梅干しハイボールの作り方|はちみつ梅が合う理由と分量
梅干しハイボールの分量と手順を紹介。ウイスキー1に炭酸水3の基本比率で、はちみつは氷より先に溶かし、梅干しは形を残して潰すことで、炭酸が抜けにくく塩味と酸味のバランスも取りやすくなります。注ぎ方のコツも解説。
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梅干しハイボールの基本レシピ:分量と手順の順番に意味がある
アサヒビールの公式レシピ「梅干しとはちみつのハイボール」は、ウイスキー1に対して炭酸水3の比率です。材料は少ないものの、はちみつ・梅干し・炭酸をどの順番で入れるかによって、泡の持ちと味の出方が変わります。
材料と手順(公式レシピ)
- ブラックニッカクリア 30ml
- 炭酸水 90ml
- 梅干し 1個
- はちみつ 適量(公式レシピの表記。編集部の目安は手順①で説明)
- グラスにウイスキーとはちみつを入れ、混ぜて溶かす
- 梅干しを入れ、軽く潰す
- 氷と冷たい炭酸水を加え、軽く混ぜる
ブラックニッカクリアのアルコール分は37%です。公式の分量では、1杯の度数は9.25%、純アルコール量は8.9gと示されています。ピート由来のスモーキーさが控えめなノンピート麦芽の銘柄です(理由は次章)。そのため、梅干しの酸味や塩味とぶつかりにくい組み合わせです。店で出す場合は、氷を先に詰めてウイスキーを冷やしてから炭酸水を注ぐ手順を加えます(「店で出すときに味をそろえる」参照)。
①はちみつは氷より先に溶かす
はちみつは粘度が高く、冷えるほど硬くなって溶けにくくなります。氷と炭酸水のあとに入れると底に沈んで固まり、溶かすために何度も混ぜることになります。混ぜる回数が増えるほど、炭酸は抜けていきます。常温のウイスキーの段階で溶かし切っておけば、炭酸を注いだあとはほとんど混ぜずに済みます。溶けた時点で一度なめて甘さを確かめると、「適量」を決めやすくなります。
公式レシピは、はちみつの量を数値で示していません。次の数値は編集部の目安で、公式の数値ではありません。
- 白干し(梅と塩だけで漬けたもの):小さじ1(約5ml)から
- 減塩タイプ:小さじ1/2から
- はちみつ漬け:入れずに作り始める(0から)
ここから小さじ1/4ずつ増減して、好みの甘さに合わせます。決まった量を控えておくと、次の1杯から同じ甘さで作れます。
②梅干しは形が残る程度に潰す
潰すのは、果肉に割れ目を入れて味の出口を作るためです。はちみつ梅は、マドラーで2〜3回押し、皮が破れる程度で止めます。白干しは塩分が強いため潰さずに丸ごと入れ、塩味が弱いと感じたときだけ1回押します(次章「塩の梅干し(白干し)で作るときの調整」参照)。果肉を細かく崩すと、濁りと塩味が一気に出て、最初の一口から塩辛くなります。また、浮いた果肉の粒は二酸化炭素の気泡が生まれる起点になるため、泡が立ち続けて炭酸が早く抜けます。形が残っていれば、飲み進めるにつれて少しずつ味が出ていきます。
③炭酸を逃さない注ぎ方と混ぜ方
- グラスと炭酸水はしっかり冷やしておく。二酸化炭素は液温が低いほど水に溶けたままでいられるため、注いだ瞬間の発泡を抑えられる
- 炭酸水は氷に当てず、グラスの内側を伝わせて注ぐ。氷の表面の凹凸に当たると、そこで一気に泡が出る
- マドラーはグラスの底まで差し込み、氷を持ち上げるように縦に1回動かすだけにする。回して混ぜる必要はない
比率は1:3か1:4か
炭酸水を120mlに増やして、1:4で作る方法もあります。ウイスキー30ml(37%)で計算すると、1:4の度数は約7.4%です(氷が溶けた水とはちみつの分は含みません)。比率を変えると、度数だけでなく梅干しの味の濃さも変わります。
| 比率 | 分量 | 度数 | 味の出方 | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| 1:3(公式) | ウイスキー30ml:炭酸水90ml | 9.25%(公式表示) | 梅干しの塩味と酸味、はちみつのコクがはっきり出る | 焼き鳥や揚げ物など、味の濃い料理と合わせるとき |
| 1:4 | ウイスキー30ml:炭酸水120ml | 約7.4%(計算値) | 炭酸の爽快感が前に出て、梅の味は控えめになる | 食前や2杯目以降など、軽く飲みたいとき |
1:4で梅の味が物足りないときは、はちみつ梅なら押す回数を1回増やし、白干しなら1回だけ押します。塩分の強い梅干しに替える方法もあります。
はちみつかガムシロップか
- ガムシロップ:冷えても溶けやすく、味に癖がない。梅干しの酸味と塩味をそのまま出したいときや、氷を入れたあとで甘さを足したいときに向く
- はちみつ:香りとコクが加わり、梅干しのとがった酸味を丸くする。溶けにくいので、必ず手順①で溶かしておく
店で注文のたびにはちみつを溶かすのが手間なら、ぬるま湯で溶いたはちみつを作り置きしておく方法があります。量り方は「店で出すときに味をそろえる」で説明します。
なぜウイスキーには塩梅よりはちみつ梅なのか:塩味・酸味・甘味と原酒の関係

酒の種類だけで合う梅干しが決まるわけではありません。公式レシピも「梅干し」と「はちみつ」を別々に指定しており、はちみつ梅を指定してはいません。白干し(梅と塩だけで漬けたもの)でも、はちみつの量と潰し方を調整すれば十分に作れます。そのうえで、はちみつ梅には、あとから加える甘味を減らせて作りやすいという実務上の利点があります。以下では、梅干しが持つ味の要素と、ベースの酒が持つ香りの量から、その理由を整理します。
梅干しの味を3つの要素に分ける
- 塩味:塩分。量が多いと舌の上で最初に立ち、ほかの味を覆いやすくなります。
- 酸味:主にクエン酸。炭酸の刺激と重なって、後味を短く切り上げます。
- 甘味:はちみつ漬けの場合に加わります。塩味の角を丸め、酸味との釣り合いを取ります。
ウイスキーの甘い香りには2つの由来があります。1つは麦芽由来の穀物の甘さ、もう1つは樽由来のバニラやキャラメルの香りです。バニラ香の主な成分はバニリンで、樽材のリグニン(木の細胞壁をつくる成分)が熟成中に分解してできます。キャラメルのような香りは、樽の内側を焦がす(チャー)工程や焼く(トースト)工程で、木の糖分が変化して生まれます。ここに酸味が加わると、香りの輪郭が締まります。甘味が加わると、樽の甘い香りとつながります。反対に塩味だけが強いと、舌が塩に占められて甘い香りが隠れやすくなります。はちみつ梅が扱いやすいのは、はちみつを足さなくても甘味が入っていて、酸味と甘味で香りを持ち上げやすいからです。
焼酎とウイスキーでは梅の役割が違う
| 項目 | 甲類焼酎 | ウイスキー |
|---|---|---|
| 香りの量 | 連続式蒸留で高い度数まで蒸留するため、香りの成分が少ない | 麦芽と樽の香りそのものが主役 |
| 梅の役割 | 味の中心 | 香りを引き立てる脇役 |
| 合う梅干し | 塩味と酸味がはっきりした塩梅 | はちみつ梅が作りやすい。白干しも甘味と潰し方で調整できる |
甲類焼酎はクセが少ないため、梅干しの塩味と酸味がそのまま味の骨格になります。塩梅を潰して溶かしても、覆い隠されてしまう香りはもともと多くありません。ウイスキーでは梅が前に出すぎると、原酒の香りを消してしまいます。
公式レシピがブラックニッカクリアを使う理由
メーカーの案内によると、ブラックニッカクリアはピートを使わずに乾燥させた大麦麦芽を使います。ピート(泥炭)を焚いて麦芽を乾かすと、煙に含まれるフェノール類が麦芽に移ります。これがスモーキーな香りや薬品のような香りのもとになり、その強さはフェノール値(ppm、麦芽に含まれるフェノール類の濃度)で表されます。ノンピート麦芽を使うため、ピート由来のスモーキーさが控えめで、梅の風味を確かめやすくなります。梅との相性そのものは、実際に飲んで確かめる官能上の提案として捉えてください。
原酒にはモルトウイスキーのほか、グレーンウイスキーとグレーンスピリッツも使用し、輸入原酒も一部含みます。なお、グレーンスピリッツを加えた構成は、スコッチウイスキー規則(SWR 2009)ではスコッチとして認められません。日本の酒税法上のウイスキーの区分で成り立つ設計です。原酒の構成比、蒸溜器の形、樽の種類、冷却濾過と着色の有無は、いずれも公式では非公表です。そのため、これらを相性の根拠にはできません。
塩の梅干し(白干し)で作るときの調整
- はちみつを多めにする:ウイスキーとはちみつを先に混ぜる段階で味見をし、塩味に負けない甘さに合わせてから氷と炭酸水を加えます。出発点は小さじ1(約5ml)です(手順①の目安)。
- 潰さずに丸ごと沈める:果肉を崩すと塩分が一気に溶け出します。丸ごと沈めれば塩味はゆっくり出て、序盤は原酒の香りが残ります。塩味が弱いと感じたときだけ、マドラーで1回押します。
- 途中で引き上げる:飲み進めて塩味が立ってきたら、マドラーで梅を取り出します。
- 塩抜きしてから使う:水にしばらく浸け、果肉をかじって塩気を確かめてから使います。
店でメニューに載せる場合の味のそろえ方は、「店で出すときに味をそろえる」にまとめています。
ベースのウイスキーの選び方:ノンピート・樽香・スモーキーで結果がどう変わるか
基準にするのは、メーカーの公式レシピが指定するブラックニッカクリアです。アルコール分37%のブレンデッドウイスキーで、700ml瓶の参考小売価格は税別990円です。原料と原酒の構成は前章のとおりで、ピートを焚かない麦芽を使うため、ピート由来のスモーキーさは控えめです。梅干しは香味を大きく変えるので、手頃な価格で何度も試せる点も基準に向いています。
なお、ブラックニッカクリアは2026年3月下旬ごろからパッケージが順次新しくなりました。ただし中味は変わっていません。店頭で旧ラベルと新ラベルが混ざっていても、味は同じです。
銘柄を替えるときは度数で量の出発点を決める
公式レシピはウイスキー30mlで、純アルコール量は8.9gです。まず、純アルコール量を揃えるための計算を示します。30ml×37%=11.1mlのアルコールを、使う銘柄の度数で割れば量が出ます。目安は、40%なら約28ml、43%なら約26ml、46%なら約24ml、50%なら約22mlです。量を30mlのまま度数だけ上げると、アルコールの刺激が梅の酸味を押しのけます。そうなると、銘柄の違いなのか濃さの違いなのかが分からなくなります。
ただし、これは純アルコール量を揃えるための計算で、味を揃えるための調整ではありません。ウイスキーの量を減らせば、ウイスキー由来の香味成分の量も、炭酸水との比率も変わります。たとえば50%の銘柄を約22mlにして炭酸水90mlのままにすると、比率は約1:4になります。銘柄を替えるときは、上の量を出発点にして、炭酸水と梅干しの量を飲みながら調整してください。
①梅の酸味と甘味を主役にしたい:クセの少ないブレンデッドを基準に
まずはブラックニッカクリアで梅干しとはちみつの量を決めます。比較の候補として**キリン 陸**を置く場合は、位置づけに注意してください。陸はピートの有無が非公表で、メーカーはアルコール分50%のノンチルフィルタード(冷却濾過をしない)製品とし、「香味豊か」と説明しています。ブラックニッカクリアと同じ「クセの少ない基準」ではなく、度数と香味の強さが違う比較候補です。30mlのまま使うと純アルコール量は約12gになるため、純アルコール量を揃えるなら約22mlから始めます。原酒の香りと梅のどちらが前に出るかを確かめ、炭酸水と梅干しの量を調整してください。
②はちみつと合わせてコクを出したい:樽香がはっきりした原酒
はちみつと噛み合うのは、樽から来る甘い香りです。内側をチャー(焼き焦がす処理)したアメリカンオーク樽、とくにファーストフィル(バーボン樽やシェリー樽を、スコッチの原酒の熟成に初めて使うこと)の原酒には、木材から溶け出したバニリンやオークラクトンが多く含まれます。これがはちみつの蜜の香りと重なり、コクが増します。シェリー樽由来のドライフルーツ香は、梅の果実味と方向が揃います。ただし、現在のシェリー樽の多くは、熟成用に一定期間シェリーをなじませたシーズニング樽です。同じ「シェリー樽」の表記でも、香りの強さには幅があります。リフィル(その後スコッチの熟成に再使用した樽)が主体の原酒は樽香が穏やかで、梅干しに負けやすくなります。樽の構成は、各社の公式の説明で確かめてから選んでください。
③あえてスモーキーにしたい:穏やかなスモーキーから強いピートへ
スモーキーさのもとは、麦芽を乾燥させるときに焚くピート(泥炭)の煙から付くフェノール類です。フェノール類の多くは沸点が高く、再溜(スピリットラン)の後半に多く出てきます。そのため、ミドルカット(製品に使う部分の切り取り幅)を後半側へ遅めまで取る蒸溜所ほど、製品に煙香が残りやすくなります。反対に早めに切ると、同じ麦芽を使ってもスモーキーさは軽くなります。また、麦芽の段階のフェノール値と、ニューメイク(蒸溜したての原酒)や製品の段階の値は一致せず、蒸溜と熟成を経て下がります。麦芽のppmだけで製品の煙の強さは決まりません。
まずは、販売元が煙香を穏やかと説明している**カリラ 12年**で、穏やかなスモーキーさを試します。強いピートを求めるなら、アードベッグ 10年に進みます。これらのアイラの原酒で作ると、梅干しの塩味で潮っぽさを、酸味で薬品のような煙の角を強く感じやすくなります。燻製のようだと感じる人もいれば、ぶつかって苦いと感じる人もいて、好みが大きく分かれます。試すときは、潮っぽさ・薬品香・苦味のどれが強まるかを観察しながら、次の順で少量から進めてください。
- ブラックニッカクリアで基本の1杯を作る
- アイラの原酒を小さじ1杯(約5ml)だけ、最後に表面へ静かに注いで浮かべ(フロート)、香りの乗り方を確かめる
- 合うと感じたら、ベースの3分の1ほどまで置き換える。いきなり全量を替えない
- 梅干しは半量から始め、はちみつ梅で酸味の角を丸める
モルト100%の原酒を割るときの判断基準
梅干しのクエン酸と塩分、はちみつの糖分は、原酒の香味を大きく塗り替えます。シングルモルトをノージング(香りを嗅いで確かめること)したときに感じる繊細なエステル香や長いフィニッシュ(飲んだ後の余韻)は、真っ先に失われます。進め方は次のとおりです。まず、手頃なブレンデッドで梅干しとはちみつの量を決めます。次に、同じ分量のままベースだけを替えて比べます。グレンフィディック 12年のような入手しやすい定番は、この比較相手に向いています。差を感じた方向(樽香かスモーキーか)が分かったら、その方向にだけ予算を広げます。ストレートで楽しむための高価なボトルは、梅干しで割る対象から外すほうが無駄がありません。飲食店でベースを替えた1杯を出す場合は、別メニューにして原価を分けて値付けしてください。
| 銘柄名 | タイプ | ピートの有無 | 向いている梅干し | 公式情報で確認できた度数と価格 |
|---|---|---|---|---|
| ブラックニッカクリア | ブレンデッド | なし(ピートを焚かない麦芽) | はちみつ梅・塩梅どちらも(基準) | 37%/700ml 税別990円(参考小売価格) |
| キリン 陸 | ブレンデッド | 非公表 | はちみつ梅 | — |
| グレンフィディック 12年 | シングルモルト | 非公表 | はちみつ梅(梅は控えめに) | 40%/3,960円前後(2026年10月13日時点) |
| カリラ 12年 | シングルモルト | あり(数値は非公表) | はちみつ梅(半量から) | 43%/5,480円前後(2026年10月13日時点) |
| アードベッグ 10年 | シングルモルト | あり(数値は非公表) | はちみつ梅(フロートで少量から) | 46%/4,980円前後(2026年10月13日時点) |
手作りと缶の度数・純アルコール量・価格を数値で比べる

同じ「梅干し×ハイボール」でも、1杯と缶1本では体に入るアルコールの量がかなり違います。まず手作りの公式レシピの数値がどう計算されているかを確かめ、次に缶の2商品と並べます。
手作りの9.25%と8.9gはどう計算されているか
アサヒビールのレシピ「梅干しとはちみつのハイボール」は、ブラックニッカクリア(アルコール分37%)30mlを炭酸水90mlで割ります。ウイスキー30mlに含まれるアルコールは30ml×37%=11.1mlです。これを液量120ml(ウイスキー30ml+炭酸水90ml)で割ると、11.1÷120=**9.25%**になります。純アルコール量は、アルコールの体積に比重0.8をかけて求めます。11.1ml×0.8≒8.9gで、メーカーの記載と一致します。
ただし9.25%は、氷が溶けた水とはちみつを含まない計算値です。実際には氷が溶けるほど液量が増えるため、度数はこれより低くなり、飲み終わりに近いほど薄くなります。一方、純アルコール量の8.9gは、薄まっても減りません。飲む量はグラス1杯の度数ではなく、グラム数で管理します。ウイスキーをダブル(60ml)にすると約17.8gになります。
缶2商品との比較
『ブラックニッカ クリアハイボール』缶は2026年4月7日に発売された別の商品で、梅干しは入っていません。タカラ『焼酎ハイボール』〈梅干割り〉は、焼酎をベースにしたチューハイです。ウイスキーを使う梅干しハイボールとは別の飲み物です。〈梅干割り〉は2015年3月10日に全国発売され、2026年9月時点で350mlと500mlが商品一覧に載っています。原材料には焼酎と梅干エキスを含みます。
| 項目 | 手作り(公式レシピ1杯) | ブラックニッカ クリアハイボール缶 | 〈梅干割り〉350ml | 〈梅干割り〉500ml |
|---|---|---|---|---|
| ベースの酒 | ウイスキー | ウイスキー | 焼酎 | 焼酎 |
| 梅の要素 | 梅干し1個 | 入っていない | 梅干エキス | 梅干エキス |
| 液量 | 120ml(氷・はちみつを除く) | 350ml | 350ml | 500ml |
| アルコール分 | 9.25%(計算値) | 7% | 7% | 7% |
| 純アルコール量(計算値) | 約8.9g | 約19.6g | 約19.6g | 約28g |
| 手作り1杯との比較 | 1杯分 | 約2杯分 | 約2杯分 | 約3杯分 |
| 価格の目安 | ウイスキー代 約42円(税別) | 税込196円(2026年4月の発売時の希望小売価格。2026年10月の酒税改正後は変わっている可能性あり) | 参考小売価格は2026年10月1日出荷分から廃止(店頭価格は店によって異なる) | 参考小売価格は2026年10月1日出荷分から廃止(店頭価格は店によって異なる) |
缶の純アルコール量は、350ml×7%×0.8≒19.6g、500ml×7%×0.8=28gです。度数は手作りより低くても、缶1本を飲み切ると手作り1杯の約2〜3倍のアルコールをとることになります。缶は1本ずつ開けるものなので、「1本で何gか」を先に知っておくと、何本目でやめるかを決めやすくなります。
価格の目安は、時点と根拠がそろっていないため、横に並べて単純に比べることはできません。宝酒造は2026年10月1日出荷分から、タカラ「焼酎ハイボール」を含むチューハイの参考小売価格を廃止しました。〈梅干割り〉は店頭価格で比べてください。手作りのウイスキー代は、ブラックニッカクリア700ml瓶の参考小売価格(税別990円)から30ml分を計算した値です。炭酸水・梅干し・はちみつの代金は含みません。
どれを選ぶか
- ウイスキーの香りと、梅の酸味・甘味の組み合わせを楽しみたい場合:手作り。ウイスキーの量を30ml単位で決められ、はちみつの量で甘さも調整できます。
- 手軽さと、梅干しの味が毎回同じであることを重視する場合:〈梅干割り〉。梅干しごとの塩分や果肉の量の違いに味が左右されません。
- 買い置きや手土産の場合:手作りの1杯はそのまま渡せないので、用途で選びます。すぐ飲める状態で置いておきたい、または渡したいなら缶です。家で作る楽しみを贈るなら、ブラックニッカクリアの瓶とはちみつ梅をセットにします。
- 店のメニューに載せる場合:1杯に使うウイスキーの量(30mlか60mlか)を決めて表示しておくと、缶1本との違いを純アルコール量で説明できます。
商品名だけではベースの酒が分からない
梅の名前が付く商品はほかにもあります。また、〈梅干割り〉が「焼酎ハイボール」という名前で売られているように、「ハイボール」と書かれていてもベースがウイスキーとは限りません。見分けるには、缶の原材料名の欄を見ます。「ウイスキー」とあればウイスキーベース、「焼酎」とあれば焼酎ベースのチューハイです。梅の風味が梅干しに由来するかどうかも、同じ欄の「梅干エキス」などの表記で確かめられます。
よくある失敗と直し方、店で出すときの注意点
失敗の症状から原因を逆引きする
| 症状 | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| しょっぱい | 塩だけで漬けた梅干し(白干し)を潰しすぎ、果肉と塩分が液全体に広がった | 白干しは潰さずに入れる(前々章「塩の梅干し(白干し)で作るときの調整」参照)。次の1杯でははちみつを小さじ1/4ずつ増やす |
| 炭酸がすぐ抜ける | ぬるい炭酸水を使った、マドラーで何度も混ぜた、崩れた果肉が泡の出る起点になった | 冷蔵庫でよく冷やした炭酸水を、氷に当てずにグラスの内側を伝わせて注ぐ。混ぜるのは底から1回持ち上げるだけにする(理由は1章③参照) |
| 甘すぎる | はちみつ漬けの梅干しに、さらにはちみつを加えた | はちみつを入れずに作り、一口飲んでから必要な分だけ足す |
| 味がぼやける | 炭酸水の比率が高すぎる、または氷が溶けて薄まった | ウイスキー1:炭酸水3(30ml:90ml)を基準にする。グラスと氷を先に冷やし、氷はグラスの縁まで詰める |
梅干しの種類ではちみつの量を決める手順
- 栄養成分表示で食塩相当量を、原材料表示ではちみつ・糖類・甘味料が入っているかを確認します。塩分は商品ごとに大きく違うので、手元の商品の表示を見て判断します。
- 白干し(原材料が梅と塩だけのもの):はちみつを足す前提で作ります。小さじ1(約5ml)から始め、足りなければ次の1杯で小さじ1/4ずつ増やします。
- 減塩タイプ:糖類や甘味料で塩味を和らげている商品があります。小さじ1/2から始め、原材料に甘味料が入っていれば、さらに控えます。
- はちみつ漬け:はちみつは入れずに作り、味見してから足します。
数値はいずれも編集部の目安で、公式の数値ではありません。はちみつの溶かし方は手順①を参照してください。
グラスの中で味は変わり続ける
梅干しを入れたままにしておくと、塩分と酸味(主にクエン酸)が少しずつ溶け出し、後半ほど塩味と酸味が強くなります。潰した梅干しほど溶け出す面積が広いので、変化が速くなります。時間をかけて飲むときは、梅干しを潰さずに丸ごと入れると、最後まで味の変化が穏やかになります。種はグラスを傾けたときに口元へ流れてくるので、飲むときは気をつけてください。
店で出すときに味をそろえる
- 梅干しの銘柄を固定します。商品を替えると塩分と甘さが変わり、同じ手順でも別の味になります。白干しは商品ごとの塩分差がとくに大きいので、銘柄を1つに絞ります。潰し方も梅干しの種類ごとに決めておきます(はちみつ梅は2〜3回押して皮を破る、白干しは潰さずに丸ごと入れる。1章②参照)。
- はちみつは、ぬるま湯で溶いたものを作り置きし、メジャーカップで液量として量ります。粘度の高いはちみつをスプーンで量ると、スプーンに残る量が毎回ぶれて、1杯ごとの甘さに差が出やすいためです。希釈の比率は店で決めて固定し、その液量で甘さを合わせます。
- ウイスキー30mlと炭酸水90mlも、メジャーカップや計量済みの注ぎ口で量ります。炭酸水を液面の高さで管理する場合は、氷の規格(同じ製氷・同じ個数)を固定することが条件です。氷の大きさや詰め方で、同じ90mlでも液面は変わります。
- 提供の手順は、公式手順に次の工程を足します。ウイスキーとはちみつを混ぜ、梅干しを入れて潰したら、氷をグラスの縁まで詰め、グラスの外側が冷たくなるまでウイスキーをステアして冷やします。沈んだ分の氷を足してから、炭酸水を注ぎます。常温のウイスキーに氷を入れてすぐ炭酸水を注ぐと、炭酸水が温まってガスが抜けやすくなります。
- メニューには「ベースはウイスキー」と梅干しの種類(はちみつ梅、白干しなど)を書きます。焼酎ベースの缶チューハイ、タカラ「焼酎ハイボール」〈梅干割り〉のような梅干割りとの取り違えを防げます。
- 種入りであることも、メニューか提供時の一言で伝えます。
よくある質問
Q. 梅干しは最後に食べてよいか。 食べてかまいません。ただし酒に浸かっていたので、アルコールを含んでいます。種に注意してください。
Q. 梅干しを入れると熱中症対策になるか。 なりません。環境省の資料は、アルコール飲料での水分補給を不適切としています。梅干しが入っていても、酒は水分補給の代わりになりません。暑い日の水分補給は、水などアルコールを含まない飲み物で行ってください。
よくある質問

梅干しを入れたまま、どのくらいで飲み切ればよい?
時間で区切るより、味の変化で判断します。梅干しを入れたままだと後半ほど塩味と酸味が強くなり、氷が溶けて度数も下がっていきます(詳しくは「グラスの中で味は変わり続ける」)。塩味が立ってきたら、梅をマドラーで引き上げてください。
種は取ってから入れたほうがよい?
種は入れたままが基本です。取る場合は、グラスに入れる前に、果肉を崩さないよう先に外してください。潰したあとで種を探すと果肉が崩れ、塩味と濁りが一気に出ます(詳しくは1章の手順②)。
2杯目に同じ梅干しを使い回せる?
使い回すと、1杯目より塩味と酸味の出方が変わります。1杯目のあいだに塩分と酸味がある程度溶け出し、果肉も酒を含んでいるためです。味をそろえたいときは、1杯ごとに新しい梅干しを使ってください。
この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。