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ウイスキー新商品2026年11月発売一覧|価格・仕様と選び方

2026年11月発売のウイスキー新商品を一覧で紹介。山崎、厚岸、井川、YUZA、ウルトラマンラベル抽選2本の発売日・価格・度数を比較し、税込換算の価格や販売本数、好みと予算に合わせた選び方の目安がわかります。

本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。 掲載している商品の価格・在庫は変動するため、最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

この記事で紹介した銘柄:アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード・ザ・グレンリベット 12年 価格と購入先へ ↓

2026年11月発売のウイスキー新商品一覧:発売日・価格・度数を一次情報で確認

2026年11月に発売・販売開始が確認できたウイスキー新商品は、4商品と、ウルトラマンラベル第1弾の2本(抽選)です。出典は商品ごとに異なります。山崎・厚岸・YUZA・ウルトラマンラベルはメーカーや蒸溜所の発表で確認しました。井川は専門メディアの報道で、蒸溜所の告知は確認できていません。出典の種類は、表の右端の列で区別しています。山崎は公式価格が税別で、ほかは税込で公表されています。比べやすいように、税込に換算した参考値を別の列にしました。

商品名発売・受付容量・度数公表価格(表示どおり)税込参考値販売本数発表日・出典の種類
山崎 リフィルスパニッシュオーク(サントリー)11月24日(火)全国で数量限定700ml・48%27,000円(税別・希望小売価格)29,700円非公表9月29日・メーカーのプレスリリース
厚岸 未/HITSUJI(厚岸蒸溜所)11月下旬から全国で順次700ml・52%36,300円(税込・参考小売価格)36,300円非公表10月29日・蒸溜所のプレスリリース
YUZA Twilight Amber(遊佐蒸溜所)11月(公式は月のみ。専門メディアは中旬と報道)数量限定700ml・46%11,000円(税込)11,000円非公表発表日未確認・蒸溜所の公式ページ
井川 デッサンシリーズ フローラ2026(井川蒸溜所)11月下旬から700ml・52%16,500円(税込)16,500円非公表発表日未確認・専門メディアの報道(蒸溜所の告知は未確認)
ウルトラマン60周年記念ラベル第1弾:スプリングバンク2000抽選受付 11月10日(火)12:00〜17日(火)23:59700ml・41.9%・23年165,000円(税込)165,000円総本数80本(抽選分46本)発表日未確認・プレスリリース
同 第1弾:キャンベルタウン・ブレンデッドモルト2016同上700ml・58.4%・8年23,100円(税込)23,100円総本数82本(抽選分39本)同上

好みと予算から選ぶ目安

公表された仕様の範囲で、好みごとに向く1本を挙げます。

  • 樽の濃さより原酒の質感を見たい→山崎 リフィルスパニッシュオーク(リフィル樽原酒のみ・48%)
  • 花や果実の香りとバニラの甘さ、加水での変化を楽しみたい→井川 フローラ2026(ノンピート×バーボン樽・52%)
  • 公式テイスティングノートにあるピートの煙香と潮気を、高めの度数で確かめたい→厚岸 未/HITSUJI(52%)
  • 予算1万円台で国産の限定品を選びたい→YUZA Twilight Amber(11,000円・46%)
  • スコッチの長期熟成を抽選で狙う→スプリングバンク2000(23年・41.9%)
  • キャンベルタウンの若い原酒を、高い度数のまま2万円台で試したい→キャンベルタウン・ブレンデッドモルト2016(8年・58.4%)

山崎の「27,000円」と「29,700円」は同じ価格です

サントリーの案内では、山崎 リフィルスパニッシュオークの希望小売価格は27,000円(税別)です。税込で29,700円と書く報道もありますが、これは消費税10%を足した値で、価格は変わっていません。贈答の予算を厚岸・井川と比べるときは、税込29,700円に揃えて比べるのが確実です。税別の数字のまま比べると、厚岸の36,300円との差を実際より大きく見誤ります。

仕様から読み取れること・読み取れないこと

  • 山崎:スパニッシュオークのリフィル樽原酒のみ(樽の効き方は後の章で解説)。ピート、冷却濾過・着色の有無は非公表
  • 厚岸:原材料はイギリス産と北海道産の大麦モルト。十二支シリーズ全体はバーボン樽・シェリー樽・ミズナラ樽を使う方針だが、本品の樽構成とピートの数値は非公表。公式テイスティングノートには「ピートの煙香と潮気の輪郭」の記載
  • 井川:ノンピートで、バーボン樽原酒が主体
  • YUZA:度数46%。樽、ピート、冷却濾過・着色の有無は公式ページに記載なし

度数別の加水手順は後の章で扱います。

本数の公表の有無で、入手の見込みの立て方が変わります

販売本数を公表しているのはウルトラマンラベルだけです。抽選分はスプリングバンク2000が46本、キャンベルタウン・ブレンデッドモルト2016が39本と少なく、申込は1人各1本までです。応募者数は公表されていないため、当選確率は出せません。外れた場合の代わりの入手経路もないため、落選を前提に予算を組んでください。

キャンベルタウン・ブレンデッドモルトの蒸溜所名は非公開です。ブレンデッドモルトは、SWR 2009で「2つ以上の異なる蒸溜所のシングルモルト・スコッチウイスキーを混和したもの」と定義される区分です。また、SWR 2009では、ラベルに地域名(キャンベルタウン)を表示できるのは、全量をその地域で蒸溜した場合に限られます。2016年にキャンベルタウンで稼働していた蒸溜所は、スプリングバンク蒸溜所(同社が運営するグレンガイル蒸溜所を含む)とグレン・スコシア蒸溜所に限られます。原酒はこのいずれか由来の組み合わせになりますが、構成比は非公表です。58.4%・8年という仕様そのものを評価して申し込むかどうかを決める必要があります。

山崎・厚岸・YUZA・井川は本数が非公表のため、当選確率のような数字では見積もれません。判断の材料になるのは、どこで売るかと、どう売るかです。

  • 全国で発売する山崎・厚岸:仕入れたい店は、発売日より前に問屋や特約店へ割り当てがあるかを確認します。厚岸は「下旬から順次」なので、店頭に並ぶ日が地域によってずれる前提で動きます
  • 発売日が未確認のYUZA:蒸溜所の公式ページの更新を確認し続けます。贈答に使うなら、届く日を約束しないでください
  • 井川:報道ベースの情報なので、注文する前に蒸溜所や販売店の告知で価格と時期をもう一度確かめてください

なお、ウルトラマンラベルの第2弾は12月7日(月)に抽選申込が始まる予定です。11月の第1弾とは別の受付になります。

「11月の新商品」と混同しやすい前後の発売品:10〜12月の時系列

ウイスキーのイメージ写真

11月の新商品を探すと、10月や12月に発売・受付される商品が同じ一覧に並んで出てきます。発売日を取り違えると、店頭で見つからない商品を探したり、贈答の手配が年末に間に合わなかったりします。11月発売ではない商品を時系列で並べると、次のとおりです。

時期商品名容量・度数公表価格価格の表示11月との関係
4月1日嘉之助 NEW POT 2026———春に発売済み。熟成前の原酒(ニューポット)
10月19日ザ・グレンリベット 12年 プロヴァンス・エディション700ml・40%4,268円前後(2026年10月31日時点)税込(参考小売価格)10月に発売済み。数量限定
10月YUZA Special Blend700ml・46%—(カートンの有無で2種類)税込10月に発売済み。11月はTwilight Amberが別に出る
12月7日(月)抽選申込開始予定ウルトラマン60周年記念ラベル第2弾:グレンマレイ2007未確認—税込第1弾とは別の受付
同上同 第2弾:キルダルトン2009未確認—税込同上
12月8日(火)スターヒルファームウイスキー2026(サントリー)700ml・58%—税別12月発売。11月の店頭にはない
12月15日(火)碧Ao〈SCOTCH EDITION〉(サントリー)700ml・51%6,000円(税別・希望小売価格)税別12月に全国で数量限定発売。メーカーのプレスリリース(10月13日)

スターヒルファームウイスキー2026の発売日は12月8日です

スターヒルファームウイスキー2026は、サントリーの案内では2026年12月8日(火)に全国で数量限定発売です。11月中に店頭で探しても見つかりません。原料は、再生農業の手法で育てた3種類の小麦です。熟成中は樽を動かさず、7〜8年熟成させたと説明されています。樽の種類は記載がなく、確認できていません。価格は税別で公表されています。前の章で触れた山崎と同じく、ほかの商品と比べるときは税込に直して揃えてください。58%で瓶詰めされているので、ストレートで少量を確かめたあと、加水して香りが開く度合いを見ると、小麦原料らしい穀物の甘さと樽の成分を分けて捉えやすくなります。

グレンリベット プロヴァンス・エディションは10月19日に発売済みです

ザ・グレンリベット 12年 プロヴァンス・エディションは、2026年10月19日に日本で発売済みの数量限定品で、輸入元はペルノ・リカール・ジャパンです。12年熟成の原酒を、熟成の終盤に白ワイン樽、リヴザルト樽、ソーテルヌ樽へ移してフィニッシュ(後熟)しています。ソーテルヌは貴腐ブドウからつくる甘口の白ワインです。リヴザルトはフランス南部ルーション地方の酒精強化甘口ワインです。どちらも樽に糖分の多いワインが染みているため、核果やドライフルーツ、蜂蜜を思わせる香りが加わりやすい組み合わせです。40%と度数が低めなので、ハイボールにするとワイン樽由来の香りが薄まりやすくなります。店で出すなら、ストレートかトゥワイスアップ(ウイスキーと常温の水を1対1)で香りを見せるほうが、この仕様を生かせます。すでに発売されているため、今から仕入れる場合は流通在庫を問屋に確認してください。

ニッカとキリン「富士」の11月新商品は確認できませんでした

ニッカ(アサヒビール)とキリン「富士」については、2026年11月発売のウイスキー新商品を確認できませんでした。発売がないと決まったわけではありません。確認できていない段階で、仕入れや贈答の予算を割り当てるのは避けてください。11月中もメーカーのニュースリリースを確かめ、発表があった時点で予算を見直すのが確実です。

11月〜12月の申込・発売カレンダーと予算の組み方

  1. 11月10日(火)12:00〜17日(火)23:59:ウルトラマンラベル第1弾の抽選申込
  2. 11月中(公式は月のみ。専門メディアは中旬と報道):YUZA Twilight Amber
  3. 11月24日(火):山崎 リフィルスパニッシュオーク
  4. 11月下旬から順次:厚岸 未/HITSUJI、井川 デッサンシリーズ フローラ2026
  5. 12月7日(月):ウルトラマンラベル第2弾の抽選申込開始(予定)
  6. 12月8日(火):スターヒルファームウイスキー2026
  7. 12月15日(火):碧Ao〈SCOTCH EDITION〉
  • 酒販店・バー:11月発売分の割り当てを先に確定させ、12月分はメーカー案内と問屋の割り当てがそろってから枠を組む。第1弾の当落が分かる日は確認できていないため、当選しても落選しても12月の仕入れ予算が成り立つように分けておく
  • 年内に贈答する人:手元に届く時期が読めるのは11月下旬までの発売品。スターヒルと碧Aoは12月中旬以降の入手になるので、年末の受け渡しに間に合わない場合の代わりの品を決めておく
  • 海外の知人へ日本の限定品を贈る人:発送にかかる日数を考えると、11月発売分で手配するのが現実的。12月発売品は年明けに渡す前提で予定を立てる

製法から読む11月新商品の香味:リフィル樽・度数・原料の違いが何を生むか

4製品の公表仕様は、樽の使用回数、樽材の種類、ピートの有無、度数の4点に分けると読み解けます。ここでは、それぞれが香味にどう効くのかを製法の側から説明し、公表されていない部分を推測で埋めないための線引きも示します。

リフィル樽の山崎は「樽が控えめになったぶん、原酒と時間が前に出る」構成です

リフィル樽は、前の酒を抜いた後、ウイスキーの熟成に1回以上使った樽です。ファーストフィルは、前の酒の後に初めてウイスキーを詰めた樽を指します。最初の熟成で、樽材の抽出しやすい成分(色素、タンニン、内側に染みたシェリー)の多くは原酒側に移っています。そのため2回目以降は、色の付き方も渋みの乗り方も緩やかになります。その代わり、樽は呼吸する容器として働き続けます。木目を通したゆっくりした酸化によって、エステルやアルデヒドが変化します。蜜蝋、ナッツ、熟れた果実のような酸化熟成の香りや、蒸溜所固有の原酒の性格が、樽の強さに隠れずに出てきます。

山崎 リフィルスパニッシュオークは、スパニッシュオーク樽をウイスキーの熟成に一度以上使った後のリフィル樽の原酒だけで構成されています。スパニッシュオークの性格は残しつつ、ファーストフィルほど樽が支配しない香味を狙った設計と読めます。濃い色や強いタンニンを期待して仕入れると、ずれが生じます。

スパニッシュオークとアメリカンホワイトオーク、「シェリー樽」の実態

樽材主な樹種出やすい成分香味の方向
スパニッシュオークQuercus robur系(ヨーロピアンオーク)エラジタンニンが多いドライフルーツ、クローブなどのスパイス、締まった渋み
アメリカンホワイトオークQuercus albaバニリン、ウイスキーラクトンバニラ、ココナッツ、カスタード様の甘さ

「シェリー樽」と表示されていても、現在その多くはシーズニング樽です。新たに組んだ樽にオロロソなど(樽の仕様によってはペドロ・ヒメネス)を1〜2年ほど入れて、樽を慣らしたものです。ボデガで長年ソレラに使われた古樽とは別物です。シーズニングに使ったワインは製品のシェリーとしては瓶詰めされないことが多く、蒸溜用などに回されます。サントリーは、スパニッシュオーク樽を自社で調達してシーズニングしていることでも知られます。樽材にスパニッシュオークを使うか、アメリカンオークを使うかでも、仕上がりは変わります。ラベルの「シェリー」の一語だけで香味を決めつけず、樽材と使用回数をあわせて確認する必要があります。

比較の軸には、シェリー樽の影響を前面に出した既存銘柄が使えます。グレンドロナック 12年は、ペドロ・ヒメネスとオロロソのシェリー樽熟成を打ち出しています。アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアードは、伝統的なオーク樽とシェリー樽の原酒を合わせています。ただし、どちらもファーストフィル比率は公表されていません。「シェリー樽の色と甘さが前に出る型」の例として扱うのが正確です。並べて試すと、山崎のリフィル構成で樽の濃さが引いた分、何が見えてくるかを確かめやすくなります。

井川のノンピート×バーボン樽、厚岸の「非公表」の扱い方

ノンピートとは、麦芽を乾燥させるときにピートを焚かないことです。ピート煙が麦芽に移すフェノール類がほぼ生じないため、スモーキーさや薬品のような香りはありません。代わりに、発酵と蒸溜で生まれるエステル(花や果実の香り)が隠れずに出ます。スコッチや日本のウイスキーで言うバーボン樽は、内面をチャー(焦がし)した新しいアメリカンホワイトオークでバーボンを熟成した後の樽です。チャー層は活性炭のように働いて硫黄系の成分を減らし、その下のトーストされた層(レッドレイヤー)からはバニリンやラクトンが出ます。ただし、これらの成分の一部はバーボンの熟成ですでに抜けています。井川の樽がファーストフィルかリフィルかは非公表のため、樽由来の甘さの強さまでは読めません。井川 フローラ2026は、この二つを組み合わせた仕様です。バニラ系の甘さと、花や果実の香りが軸になる構成と読めます。

厚岸 未/HITSUJIは、イギリス産と北海道産の大麦モルトを使っています。十二支シリーズ全体は、バーボン樽・シェリー樽・ミズナラ樽を使う方針です。本品のピートの数値と樽構成は非公表ですが、公式テイスティングノートには「ピートの煙香と潮気の輪郭」とあります。ミズナラ香については記載がないため、断定して案内しないでください。売り場では、公表された原料・度数と公式テイスティングノートの範囲で伝え、それ以上の香味は開栓して確かめてから言葉にするのが安全です。

52%・48%・46%の差と、加水の組み立て

度数が高いほど、香気成分はアルコールに溶けたまま保たれます。加水すると疎水性の香気成分がグラスの液面に押し出されるため、度数が高いほど加水したときの変化の幅も大きくなります。46%以上での瓶詰めは、冷却濾過(低温にして脂肪酸エステルなどを濾し取る処理)を省く製品でよく見られる水準です。ただし4製品とも、冷却濾過と着色の有無は公表されていません。「46%だから無濾過」とは言えません。

度数ごとの加水の手順と目安は、次の章の「加水はmlで管理し、度数の下がり方を把握する」にまとめています。

限定品をどう注ぎ、どう値付けするか:度数別の加水と1杯あたり原価

ウイスキーのイメージ写真

加水はmlで管理し、度数の下がり方を把握する

試す手順は3段階です。まず常温のストレートでノージング(香りを嗅いで評価すること)をします。次に、スポイトで常温の軟水を2〜3滴ずつ落とし、そのつど香りの開き方を確かめます。最後にトゥワイスアップ(ウイスキーと常温の水を1:1)に進みます。トゥワイスアップは、ウイスキーと水をそれぞれメジャーカップで同量量り、ウイスキーに水を注いで軽く混ぜます。冷水を使うと香りが揮発しにくくなり、加水で表に出るはずの香りまで沈んでしまいます。1滴の量はスポイトによって変わるため、ml単位で記録しておくと同じ条件を再現できます。

  • 52%(厚岸・井川):30mlに水1mlで約50%、3mlで約47%。この範囲で香りが開き続けるなら、1:1(約26%)まで進める余地が大きい
  • 46%(YUZA):30mlに水1mlで約45%。数滴で香りの輪郭がぼやけ始めたら、そこで止める。1:1にすると約23%まで下がるため、比較用の1杯にとどめる

加水を止める目安は、アルコールの刺激は減ったのに香りが増えず、香りの重なりが薄くなり始めた時点です。冷却濾過の有無が非公表の商品は、加水すると白く濁ることがあります。濁りは香味の欠点ではありません。

飲み比べはチューリップ型のグラスで、温度と量をそろえる

チューリップ型のテイスティンググラスは、ボウルで揮発した香りをすぼまった口元に集めます。そのため、銘柄ごとの差を比べやすい形です。ロックグラスは開口部が広いので、アルコールの刺激が鼻に届きにくい反面、香りも散ってしまいます。限定品を飲み比べるときは、同じ型のグラスに同じ量を同時に注ぎます。ボウルを手で包まずに持ち、温度をそろえてください。46%と52%を並べるなら、度数の高いほうを後に回すと、刺激で嗅覚が鈍るのを避けられます。

ハイボールは評価のあとに回す

炭酸の泡は、香気成分を液面から一気に運び出します。一方で冷却は、揮発そのものを抑えます。そのためハイボールでは、立ち上がりの香りは強く感じても、ストレートで捉えた複雑さの多くが見えなくなります。52%を1:3で割ると約13%で、トゥワイスアップのさらに半分の濃さです。価格と入手の難しさを考えると、限定品はまずニートで評価するのが合理的です。ハイボールは、評価が済み、在庫に余裕がある場合に回します。ハイボールで出す場合も、1杯に使う原液はシングルと同じ量です。ストレートより安い値段にはできません。

1杯あたりの原価と値付けの目安

700mlをシングル30mlで割ると、約23杯取れます。ボトルの価格を23で割った値が、1杯あたりの原価です。原価率は、売価に占める原価の割合で、税抜の仕入れ値÷税抜の売価で計算します。売価は「原価÷原価率」で逆算できます。下の表は目安として小売価格(税込)を使っているので、実際の税抜仕入れ値に置き換えて使ってください。

商品公表価格税込換算1杯30mlの原価原価率30%の売価原価率40%の売価
山崎 リフィルスパニッシュオーク27,000円(税別・希望小売価格)29,700円約1,290円約4,300円約3,230円
厚岸 未/HITSUJI36,300円(税込・参考小売価格)36,300円約1,580円約5,260円約3,950円
井川 デッサンシリーズ フローラ202616,500円(税込)16,500円約720円約2,390円約1,790円
YUZA Twilight Amber11,000円(税込)11,000円約480円約1,590円約1,200円

限定品では、次のロスを見込む必要があります。スタッフの試飲分、注ぐときの誤差、終盤に香りが落ちた数杯です。売れる杯数を21〜22杯と置いて原価を割り増しておくと、赤字になりにくくなります。補充できない限定品の値付けには、2つの方針があります。原価率を通常品より高めにして回転を優先するか、ハーフショット(15ml)を用意して飲み比べの単価を下げるかです。どちらにするかは店の方針で決めます。

開栓後は瓶の中の空気を減らして管理する

開栓後は、瓶の中の空気が増えるほど、酸化と揮発で香りが変わります。軽い香気成分から先に抜けていきます。残量が少ない瓶ほど、変化は速く進みます。

  • 残量が3分の1を切ったら、口元まで満たせる小瓶へ移して空気を減らします
  • 立てて保管します。度数の高い液体がコルクに触れ続けると、コルクが傷み、その匂いが移ることがあります
  • 直射日光と高温を避けます。光は色と香りを劣化させます。温度が上下すると、瓶の中の空気が出入りしやすくなります
  • 栓の周りをパラフィルムで巻き、揮発を抑えます
  • 開栓日をラベルに書いておきます。評価したときと香りが変わったら、案内の文言を更新します

買う・贈る・案内する前に:入手方法、表示基準、海外への贈答の注意

販売方式ごとの入手手順

販売方式対象手順と判断基準
抽選販売ウルトラマンラベル第1弾受付は11月10日(火)12:00〜17日(火)23:59。締切後は申し込めないため、期間の早いうちに済ませてください。申込は1人につき各銘柄1本まで。当落の発表日は確認できていません
数量限定(本数非公表)山崎・厚岸・井川・YUZA発売日より前に、普段使う酒販店へ予約受付の有無と入荷予定を問い合わせます。予約、店頭抽選、入荷告知後の先着など、売り方は店ごとに違うため、方式と告知の場所(店頭・SNS・メール)を先に聞いておきます

二次流通価格を判断の基準にしない

発売直後の二次流通(転売)価格は、希望小売価格や参考小売価格と大きく離れることがあります。出品数や話題の大きさによって日ごとに動くため、価格は安定しません。贈答に使うなら、定価で買えた範囲で選ぶと決めておくと予算が崩れません。たとえば「山崎が予約で取れなければ井川かYUZAにする」というように、切り替える順番を先に決めておきます。バーの売価は、前の章の原価計算のとおり、実際の仕入れ値から組みます。二次流通で手に入れた瓶は、価格が割高になるうえ、開封前の保管状態(光や温度)も分かりません。

「ジャパニーズウイスキー」表示は業界の自主基準です

この表示基準は、日本洋酒酒造組合が2021年2月に制定した自主基準です。2024年3月末で経過措置が終わり、同年4月から本格適用されました。法令による定義でも、地理的表示(GI)でもありません。スコッチは英国の法令であるスコッチウイスキー規則(SWR 2009)で定義されており、位置づけが異なります。同組合は2025年3月に、ロゴマークの制定とあわせて、酒類業組合法に基づくGI指定をめざす方針を示しました。ただし2026年10月時点で、申請も指定も確認できていません。

  • 使ってよい言い方:「日本の業界団体の自主基準に沿って『Japanese whisky』と表示している」
  • 避ける言い方:「日本の法律で認められた」「GIで保護されている」
  • ウルトラマンラベルは日本で企画された限定ラベルで、中身はスコットランドの原酒です。日本産のウイスキーとして紹介しません

海外へ贈る・訪日客に案内するときの注意

  • 免税で持ち込める範囲と酒類の規制は、相手国ごとに違います。本数、度数、申告が必要かどうかを、相手国の税関の公式情報で確かめます。訪日客に案内するときは「帰国先の税関の案内を確認してください」と添えます
  • 航空機に積む酒類は、IATAの危険物規則で度数ごとに扱いが決まっています。アルコール度数24%以下は制限なし。24%を超え70%以下は、小売用の容器に入ったもので1人あたり合計5リットルまで受託手荷物・機内持ち込みが可能です(機内持ち込みは液体の制限も受けます)。70%を超えるものは持ち込めません。今回の各商品(41.9〜58.4%)は24〜70%の区分にあたります。航空会社によって独自の制限があるため、事前に確認します
  • 国際線の機内持ち込みには液体の制限があります。受託手荷物に入れる前提で梱包します
  • 梱包の手順:瓶を緩衝材で包み、密封できる袋に入れて漏れを閉じ込めます。衣類で囲み、スーツケースの中央に固定します。化粧箱は外側の保護と贈答用として残します
  • 国際配送は、宛先国によっては酒類を受け付けません。発送前に運送会社の条件を確かめます

よくある質問

ウイスキーのイメージ写真

ウルトラマン第1弾の2本は度数が大きく違いますが、加水の仕方は変えるべきですか?

変えるべきです。スプリングバンク2000は41.9%と低めで、少しの加水でも香りの輪郭が薄まりやすいため、まずストレートで評価し、水は1滴ずつにとどめます。キャンベルタウン・ブレンデッドモルト2016は58.4%と高く、ストレートでは刺激が香りを覆いやすいので、数滴ずつ段階的に加水して開き方を見ます。並べて試すなら、度数の低いスプリングバンクを先にしてください。

未開封のまま何年か置いておけば、瓶の中で熟成が進みますか?

進みません。熟成は、樽材の成分が溶け出すことと、木目を通したゆっくりした酸化によって起こるため、瓶詰めした時点で止まります。未開封でも、横に寝かせると度数の高い液体が栓に触れ続けて傷むことがあり、光や温度変化は香りを劣化させます。贈答まで置くなら、立てて冷暗所で保管し、化粧箱に入れたままにしておくのが確実です。

バーで限定品を頼むとき、どう伝えれば香りを確かめやすいですか?

銘柄名に加えて、量と飲み方を一度に伝えると確実です。たとえば「山崎 リフィルスパニッシュオークをストレートで。加水用の常温の水を別に」と頼めば、自分で数滴ずつ加えて香りの変化を確かめられます。チェイサーとは別に加水用の水を頼むのがこつです。ハーフ(15ml)があれば飲み比べやすくなります。限定品は注文前に1杯の値段を確認してください。

シリーズ物の限定品は、前作と同じ香味だと考えてよいですか?

同じとは考えないほうが正確です。年号や干支を冠した限定品は、リリースごとに使う原酒の樽、熟成年数、構成比が変わるため、同じシリーズ名でも香味は別物になります。井川のフローラ2026はデッサンシリーズの一作、厚岸の未/HITSUJIは十二支を冠したシリーズの一作です。過去作の評価を当てはめず、今回の公表仕様と開栓後の香りで判断してください。

出典・参考にした情報

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。