サントリーローヤルと響の違いは?価格差と味、まずい評価の理由
サントリーローヤルと響JAPANESE HARMONYの違いを比較。価格差は税込で約4,510円、香味の公式説明や受賞歴・表示基準の共通点も解説します。
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。 掲載している商品の価格・在庫は変動するため、最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
この記事で紹介した銘柄:サントリーウイスキー・サントリーオールド 価格と購入先へ ↓
結論:ローヤルと響 JAPANESE HARMONYの違いを一覧で比較
ローヤルと響 JAPANESE HARMONY(以下、響 JH)は、どちらもモルト原酒とグレーン原酒を合わせたブレンデッドウイスキーです。700mlの度数はともに43%で、原材料表示も同じ「モルト、グレーン」です。両者の違いは、構成原酒について公表されている情報の範囲、公式の香味説明、価格の3点に表れます。響は構成原酒の蒸溜所を公表していますが、ローヤルは構成原酒の種類や熟成年数を公表していません。そのため、どちらの原酒の幅が広いかは確認できません。
ローヤルと響 JHの比較表
| 項目 | サントリーローヤル | 響 JAPANESE HARMONY |
|---|---|---|
| 発売 | 1960年(サントリー創業60周年記念) | 2015年3月10日(響ブランドは創業90周年の1989年に発売) |
| 度数(700ml) | 43% | 43% |
| 原材料 | モルト、グレーン | モルト、グレーン |
| 希望小売価格(税別/税込) | 3,900円/4,290円 | 8,000円/8,800円 |
| 実売価格 | 3,300円前後(2026年10月13日時点) | |
| 公式の香味説明 | 甘く華やかな香り、すっきりした余韻 | ローズやライチの香り、ほのかなミズナラの余韻 |
| ジャパニーズウイスキー表示基準 | 適合を明記 | 適合を明記 |
| 2025年ISC | 金賞 | 金賞 |
ローヤルのスリムボトルは、メーカーの商品情報では43%、ブランドページでは40%と表記が分かれています。上の表は700mlの通常ボトルでの比較です。
価格差は「税込同士」でそろえて見る
希望小売価格の差は、税別で4,100円(3,900円と8,000円)です。消費税10%を含めた税込では、4,290円と8,800円で差は4,510円になります。どちらの基準でも、響 JHはローヤルの約2倍の設定です。
実売価格では、この差がさらに開くことがあります。響 JHの実売価格は、希望小売価格の税込8,800円を上回る水準で売られていることがあります。実売価格は販売店、時期、送料の有無で変わります。購入を決める前に、700mlの税込価格と送料込みかどうかを、その時点で確かめてください。希望小売価格で予算を組むと、足りなくなることがあります。実売で比べるときは、ローヤルも税込の実売価格を確認し、税込の実売同士で並べてください。酒販店やバーが売価やボトル1杯の値付けを考える場合も、原価の見積もりは希望小売価格ではなく実勢価格を基準にしないとずれが出ます。
受賞歴と表示基準では差がつかない
2025年のISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)では、両方が金賞を受賞しました。「受賞酒かどうか」は、選ぶ決め手になりません。
日本洋酒酒造組合のジャパニーズウイスキー表示基準にも、両方が適合と明記されています。この基準は業界の自主基準で、主な要件は国内での製造、700L以下の木樽での国内3年以上の貯蔵、国内での瓶詰めなどです。この条件の上でも両者は同じ位置にいます。なお、基準はカラメルによる着色を認めていますが、両銘柄が実際に着色しているかどうかは、公表情報では確認できません。
香りの方向は公式の説明で読み分ける
メーカーの香味説明は、ローヤルを「甘く華やかな香り」とすっきりした余韻、響 JHをローズやライチの香りとほのかなミズナラの余韻としています。ミズナラは日本産のオークで、この余韻はミズナラ樽で熟成した原酒に由来する香りを指します。
飲み比べる手順は次のとおりです。まず、同じ形のテイスティンググラスに同じ量(15〜20ml程度)を注ぎます。ストレートで香りを取ったあと、数滴加水して香りの開き方を比べます。甘さの出方の違いと、花や果実の香りの違いがつかみやすくなることがあります。
- 予算を税込4,000円台に抑えたい、甘く華やかな香りとすっきりした後味を求める:ローヤル
- 贈答で響の名前と価格帯を重視する:響 JH。ただし実売価格は希望小売価格を上回ることがあるため、購入時点の税込の実売価格で予算を組む
- メーカーが特徴に挙げる花や果実の香りとミズナラの余韻を目当てにする:響 JH
年数表記だけから価格差の理由は判断できない
響 JHは、熟成年数を限定せずに原酒をブレンドする**NAS(年数表記なし)**の製品です。年数表記がないので、ラベルから熟成年数と価格の関係は読み取れません。一方で、開発を担当したブレンダーは、響 JHに酒齢20年を超える原酒も含まれると説明しています。ただし、その使用割合は公表されていません。価格差にどれだけ寄与しているかも分かりません。
メーカーは響の構成原酒の拠点として、モルトの山崎・白州、グレーンの知多の3蒸溜所を挙げています。ローヤルの構成原酒は公表されていません。どの蒸溜所のどの樽で熟成した原酒を選んで組み合わせるかという原酒構成は、香味の違いに関わります。しかし、価格差の内訳は公表されていません。価格設定には原酒のほか、需要やブランドの方針も関わり得ます。後半のセクションでは、香味の違いを製法から掘り下げます。
サントリーローヤルとは:1960年からの位置づけと現行の種類、響のラインナップとの対応

ローヤルは、サントリー創業60周年を記念して1960年に発売されたブレンデッドウイスキーです。響はその29年後、創業90周年の1989年に登場しました。サントリーのブレンデッドの序列では、ローヤルは響の一段下、オールドやスペシャルリザーブの一段上に位置します。
メーカー希望小売価格は次のとおりです。
- ローヤル700ml(43%):税別3,900円
- 響 JAPANESE HARMONY 700ml(43%):税別8,000円
響 JAPANESE HARMONYは、実売価格が希望小売価格を上回ることがあります(実売価格は冒頭の比較表を参照)。価格差は希望小売価格で約2倍です。実売での差は、店や時期によって変わります。
| 銘柄 | 位置づけ | 年数表記 | 現状・価格 |
|---|---|---|---|
| 響17年 | 響の年数表記品 | 17年 | 2018年9月以降販売休止 |
| 響 BLENDER'S CHOICE | ワイン樽で後熟した原酒を使う料飲店向け | なし | 主にバー・飲食店で出会う商品 |
| 響 JAPANESE HARMONY | 響の定番。2015年3月10日発売 | なし(NAS) | 現行品。 |
| ローヤル(700ml/スリム) | 響の下の定番ブレンデッド | なし | 現行品。3,300円前後(2026年10月13日時点) |
| スペシャルリザーブ/オールド | ローヤルの下 | — | /1,320円前後(2026年10月13日時点) |
この表のとおり、響17年は販売休止中で、BLENDER'S CHOICEは小売の棚に並ぶことを前提にした商品ではありません。そのため、店頭で実際に比べられる相手は**響 JAPANESE HARMONY(以下、響 JH)**になります。
両者は条件がそろっています。原材料はどちらも「モルト、グレーン」で、度数は43%、年数表記もありません。年数表記がないことは「原酒が若い」ことを意味しません。年数表記は、使った原酒のうち最も若いものの年数です。響 JHは熟成年数を限定せずに原酒を組むと説明されており、その年数を名乗らない設計です。
現行の種類:700mlとスリムボトル
現行品は700mlの通常ボトルとスリムボトルの2種類です。スリムボトルの度数は、サントリーの商品情報では43%、ブランドページでは40%と表記が食い違っています。購入時はボトルのラベルで度数を確かめてください。
3ポイントの差は、同じ比率で炭酸や水で割ったときの仕上がりの濃さに直接響きます。店で定番の比率を決める場合も、実物のラベルを基準にするのが確実です。容量と度数の詳しい比較は、ローヤルスリムボトルの記事で扱っています。
12年・15年・旧ラベルは「市場品」として分ける
ローヤル12年・15年などの年数表記品や旧ラベルは、中古・古酒市場に出回っている品で、現行のラインナップではありません。現行品との味の違いは断定できません。当時の原酒構成に加え、瓶の中で年月を経た影響も重なるためです。
購入するときは、次の3点を確認します。
- 液面が下がっていないか
- キャップ周りに劣化がないか
- 保管状態が説明されているか
ローヤル15年は別記事で詳しく扱っています。
「表示基準に適合」で分かることと分からないこと
サントリーは、ローヤルと響 JHの両方について、日本洋酒酒造組合の「ジャパニーズウイスキー表示基準」に適合すると製品情報で明記しています。主な要件は次の3つです。
- 国内で製造すること
- 700L以下の木樽で、国内で3年以上貯蔵すること
- 国内で瓶詰めすること
これは業界の自主基準で、法令による定義ではありません。スコッチはスコッチウイスキー規則(SWR 2009)という法令で定義されていますが、表示基準はそれとは性格が異なります。海外の知人に贈るときは、「メーカーが基準への適合を明記している」ことが、ジャパニーズウイスキーと説明できる根拠になります。
基準への適合から分かるのは、上の3点を含め、基準の要件を満たしていることです。要件には次のものもあります。
- 原材料:麦芽、穀類、日本国内で採水した水に限り、麦芽は必ず使う
- 蒸溜:糖化・発酵・蒸溜を国内の蒸溜所で行い、留出時のアルコール分は95度未満
- 瓶詰め:瓶詰め時のアルコール分は40度以上
一方で、原酒の比率、ピートの強さ、冷却濾過や着色の有無は、基準への適合からは分かりません。公表もされていません。基準はカラメルの使用を認めていますが、それは実際に着色していることを意味しません。
構成原酒についても差があります。響はモルトの山崎・白州とグレーンの知多の3蒸溜所から成るとメーカーが公表していますが、ローヤルの構成蒸溜所は公表情報では確認できません。
「2022年4月以降の響は中身が変わった」という話題もあります。しかし、発売時期によって中身が変わったことを示すメーカー情報はありません。確認できるのは、メーカーが表示基準への適合を明記しているという事実だけです。飲んだ印象が以前と違うと感じた場合、開栓後の経過日数や提供温度でも香りは変わります。比べるときは、同じ条件で並べて飲むのが確実です。
なぜ味が違うのか:原酒の造り分けと樽から読む香味の由来
響の骨格:3蒸溜所の原酒と釜の造り分け
メーカーが公表している響の構成原酒は、モルトが山崎と白州、グレーンが知多の3蒸溜所のものだ。山崎と白州はそれぞれ8対16基の蒸溜釜を使い分けている。山崎ではバルジ型(胴にくびれのある釜)やストレート型など、形の違う釜を併用する。
釜の形を変える狙いの一つは、還流(立ち上った蒸気が釜の上部で冷えて液体に戻り、釜の中へ落ちる現象)の量を調整することだ。一般的な傾向として、バルジ型はくびれで蒸気の流れが変わり、還流が増えやすい。銅と触れる時間も長くなるため、軽く繊細な原酒になりやすいとされる。ストレート型は還流が比較的少なく、厚みのある原酒が残りやすいとされる。
ただし、原酒の軽重は釜の胴の形だけでは決まらない。加熱の強さ、釜への充填量、ネックの高さ、ラインアーム(釜の頭から冷却器へ延びる管)の角度、冷却器の方式と温度も関わる。ミドルカット(製品として取り分ける蒸溜液の範囲)の幅も重なって決まる。これらの条件を組み合わせて変えれば、一つの蒸溜所で性格の異なる原酒を並行して造れる。サントリーが公表しているのは、山崎・白州で形の異なる釜を使い分けていることまでだ。響 JHにどの釜で造った原酒が使われているかは特定できない。
知多はトウモロコシを主原料とし、連続式蒸溜機でクリーン・ミディアム・ヘビーの3タイプのグレーン原酒を造り分ける。グレーンは量を増やすためだけの原酒ではなく、ブレンドの骨格を担う。軽いタイプはモルトの香りを邪魔せずに口当たりを滑らかにし、成分を多く残した重いタイプは甘さと舌の上の厚みを支える。同じモルトを使っても、どのグレーンを組み合わせるかで飲み口は変わる。
ミズナラ、ローズ、ライチの香りの由来
メーカーは響 JAPANESE HARMONYの特徴として、ローズやライチの香りと、ほのかなミズナラの余韻を挙げる。ミズナラは日本産のオーク材で、この樽で熟成した原酒は白檀や伽羅にたとえられる香木調の香りを帯びる。この香りは注いだ直後の立ち香よりも、飲み込んだ後に現れやすい。だから「余韻」と表現される。
華やかな果実香や花の香りの由来としては、一般に発酵・蒸溜・樽の各工程が挙げられる。果実や花に似た香り成分であるエステルは、発酵条件の影響を受ける。酵母の種類、発酵温度、麦汁の状態、発酵後の扱いによって、生成する量や組成は変わる。蒸溜での還流やカットの取り方、樽の種類と使用履歴も香りの出方に関わる。
製品について、開発を担当したブレンダーは、響 JHにおけるグレーン原酒と山崎のミズナラ樽原酒の役割を説明している。酒齢20年を超える原酒も含まれるとしている。ただし響の配合比は非公表で、どの原酒がローズやライチの香りを担っているかは特定できない。
ローヤルについて公表されていること、されていないこと
メーカーの説明では、ローヤルの香味は「甘く華やかな香り」とすっきりした余韻だ。キーモルトを特定の蒸溜所とする言い方も見かけるが、ローヤルの構成蒸溜所は公表されていない。
| 項目 | ローヤル | 響 JAPANESE HARMONY |
|---|---|---|
| 構成蒸溜所 | 未公表 | 山崎・白州・知多 |
| ピートの強さ(フェノール値ppm) | 未公表 | 未公表 |
| モルトとグレーンの比率 | 未公表 | 未公表 |
| 冷却濾過の有無 | 未確認 | 未確認 |
| 着色の有無 | 未確認 | 未確認 |
ジャパニーズウイスキーの表示基準はカラメルの使用を認めている。しかし、認められていることと実際に着色していることは別の話だ。基準に適合しているという事実から、着色の有無は判断できない。
NAS(年数表記なし)は格下の印ではない
ボトルの年数表記は、中に入っている最も若い原酒の熟成年数を示す。20年熟成の原酒が含まれていても、最も若い原酒が12年なら表記は12年になる。NASにはこの制約がないため、若い原酒の勢いと長期熟成原酒の深みを自由に組み合わせられる。原酒の在庫が変動しても香味を安定させやすい設計だ。響 JAPANESE HARMONYは2015年3月10日に発売され、熟成年数を限定せずに原酒をブレンドしている。一方、響17年は2018年9月以降、販売休止が続いている。年数品ほど在庫の影響を受けやすいことの表れだ。年数表記がないことは、品質の序列を意味しない。
白州の設備刷新は現行品の味とは切り離す
白州蒸溜所は2024年9月に施設の刷新を終え、フロアモルティング(床に広げた大麦を手作業で返しながら発芽させる製麦法)と酵母培養の工程を導入した。ジャパニーズウイスキーを名乗るには3年以上の貯蔵が必要なので、新しい工程で造った原酒が製品に使われるのは、早くても2027年秋以降になる。現在店頭に並ぶ響の味を、この刷新と結びつけるのは誤りだ。
自分で飲み比べるなら、両銘柄を同じ形のチューリップ型グラスに15mlずつ注ぐ。まず立ち香を比べ、次に数滴加水して開く香りを確かめ、最後に飲み込んだ後に香木のような余韻が残るかを見る。こうすると、公表された香味説明との違いを確かめやすい。
「ローヤルはまずい」と言われる理由と、評価を自分で確かめる飲み比べの手順

「ローヤルはまずい」と感じる理由は、一つに絞れない。メーカーが特徴に挙げる甘さや、すっきりした余韻が好みに合わないことが考えられる。グラスや温度、割り方といった飲用条件の違いも考えられる。香味そのものへの不満もあり、条件を整えれば誰にでも好ましくなるわけではない。飲む条件によって印象は変わりうるので、条件を分けて試すと、評価が香味によるものか、飲み方によるものかを切り分けやすくなる。
「まずい」と感じやすい5つの条件
- ロックグラスで常温ストレート:口径が広いと香りが散りやすく、43%のエタノールの刺激が先に鼻へ届きやすい。
- 開栓直後:香りが閉じて平板に感じやすい。1杯目だけで判断せず、グラスで数分置いてから嗅ぎ直す。
- 炭酸の入れすぎ:ハイボールで炭酸の割合を増やすほど香りは薄まり、水っぽく感じやすくなる。物足りなく感じる比率は人によって違うので、比率を変えて試す。
- 響と同じ期待値:希望小売価格は税別3,900円と8,000円で、響 JAPANESE HARMONYの実売は前後。同じ43%のブレンデッドでも、響と同じ香りの層の多さを求めると落差が出る。
- 旧ボトルとの混同:古い流通品の評判には、ブレンドの時代差のほか、長年の保管で栓や液面の状態が変わった個体の印象も混ざる。現行品の評価とは分けて読む。
評価が割れる理由
メーカーはローヤルの特徴を「甘く華やかな香り」とすっきりした余韻と説明している。この甘さをストレートで重く感じる人もいれば、厚みと受け取る人もいる。少量の加水で、刺激や香りの感じ方が変わることがある。常温の水を2〜3滴ずつ加え、そのたびに香りと味を確かめて、好みの点を探すとよい。
両銘柄ともモルトとグレーンのブレンデッドだ。響については、山崎・白州のモルト原酒と、知多のグレーン原酒を使うと公表されている。知多蒸溜所では、クリーン・ミディアム・ヘビーの3タイプのグレーン原酒を造り分けている。一方、ローヤルの構成原酒や比率は公表されていない。原酒の産地から味を推測するより、グラスで実際に何が出るかで比べるほうが確実だ。
並べて確かめる飲み比べの手順
チューリップ型のテイスティンググラスを2脚用意し、各15mlを同じ室温で注ぐ。できれば他の人に注いでもらい、銘柄を伏せて始めると先入観を外せる。
- ストレート:鼻を少し離してノージング(香りを嗅ぐこと)をする。次に少量を含んでパレット(口の中での味わい)を見て、飲み込んだ後のフィニッシュ(余韻)の長さを確かめる。銘柄を替える前に、常温の水で口をすすぐ。
- 数滴ずつ加水:スポイトで常温の水を2〜3滴ずつ加え、そのたびにグラスを回して嗅ぐ。香りが開いた時点と、崩れ始めた時点をメモする。
- 1対1のトゥワイスアップ:常温の水で割ると度数はおよそ21.5%になり、刺激に隠れていた甘さの質と余韻の差が見えやすくなることがある。冷えると香りが立たないため、氷は使わない。
見るべき違い
次の表の中央の列は、メーカーの香味説明同士の比較で、試飲の結果ではない。右の列の点を、同じグラス、量、温度、加水量で確かめて判断する。
| 観点 | 公式の香味説明 | 同じ条件で確かめること |
|---|---|---|
| 甘さ | ローヤルは「甘く華やかな香り」。響 JHの説明はローズやライチの香りが中心 | ストレートと加水後で、甘さが重さに感じるか、厚みに感じるか |
| 花・果実香 | 響 JHはローズやライチ。ローヤルは「華やか」 | 立ち香と加水後に、花や果実の香りがどちらにどの程度出るか |
| 口当たり | 両銘柄とも上記の説明には含まれない | 含んだときの厚みとアルコールの刺激、加水後も厚みが残るか |
| 余韻 | ローヤルはすっきりした余韻、響 JHはほのかなミズナラの余韻 | 飲み込んだ後の長さと、白檀や香木にたとえられる香りが残るか |
加水で甘さがほどけて好ましくなったなら、ローヤルそのものより、ストレートという飲み方が合わなかった可能性がある。飲み比べて響の方に花の香りとミズナラ系の余韻を感じ、それを求めるなら、響に価格差を払う理由になる。
開栓後の保管
比較を何回かに分けるなら、保管条件も揃える。液面が下がると空気に触れる面が増え、軽い香りから抜けて印象が変わる。ボトルは立てて置き、直射日光と高温を避ける。コルク栓は液に触れ続けると傷みやすいため、寝かせない。残りが3分の1を切ったら、口元まで満たせる小瓶に移して空気の層を減らす。
ローヤルと響、どちらを選ぶか:用途・予算・相手別の判断基準
両者はともにモルトとグレーンを合わせたブレンデッドで、700ml・43%という仕様も同じです。そのため選ぶときの差は、香味の設計、価格、名前の通りやすさの3点になります。
| 条件 | 選ぶ銘柄 | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| 家で毎日飲む・ハイボール中心 | ローヤル | 希望小売価格は税別3,900円。すっきりした余韻は、ソーダで割って日常的に飲む用途に向く |
| ミズナラの余韻を目当てにする | 響 JAPANESE HARMONY | ほのかなミズナラの余韻は、メーカーが響の特徴として挙げている |
| 税込5,000円前後の贈答 | ローヤル | 希望小売価格は税込4,290円で、予算内に収まる |
| ブランドの知名度を重視する贈答 | 響 JAPANESE HARMONY | 1989年から続く響の名前が伝わりやすい。実売価格は |
| 響の代わりとして選ぶ | ローヤル(条件付き) | 公式説明で重なるのは「華やか」という方向性。ローズ・ライチ・ミズナラの記載は響のみで、響の名前は代わりにならない。同じ条件で飲み比べて判断する |
「響の代わり」になる範囲と限界
メーカーの香味説明同士を比べると、重なるのは「華やか」という方向性です。ローヤルは「甘く華やかな香り」とすっきりした余韻、響 JAPANESE HARMONYはローズやライチの香りとほのかなミズナラの余韻と説明されています。ローズ、ライチ、ミズナラという言葉は、ローヤルの香味説明には出てきません。ただし、これは公式の文言の違いです。ローヤルでその香りを感じないという意味ではありません。2025年のISCでは、両銘柄とも金賞を受賞しています。
代わりになるかどうかは、前の章の「見るべき違い」の表に沿って確かめます。甘さ、花・果実香、口当たり、余韻を、同じ条件で並べて判断してください。ミズナラ由来の香りは繊細で、氷やソーダで薄めると感じ取りにくくなります。飲み比べるならストレートか、常温の水を1対1で加えるトゥワイスアップで確かめます。ハイボールが中心なら、ローヤルで足りると判断しやすくなります。
酒販店・バー向け:1杯あたり原価の出し方
700mlからシングル(30ml)は約23杯取れるので、1杯あたりの原価は仕入れ値÷23で出せます。例として希望小売価格の税込額で仕入れた場合、ローヤル(4,290円)は約186円、響 JAPANESE HARMONY(8,800円)は約383円です。響 JAPANESE HARMONYは実勢価格が希望小売価格を上回ることがあります。仕入れ値は店ごとに違うため、自店の数字に置き換えて計算してください。
- 23杯は正確に量った場合の理論値。テイスティングや注ぎこぼしの分は、杯数を減らして計算し直す
- 売価は原価÷目標原価率で出す。原価率を25%と置くと、上の例ではローヤルは約746円、響 JAPANESE HARMONYは約1,530円が値付けの起点になる
- ハイボールにはソーダ・氷・柑橘の原価を足す。ローヤルをハイボールの主力、響をストレートとトゥワイスアップの単品に分けると、価格差を客に説明しやすい
- メニューに響の名前を載せたい店向けには、ワイン樽で後熟した原酒を使う響 BLENDER’S CHOICEがある。メーカーが料飲店向けに開発した商品
外国人の来客・海外の知人に選ぶとき
メーカーは両銘柄について、日本洋酒酒造組合のジャパニーズウイスキー表示基準に適合すると明記しています。英語では次の要点を伝えます。
- A voluntary industry standard set by the Japan Spirits & Liqueur Makers Association, not a law.
- Produced in Japan, and aged in Japan for at least three years in wooden casks of 700 liters or less.
- Bottled in Japan. No age statement does not mean it is younger than three years.
海外へ発送する場合や持ち込む場合は、相手国の酒類の規制と関税、配送業者が酒類を扱うかどうかを事前に確かめてください。
買うときの注意
- 響 JAPANESE HARMONYは、実売価格が希望小売価格(税別8,000円)を上回っている。極端に安い出品は、700ml・43%であることとラベル表記を確認する
- 響17年などの年数表記品や旧ボトルは、現行品とは別の製品。値上げの経緯は、値上げを扱った別記事にまとめている
よくある疑問
響の代わりにローヤルで満足できる? ハイボールや食事と合わせる用途なら満足しやすいでしょう。一方、メーカーがミズナラの余韻を特徴に挙げているのは響 JAPANESE HARMONYです。ミズナラ系の余韻を求めるなら、同じ条件で飲み比べて確かめてください。
スリムボトルの度数は40%と43%のどちら? メーカーの商品情報では43%、ブランドページでは40%と、表記が分かれています。購入前にボトルのラベルで確かめてください。
響17年は今買える? メーカーは2018年9月以降の販売休止を案内しています。店頭や通販に並ぶのは過去に出荷された在庫です。
ローヤルの旧ボトルや12年は現行品と同じ味? 同じだとみなせる根拠はありません。仕様が別で、旧ボトルは保管状態によって香りが変わっていることもあります。
着色や冷却濾過(低温で濁りの成分を除く工程)はしている? 両銘柄とも公表されていません。表示基準はカラメルの使用を認めていますが、実際に着色しているかどうかは別の問題です。
よくある質問

ローヤルと響はどちらもサントリーのウイスキーですが、位置づけの違いは何ですか?
ローヤルはサントリーウイスキーの中でも上級グレードに位置する銘柄で、国内向けの食中酒・晩酌需要を意識した味わいが特徴です。一方、響はブレンデッドウイスキーの最高峰として世界的に評価される国際的なフラッグシップ銘柄で、価格帯や流通量、海外での知名度に大きな差があります。
ローヤルと響では味わいにどんな違いがありますか?
ローヤルは樽由来の甘い香りとコクのある飲みごたえが特徴で、ロックや水割りなど食事に合わせやすい味わいに仕上がっています。響は複数の原酒を繊細にブレンドし、華やかで奥行きのある香りと滑らかな口当たりを追求しており、ストレートでじっくり楽しむのに向いています。
ローヤルと響、価格差が大きいのはなぜですか?
価格差の内訳は、メーカーから公表されていません。開発を担当したブレンダーは、響 JAPANESE HARMONYに酒齢20年を超える原酒も含まれると説明しています。ただし、その使用割合と、価格差への寄与は不明です。ローヤルの構成原酒も公表されていません。原酒構成は香味の違いに関わりますが、それだけで価格差を説明できる根拠はありません。価格設定には、需要やブランドの方針も関わり得ます。
初めてウイスキーを飲むならローヤルと響どちらがおすすめですか?
気軽に日常使いしたい方や食事と一緒に楽しみたい方にはローヤルが親しみやすくおすすめです。特別な機会にじっくり香りや余韻を味わいたい方や、ウイスキーの奥深さを体感したい方には響が向いており、目的や予算に応じて選び分けると満足度が高まります。
この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。