スコッチウイスキー

ベンリアック スモーキー10年と12年の違い|樽・味・飲み方

ベンリアック スモーキー10年と12年の違いは年数より樽。バーボン・ラム・バージンオーク樽で明るい果実とバニラの10年はハイボール向き、シェリー・マルサラ樽で焦がしたオレンジとカカオの12年は食後のストレート向き。ハイランドピートの特徴も解説。

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ベンリアック スモーキーとは|現行2銘柄と、キュリオシタスからの変遷

スモーキー・テンとトゥエルブの違いは、年数よりも樽にあります。テンはバーボン樽、ジャマイカラム樽、トーストしたバージンオークによる明るい果実とバニラが軸で、ハイボールやスモーキーの入門に向きます。トゥエルブはバーボン樽、シェリー樽、マルサラワイン樽による焦がしたオレンジとカカオが軸で、食後のストレートに向きます。どちらも46%で、ピーテッド原酒とノンピート原酒を組み合わせています。

ベンリアックは1898年に創業したスペイサイドの蒸溜所です。2016年6月1日、米国のBrown-Formanが運営会社The BenRiach Distillery Company Limitedを約2億8,500万ポンドで買収しました(契約発表は2016年4月)。これにより、ベンリアック、グレンドロナック、グレングラッサの3銘柄が同じ傘下に入っています。

スペイサイドでピートを焚く蒸溜所の土台

メーカーの案内によると、蒸溜所は性格の異なる3タイプの原酒をつくり分けています。ノンピートの「クラシック」、ピートを焚いた麦芽を使う「ハイランドピーテッド」、年1回だけ仕込む「トリプル蒸溜」の3つです。ピーテッド原酒は毎年「Smoke Season」と呼ぶ期間にまとめて蒸溜します。ピートにはアイラ島産ではなくスコットランド本土のハイランドピートを使います。公式はその香りを、アイラの薬品香(ヨードを連想させる薬品香。主にフェノール・クレゾール類)とは違う「甘くスモーキーな森林系」と説明しています。さらに、スペイサイドで最も古く希少なピーテッド原酒の在庫を持ち、古いものは1970年代までさかのぼるとしています。

製造工程にも特徴があります。糖化では、一般的な3回注水ではなく4回注水を行います。熟成には1898年築のダンネージ式熟成庫「Warehouse 13」が今も残っています。ダンネージ式とは、土間に樽を低く積む伝統的な倉庫のことです。樽はバーボン、シェリー、ジャマイカラム、マルサラ、バージンオークなど多様な種類を使います。スチルは初溜2基・再溜2基の計4基で、年間生産能力は約280万リットル(純アルコール換算)です。スモーキー2銘柄の個性は、この原酒の使い分けと樽の組み合わせから生まれています。

現行コアレンジで「スモーキー」を名乗るのは2本

現行のコアレンジは、The Original Ten、The Smoky Ten、The Twelve、The Smoky Twelve、The Sixteen、The Twenty One、The Twenty Five、The Thirty、The Fortyの9本です。このうちスモーキーの名を持つのはテンとトゥエルブの2本だけです。どちらもピーテッド原酒だけでできたヘビーピートではありません。ピーテッド原酒とノンピート原酒を組み合わせた構成です。

項目ザ・スモーキー・テンザ・スモーキー・トゥエルブ
熟成年数10年以上12年以上
度数46%46%
原酒ピーテッド+ノンピートピーテッド+ノンピート
樽バーボン、ジャマイカラム、トーストしたバージンオークバーボン、シェリー、マルサラワイン
着色の表記樽由来の自然な色樽由来の自然な色
冷却濾過公式に記載なし公式に記載なし
経緯10年キュリオシタスの後継2020年の新商品

キュリオシタスからスモーキー・テンへの変遷

  • 2016年6月:Brown-Formanが買収
  • 2018年6月19日:日本でアサヒビールが販売を開始。参考価格は「ベンリアック キュオリアシタス10年」(46%・700ml)が5,330円
  • 2020年9月:コアレンジを刷新。10年キュリオシタスの後継としてザ・スモーキー・テンが登場し、ザ・スモーキー・トゥエルブが新たに加わる。発表時の米国価格はテン60ドル、トゥエルブ65ドル
  • 2026年10月:2銘柄とも公式サイトのコアレンジに掲載が続いている

日本での表記は、アサヒビールの「キュオリアシタス」と英語読みの「キュリオシタス」が混在しています。

2020年の刷新について、米誌Whisky Advocateは中身は変わらないと報じています。一方、2018年のアサヒビールの発表では、キュオリアシタス10年は自家製麦したヘビーピートモルトを使うヘビーピートタイプと説明されていました。現行スモーキー・テンの公式仕様は、ピーテッド原酒とノンピート原酒の組み合わせで、バーボン、ジャマイカラム、トーストしたバージンオークの3種の樽で熟成と明記されています。旧品の説明と現行の公式仕様が一致するとは確認できないため、香味が同じとは約束できません。

店でメニューに載せる場合や、購入時に見分ける場合は、ラベルの名称が「Curiositas」か「The Smoky Ten」かを確認してください。旧ボトルは「キュリオシタス10年(旧ボトル)」のように別の品目として表記し、現行品の後継だからといって同じ香味を約束しないことが判断の基準になります。

「終売」で検索されることがありますが、2銘柄の終売や休売の情報は確認できていません。公式サイトでは2銘柄とも掲載が続いています。終売にあたるのは、商品名としてのキュリオシタスがリニューアルで役目を終えたことです。

なぜ「甘いスモーク」になるのか|ハイランドピート・原酒の組み合わせ・樽

ウイスキーのイメージ写真

ベンリアックのスモーキー2銘柄が「甘いスモーク」になる理由は、3つの要素の重なりにあります。1つ目はピートの産地によって決まる煙の質、2つ目はピーテッド原酒とノンピート原酒の配合、3つ目は樽から加わる甘さとスパイスです。どれか1つだけでは、この香味の方向は説明できません。

ハイランドピートとアイラピートの違いは、フェノールの量より「組成」

ピートは、植物が分解されきらずに堆積したものです。どんな植物が堆積したかは産地によって違い、焚いたときに麦芽に移るフェノール類の内訳も変わります。木質の植物を多く含むピートでは、リグニン(木の細胞壁の成分)から生じるグアイアコール系の化合物が出やすくなります。これは焚き火や燻製を思わせる香りです。一方、海に近い湿原でミズゴケが主体のピートでは、フェノールやクレゾール類の比率が相対的に高まる傾向が報告されています。これらは消毒薬や「ヨード」を連想させる香りにつながります。ここでいう「ヨード」はヨウ素そのものではなく、フェノール・クレゾール類を指す慣用的な香味表現です。ただし、ピートの植生に加え、キルン(麦芽の乾燥炉)での燻し方(低温でくすぶらせるか)やミドルカットの取り方でも、最終的に残るフェノール類の内訳は変わります。前の章で触れた、公式の「甘くスモーキーな森林系」という説明は、この植生の傾向と方向が合っていますが、植生だけで香りが決まるわけではありません。

ベンリアックは麦芽のフェノール値(ppm)を公式に開示していないため、数値は示せません。補足すると、ppmは麦芽に含まれるフェノール類の総量を表す数値で、瓶詰め後の液体の数値とは別物です。フェノール類は糖化・蒸溜・ミドルカット(製品に使う中間部分の切り出し)・熟成の各段階で減るため、液体の値は麦芽の値より大幅に低くなります。またppmは総量なので、同じ数値でもピートの組成が違えば香りの方向は変わります。「ppmが高いほど薬品臭い」とは限りません。

ヘビーピート単体ではなく、ピーテッドとノンピートの組み合わせ

スモーキー2銘柄を「ヘビーピート」と紹介する記事もありますが、現行の公式仕様では、どちらもピーテッド原酒とノンピート原酒を組み合わせています。ノンピート原酒が持つ果実やエステルの層が土台になり、その上にピーテッド原酒の煙が重なる設計です。口に含むとまず果実と甘さが広がり、煙は中盤から余韻にかけて立ち上がります。この順番が、アイラのピーテッドモルトとの体感上の大きな違いです。

  • アイラの薬品香が苦手な人:煙が果実の上に乗る構成なので、最初の1本として選びやすい
  • 強いピートを求める人:ピーテッド原酒単体のヘビーピートではないため、強いピートが目的なら期待値を調整する(スモークの公式表記は第3章参照)
  • バーでの提供:アイラ系の後に出すと煙が弱く感じられる。スペイサイドのノンピートからピートへ進む流れの中間に置くと、個性が伝わりやすい

樽ごとに見る香味の由来

銘柄樽出やすい香味と理由公式ノートとの対応
テントーストしたバージンオークトーストで木材成分が熱分解し、バニリンやスパイス香が生じる。未使用の樽なので木の影響が強く出るオークのスパイス、メープル
テンジャマイカラム樽樽材にしみ込んだラム由来のエステル類(ジャマイカラムは特にエステルが多い)が、熟した果実やトロピカルな香りを加える。甘さは主に香りとして知覚される熟した果樹園の果実のシロップ、スパイスの効いた洋梨
テン/トゥエルブバーボン樽内側を焦がした(チャー)樽に由来するバニラや蜂蜜の甘さスモークした蜂蜜、スモークしたバニラ
トゥエルブシェリー樽ドライフルーツやナッツ、カカオのような深い甘さ。現行のシェリー樽の多くはシーズニング樽(製樽後にシェリーを一定期間詰めて樽材になじませた樽)。シェリーの種類(オロロソ/PXなど)は公式に開示されていないため、香味の由来は一般的な傾向として示すトーストしたアーモンド、カカオとオレンジのスモーク
トゥエルブマルサラ樽シチリアの酒精強化ワインに由来する、柑橘の皮を焦がしたような香ばしさとコク焦がしたオレンジ

テンは煙に「明るい果実とバニラ」を、トゥエルブは煙に「焦がした柑橘とカカオ」を合わせる設計と整理できます。各樽がファーストフィル(初めてウイスキーを詰める樽)かリフィルか、また配合の比率は公開されていません。糖化の4回注水は、麦汁の取り出し方に関わる工程上の事実です。ただし、それが香味にどう影響するかを公式は示していないため、甘さの直接の理由とは言い切れません。1898年築のダンネージ式熟成庫も同じで、どの原酒がどの倉庫で熟成されたかは開示されていません。

着色と冷却濾過は、表記どおりに読む

2銘柄とも公式ページに「Natural cask-imparted colour」(樽由来の自然な色)と表記されています。スコッチウイスキー規則(SWR 2009)は色調整用のカラメル(E150a)の添加を認めていますが、この表記は色が樽から来ていることを示しています。一方、冷却濾過(低温で濾過し、加水や冷却で生じる濁りの成分を取り除く処理)の有無は、公式に記載がありません。「ノンチルフィルター」と断定している記事もありますが、度数が46%であることだけを根拠に無濾過と判断することはできません。

  • 販売や提供の説明では「着色なし(樽由来の色)」までに留め、「ノンチルフィルター」は使わない
  • 氷や加水で白く濁るかどうかは手がかりにはなるが、それだけでは判定できない。正式に確認したいときは輸入元に問い合わせる

スモーキー・テンとトゥエルブの違い|樽・香味・価格で比べる選び方

スモーキー・テンとトゥエルブは、熟成年数よりも樽構成の違いで選ぶのが基本です。テンは煙に明るい果実とバニラを合わせ、トゥエルブは酒精強化ワイン樽由来の深みとほろ苦さを合わせています。度数(46%)、原酒の構成、樽の内訳は前の章までの表のとおりです。ここでは、選ぶときの判断材料になる公式の香味表記、飲んだときの印象、価格の見方を整理します。

公式の香味表記と評価で比べる

判断の軸ザ・スモーキー・テンザ・スモーキー・トゥエルブ
公式の香り(ノージング)熟した果樹園の果実のシロップ、スモークした蜂蜜、オークのスパイススモークしたバニラ、焦がしたオレンジ、トーストしたアーモンド
公式の味わい・余韻味わい:スモークしたアップルウッド、メープル、スパイスの効いた洋梨余韻:カカオとオレンジのスモーク
ストレートでの第一印象果実と蜂蜜の甘さが先に来て、煙は後から立つバニラと焦がしたオレンジが先に立ち、ナッツの重さが続く
余韻と苦み煙が甘く残り、苦みは控えめカカオのほろ苦さが残りやすい
向く飲み方ハイボール、ストレートストレート、少量の加水
価格の目安——

公式はテンのスモークの強さを「Rich」と表記していますが、トゥエルブには同じ形式の表記が見当たらないため、「どちらが煙が強いか」は公式情報からは判定できません。また「Rich」は、ピーテッド原酒単体のヘビーピートと同じ強さを意味するものではありません。

「年数が長いほうが上」とは限らない理由

10年以上と12年以上の差は、最短の熟成期間が2年違うことを示すだけです。SWR 2009の規定では、表示する年数は使った原酒のうち最も若いものの熟成年数です。平均の熟成年数や、配合の比率まではわかりません。樽ごとの香味の由来は前章の表のとおりで、違いは年数ではなく樽の方向性にあります。2本の違いは上下ではなく方向性の違いとして捉えるのが正確です。

条件別の選び方

  • 初めてスモーキーなモルトを試す:テン。果実の甘さが先に来て、煙は後から立つ
  • ハイボールにする:テン(手順は次章)
  • 食後にストレートでゆっくり飲む:トゥエルブ(ストレート推奨)
  • シェリー樽系が好き:トゥエルブ。シェリー樽とマルサラ樽の深みが、煙と重なる
  • 香りを開きたい:どちらも46%なので、まずストレートで確かめ、数滴ずつ加水する。入れすぎると煙が先に痩せる
  • 贈答で迷う:相手の好みが不明なら、甘さが分かりやすいテン。ワイン樽熟成やシェリー系を好む相手ならトゥエルブ

価格の見方

通販の表示価格は、時点、店舗、流通経路によって変わります。表の価格は表示時点の目安として扱い、比べるときは条件をそろえてください。

  • 購入時:正規品か並行品か、容量、価格の表示時点の3点をそろえてから比べる
  • 仕入れ時:価格差ではなく用途で棚を分ける

ベンリアック スモーキーの飲み方|46%を生かす加水・ハイボール・グラス

ウイスキーのイメージ写真

46%は、40%台前半の製品より加水の余地が大きい度数です。同じ1本でも、注ぎ方と温度で香りの出方が変わります。まずストレートで基準をつかみ、そのあと加水やハイボールへ進むと、変化を正しく比べられます。

ストレートは香りを上の層から順にとる

  1. グレンケアンなどのチューリップ型グラスに、シングル(30ml)を注ぐ。口がすぼまった形なので、香りがグラスの中に集まる
  2. 注いだ直後は回さない。グラスの縁から鼻を少し離して、上の層をとる。揮発しやすいエステル類(果実香)が先に届く
  3. 鼻をグラスの中へ近づけ、下の層のスモークと樽香をとる。フェノール類は揮発が遅いため、果実のあとに感じやすい
  4. グラスを軽く1〜2回だけ回し、もう一度香りをとってから口に含む。チェイサーの水を横に置く

加水・トゥワイスアップ・ハイボールの違い

加水は、スポイトかストローで1〜3滴ずつ加えます。エタノールの濃度が下がると、エタノールに溶け込んでいた香気成分の一部が液面に出やすくなるとされています。入れすぎると戻せないので、1回ごとに香りを確かめてから次の数滴を足してください。

飲み方比率・量目的と要点テンの傾向トゥエルブの傾向
少量加水数滴ずつ香りを開く。1回ごとに確認する果実とバニラが前に出やすいオレンジとカカオが広がりやすい
トゥワイスアップ常温の水と1:1香りをとるための飲み方。冷やさないことが前提蜂蜜や洋梨の甘さがとりやすくなる柑橘の皮とナッツが分かりやすくなる
ハイボール1:3〜1:4食中酒として飲む。炭酸を逃がさない煙が甘く伸びるので、特に向く樽由来の苦みが目立つ場合がある
水割り・ロック—冷えると香りが閉じる甘さは残るが、香りは弱まるカカオの苦みが残りやすい

ハイボールは、ウイスキーとソーダの両方をよく冷やしておきます。手順は次のとおりです。グラスに氷を詰めて冷やし、溶けた水を捨てます。ウイスキーを注いで軽く混ぜます。冷えたソーダを氷に当てないよう、グラスの縁から静かに注ぎます。最後にマドラーで縦に1回だけ持ち上げます。トゥエルブの苦みが気になるときは、ソーダを増やすよりも、ストレートや加水で飲むほうが持ち味を生かせます。

水割りやロックで香りが閉じるのは、温度が下がると香気成分の蒸気圧が下がり、揮発する量が減るためです。ロックの場合は、冷えることに加えて氷が溶け続け、濃度も一定しません。香りの変化を追いたいなら、常温の水を使う方法を選んでください。

バーでの注文と、店側の出し方

  • ストレート:「スモーキー・テンをストレートで、チェイサーもお願いします」。加水を自分で調整したいときは「加水用の水も添えてください」
  • ハイボール:「スモーキー・テンのハイボールを、少し濃いめで」。比率の希望があれば「1対3で」と数字で伝える
  • 店側:46%は割っても香味が残りやすく、シングル30mlでハイボールにしても味が薄まりにくい。1本をストレートとハイボールの両方で使うなら、テンをハイボールの主力にし、トゥエルブはストレートと加水で出すと用途が重ならない

開栓後の保管

  • ボトルは立てて保管する。横に寝かせると、アルコールがコルクを傷める
  • 直射日光と高温を避け、温度変化の少ない棚に置く
  • 残量が半分を切ると瓶の中の空気が増え、香りが変わりやすくなる。小瓶に移して空気に触れる面を減らす

食べ物と合わせるなら、燻製、ナッツ、ビターチョコレートが煙や樽の香りと重なります。詳しい組み合わせは、アードモアのフードペアリングの記事を参照してください。

他のスモーキー銘柄との位置づけと、購入前に確認したいこと

ベンリアックのスモーキー2銘柄は、スモークの強さよりも煙の質で位置づけると分かりやすくなります。アイラ系のピーテッドモルトは海や薬品を思わせる香りが出やすいのに対し、ベンリアックはハイランドピート由来の甘い森林系です。ピートの強さ順の詳しい比較は、ピートウイスキーのランキング記事を参照してください。ここでは選び分けに必要な範囲に絞ります。

アイラ系・シェリー樽系と比べた立ち位置

銘柄スモークの方向比べるときの見どころ向く人
ベンリアック ザ・スモーキー・テン甘い森林系。果実の後から煙が立つラム樽とバージンオーク由来の甘さとスパイス薬品香が苦手な人、スモーキーの入門
ベンリアック ザ・スモーキー・トゥエルブ甘い森林系に、焦がした柑橘とカカオシェリー樽とマルサラ樽の深みワイン樽やシェリー樽が好きな人
アードベッグ 10年海や薬品の印象が出やすいアイラ系煙が香りの主役になる強いピートを求める人
カリラ 12年海の印象が出やすいアイラ系アイラ系の中で比較の基準にしやすいアイラの個性を知りたい人
キルホーマン マキヤーベイ海や薬品の印象が出やすいアイラ系アイラの若い蒸溜所の個性アイラ系を広く飲み比べたい人
グレンドロナック 12年煙を主役にしないシェリー樽系同じBrown-Forman傘下の比較対象シェリー樽の甘さを重視する人

アイラ系に慣れた人がベンリアックを飲むと、煙を穏やかに感じやすくなります。トゥエルブを検討している人がグレンドロナック 12年と迷う場合は、判断の軸は「煙が要るかどうか」です。シェリー樽の甘さを主役にしたいならグレンドロナック 12年、そこに煙を重ねたいならスモーキー・トゥエルブが候補になります。

正規品と並行品の見分け方

  • 裏ラベル:輸入品には日本語の表示ラベルに輸入者名が記載される。まずこの名前で輸入経路を確かめ、判断できなければ販売店に輸入元を確認する。なお、日本では2018年にアサヒビールがベンリアックの販売を始めたが、現行スモーキー2銘柄の国内取扱い、国内での発売時期、参考小売価格は確認できていない
  • 容量:海外市場向けのボトルは700ml以外の場合がある。同じ容量どうしで価格を比べる
  • 価格差の理由:並行品は為替や仕入れのタイミング、流通経路の違いで、正規品より安くも高くもなる。価格差だけで中身の優劣は判断できない
  • 名称:前の章で触れたとおり、旧ボトルは「Curiositas」(日本では「キュオリアシタス」とも表記)。通販では「The Original Ten」(ノンピートの10年)と「The Smoky Ten」の取り違えも起きやすいので、商品名に「Smoky」があるかを確認する

贈答用に選ぶときの判断基準

  • スモーキーに慣れていない相手:テン。甘さが先に来るので、煙が苦手でも受け入れられやすい
  • ワイン樽やシェリー樽が好きな相手:トゥエルブ。マルサラ樽とシェリー樽の深みが好みに合いやすい
  • アイラ系が好きな相手:煙の強さで喜ばせたいなら、ベンリアックより先に表のアイラ系を検討する。違う方向の煙を試してもらう趣旨なら、ベンリアックを選ぶ意味がある
  • 相手の好みが分からないとき:テン。ハイボールにもできるので飲み方を選ばない
  • 取引先などへ贈るとき:輸入者名が明記された国内流通品を選び、旧ボトルと現行品を混同しないよう商品名を確認する

よくある質問

ウイスキーのイメージ写真

同じ銘柄でも、ボトルによって色や味が違うことはありますか?

2銘柄とも公式に「樽由来の自然な色」と表記されています。そのため、カラメルで色をそろえていないと読めます。樽がファーストフィルかリフィルか、配合の比率がどうかも公開されていません。詰める樽の個体差によって、色や香味にわずかな差が出る可能性はあります。色の濃さで熟成や品質を判断せず、香りで確かめるのが確実です。

テンとトゥエルブを飲み比べるとき、どちらを先に飲めばよいですか?

テンを先に、トゥエルブを後に飲みます。度数はどちらも46%なので、順番は樽の重さで決めます。トゥエルブはシェリー樽とマルサラ樽に由来するカカオやほろ苦さが余韻に残りやすく、先に飲むとテンの果実香を感じ取りにくくなるためです。同じ形のグラスに同じ量を注ぎ、合間にチェイサーの水で口の中をリセットしてから比べてください。

ハイボールに柑橘の皮を添えるなら、何が合いますか?

香りの方向に合わせて選びます。トゥエルブは公式ノートに「焦がしたオレンジ」があるので、オレンジピールが香りと重なりやすいです。テンは果実とバニラが主体なので、レモンピールを軽く絞る程度か、何も添えずに煙と甘さを確かめるのが無難です。果汁を入れると炭酸が抜けやすいため、皮の油を液面に吹きかけるだけにします。

出典・参考にした情報

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。