ウイスキーの魅力を存分に堪能したい方へ。スコットランド生まれの銘柄「オルトモア」の世界をご紹介します。豊かな歴史と丁寧な製造過程から生まれる、個性豊かなシングルモルトの味わいをお楽しみください。こちらのブログでは、オルトモアの代表的な銘柄をピックアップし、それぞれの魅力を詳しく解説していきます。ウイスキー愛好家の皆さまはもちろん、ウイスキー初心者の方も、オルトモアの深い味わいに触れることで、新たな発見があるかもしれません。
1. オルトモアとは?スコットランド生まれの人気シングルモルト
オルトモアは、スコットランドのスペイサイド地方に位置するシングルモルトウイスキーで、世界中のウイスキー愛好家に広く知られ、愛されています。この地域は、長い歴史を持つウイスキー製造の中心地であり、理想的な自然条件が整った素晴らしい環境です。
スペイサイド地域の魅力
スペイサイド地方は、その美しい風景と特異な気候条件でウイスキー製造に理想的な条件を提供しています。清らかな水源と肥沃な土地から生まれるウイスキーは、その複雑さと豊かな風味から高く評価されています。また、多数の蒸留所が集まるこの地域は、互いに競い合いながら品質向上に努めており、オルトモアもその一翼を担っています。
オルトモアのネーミング
「オルトモア」という名称は、スコットランドのゲール語に由来し、「大きな小川」という意味を持っています。この名前は、オルトモア蒸留所の近くを流れるオーヒンデラン川に由来しており、特有の湿地環境を形成しています。このため、オルトモアで作られるウイスキーには、他にはない風味と深い味わいが生まれています。
歴史と成長
オルトモア蒸留所は1897年に創業されて以来、スコッチウイスキー製造の重要な役割を果たしてきました。その優れたモルトは、デュワーズやジョニーウォーカーなど名だたるブレンデッドウイスキーの原酒としても広く利用されています。
生産者としての評価
オルトモアのウイスキーは、そのスムースで華やかな味わいで多くの飲み手に愛されています。選び抜かれた水源と非ピートモルトを使用した製造技術が、この特長を生み出しています。そのため、ウイスキーに初めて触れる方から、熟練の愛好家まで幅広い層に支持される存在です。
このように、オルトモアはスコットランドのウイスキー文化を象徴するブランドであり、今後さらにその名声を高めていくことでしょう。
2. オルトモア蒸留所の歴史と製造過程
蒸留所の設立とその背景
オルトモア蒸留所は、1897年にスコットランド・スペイサイドのキースにてアレクサンダー・エドワードの手によって設立されました。この地域は「フォギーモス」としても知られ、ウイスキー製造に適した特異な気候条件を備えています。「オルトモア」という名前はゲール語で「大きな川」を意味し、近くを流れるオーヒンデラン川に由来しています。
オルトモア蒸留所の歴史は波乱に富んでおり、設立から数年後の1899年には世界大戦の影響で大麦の供給が困難となり、一時的に生産がストップしました。その後、1917年には再び生産量が減少しましたが、1923年にジョン・デュワー＆サンズ社に売却されてからは安定した運営が続きました。オルトモアはジョン・デュワー社の重要なキーモルトとしての地位を確立し、1998年にはバカルディ社に買収されました。現在もその伝統と品質を守りながら成長を続けています。
製造過程におけるこだわり
原料とモルティングのプロセス
1967年までは、自社内でフロアモルティングを行っていたオルトモア蒸留所ですが、現在はシンプソンズ社に製麦を委託しています。採用されるモルトはノンピートタイプで、厳選された方法を通じて高品質なウイスキーが限りなく生まれています。
マッシュと糖化の手順
仕込みには、フォギーモスの泉からくみ上げた純粋な水を使用します。最新のステンレス製フルロイターマッシュタンを用いて、1バッチあたり約10トンのグリストを処理します。ここに加熱した水を繰り返し加えることにより、糖化プロセスが行われ、最終的には約48000リットルのウォートが生み出されます。
発酵プロセス
発酵は、容量48000リットルのカラ松製ウォッシュバックを使用し、ケリー社のリキッドイーストが用いられます。ウォートは冷却後にウォッシュバックに移され、56〜70時間かけて発酵が行われます。この工程を経て、約8％のアルコール度数を持つもろみが完成します。
蒸留の方法
オルトモア蒸留所には、16500リットルのウォッシュスチルが2基、15000リットルのスピリットスチルが2基設置されています。すべてのスチルはストレートヘッド型を採用し、蒸気による間接加熱方式で動作しています。初留で得られるローワインのアルコール度数は23〜26％に達し、その後の再留によって約69％のアルコール度数のニューポットが生成されます。
このように、オルトモア蒸留所は豊かな歴史を持ち、優れた製造技術に裏付けられた素晴らしいウイスキーを生産し続けています。各製造プロセスには情熱が注がれ、伝統を守りながら進化を続ける姿勢が、多くのウイスキーファンの心を捉えています。
3. オルトモアの代表的な銘柄とその味わい
オルトモアは、その独自の特性と豊かな風味から、多くのウイスキー愛好家に愛されているシングルモルトウイスキーのブランドです。このセクションでは、特に人気のあるオルトモアの銘柄を取り上げ、各々の風味や魅力について詳しくご紹介します。
オルトモア12年
オルトモア12年は、ブランドの代表的なラインであり、幅広い層に人気があります。最初に嗅がれる香りは、まるで森林の中にいるかのような新鮮さがあり、次第に柑橘系のフルーツの香りが顔を出します。その飲み口は、アルコールの心地よいアクセントからなめらかなバニラの甘さへと変わり、最後には深みのある余韻が残ります。このウイスキーは、ノンピート特有の繊細さが強調されており、バランスのとれた味わいが魅力です。
オルトモア18年
オルトモア18年は、甘さとスパイスの絶妙な調和が特徴です。 フレッシュなリンゴやクリーミーなバニラの香りが際立ち、オーク樽由来の香りと見事に融合しています。ほろ苦い麦芽の風味に熟成によって得られるリッチなコクが加わり、華やかで洗練された飲みごたえを楽しませてくれます。
オルトモア1989-2007 ウイスキーエクスチェンジ
この特別なボトルは、非常に貴重で入手困難なウイスキーです。ウイスキー・エクスチェンジ社によってリリースされたこの銘柄は、シェリー樽での熟成が施されており、メープルシロップやチョコレート、黒砂糖の甘さが感じられます。プラムやベリーの豊かなフルーティーさも楽しめ、飲むごとに異なる表情を見せてくれます。
オルトモア19年 2015年ボトリング ザ・ウイスキーショップ
こちらのウイスキーは、スペインのリオハワイン樽での後熟成が特徴です。その結果、ミックスフルーツやリンゴ、アプリコットの鮮やかな香りが広がり、シナモンのスパイシーさが加わることで、より奥行きのある味わいに仕上がっています。長いフィニッシュが心地よく、滑らかな飲み口が楽しめる一杯です。
オルトモア25年
最後にご紹介するのはオルトモア25年です。このウイスキーは、長期間の熟成により非常にリッチで深い味わいを実現しています。甘美なトロピカルフルーツや穀物系のスイーツの香りが風味豊かに広がり、バターやバニラ、独特のコクが調和しています。 25年という熟成の賜物は、特別な瞬間にふさわしい一杯です。
これらのオルトモアの銘柄は、それぞれに個性的で魅力的な特徴があり、ウイスキー愛好者にとって選ぶ楽しみを提供します。自分のお気に入りを見つけるために、積極的に試してみることをお勧めします。
4. オルトモアのおすすめの飲み方
オルトモアは、その豊かな風味とフルーティな香りで知られるシングルモルトウイスキーです。ここでは、オルトモアを楽しむためのおすすめの飲み方をご紹介します。
ストレート
オルトモアを真に味わうなら、ストレートでの飲み方が最適です。特に18年ものは、甘味とスパイシーさが際立ち、そのままの風味を堪能できます。香りをゆっくりと楽しみながら、一口一口味わうことで、オルトモアの奥深い魅力を引き出すことができます。この飲み方は、静かな時間の中でリラックスする際にもぴったりです。
ハイボール
ウイスキー初心者や、アルコール度数に敏感な方には、ハイボールをおすすめします。ハイボールは、オルトモアの特長である甘味や華やかさを引き立てます。冷えたソーダと組み合わせることで、爽快感が加わり、食中酒としても楽しまれています。料理との相性も良いので、食事のお供にも最適です。
お酒に強くない方に
もし、お酒に強くない場合やちょっと気になる方は、やはりハイボールが安全な選択です。ソーダで割ることでアルコールの強さが和らぎ、すっきりとした飲み口になります。甘い香りやバニラ感が際立ち、飲みやすさを実感できることでしょう。
ペアリングの提案
オルトモア12年は、料理との相性が非常に良いとの評価が高いです。特に、ハイボールスタイルでサーブすると、料理の風味を一層引き立てることができます。軽いおつまみや甘めのデザート、フルーツともよく合いますので、色々な組み合わせを試してみてはいかがでしょうか。
リラックスしたい時に
リビングでゆったりとした時間を過ごしたい時は、ゆっくりと一杯を楽しむのもいいでしょう。オルトモアのストレートを少量ずつ味わうことで、その独特の香りやコクに浸ることができます。また、時間をかけて飲むことで、変化する風味を感じる楽しみも味わえます。
様々な飲み方を楽しむ
オルトモアは、ストレート、ハイボール、さらに料理とのペアリングなど、多彩な楽しみ方があります。自分に合った飲み方を見つけて、オルトモアの魅力を最大限に引き出してみてください。どのスタイルでも、きっと新たな発見が待っていることでしょう。
5. バーボンやワインの樽で熟成したオルトモアの個性
オルトモアのウイスキーは、その味わいや香りにおいて樽熟成が重要な役割を果たしており、特にバーボン樽やワイン樽での熟成は、その独特な特徴を際立たせる要素となっています。
バーボン樽による風味の特徴
バーボン樽を使用して熟成されたオルトモアウイスキーは、クリーミーな口当たりとともに、バニラの芳しい甘さが楽しめるのが特徴です。また、樽の内側が焦がされていることが、リッチで豊かな味わいを生み出しています。具体的には以下のような風味が感じられます。
- バニラの甘さとトロピカルフルーツ: オルトモア25年のようなバーボン樽熟成のウイスキーでは、
甘いバニラの香りと南国のトロピカルフルーツの風味が調和し、豪華な味わいを提供します。 - バターとビスケットの香り: バーボン樽特有の香りの中には、穀物系のお菓子やバターの芳香があり、デザートと組み合わせると絶妙なマッチングを生み出します。
ワイン樽による影響
オルトモアの中には、ワイン樽で熟成されたものもあり、特にリオハワイン樽によるオルトモア19年などがその代表例です。この熟成方法は、フルーティで洗練された風味をもたらします。
- シナモンとスパイシーな果実: ワイン樽での熟成は、豊かな甘味と同時に、シナモンのスパイシーなノートを引き立てます。これにより、複雑で奥行きのある味わいが生まれます。
- 芳しいワインの香り: リオハ樽で熟成されたオルトモアは、アプリコットジャムやリンゴの香りが際立ち、甘美な果実の香りが楽しめます。
個性的な結びつき
オルトモアのバーボン樽とワイン樽での熟成は、それぞれ異なる風味を引き出しつつ、ウイスキー全体の滑らかさと深いコクを保っています。このため、自分の好みに合った魅力的なスタイルを見つけやすく、多くのウイスキー愛好者にとって、オルトモアは特別な存在となっています。
まとめ
オルトモアは、長年のウイスキー造りの伝統と、スコットランド・スペイサイド地方の優れた自然条件によって生み出される、個性豊かなシングルモルトウイスキーです。ストレートはもちろん、ハイボールやカクテルなど、さまざまな飲み方を楽しめる魅力的な銘柄です。特に、バーボン樽やワイン樽での長期熟成は、オルトモアの香りと味わいに深みと複雑さを与えており、ウイスキーの愛好家を魅了し続けています。オルトモアは、スコットランド ウイスキー文化の代表としての地位を確立しており、これからも変わらぬ品質とユニークな個性を発信し続けるでしょう。
