飲み方の基本

ホットウイスキーの作り方|比率・湯温・銘柄選びまで解説

ホットウイスキーはウイスキー1にお湯2〜3、湯温70〜80℃が目安。グラスの予熱から注ぐ順番、混ぜ方までの手順と理由、シングル・ダブルの比率早見表、沸騰したお湯の冷まし方、グラスや銘柄の選び方を解説します。

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ホットウイスキーの基本の作り方:比率・湯温・手順

ホットウイスキーは**ウイスキー1に対してお湯2〜3、湯温は70〜80℃**が目安です。手順は「グラスを温める→お湯を捨てる→ウイスキー→お湯→軽く混ぜる」の順です。どの手順も、香りを立たせることと、飲み終わりまで温度を保つことにつながっています。

基本の手順と、それぞれの理由

  1. 耐熱グラスに熱湯を注いで温める。冷たいグラスは注いだ液体の熱を奪うため、温めずに作ると最初のひと口からぬるくなる
  2. グラスが温まったら、そのお湯を捨てる。残ったお湯で味が薄まるので、水気はしっかり切る
  3. ウイスキーを先に注ぐ。メジャーカップ(ジガー)で量ると比率がぶれず、毎回同じ濃さになる
  4. お湯をグラスの内側に沿わせて、ゆっくり注ぐ。お湯はウイスキーより重く、注ぐと底へ沈みながら混ざるため、ゆっくり注ぐだけでほぼ混ざる(理由は次の章で説明します)
  5. マドラーで1〜2回、底から軽く混ぜる。強くかき混ぜるとアルコールの蒸気が一気に立ち、香りより刺激が先に鼻に来る

比率は「何対何」で決める:シングルとダブルの早見表

量はシングル(30ml)を基準にすると決めやすくなります。ダブル(60ml)で作るときは、お湯も同じ割合で倍にします。

ウイスキーの量1:2のお湯1:3のお湯でき上がりの量必要なグラス容量の目安
シングル 30ml60ml90ml90〜120ml200ml前後
ダブル 60ml120ml180ml180〜240ml300ml以上

まず1:2から試し、1:2.5のように間をとって調整すると好みの濃さを見つけやすくなります。仕上がりの度数は次の章の表で比べます。

湯温は70〜80℃:熱すぎると香りより刺激が立つ

沸騰直後のお湯は使わず、70〜80℃に下げてから注ぎます。熱すぎると何が起きるのかは、次の章で説明します。

80℃の湯を1:2で注ぐと、常温(20℃前後)のウイスキーと混ざって、計算上は約60℃になります。実際にはグラスや空気にも熱が移るため、予熱したグラスでも口をつける頃には50℃台後半になります。70℃の湯ならさらに5℃ほど低くなり、1:3にすると湯の割合が増えるぶん数℃高くなります。ぬるく感じる人は、湯温を80℃寄りにして、グラスの予熱を丁寧にしてください。

  • 温度設定のできる電気ケトルなら、70℃か80℃に合わせるのがいちばん確実
  • 沸騰させた場合は、ふたを開けて数分置いてから使う
  • 沸騰したお湯を常温の別の容器(計量カップやピッチャー)に移すと、器に熱を取られて温度が下がる
  • 湯気が勢いよく噴き出す状態は熱すぎる。湯気が穏やかに立ちのぼる程度を目安にする

お店でまとめて作る場合は、温度を保てるケトルや湯せんで湯温を固定します。グラスの予熱とメジャーで量ることを決まりにしておけば、作る人が替わっても同じ一杯を出せます。

グラスの選び方

  • 耐熱ガラスのタンブラー:色が見えて量を確かめやすい。急な温度変化に強いことを表示で確認する
  • 取っ手付きの耐熱グラス:熱くても持ちやすく、ダブルでも容量に余裕があるものが多い
  • 陶器のマグ:厚みがあって冷めにくく、ゆっくり飲むのに向いている。器そのものが多くの熱を吸う(熱容量が大きい)ため、ガラスより予熱の効果が大きく出る。マグで作るときほど予熱を省かない。中が見えないので、量はメジャーで量る
  • 避けたいもの:耐熱表示のない薄いグラスや、冷蔵庫・冷凍庫で冷やしていたグラス。理由と見分け方は「耐熱でないグラスを使う」を参照

メーカーが銘柄ごとにお湯割りの比率や湯温を案内している場合は、ラベルや公式の案内を優先してください。そのうえで、上の1:2〜1:3と70〜80℃を出発点にし、お湯の量で濃さを調整すると失敗しにくくなります。

なぜ「80℃前後」「ウイスキーが先」なのか:湯温と比率で香りと度数が変わる理由

ウイスキーのイメージ写真

湯温を70〜80℃に抑えることと、ウイスキーを先に注ぐことには、どちらもアルコールと香りの成分の性質に基づいた理由があります。比率を変えると度数も変わるため、どれくらいの濃さで飲みたいかを決めてから比率を選ぶと、狙った一杯に近づけます。

温度が上がるほどアルコールの蒸気が濃くなる:熱湯が刺激を強める理由

エタノールは水より揮発しやすく、温度が上がるほど蒸気圧が高くなります。その分、液面の上、グラスの口にたまるアルコール蒸気が濃くなります。この変化は温度とともに連続的に進むもので、ある温度を境に急に蒸発し始めるわけではありません。純粋なエタノールの沸点は約78℃ですが、水と混ざったウイスキーやお湯割りの沸点はそれより高く、度数に応じておよそ80℃台〜90℃台です。沸騰直後の100℃近い湯は、触れた部分を局所的に高温にするため、アルコール蒸気の量が大きくなります。この蒸気が鼻の粘膜を刺激し、ツンとした刺激が香りを覆います。70〜80℃の湯なら、混ぜた後は50℃台後半〜60℃前後に下がり、蒸気の立ち方が穏やかになります。そのため、香りを鼻で受け止める余裕が生まれます。

温度で香りの出方が変わる:冷たい一杯とは逆の動き

ウイスキーの香りは、揮発しやすさの異なる成分が重なってできています。温度が上がるほど、どの成分も揮発しやすくなります。

  • エステル類:発酵中に酵母が作る成分で、熟成中にも酸とアルコールが反応して少しずつ増える。リンゴやバナナのようなフルーティーな香りのもと。揮発しやすく、温めると最初に立つ
  • バニリン:樽材のリグニンが、トーストやチャー(内面を焼くこと)と熟成で分解されてできるバニラ香。揮発しにくく、温度が上がると感じやすくなる
  • フェノール類:麦芽を乾燥させるときに焚くピートの煙から移るスモーキーな成分。麦芽の段階ではフェノール値(ppm)で量を示す。温めると煙や薬品のような香りがはっきりする

ハイボールや水割りは冷やすことで揮発を抑え、香りを控えめにして、すっきりした飲み口にします。お湯割りはその逆で、温度を上げて香りを開かせます。ただし熱すぎると、軽いエステル類がアルコールの蒸気と一緒に最初の数口で抜けてしまい、後半はバニラや樽の重い香りしか残りません。50℃台後半〜60℃前後に落ち着く湯温なら、香りが飲み終わりまで少しずつ立ち続けます。

ウイスキーが先、お湯が後:比重と対流で混ざる

度数40%のウイスキーは、80℃のお湯より比重が軽い液体です。ウイスキーの上からお湯を注ぐと、重いお湯が沈みながらウイスキーを巻き込み、温まった部分が上へ戻る対流が生まれます。お湯を先に入れる作り方もあり、案内によってはその順で示されていることもあります。その場合、ウイスキーを後から静かに浮かせると層になりやすく、均一にするまで混ぜる回数が増えます。メーカーが銘柄ごとに注ぐ順を案内している場合は、その手順に従ってください。

比率ごとの仕上がり度数

ウイスキー30mlを基準にした概算です。エタノールと水を混ぜると体積がわずかに縮みますが、その分は無視しています。前の章で触れた1:2と1:3に、ほかの比率と37%の銘柄の場合を加えています。

比率(ウイスキー:お湯)仕上がり量40%のウイスキー37%のウイスキー向いている飲み方
1:160ml約20%約18.5%香りを確かめる少量の一杯
1:290ml約13%約12%香りと甘さをしっかり味わう
1:3120ml約10%約9%食事と合わせてゆっくり飲む
1:4150ml約8%約7%食中や長く飲み続ける場面
30mlを約280mlに仕上げる約280ml約4%台約4%軽く飲みたいとき

香りを基準に選ぶなら、1:1では刺激が残り、1:3では香りがぼやけやすいため、1:2前後が目安になります。

グラスいっぱいに湯を足すと、30mlでも約280mlに仕上がり、度数は4%台になります(表の最後の行)。ビールに近い度数で、香りよりも温かさを楽しむ一杯です。どの比率でも、30mlに含まれる純アルコールは約9.6g(40%の場合)で変わりません。お湯を増やすと飲みやすくはなりますが、摂取するアルコールの量は減らない点に注意してください。

  • お店で出す:メニューに比率を書いておくと、「濃いめ」「薄め」の注文を受けたときに基準を共有しやすい

ノンチルフィルターの銘柄でも濁りを気にしなくてよい

冷却濾過は、瓶詰めの前にウイスキーを冷やし、脂肪酸エステルなどの成分を取り除く工程です。この工程を省いたノンチルフィルターのウイスキーは、冷やしたり加水したりすると、これらの成分が溶けきれずに白く濁ることがあります。お湯割りは温度が高く成分が溶けたままになりやすいため、濁りはほとんど出ません。ハイボールでは見た目が気になる銘柄も、お湯割りなら安心して使えます。冷めてきたときにうっすら曇ることはありますが、品質には影響しません。

ホットウイスキーのよくある失敗とその理由

「ホットウイスキーはまずい」と感じる原因の多くは、銘柄ではなく作り方にあります。特に多いのは、温度が高すぎる、ぬるすぎる、濃さがぶれる、の3つです。グラスの破損や突沸のように、味の問題では済まない失敗もあるため、原因と対策を一緒に押さえておきます。

沸騰直後の熱湯を注ぐ

沸騰直後の湯は刺激が立ち、軽い香りが先に抜けます(理由は前章)。温度を下げずに注ぐのがいちばん多い失敗なので、湯温の項のとおり、ケトルの温度設定か、別の容器に移して冷ましてから注いでください。

耐熱でないグラスを使う

ガラスは温まると膨張します。熱湯を注ぐと内側だけが急に膨らみ、外側との差で生じたひずみに耐えられずに割れます。この温度差が大きいほど割れやすくなります。

  • 薄手のロックグラス:熱が一気に伝わり、ひずみが集中しやすい
  • 底が厚く側面が薄いタンブラー:底と側面で温まる速さが違い、境目にひびが入りやすい
  • 冷蔵庫・冷凍庫で冷やしていたグラス:温度差が最も大きく、特に危険
  • カットや傷のあるグラス:傷の部分に力が集まり、そこから割れる

耐熱表示のあるグラスでも、熱いうちに濡れた冷たい天板へ直接置くと、底の温度が急に変わります。コースターの上に置いてください。

ウイスキーを入れたグラスごと電子レンジで温める

この方法は勧めません。電子レンジは液体を均一に温められず、部分的に過熱されます。そのため、アルコールと軽い香気成分が先に揮発してしまいます。さらに、表面がなめらかなグラスの中で液体を加熱しすぎると、沸点を超えても泡が出ないまま温度だけが上がることがあります。この状態で取り出したり混ぜたりすると、刺激をきっかけに突然沸騰する「突沸」が起き、熱い液体が飛び散るおそれがあります。温めるのはお湯だけにして、グラスの中では加熱しないことが原則です。

勢いよく注ぐ、何度もかき混ぜる

高い位置から注ぐ・何度も混ぜると液面が乱れて香りが早く抜けます。手順4・5のとおりで十分です。

ウイスキーを入れすぎて濃くなる

中身が見えないマグで目分量に頼ると、ウイスキーが多くなりがちです。濃すぎると香りが重なりすぎて重たく感じ、温度が高いぶんアルコールの刺激も強く出ます。毎回メジャーカップでシングル30mlを量る習慣をつけてください。メジャーカップは両側で容量が違うものが多いため、30mlの側を先に確かめておきます。

飲み残しを温め直す

冷めた一杯を電子レンジにかけたり、熱湯を足したりしても、すでに揮発した香りは戻りません。温め直しでさらに抜け、熱湯を足せば薄くなるだけです。冷めてしまうなら、1杯の量が多すぎるということです。次のように判断してください。

  • ゆっくり飲む人:ダブルで1杯作るより、シングルで2杯に分ける
  • 食事と合わせる場合:シングルを1:3で作り、飲み終えたら新しく作る
  • 冷めかけた一杯:温め直さず、そのまま飲み切る

ホットウイスキーに向く銘柄の選び方:香味の系統と製法から考える

ウイスキーのイメージ写真

お湯割りに向く銘柄は、香りの系統で3つに分けると選びやすくなります。温めると香りの成分が揮発しやすくなるため、ストレートやハイボールで感じる個性が、良くも悪くも大きく出ます。銘柄の格や値段よりも、温めたときにどの香りが前に出るかで選んでください。

選び方の3つの軸

  • ①癖の少ないブレンデッド:湯で割っても香りのバランスが崩れにくく、穀物由来の甘さが前に出る。濃さを変えても破綻しにくい
  • ②シェリー樽など樽香の強いもの:温めると甘い香りやドライフルーツの香りがはっきりする。1:2前後の濃いめで個性が生きる
  • ③ピーテッド:湯で割るとスモーキーさが強く立つ。量を抑えるか、薄めの比率から試す

樽の香りは温めると「甘さ」として感じやすい

バニラ、カラメル、ドライフルーツの香りは、樽材から溶け出した成分と、熟成中に起きる変化から生まれます。お湯割りではこれらの香りが鼻に抜けやすくなり、舌で感じる甘さと重なります。そのため、糖分が増えていなくても甘く感じます。樽の違いを一言で言うと、バーボン樽はバニラとカラメル、シェリー樽はレーズンやプルーンのようなドライフルーツです。バーボン樽は、内側を焦がした新樽でバーボンを熟成させたあとの樽です。シェリー樽はシェリーを染み込ませた樽で、現在使われているものの多くは、ウイスキーの熟成用にシェリーでシーズニング(あらかじめ酒を染み込ませること)した樽です。

ピートの煙たさはどこから来るか

ピーテッドの煙たさは、麦芽を乾燥させるときに焚くピート(泥炭:植物が分解されきらずに堆積した燃料)の煙に含まれるフェノール類が、麦芽に移ったものです。ただし、麦芽のフェノール値がそのまま製品に残るわけではありません。重いフェノール類は蒸溜の後半に多く出てくるため、製品として取り出す部分(ミドルカット)をどこまで取るかによって、残る量が変わります。ミドルカットを後ろまで取るほど、フェノールが多く残ります。また、熟成が長くなると煙の印象は穏やかになるため、同じ蒸溜所でも若いボトルほどお湯割りで煙が強く出ます。お湯割りで煙を控えめにしたいなら、同じ蒸溜所の中で熟成年数の長いボトルを選ぶのがひとつの判断基準になります。前の章で触れたとおり、フェノール類は温めると揮発しやすくなります。そのため、お湯割りではストレートよりも、煙や薬品のような香りが前に出ます。焚き火のようだと好む人がいる一方、強すぎると感じる人も多く、好みがはっきり分かれる系統です。

定番の国産ブレンデッドと、系統ごとの銘柄

お湯割りの定番としてよく挙がるのは、角瓶、トリスウイスキー、ブラックニッカクリアです。ブラックニッカクリアは度数37度のブレンデッドで、原材料はモルト・グレーンです。ノンピートモルトを使っていると説明されています。麦芽にピートの煙を移していないため、湯で割っても煙たさが出にくく、穀物の甘さが素直に出ます。トリスウイスキーも度数37%のブレンデッドです。どちらも40%の銘柄より、同じ比率でわずかに軽く仕上がります。

系統銘柄度数温めたときの出方比率の目安
癖の少ないブレンデッド角瓶、トリスウイスキー、ブラックニッカクリア、カティサーク角瓶40%、トリス37%、ブラックニッカクリア37%、カティサーク40%軽く甘い。香りが崩れにくい1:3前後
軽いカナディアン/アメリカンカナディアンクラブ、ジムビームいずれも40%軽い口当たり。ジムビームはバニラ系の甘さ1:2〜1:3
厚みのあるブレンデッドオールドパー 12年、キリン 富士山麓 シグニチャーブレンド、キリン 陸オールドパー40%、富士山麓・陸50%甘さとコクが残り、薄めても水っぽくなりにくいオールドパーは1:2〜1:3、50%の2銘柄は1:3
フルーティーなシングルモルトグレンフィディック 12年40%洋梨やリンゴの香り。湯温が高すぎると最初に抜ける1:2、湯温は70℃寄り
シェリー樽の香味グレンドロナック 12年43%ドライフルーツと甘い樽香が前に出る1:2
ピーテッドアードベッグ 10年46%(ノンチルフィルター)煙と薬品のような香りが強く立つ1:3以上、少量から

50%の銘柄は、1:2で作ると約17%になり、40%の銘柄を1:2で割った約13%とは別物の強さになります。1:3なら約12.5%で、40%を1:2で割ったのと近い濃さです。グレンドロナック 12年は43%なので、1:2で約14%と、40%の銘柄よりわずかに濃くなります。アードベッグ 10年は冷却濾過をしていない46%のボトルで、1:3なら約11.5%です。冷却濾過を省いているため加水や冷却で白く濁ることがありますが、前の章で触れたとおり、お湯割りでは濁りはほとんど出ません。

条件別の早見

  • 初めて作る人:ブラックニッカクリアかトリスウイスキーを1:3で作る。比率と湯温をつかむ練習に使いやすい。お店で使うなら、どちらも4Lペットがある
  • 甘く飲みたい人:グレンドロナック 12年かオールドパー 12年を1:2で作り、重く感じたら1:2.5に広げる
  • スモーキーなお湯割りを試したい人:アードベッグ 10年でいきなり1杯作らない。ブラックニッカクリアのお湯割りに小さじ1杯(約5ml)足して、煙の強さを確かめてから量を決める
  • アレンジ(はちみつ・スパイス)の土台にしたい人:癖の少ないブレンデッドかジムビーム。シナモンやクローブと香りがぶつからない。シェリー系やピーテッドは銘柄の個性と重なり、香りがまとまりにくい

お湯割りの定番銘柄はいくら?2023〜2026年の価格改定を整理

2026年10月時点で、角瓶700mLのメーカー希望小売価格は税別1,910円です。サントリーは2026年4月に価格を改定しましたが、角瓶とトリスウイスキーは対象に入っていません。ブラックニッカクリアは、2025年10月9日のアサヒビール発表で値上げが延期されました。購入前に、アサヒビールのニュースリリースで最新の価格を確認してください。

定番3銘柄の価格と1杯(30ml)あたりのコスト

1杯あたりのコストは「価格÷容量×30」で計算しています。ブラックニッカクリア700mlの参考小売価格は税込で発表されているため、表では税別と税込を分けて書いています。

銘柄・容量価格(税区分)改定の状況30mlあたりの概算
角瓶 700mL1,910円(税別)2023年7月1日出荷分から1,590円→1,910円。2026年4月の改定は対象外約82円(税別)
トリスウイスキー 700mL瓶990円前後(税別)2024年4月1日出荷分から900円→990円。2026年4月の改定は対象外約42円(税別)
トリスウイスキー 180mL瓶310円(税別)—約52円(税別)
トリスウイスキー 4Lペット4,870円(税別)—約37円(税別)
ブラックニッカクリア 700ml1,089円(税込)2025年10月9日のアサヒビール発表で、1,199円(税込)への値上げを延期約47円(税込)
ブラックニッカクリア 4Lペットメーカー希望小売価格5,357円(税区分は販売店で確認)—約40円

税込1,089円を税別に直すと990円になり、トリスウイスキー700mL瓶と同じ水準です。延期された値上げが実施されて税込1,199円になると、1杯あたりは約51円(税込)に上がります。

古い価格情報の見分け方

  • 角瓶を「税別1,590円」と書いている情報:2023年6月以前のもの
  • 「ブラックニッカクリアは2025年11月に値上げ済み」という記述:誤り。2025年10月9日のアサヒビール発表により、9月29日のシステム障害で受注・出荷が止まったことを理由に、11月1日出荷分からの値上げは延期された。実施時期はアサヒビールのニュースリリースで確認する

2023〜2026年のおもな改定

  • 2023年7月(サントリー、税別):オールド1,880円→2,250円
  • 2024年4月(サントリー、税別):ホワイト640ml 1,174円→1,410円、レッド640ml 884円→970円

飲む頻度で容量を選ぶ

  • 毎日1杯程度の人:700ml瓶で十分。約23杯分なので、3週間ほどで飲み切れる
  • 毎日複数杯飲む家庭:4Lペットが向いている。30mlで約133杯分あり、トリスウイスキーなら700mL瓶より1杯あたり約5円安い。ペット容器は残量が減るほど中の空気が増えるため、残りが少なくなってきたら、空いた700ml瓶などの小さい容器に口元まで移し替えると、空気に触れる量を抑えられる。直射日光と高温を避けて保管する
  • 週に数杯の人:700ml瓶が向いている。約23杯分なので、開栓から飲み切るまでの期間が短く、香りが変わる前に飲み切りやすい
  • まず試したい人:トリスウイスキー180mL瓶(約6杯分)。1杯あたりは割高でも、比率と湯温を試すのにちょうどよい
  • お店:4Lペットで原価を一定に保ち、メジャーで30mlずつ量って出す。原価を計算するときは、仕入れ価格の税区分をそろえてから比べる

表の価格は、メーカーの希望小売価格や参考小売価格です。店頭の実売価格はこれと異なります。

ホットウイスキーのアレンジ:はちみつ・レモン・紅茶・スパイス

ウイスキーのイメージ写真

はちみつとレモン(ホットトディ)

ホットトディは、ウイスキーとお湯に甘みと柑橘、ときにスパイスを加えた温かい一杯です。はちみつは粘度が高く、ウイスキーに直接落とすと底に沈んで溶け残ります。角砂糖を少量のお湯で溶かしてから使う作り方と同じように、甘みは先にお湯の一部で溶かしておくのが基本です。

  1. 予熱したグラスに、はちみつ小さじ1〜2杯と、注ぐ予定のお湯のうち少量を入れて溶かす
  2. ウイスキー30mlを加える
  3. 残りのお湯をゆっくり注ぎ、1〜2回混ぜる
  4. 最後にレモンを加える

レモンは、皮と果汁のどちらを使うかで味の方向が変わります。皮の黄色い部分には香りの油があり、グラスの上で皮をひねって油を飛ばすだけで、酸味を足さずに爽やかな香りが加わります。白いワタは苦いので、薄くむいて入れないようにします。果汁を使う場合は小さじ1杯(約5ml)程度にとどめます。酸味が強いと、樽由来の甘い香りが打ち消されます。

スパイス:クローブとシナモンは取り出す時間を決める

クローブは2〜3粒、シナモンスティックは1本で十分です。どちらも入れた直後から香りが出ます。入れたままにすると、渋みや苦み、クローブ特有の舌がしびれるような刺激が少しずつ溶け出します。目安は3分前後です。香りが立ったと感じたら取り出してください。クローブをレモンの輪切りに刺しておくと、まとめて引き上げられます。パウダーのシナモンは取り出せないうえに液面に浮いて粉っぽくなるため、スティックを使います。

紅茶割り:抽出は短めにする

紅茶180mlにウイスキー30mlを合わせます。紅茶は渋みの少ないセイロンティー、ウイスキーはスコッチのブレンデッドが合わせやすい組み合わせです。紅茶にはタンニン(渋みのもとになるポリフェノール)が含まれ、ウイスキーにも樽材から移ったタンニンがあります。2つが重なると、渋みが口の中に残りやすくなります。そのため、茶葉の抽出はふだんより短めにして渋みを抑え、香りを優先します。ウイスキーは淹れた紅茶に後から加えます。

家にある材料で作るアレンジと、合わせやすい銘柄の系統

材料使い方合わせやすい系統
生姜薄切り2〜3枚を入れるか、すりおろしを少量。辛みは時間とともに強まる癖の少ないブレンデッド、ジムビーム(バニラの甘さと合う)
柚子皮をひとかけ入れる。果汁は数滴まで癖の少ないブレンデッド、グレンフィディック 12年(湯温は70℃寄り)
梅干し1個をグラスの底で軽くつぶす。塩気と酸味が加わる癖の少ないブレンデッドを1:3以上で。食中向き

シェリー樽の銘柄やピーテッドは、それ自体の香りが強いため、アレンジを加えると香りがまとまりにくくなります。前の章で触れたとおり、アレンジの土台には癖の少ない銘柄を選んでください。

アレンジするかどうかの判断基準

  • ウイスキーの香りを楽しみたいとき:何も足さないか、はちみつを少量足す程度。柑橘やスパイスは樽の香りを隠す
  • 体を温めたいとき・食後:生姜、シナモン、クローブ、レモンの皮を足す。甘みもあわせて加えると味がまとまる
  • 食事と一緒に飲むとき:梅干しや柚子の皮を少し加え、甘みは足さない
  • お店で出すとき:はちみつを同量のお湯で溶いたものを作り置きし、毎回同じ量を計って入れる

甘くなって飲みやすくなるぶん、飲むペースが上がりやすい点に注意してください。

よくある質問

メジャーカップが無いときは、どう量ればいいですか?

大さじ(15ml)2杯でシングル30mlになります。毎回スプーンで量るのが手間なら、一度だけ大さじで30mlを量って使うグラスに入れ、液面の高さを覚えておくと、次からは目分量より正確に注げます。お湯も同じように、計量カップで60ml(1:2)か90ml(1:3)を一度量り、グラスのどの高さまでかを確かめておくと、比率が安定します。

カスクストレングスなど度数の高いウイスキーもお湯割りにできますか?

できます。カスクストレングスは、樽から出した原酒を加水せずに瓶詰めしたものです。同じ1:2でも仕上がり度数が高くなり、温めるとアルコールの刺激も強く出ます。本文の表は37%と40%の銘柄が前提です。度数の高い銘柄は「度数×ウイスキー量÷仕上がり量」で計算し、表と同じくらいの度数になるようにお湯を増やしてください。

バーでお湯割りを頼むときは、どう伝えればいいですか?

銘柄、シングルかダブルか、濃さの3点を伝えると、狙いどおりの一杯になりやすくなります。濃さは「濃いめ」「薄め」と伝えるより、「1対2で」のように比率で伝えたほうが店の基準とずれません。香りを楽しみたいなら「熱すぎないお湯で」と添えるのも有効です。ハウスウイスキー以外を指定すると価格が変わるので、その点も確かめておきます。

冷凍庫や冷蔵庫で冷やしていたウイスキーで作ってもいいですか?

避けたほうが無難です。湯温70〜80℃という目安は、常温のウイスキーと混ざって50℃台後半〜60℃前後に落ち着くことを前提にしています。冷えたウイスキーを使うと最初からぬるく仕上がり、香りの立ち方も弱まります。ボトルを冷やしている場合は、使う分をメジャーで量って常温に戻すか、湯温を80℃寄りにして調整してください。

出典・参考にした情報

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。