響 ブレンダーズチョイスの評価|香味の由来と飲み方で判断する
響 ブレンダーズチョイスの評価を、華やかな香りへの好評と「軽い」「微妙」の声に分けて整理。終売の誤解や化粧品感・梅酒感などの好みの分かれ目も分かり、購入前に自分に合うかを判断する材料になります。
響 ブレンダーズチョイスの評価の全体像:高評価の理由と「微妙」の声の内訳
響 ブレンダーズチョイスの評価は、「香りが華やかで飲みやすい」という肯定と、「思ったより軽い」「値段ほどではない」という留保の二つに分かれます。否定的な声の中には、味そのものの欠点ではなく、何と比べたかによって生まれた不満と読めるものもあります。本品は700ml・アルコール度数43%で、メーカーは料飲店向けに開発した製品と案内しています。2024年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)では金賞を受賞しました。
肯定的な感想に見られる4点
- 香りの華やかさ:華やかな果実香が特徴です(公式の香味表現は後述)。グラスに注いだ直後から香りが立つ、という感想があります。
- ベリーやぶどうを思わせる果実感:本品にはワイン樽で後熟(別の樽に移して仕上げの熟成を行うこと)した原酒が加えられています。レビューで挙がる赤い果実やぶどうの印象に、この原酒が関わっている可能性はあります。ただし、どの香りがどの樽に由来するかは特定できません。
- 加水やハイボールでも楽しめる:水や炭酸で割って香りを楽しむ、という声もあります。響は山崎・白州・知多の3蒸溜所の原酒で構成されますが、本品の蒸溜所別の配合や、割ったときの香味の変化はメーカーから公表されていません。割り方による違いは、後の節で示す手順で確かめるのが確実です。
- 人に出して香りを褒められやすい:一口目で果実香と甘さが伝わりやすく、ウイスキーに慣れていない相手にも良さが分かりやすい、という感想もあります。
「微妙」の声と比較対象
| 比較したもの | 見られる感想 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 響17年などの長期熟成品 | 熟成由来の厚み、余韻の長さ、複雑さが物足りない | 本品は年数表記のない製品です。長期熟成の重厚さを求めるなら、比べる土俵が違います |
| 支払った価格 | この価格なら、もっと濃さや個性がほしい | ストレートで濃さを求めるか、加水やハイボールで香りを楽しむかで、価格の受け止め方が変わりえます |
| 初めて飲む響、または一般的なブレンデッド | 香りが豊かで飲みやすい | 肯定的な感想が見られる組み合わせです |
「終売」という検索が多い背景には、休売中の響17年との混同があります。**休売しているのは響17年で、本品ではありません。**本品は2026年9月時点でサントリーの製品ラインナップに掲載されています。また、本品を「響17年の後継品」とするメーカーの公式な位置づけは確認できません。「17年の代わり」として買うと期待と実物がずれやすいため、独立した一本として評価するのが適切です。
好みが分かれる3つの要素
- 化粧品感:華やかな香りが強く出たとき、香水や化粧品のように感じる人がいます。同じ香りを「上品」と受け取る人もいるため、評価が割れやすい要素です。
- 梅酒感:果実の甘さと酸味が重なると、梅酒に近い印象として語られます。果実感を好む人には長所になり、ドライな味を好む人には甘さが気になる点になります。
- ビター感:メーカーは余韻(フィニッシュ)を「甘やかでほろ苦い」と表現しています。この苦みが樽とどう関係するかは、構成原酒や樽種が非公表のため特定できません。加水の量や飲むときの温度によっては、苦みが前に出すぎると感じる人もいます。
この3要素は、欠点というよりメーカーの香味表現と重なる部分です。購入前には「果実香と酸味、ほろ苦い余韻を好むかどうか」を判断基準にすると、評価のずれを避けられます。製法との関係は、分かることと分からないことを分けて、次のセクション以降で整理します。
一次情報で確かめる基本スペック:分かっていることと未公表のこと

メーカーが公表しているのは、容量、度数、開発の狙い、ワイン樽原酒の使用、受賞歴までです。発売年は発売当時の記事などで確認できます。香味を製法から読むのに欠かせない数値の多くは公表されていません。どこまでが確認済みかを先に把握しておくと、店頭POPや口コミにある「〇年相当」「ノンチルフィルター」といった記述をそのまま信じずに済みます。
| 項目 | 内容 | 一次情報の出どころ | 状況 |
|---|---|---|---|
| 容量 | 700ml | メーカーの製品ページ | 確認済み |
| アルコール度数 | 43% | メーカーの製品ページ | 確認済み |
| 発売年 | 2018年 | 発売当時のウイスキー専門ブログの記事など(二次情報) | 年は確認済み/日付は未確認 |
| 開発の狙い | 料飲店向けに開発 | メーカーの製品ページ | 確認済み |
| 特徴的な原酒 | ワイン樽で後熟した原酒を使用 | メーカーの製品ページ | 使用は確認済み/比率とワインの種類は未公表 |
| 受賞 | ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)2024 金賞 | メーカーの受賞歴ページ | 確認済み |
| 表示基準 | 日本洋酒酒造組合「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」に適合 | メーカーの製品ページ | 確認済み |
| 販売状況 | 2026年9月時点で製品ラインナップに掲載 | ブランドサイト | 確認済み |
「ジャパニーズウイスキー」基準への適合が意味すること
この基準は法律ではありません。業界団体である日本洋酒酒造組合が定めた自主基準です。主な要件は、原料に麦芽を必ず使うこと、日本国内で採水した水を使うこと、糖化・発酵・蒸溜を国内で行うこと、容量700L以下の木製樽に詰めて国内で3年以上貯蔵すること、国内で瓶詰めし、瓶詰め時のアルコール度数を40%以上とすることなどです。
スコッチの定義はこれと性格が異なり、英国の法令であるスコッチウイスキー規則(SWR 2009)が法的に定めています。主な要件は、容量700L以下のオーク樽を用いてスコットランドで3年以上熟成させること、40%以上で瓶詰めすること、そして加えてよいものを水とスピリッツカラメル(E150a、色調整用のカラメル)に限ることです。カラメルによる色調整は日本の基準でも認められています。つまり、どちらの基準に適合していても「着色していない」ことの証明にはなりません。日本の基準は、メーカーが自らの表示を担保する仕組みと理解してください。
「何年もの?」という疑問に対して一次情報から言えるのは、年数表記がないこと、そして基準の要件上、国内の木樽で3年以上貯蔵された原酒であることまでです。平均酒齢や、最長の原酒が何年ものかは公表されていません。
公表されていない項目
- 平均酒齢・構成原酒の年数:非公表です。
- 麦芽のピート度合い(フェノール値ppm):非公表です。スモーキーさを数値で他銘柄と比べることはできません。
- 樽種ごとの配合:ワイン樽後熟原酒の比率、ワインの種類、樽の履歴(ファーストフィルかリフィルか)、ほかにどの樽の原酒を使っているかは未確認です。「響」の原酒は山崎・白州・知多の3蒸溜所でつくられていますが、本品の蒸溜所ごとの配合も公表されていません。
- 冷却濾過と着色の有無:冷却濾過とは、低温にして濁りの原因となる脂肪酸エステルなどを除く処理です。本品に施しているかどうか、着色しているかどうかは非公表です。加水や氷で白濁するかは目で見て確かめられますが、濁り方だけでは処理の有無を断定できません。一般的な目安として、度数が46%を下回ると、冷却濾過をしていない原酒は加水や低温で白濁しやすくなります。そのため、冷却濾過なしを掲げる製品は46%以上で瓶詰めされることが多く、43%の製品に「ノンチルフィルター」と書いた店頭POPを見たら、メーカーの表示で裏付けがあるかを疑ってかかる手がかりになります。着色も、前述のとおり表示基準への適合だけでは判断できません。
- 発売日の正確な日付:2018年発売であること以外は確認できていません。
ノンエイジのブレンデッドは設計意図で評価する
年数表記が示すのは、ボトルの中で最も若い原酒の年数です。ブレンデッドは蒸溜所も年数も樽も異なる原酒を組み合わせるため、表記の数字が全体の香味を代表するわけではありません。表記がない本品で手がかりになるのは、公表されている設計情報です。具体的には、料飲店向けであること、ワイン樽後熟原酒を使っていること、そしてメーカーの香味表現です。香味表現は次章の表のとおりです。この狙いが実際のグラスに出ているかは、次章以降の手順で確かめます。
なぜ野いちごや白桃の香りがするのか:原酒・蒸溜・ワイン樽から香味を読み解く
響 ブレンダーズチョイスの香味は、メーカーが公表している香味表現、3蒸溜所の製法、ワイン樽後熟の3つを突き合わせると、かなりの部分まで筋道を立てて読めます。ただし原酒の配合比は非公表のため、以下は「どの工程がどの方向に働きうるか」の整理であり、配合を特定するものではありません。
公式の香味表現を3段階で読む
| 段階 | サントリーの表現 | グラスで確かめる点 |
|---|---|---|
| ノージング(香り) | 野いちご・白桃・パイナップル・クレームブリュレ | 注いで数分置き、赤い果実、黄色い果実、焦がした甘さの順に拾えるか |
| パレット(味わい) | ふくらみのある甘みと心地よい酸味 | 甘みの後半に酸味が重なってくるか |
| フィニッシュ(余韻) | 甘やかでほろ苦い | 甘さが引いた後に、ほろ苦さがどれだけ残るか |
山崎・白州の蒸溜釜と発酵:重さと華やかさのつくり分け
白桃やパイナップルを思わせる香りの中心はエステル(アルコールと有機酸が結びついてできる果実様の香り成分)で、その多くは蒸溜より前の発酵で生まれます。酵母が糖をアルコールに変える過程で、バナナや洋梨を思わせる酢酸イソアミル、りんごやパイナップルを思わせるカプロン酸エチルなどができ、どれがどれだけできるかは酵母の種類、発酵温度、発酵時間に左右されます。一般に発酵時間を長く取ると、酵母の働きが落ちた後半に乳酸菌が増え、乳酸などの有機酸と、そこから生じるエステルの幅が広がりやすくなります。木桶の発酵槽はステンレス槽より菌が定着しやすく、この傾向が出やすいとされます。また、ウイスキーで感じる「酸味」は液の実際の酸度だけでなく、エステルの果実香や樽由来の成分がそう知覚させている面もあります。サントリーは山崎・白州で木桶の発酵槽を使っていることを公開していますが、本品にどの発酵条件の原酒が使われているかは非公表です。
発酵でできた成分のうち、何をどれだけ原酒に残すかを決めるのが蒸溜です。山崎・白州とも、形状や大きさの異なる複数の蒸溜釜を使い分けています。ポットスチル(単式蒸溜釜)では、蒸気の一部が釜の首やラインアーム(釜上部から冷却器へ伸びる管)で冷えて釜へ戻ります。これが還流で、一般に還流が多いほど重い成分は釜に戻されやすく、軽く華やかな成分が優先して抜けやすくなります。ただし釜の形は要素の一つにすぎず、加熱の強さ、仕込み量、冷却方式も関わり、最終的な原酒の性格はミドルカット(製品に使う中留部分の切り出し)の取り方で大きく変わります。
形や運転条件の違う釜を使い分けると、同じ蒸溜所の中に性格の異なる原酒を別々に持てます。ブレンダーは、果実香の明るさと甘さを支える厚みを、別々の原酒から組み立てられます。ただし、本品にどの蒸溜所のどの原酒が使われているかは公表されておらず、白桃やパイナップルの香りがどの工程に由来するかは判断できません。
年数表記のないブレンデッドは、年数の下限に縛られないぶん、一般に原酒の在庫に応じて構成を調整しながら香味の方向をそろえるつくり方になります。そのため、ロットによって感じ方が揺れることはありえます。ロット差を比べるときは、ボトルに印字されたロット表示(製造記号)を控えておき、同じ条件で並べてください。
知多のグレーン原酒と原酒の多様性
知多蒸溜所は、トウモロコシを主原料に、連続式蒸溜機でクリーン・ミディアム・ヘビーの3タイプのグレーン原酒をつくり分けています。連続式は高い純度まで蒸溜できるため、グレーン原酒は一般にモルト原酒より香りが穏やかで、口当たりが軽くなります。響の原酒の幅が、モルトだけでなくグレーンの側でも用意されていることを示す背景情報といえます。ただし、本品にどのタイプのグレーン原酒がどれだけ使われ、どう働いているかは公表されていません。
炭酸で割ったときに果実香や酸味がどう残るかは、製法からは導けません。「グレーン原酒が土台になって割っても香りが崩れにくい」というのは、試飲で確かめるべき仮説にとどまります。次章の飲み比べで確かめられます。
ワイン樽後熟と、赤い果実・酸味の関係
メーカーは、本品にワイン樽で後熟した原酒が加えられていると案内しています。後熟とは、熟成を終えた原酒を別の樽に移して仕上げる工程を指します。メーカーの説明では、この後熟原酒は本品の甘やかさに寄与するものとされています。香りの「野いちご」や味わいの「心地よい酸味」とこの原酒が関係している可能性はありますが、ワインの種類、樽の履歴、後熟の期間、配合比はいずれも非公表です。どの香味成分がどの樽から来たかは特定できず、酸味の由来も断定できません。
「スポーツドリンク」「梅酒感」「化粧品感」を製法から読む
レビューに見られるこれらの言葉は、酸味、エステリー(果実様の香り成分が豊か)な香り、樽由来の甘さがどう重なって感じられるかの違いとして解釈できます。以下は推論であり、メーカーの説明ではありません。
| 表現 | 考えられる重なり方(推論) | 確かめ方 |
|---|---|---|
| スポーツドリンク | 軽いエステル香と酸味にグレーンの軽さが加わり、甘酸っぱく淡い印象になる | ハイボールで強まり、ストレートで弱まるかを比べる |
| 梅酒感 | 酸味と、樽由来のバニラやカラメルのような甘さが同時に来る | 口に含んで数秒後に、甘さと酸味が並んで感じられるか |
| 化粧品感 | 華やかなエステル香が高い濃度で立ち、香水のように感じられる | 注いだ直後に強く、数分置くか数滴の加水で和らぐか |
判断の目安は次のとおりです。赤い果実の香りと酸味を好む人には、公式の香味表現どおりの長所として働きます。重厚な甘さや濃い樽香を期待する人には、軽く酸味寄りに感じられ、上に挙げた言葉が否定的な評価として出やすくなります。
飲み方別の評価と手順:ストレート・加水・トゥワイスアップ・ハイボール・水割り

メーカーは本品を料飲店向けに開発したと案内しています。ただし、推奨する割り方はメーカーの製品情報に示されていません。果実香と酸味を軽快に楽しむならハイボールが候補になり、香味の全体像をつかむならストレート、香りを分解して嗅ぐなら加水やトゥワイスアップが向きます。どれが合うかは好みで決まります。
一般的な傾向として、加水するとアルコールの刺激が引いて香りが開くことがある一方、薄めすぎると甘みが平板になります。冷やすと香りの揮発と甘みの感じ方は弱まります。炭酸は泡が香りを持ち上げる反面、液を薄めます。本品で何が残り何が弱まるかは、同じ30mlをストレート、1:1の加水、1:3のハイボールで並べ、野いちご・白桃系の香り、甘みと酸味の釣り合い、余韻のほろ苦さの3点を比べると確かめられます。
| 飲み方 | 比率(ウイスキー:水・炭酸) | 到達度数(計算値) | 狙い・向く場面 |
|---|---|---|---|
| ストレート | 原液 | 43% | 香味の全体像をつかむ |
| トゥワイスアップ | 1:1(常温の水) | 約21.5% | 香りを分解して嗅ぐ |
| 水割り | 1:2 | 約14.3% | 甘みを残した食中酒 |
| 水割り | 1:2.5 | 約12.3% | 長く飲む食中酒 |
| ハイボール | 1:3 | 約10.8% | 酸味と果実香を残す |
| ハイボール | 1:4 | 約8.6% | 爽快感重視・食事向け |
度数は氷の溶け分を除いた計算値で、実際には時間とともにさらに下がります。
ストレートと加水:刺激が引く点を探す
- 30mlを口のすぼまったテイスティンググラス(チューリップ型)に注ぎ、1〜2分置きます。
- 最初はグラスの縁から鼻を少し離して嗅ぎます。43%のアルコールで嗅覚が鈍るのを避けるためです。
- スポイトで常温の水を2〜3滴ずつ加え、その都度軽く回して嗅ぎます。
- 鼻を刺す感覚が引き、野いちごや白桃が前に出た時点が適量です。甘さが平板になり始めたら入れすぎです。
トゥワイスアップは、常温の水とウイスキーを1:1で合わせる飲み方です。度数を20%前後まで下げてからノージング(香りの評価)をする、という原酒評価と同じ発想になります。冷水や氷を使うと香りの揮発が落ちるので、必ず常温の水を使います。
ハイボール:手順と比率の決め方
- グラスと炭酸を冷蔵庫で十分に冷やします。炭酸は温度が高いほど抜けやすくなります。
- 空のグラスに氷を満たし、マドラーで回してグラスと氷を冷やします。出た水を捨て、減った分の氷を足します。
- ウイスキーを注ぎ、マドラーで回して液を冷やします。
- 炭酸は氷に当てず、グラスの内壁に沿わせて静かに注ぎます。氷に当たると泡立ちが起き、ガスが抜けます。
- マドラーを底まで差し込み、縦に一回だけ持ち上げて終えます。
比率は1:3から始めます。シングル30mlなら炭酸は90mlです。一口目で酸味が分かり、余韻にほろ苦さが残るなら、その比率が合っています。1:3で果実香が薄いと感じたら1:2.5(炭酸75ml)へ濃くし、アルコールの刺激が立つ、または食中で重いと感じたら1:4(炭酸120ml)へ伸ばします。
水割り:温度で甘さが消えることに注意
目安は1:2〜2.5です。温度が下がるほど甘みの感じ方と香りの立ち方は弱まります。氷を入れた水割りは時間とともに冷えて薄まるので、終盤ほど甘みが引いていきます。甘さを残したいなら1:2寄りにし、大きめの氷を少なめに入れます。食事と合わせて長く飲むなら1:2.5がよいでしょう。
開栓後の保管の判断基準
- 瓶は立てて保管します。寝かせるとアルコールがコルク栓に触れ続けるため避けます。
- 飲み終えたら栓をしっかり閉め、直射日光と高温、急な温度変化を避けた場所に置きます。
- 残量が少なくなると香味が変わったと感じることがありますが、変化の出方や速さは保管条件や個体によって異なります。飲み切りの期限を一律に決めるより、開けた日を控えておき、気になり始めたら早めに飲み切るとよいでしょう。
店で出す場合の値付け
700mlを30mlのシングルで注ぐと理論上は約23杯、60mlのダブルなら約11杯取れます。注ぎ残しや計量のぶれを考えると、実数はこれより少し減ります。1杯あたりの原価は、仕入れ値を実際に取れた杯数で割って出します。
売価は、1杯の原価と店が設定している目標原価率から逆算します。
- 売価:1杯の原価÷目標原価率
- ハイボールの1杯の原価:仕入れ値÷実杯数+炭酸・氷・ガーニッシュの原価
- ストレート・トゥワイスアップの1杯の原価:仕入れ値÷実杯数+加水用の水とチェイサーの原価
目標原価率は店の方針で決まるため、ここでは数値を示しません。ハイボールは注文数と回転が見込めるので、目標原価率を他の飲み方より高めに置いて入口価格にする考え方があります。ストレートやトゥワイスアップは、加水用の水の用意や香りの説明に手間がかかるため、その分を売価に上乗せして考えます。メニューに「標準1:3/軽め1:4」と明記しておくと、カウンターでの注文の伝達もぶれにくくなります。
今の価格で買う価値はあるか:自分用・贈答・店での提供別の判断基準
価格は、いつの時点の数字かを確認してから判断します。メーカーの希望小売価格として確認できる2022年4月出荷分からの「700mlで税別12,000円」は、過去の価格です。サントリーは2025年11月4日に、2026年4月1日出荷分からの価格改定を発表しています。この発表の銘柄別一覧をもとにした複数の報道では、本品は税別15,000円から税別16,000円(税込16,500円から17,600円)に改定されたと伝えられています。銘柄別の価格は、購入前にサントリーの発表で確認してください。現在の購入判断には、確認日のある販売価格を使います。実際の購入価格は、販売店と箱の有無によって変わります。
| 区分 | 仕様 | 表示価格 | 確認時点 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| メーカー希望小売価格(過去) | 700ml | 税別12,000円 | 2022年4月出荷分から | 税別15,000円への改定時期は未確認 |
| メーカー希望小売価格(改定前) | 700ml | 税別15,000円 | 2026年3月出荷分まで | 2026年改定前の価格として報道されたもの |
| メーカー希望小売価格(現行) | 700ml | 税別16,000円 | 2026年4月1日出荷分から | 2025年11月4日の発表として報道。銘柄別一覧は要確認 |
| 酒類ドットコム | 700ml・箱なし | 税込16,148円 | 2026年9月 | 在庫ありと表示 |
| 酒庫住田屋 | 700ml | 税込17,600円 | 2026年9月 | 箱の有無は購入前に要確認 |
同じ700mlでも、表示価格には1,452円の差があります。店同士を比べるときは、容量・箱の有無・送料の3点をそろえてください。入手のしやすさ、価格の推移、購入方法の詳細は関連記事にまとめています。
自分用:飲み方が合うかで評価が分かれる
公式の香味表現は前々章の表のとおりで、果実の香りと、焼き菓子のような甘い香りが中心にあります。赤い果実の印象は、加水でアルコールの刺激が和らぐと感じ取りやすくなることがあります。
- 評価が上がりやすい人:ハイボールや水割り、1:1のトゥワイスアップで香りを楽しみたい人。食事と合わせたい人。甘みと酸味のバランスを重視する人
- 期待とずれやすい人:ストレートで長期熟成品のような重厚さを求める人。具体的には、濃い樽香、タンニンの渋み、古酒らしい熟成香など。本品は熟成年数を公表していないため、年数表記のある響と同じ基準では比べにくい
- ジャパニーズハーモニーと迷ったら:価格の目安は、本品が、ジャパニーズハーモニーがです。公式の香味表現では、本品は赤い果実と心地よい酸味を挙げ、ワイン樽後熟原酒の使用を明示しています。ジャパニーズハーモニーは香りにローズやライチ、余韻にミズナラ香を挙げています。赤い果実と酸味を求めるなら本品、華やかな花の香りとミズナラ系の余韻を求めるならジャパニーズハーモニーが方向として合います
- 迷ったら:ボトルを買う前に、提供している店でハイボールとストレートを1杯ずつ飲み比べる。ハイボールのほうが良いと感じたら、買う価値は高い。ジャパニーズハーモニーと迷う場合も、同じ店で同じ量・同じ飲み方で並べて比べる
贈答用:説明しやすい材料がそろっている
- 箱の有無:箱なしは割安ですが、見た目と輸送中の保護では不利です。贈答用は箱付きかどうかを商品ページで確認してから購入します
- 受賞歴:2024年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)で金賞を受けています。ウイスキーに詳しくない相手にも伝わりやすい実績です
- 表示基準への適合:日本洋酒酒造組合の「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」に適合しています(要件は第2章参照)。「日本で蒸溜から瓶詰めまで行われたウイスキー」と説明できます
- 海外在住の知人へ送る場合:送り先の国のルールを事前に確かめてください。個人宛に酒類を送れるか、数量の上限、課税の有無などは国ごとに異なります。配送業者が酒類を引き受けるかどうかも確認が必要です。訪日客に手渡す場合は、帰国時に持ち込める量を相手側で確認してもらいます
店での提供:原価は杯数で割って考える
仕込み量と原価の考え方は、前章の「店で出す場合の値付け」を参照してください。価格の面で本品が店にとって持つ意味は、年数表記のある響より手に取りやすい価格帯で「響」の名前を出せる点です。「響のハイボール」としてメニューに載せると、注文の入口になります。
よくある質問

開栓後、香りはどのくらいで落ちる?残量が少なくなったらどうする?
香りが落ちる速さは、保管温度や栓の状態、開ける頻度で変わるため、一律の期限は示せません。変化を早めやすいのは、残量が減って瓶の中の空気が増えた状態です。残りが3分の1程度まで減ったら、容量の小さいガラス瓶に移し替えて空気に触れる量を減らすのが一つの方法です。移した瓶は栓がしっかり閉まるものを選び、立てて、直射日光と高温を避けて保管します。開けた日を控えておくと、香りの変化に気づいたときの判断材料になります。
ロックで出すときの氷と量は?
- ロックグラスを冷やし、溶けにくい大きめの氷を1個入れます。
- マドラーで氷を回してグラスを冷やし、出た水を捨てます。
- 30ml(シングル)を氷に沿わせて注ぎ、10回ほど静かに回して液を冷やします。
ロックは冷却で香りの立ち方と甘みの感じ方が弱まり、氷が溶けて度数も変わり続けます。果実香を重視するなら、注いでからの時間による変化も含めて楽しむ飲み方と考えてください。
ボトルのロット番号は見るべき?
同じ銘柄を飲み比べるなら、控えておく価値があります。年数表記のないブレンデッドは、原酒の在庫に応じて構成を調整しながら香味の方向をそろえるため、ロットによって感じ方が揺れることがありえます。ボトルに印字されたロット表示(製造記号)を開栓日と一緒に記録しておくと、香味の違いを感じたときに条件を比べられます。記号の意味を推測で解釈するのは避け、比較のための控えとして使ってください。
響 ブレンダーズチョイスは響ジャパニーズハーモニーと何が違う?
どちらも700ml・43%のブレンデッドです。公式の香味表現では、本品は赤い果実と心地よい酸味を挙げ、ワイン樽後熟原酒の使用を明示しています。ジャパニーズハーモニーは、香りにローズやライチ、余韻にミズナラ香を挙げています。価格差と選び方の目安は、価格の章の「自分用」にまとめています。
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。