エクスポートディレクターのエリオット・ヒギンス氏とウイスキー文化研究所代表の土屋 守氏が講師として登壇しました。
【始まりの地】
アルコールと人類の関係は古く、アルコール代謝酵素は霊長類に1千万年前から存在します。
ウイスキーの歴史に関しては、古代の蒸溜技術にまで遡りますが、蒸溜酒の歴史的な記録として、1494年のスコットランドでの「aquavitae」の生産記録が知られています。
この記録はリンドーズ修道院でのもので、当時は修道院などで作られていました。
【歴史が再び動く】
2000年にウイスキーライターのマイケル・ジャクソン氏がリンドーズ修道院を訪れ、その後2001年に「Scotland and its whiskies」という著作を発表し、修道院の歴史的な価値を再発見しました。
その後、2003年にドリュー・マッケンジー・スミス氏が所有者となり、2016年に蒸溜所の建設が始まり、2017年に操業を開始しました。
【特徴的な製法】
リンドーズ・アビー蒸溜所は、ウイスキー造りにおいて特徴的な要素を持っています。それは、蒸溜器の組み合わせと樽の再利用方法です。
蒸溜器の組み合わせは、初溜釜と再溜釜スピリット・スチルの組み合わせで、還流の多さがスピリッツの特性に影響します。
また、樽の再利用方法はSTR(Shaved, Toasted, Re-Charred)と呼ばれ、使用済みの樽を再利用する方法で、これにより異なるウイスキーの風味が生まれます。
【製品の試飲】
リンドーズ・アビー蒸溜所では、さまざまな製品が製造されています。アクアヴィテは、大麦麦芽を使用し、ハーブやスパイス、ドライフルーツを加えて造られるユニークなスピリッツで、その香りと味わいは多彩です。
また、シングルモルトMCDXCIV(1494)は、異なる樽熟成の比率でブレンドされており、バーボン、STRワイン、シェリー樽の風味が調和しています。
【まとめ】
リンドーズ・アビー蒸溜所は歴史的な価値を持つだけでなく、高品質なウイスキーを生産しています。マイケル・ジャクソン氏が巡礼の地と称したように、ウイスキー愛好家にとって訪問と試飲は魅力的な体験でしょう。
ウイスキー文化研究所代表の土屋守氏の解説も参加者に価値ある知識を提供しました。ウイスキーの歴史や製法に興味を持つ方には、リンドーズ・アビー蒸溜所のウイスキーが新たな発見と楽しみを提供することでしょう。
2023年8月24日(木)【HOTERESOnline】
【レポート】始まりの地で生まれるウイスキー:リンドーズ・アビー蒸溜所セミナー