別か
限定か通年か限定なら販路も確認します(例:ボウモア シェリー3種は通年商品)
数量本数が国内分か、世界全体の分か
先行発売先行する国と販路の範囲
仕様度数・冷却濾過・着色について記載があるか

書かれていない仕様は「未公表」として扱い、推測で補いません。接客で聞かれた場合も「公表されていません」と答えます。

開栓後の保管と、中身が減ったボトルの扱い

ボトルは立てて保管します。寝かせると度数の高い液体がコルクに触れ続け、コルクの劣化や崩れ、においの移りにつながります。開栓後は液面が下がるほど瓶の中の空気が増え、酸化と揮発によって香りが弱まっていきます。店で決める基準の例を挙げます。

  • 半分以上残っている:通常どおり提供します
  • 残りが3分の1を切った:小瓶に移して空気を減らすか、飲み比べセットに回して早めに使い切ります
  • 開栓日をボトルに書いておきます。出数の少ないボトルは定期的に香りを確かめ、提供を続けるかどうかを決めます

よくある質問

ウイスキーのイメージ写真

ボウモアの蒸留休止が長引いた場合、何年後のどの年数表記から影響が出得ますか?

影響が出るのは、早くても2026年に蒸留を止めた期間の原酒が使われる年以降です。年数表記は瓶の中で最も若い原酒の年数なので、たとえば9年なら、その原酒が9年熟成に達する時期が目安になります。ただし各製品の原酒在庫や配合は公表されていないため、実際に影響が出るかどうかはメーカーの発表を待って判断します。

二次流通で出回っている限定品をバーで開栓したいとき、仕入れと売価はどう決めますか?

店で提供する酒は、酒類販売業免許を持つ販売店・卸から仕入れ、伝票を残します。個人の転売品は、保管状態・真贋・液面・封の状態を確認できないため、店の仕入れには向きません。売価は、参考小売価格ではなく実際に支払った額を原価とし、「1杯原価=仕入れ値÷実際の杯数」「売価=1杯原価÷目標原価率」の手順で計算します。

棚札やメニューで「ジャパニーズウイスキー」と書いてよいのは、どの商品ですか?

ラベルに「ジャパニーズウイスキー」の表示がある商品だけにします。国内の蒸溜所の商品でも、ラベルにその表示がなければ棚札やメニューでも使いません。表示の有無は品質の優劣を示しません。

48%のボトルをトゥワイスアップで出すときは?

常温の水を、ウイスキーと1:1で合わせます。合わせたあとの度数は約24%です。

ボウモア シェリー3種の通年化で、既存のボウモア12年・15年・18年と棚をどう分けますか?

シェリー3種は、いずれもシェリー樽で後熟した別の製品です。同じ年数の既存品と隣り合わせに並べる場合は、棚札とメニューに「ボウモア12年」「ボウモア シェリー12年」と正式名で書き分け、カウンターで注文を受けるときも「シェリー」の有無を復唱します。年数だけで注文されると取り違えが起きやすいためです。価格も製品ごとに異なるので、1杯の売価はそれぞれの仕入れ値から別に計算します。

富士12年を免税店で買った客のボトルを店に持ち込まれたら、どう扱いますか?

国内の通常の仕入れルートで入った商品ではないため、店の持ち込みのルール(持ち込みの可否、持ち込み料、提供の範囲)に従って扱います。仕入れ伝票の残らない酒を店の在庫に混ぜたり、他の客向けのメニューに載せたりはしません。

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。