グラス・関連グッズ紹介

家飲みハイボールが美味しくなるグラス12選と選び方

ハイボールの味はグラスで変わります。炭酸の抜け方・液温・口当たりの仕組みから、容量350ml前後・口径6〜7cmの細身タンブラーや真空断熱タイプなど選び方の基準を解説し、おすすめグラス12選と冷やし方や洗い方のコツを紹介します。

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グラスでハイボールの味が変わる理由:炭酸・温度・口当たりの仕組み

迷ったら、容量350ml前後・口径6〜7cmの細身のガラスタンブラーを選び、グラス・氷・ソーダ・ウイスキーをすべて冷やしてから作ってください。保冷を最優先するなら、真空断熱タンブラーを選びます。

グラスが左右するのは、炭酸ガスがどれだけ液中に残るか、液温がどれだけ保たれるか、液体がどう舌に届くかの3点です。どれも物理的に説明できるので、その仕組みからグラスを選ぶ基準を導けます。

炭酸は温度で決まる:4つを冷やす理由

二酸化炭素は、液温が低いほど水に溶けたまま留まります。0℃付近の水に溶ける量は、20℃のときのおよそ2倍です。グラス、氷、ソーダ、ウイスキーのうち1つでもぬるいと、混ぜた瞬間に液温が上がり、溶けきれなくなったガスが泡になって抜けていきます。

ソーダは冷蔵庫の奥で冷やしておきます。ウイスキーは銘柄の性格で冷やし方を分けます。キレを重視するブレンデッドは冷凍庫で冷やしておきます。度数40%前後なら凍りません。香りを取りたいモルトは常温か冷蔵庫にとどめ、グラスと氷で冷やします。冷却濾過(チルフィルトレーション:低温で濾過し、冷やしたときに濁る原因の成分を除く工程)をしていない銘柄は、冷やしたり加水したりすると脂肪酸エステルなどが析出し、白く濁ることがあります。これは製法によるもので、品質の欠陥ではありません。

グラスは冷凍庫に入れるか、氷を入れて回して冷やし、出た水を捨ててから使います。氷が溶けて冷やす力を使うと、その分だけ味が水っぽくなります。ソーダの注ぎ方は、後の「ソーダの注ぎ方と混ぜ方」で説明します。

泡は「傷・繊維・残留物」から出る

グラスの内側から筋のように泡が立ち上るのは、そこに気泡の核があるからです。細かな擦り傷、布巾の繊維、洗剤や油分の残りが核になり、ガスはそこから集中的に抜けていきます。泡がよく立つグラスは見た目が華やかですが、そのぶんソーダの刺激が早く失われます。対策は次の3つです。

  • 研磨剤入りのスポンジやクレンザーを使わない
  • 洗剤はぬるま湯でしっかりすすぎ、伏せて自然乾燥させる
  • 拭くなら毛羽の出ないマイクロファイバーやグラス専用クロスを使う

形:液面が狭いほどガスは逃げにくい

ガスは液面から抜けていきます。同じ300mlでも、口径6cmのグラスの液面は約28cm²、口径9cmのグラスでは約64cm²です。液面の広さが2倍以上違うので、ガスの抜け方にもそのまま差が出ます。背が高く口の狭いタンブラーがハイボールの定番になっているのは、このためです。ロックグラスのように容量に対して口が広い形は、ガスが抜けやすく、氷も空気に触れて溶けやすくなります。

一方、香りは逆の関係になります。ウイスキーは加水で度数が下がると、アルコールに溶け込んでいた香気成分が液面に出やすくなります。1:4で割った状態では、弾けた泡も香りを持ち上げます。口の狭いタンブラーでは、この香りが鼻に届きにくくなります。口が広いグラスは香りを取りやすい代わりに、ガスが抜けやすくなります。刺激を重視するなら細身の筒形、シェリー樽やピーテッドなど香りの強い銘柄を楽しむなら口がやや広めの形を選び、広めの形なら早めに飲み切るのが合理的です。

厚み:口当たりと保冷のトレードオフ

薄手のグラスは唇に当たる縁が細く、液体が広がらずにまっすぐ舌に届きます。そのため、ソーダの刺激と冷たさをはっきり感じます。ただし熱をためる量が小さいので、手の熱や室温で液温が上がりやすくなります。厚手のグラスは熱をためやすく、冷やしておけば保冷を助けますが、室温のまま使うとその熱が液に移ります。割れにくく食洗機でも扱いやすいので、来客用や日常使いに向きます。

タイプ向く場面使い方の要点
薄手・細身一杯をすぐ飲む、刺激を味わう冷蔵庫で冷やし、手で胴を握らない
厚手・筒形ゆっくり飲む、来客・普段使い必ず冷凍庫で冷やしてから使う
真空断熱タンブラー保冷を最優先にする中身が見えないので、注ぐ量は計量して決める

容量は比率から逆算する

グラスいっぱいに氷を詰めても、氷どうしの隙間は氷の形によっておよそ4〜5割残ります。ここでは5割として、必要な容量 ≒ 液量 ÷ 0.5 + 混ぜるための余白で計算します。ウイスキー30mlをソーダ120mlで割ると液量は150mlなので、氷を詰めたグラスには300mlの容量が必要になり、余白を足すと300〜350mlです。隙間が4割に近い小さめの氷を使う場合は、さらに一段大きい容量が要ります。

ウイスキー量(1:4)液量扱いやすい容量
30ml(シングル)150ml300〜350ml
45ml(濃いめ)225ml450ml前後

この表は、氷を縁まで満杯に詰める前提です。氷を減らすなら一段小さい容量でもかまいません。たとえば濃いめでも、氷を控えめにすれば400mlで収まります。

400mlを超えるグラスは、シングルで作ると液面と縁の距離が空き、香りが届きにくくなります。濃いめやダブル、ジョッキで量を飲む場合は例外です。逆に小さすぎると、ソーダを注ぎきれずに比率が崩れます。

ハイボールグラスの選び方:容量・形・素材・厚みの判断基準

ウイスキーのイメージ写真

容量:ダブルと氷多めは一段上げる

前の章の容量表は、シングル(30ml)と濃いめ(45ml)を前提にしています。**ダブル(60ml)**を1:4で割ると液量は300mlになり、同じ計算では氷を詰めたグラスに600mlの容量が必要です。ダブルで作る人には、次の2つの方法があります。1つは、比率を1:3(液量240ml)に寄せ、500ml前後のグラスやジョッキを選ぶ方法です。もう1つは、1:4を守り、保冷力で氷を減らせる真空断熱タンブラーを使う方法です。氷を縁より上まで積む人は、同じ比率でも表の目安より50mlほど大きい容量を選ぶと、ソーダを最後まで注ぎきれます。

形:タンブラー・ジョッキ・コリンズ・目盛り付き

  • タンブラー:底が平らな筒形のグラスです。氷の形を選ばず、洗いやすいので、最初の1客に向きます
  • ジョッキ(取っ手付き):手の熱が胴に伝わりません。厚手で重いものが多く、刺激よりも量を楽しむ飲み方や屋外に向きます
  • コリンズ型:タンブラーより細く、背が高い形です。液面が狭いのでガスが残りやすい反面、大きな氷が入りません。棒状の氷を使うか、氷を小さめに割って使います
  • 目盛り付き:比率を毎回そろえたい人に向きます。まず、目盛りが氷を入れない状態で測った線か、氷を入れた状態の線かを確かめます。氷なしの線なら、ウイスキーの線だけを使い、線まで注いでから氷を入れます。ソーダの線は一度だけ自分で決めます。いつもの量の氷を詰めたグラスにウイスキー30mlと水120mlを注ぎ、そのときの液面の高さに外側からマスキングテープなどで印をつけます。次からは、氷を入れたあとその印までソーダを注げば、1:4になります

素材:見え方・保冷・手入れの比較

素材液色と泡保冷口当たり食洗機注意点
ソーダガラスよく見える標準厚みによって変わる可の製品が多い(表示を確認)急な温度差で割れることがある
薄いガラス(うすはり等)最も澄んで見える低い縁が細く、刺激が鮮明手洗い指定が多い握り込む・重ねると割れやすい
強化ガラスよく見える標準やや厚い対応品が多い縁の傷から、ある時突然粒状に割れることがある
クリスタル(鉛入り)輝きが強い標準縁を薄く仕上げやすい曇りやすく、手洗い向き重い
無鉛クリスタル輝きが強い標準薄手の製品もある製品による鉛入りより軽いものが多い
真空断熱ステンレス見えない非常に高い金属的で、縁がやや厚い製品による香りを確かめにくい
銅見えないすぐ冷えるが、持続しにくい金属の冷たさが唇に来る不可変色しやすい。酸に弱い

うすはり(松徳硝子、下の①参照)は、極めて薄い吹きガラスの代表格です。

真空断熱ステンレス(例:⑨サーモス 真空断熱タンブラー)は、液色と泡の立ち方が見えないため、炭酸の抜け具合を目で判断できません。また、縁が金属なので口当たりが硬く、ウイスキーの香りも鼻に届く前に遮られます。屋外や長時間飲むときは真空断熱、香りを確かめながら飲むときはガラス、と分けて使うのが合理的です。

銅は熱を伝えやすく、注いだ瞬間に胴全体が冷えます。その一方で、手の熱もすぐに液まで伝わります。レモンなど酸を加えるなら、内側がスズめっきなどで覆われた製品を選んでください。

場面別の選び分け

  • 食洗機を使う:強化ガラスかソーダガラスで、「食洗機対応」と表示されたものを選びます。薄いガラス、クリスタル、銅は避けます
  • 子どもがいる:割れにくさを優先するなら真空断熱ステンレスです。強化ガラスは破片が鋭くなりにくい一方、割れると一瞬で細かい粒になって広く飛び散るため、床を素足で歩く家庭では注意が必要です。強化ガラスでも縁が欠けたものは使わないでください
  • 来客に出す:中身が見えるガラスを、同じ形で人数分そろえます。厚手の筒形なら、慣れない人が扱っても割れにくくなります
  • 屋外で飲む:真空断熱ステンレスかジョッキを選びます。ガラスは持ち出しません
  • 贈り物にする:相手の手入れ方法が分からないときは、食洗機に対応した350ml前後のガラスを選ぶと外しにくくなります。食洗機を使わない相手なら、薄いガラスやクリスタルも候補になります

判断の手順

  1. 容量:普段注ぐウイスキーの量(シングル・濃いめ・ダブル)と氷の量から決めます
  2. 素材:液色と泡を見たいならガラス、保冷を優先するなら真空断熱ステンレスを選びます
  3. 厚み:一杯をすぐ飲むなら薄手、ゆっくり飲む・人に出すなら厚手を選びます
  4. 手入れのしやすさ:食洗機を使えるか、研磨剤を使わずに洗える形かを最後に確かめます

家飲みハイボールにおすすめのグラス12選【素材・用途別】

12選は「薄いガラス」「強化・丈夫なガラス」「クリスタル・贈答向け」「真空断熱ステンレス」「目盛り付き・ジョッキ」の5グループに分けています。各グループの最初に、どんな人に向くかを書きました。

12の枠は2種類あります。①③⑥⑦⑨⑩の6つは、メーカーとシリーズ名で指名して買える製品です。残る②④⑤⑧⑪⑫の6つは、同じ条件の製品が各社から出ている「型」で、売り場で何を確かめれば選べるかを書いています。指名できる製品も、同じシリーズの中に容量違いが複数あり、型番が改定されることもあります。表で「表示を確認」としている項目を含め、購入前に商品ページで型番・容量・食洗機対応を確かめてください。

薄いガラス:刺激と冷たさを最優先する人

一杯を10分ほどで飲み切る人や、手洗いが苦にならない人に向きます。

  • ①うすはり タンブラー(松徳硝子):松徳硝子は1922年に電球用ガラスの町工場として創業し、1989年にこのシリーズを発売しました。極めて薄い吹きガラスで、サイズ違いが複数あります。シングルで作るなら300〜350mlの容量のものを選びます。厚みの数値はメーカーの公式な値を確かめられていないため、購入時に商品の表示で確認してください。重ねて収納せず、1客ずつ伏せて置いてください
  • ②**【型】薄手のコリンズ型**:細身で、液面が狭い形です。大きな氷は入らないので、棒状の氷を使う前提で選びます。売り場では、容量が300ml前後あるか、口径が棒状の氷を入れられる幅かを確かめます

強化・丈夫なガラス:毎日使う人、食洗機を使う人、来客用に数をそろえる人

  • ③東洋佐々木ガラス ハードストロング シリーズ:割れにくさを高めたガラスのシリーズで、タンブラーの容量違いが複数あります。シングルなら300〜350ml、濃いめなら450ml前後を選びます。表示容量が満水(縁まで)の値の場合、実際に注げるのは縁から1cmほど下までです
  • ④**【型】業務用の厚手強化タンブラー**:飲食店向けの定番の型は、長く同じ形で売られています。来客用に6客そろえておけば、1客割れても同じ形を買い足せます。「強化」「食洗機対応」の表示と、継続して販売されている型かを確かめます
  • ⑤**【型】口がやや広めの強化ガラスタンブラー**:香りの強い銘柄を日常的に飲む人向けです。口径が広い分だけガスが抜けやすいので、350ml前後の容量で一杯を早めに飲み切る使い方にします

クリスタル・贈答向け:贈り物を探す人、香りの強い銘柄を出す人

  • ⑥カガミクリスタル 江戸切子 タンブラー:光をよく屈折させるクリスタルに切子を施したもので、カット面で液色が際立ちます。鉛の有無と食洗機対応は品番ごとに表示を確かめます。重く曇りやすいものは手洗いで使います
  • ⑦ショット・ツヴィーゼル(無鉛のトリタンクリスタル)のタンブラー:鉛を使わないクリスタルで、輝きがあり、割れや欠けに配慮した素材です。食洗機対応かどうかは製品ごとに確認します
  • ⑧**【型】名入れ対応のペアタンブラー**:記念日の贈り物に向きます。条件は下の「贈り物にするとき」を参照してください

真空断熱ステンレス:屋外で飲む人、長時間かけて飲む人、子どもがいる家庭

  • ⑨サーモス 真空断熱タンブラー:容量違いが複数あり、シングルなら350ml前後、ダブルや氷を多めに入れるならそれより大きい容量を選びます。型番と容量の展開、保冷性能の表記(試験条件と温度)は改定されることがあるため、購入時に公式サイトで現行品を確かめてください。外側が冷えないので結露せず、コースターがいりません
  • ⑩タイガー魔法瓶 真空断熱タンブラー:⑨と同じく、真空層で外側に冷たさが伝わらない構造です。サーモスと比べるときは、同じ容量で縁の厚み、重さ、食洗機対応の表示を見比べます

目盛り付き・ジョッキ:比率をそろえたい人、量を飲む人

  • ⑪**【型】目盛り付きハイボールグラス**:来客に何杯も作るときに、濃さのばらつきを防げます。使い方は前章「形」を参照してください。売り場では、容量と、ウイスキーの線がどの高さ(何ml)に入っているかを確かめます
  • ⑫**【型】取っ手付きジョッキ**:厚手で重く、屋外でも気兼ねなく使えます。ダブルを1:3で作るなら500ml前後を選びます
製品選ぶ容量の目安素材食洗機価格
①うすはり タンブラー300〜350ml薄いソーダガラス表示を確認—
③東洋佐々木ガラス ハードストロング300〜350ml(濃いめは450ml前後)強化ガラス表示を確認—
⑥カガミクリスタル 江戸切子 タンブラー300〜350mlクリスタル(鉛の有無は表示を確認)表示を確認—
⑦ショット・ツヴィーゼル タンブラー300〜350ml無鉛クリスタル表示を確認—
⑨サーモス 真空断熱タンブラー350ml前後〜ステンレス(真空断熱)表示を確認—
⑩タイガー魔法瓶 真空断熱タンブラー350ml前後〜ステンレス(真空断熱)表示を確認—
型選ぶ容量の目安素材食洗機
②薄手コリンズ型300ml前後薄いガラス手洗い向き
④業務用厚手強化タンブラー350〜450ml強化ガラス対応品が多い
⑤口がやや広めの強化ガラス350ml前後強化ガラス対応品が多い
⑧名入れペアタンブラー350ml前後製品による製品による
⑪目盛り付きグラス350〜450mlガラス製品による
⑫ジョッキ500ml前後厚手ガラス対応品が多い

贈り物にするとき

  • 名入れ:彫刻したあとは、返品や交換ができない場合があります。容量と食洗機対応を確かめてから注文してください。薄いガラスは、名入れに対応していない商品もあります
  • ペアセット:同じ形の2客にするのが基本です。屋外でも飲む相手なら、ガラス1客と真空断熱1客を組み合わせる選び方もあります
  • 箱:化粧箱が付くか、配送用の仕切りがあるかを確かめます。うすはりのような薄いガラスは、仕切り付きの箱に入った商品を選ぶと、届いたときに割れているおそれが減ります

グラスの実力を引き出す氷・比率・注ぎ方:失敗しやすい点と正しい手順

ウイスキーのイメージ写真

グラスを選んでも、作り方で炭酸を逃がせば差は出ません。ここでは比率と手順を固定し、そのうえで失敗の原因を一つずつ外していきます。

基準の比率と手順

基準の比率は、サントリーが角瓶のハイボールで示しているウイスキー1:ソーダ4です。度数40%のウイスキーをシングル30mlで使うならソーダは120mlで、度数は計算上およそ8%になります。これは氷が溶ける分を含まない値で、実際はさらに下がります。基本の手順は次の流れです。

  1. グラスに氷を縁まで満たし、マドラーで回してグラスを冷やす。溶けた水は捨てる
  2. ウイスキーを注ぎ、マドラーで氷ごと十数回混ぜて、ウイスキー自体を冷やす
  3. 混ぜて減った分の氷を足す
  4. 冷えたソーダを、氷に当てないようグラスの内壁に沿わせて注ぐ
  5. マドラーで縦に1回だけ混ぜる

ウイスキーを冷凍庫で冷やしている場合は、2の混ぜる回数を減らせます。レモンは手順に含めない任意の工程です。入れるなら最後に数滴だけ搾り、皮はグラスの上でひねって香りを移す程度にします(下の失敗表のとおり)。

比率を毎回そろえるには、ウイスキーはメジャーカップ(ジガー)で量ります。ソーダは、いつもの量の氷を詰めたグラスにウイスキー30mlと水120mlを注ぎ、そのときの液面の高さを覚えておく(またはマスキングテープで外側に印をつける)と、次から量らずに注げます。度数46%前後の銘柄を同じ1:4で割ると、仕上がりは9%台になります。軽く飲みたいときは、ウイスキーを25mlに減らします。ソーダを増やすと、グラスの容量が足りなくなるためです。

冷凍庫で冷やすときの注意

冷凍庫から出したグラスは、表面にすぐ霜がつきます。内側の霜は溶けて水になり、液を薄めます。そのうえ霜の粒が気泡の核になるので、注いだ直後に泡が噴き上がります。出したらすぐに氷を入れ、内側の霜を氷で一度なでて水を捨ててから使います。

急な温度変化で割れやすいので、ガラスの種類で冷やし方を分けます。

  • 薄いガラス:冷蔵庫で冷やす。冷凍庫から出してすぐ湯で洗わない
  • 厚手のガラス・強化ガラス:冷凍庫で冷やしてよい。ただし洗ったばかりの温かいものは入れない

氷は透明なものを、少し置いてから使う

市販のロックアイスは、時間をかけて凍らせるため空気を抱き込まず、硬く透明です。家庭の製氷機の氷は中心が白く濁っています。これは急速に凍って空気と不純物が閉じ込められたもので、溶けやすいうえ、表面の凹凸から泡が出てガスが抜けます。

冷凍庫から出したばかりの氷は、表面に霜がついています。また、注いだ液との温度差でひびが入り、割れた面からも泡が出ます。袋から出して1〜2分置き、表面がうっすら濡れてから使います。氷は縁の高さまで詰め、液面から氷が少し顔を出す量にします。

ソーダの注ぎ方と混ぜ方

ソーダは開けたらすぐ注ぎます。ボトルの口をグラスの内側の縁に当て、内壁に沿わせて流します。氷の上から落とすと、氷の表面でガスが一気に抜けます。混ぜるときは、マドラーを壁沿いに底まで差し込み、氷ごと1回持ち上げて戻すだけにします。ウイスキーは底に、ソーダは上にたまっているので、この1回で上下が入れ替わります。ぐるぐる回すと、氷と液がこすれてガスが抜けます。

よくある失敗と原因

失敗起きること直し方
常温のソーダを使う液温が上がり、注いだ直後からガスが抜ける。冷やすために氷が溶けて薄まるソーダは冷蔵庫で冷やしておく。買い置きは前日から冷やす
氷が少なく液面が露出する氷が液に浮いて溶けやすくなり、液温が上がる縁の高さまで氷を詰め、溶けて沈んだら足す
レモンを入れすぎる皮の油分と果肉のくずが気泡の核になり、泡が噴く。酸味でウイスキーの香りも隠れる搾るのは数滴にとどめる。皮はグラスの上でひねって香りを移す程度にし、入れない
洗剤の残り・布巾の繊維内壁に泡が筋状につき、刺激が早く消える下の手入れ方法で洗い直す

手入れの要点

洗えているかは、冷えた水かソーダを注いで確かめられます。泡が壁の決まった位置から筋になって立つなら、そこに残留物があります。

薄いグラスは、食洗機に入れる前に対応しているかを商品の表示で確認します。対応していないものを入れると、水流でグラスどうしがぶつかって割れます。また、高温の洗浄を繰り返すと表面が白く曇ります。対応品であっても、ほかの食器と接しない位置に置いてください。

グラスに合わせて選ぶウイスキーと、2026年の缶ハイボール事情

グラスの性格に合わせてウイスキーを選ぶ

薄いガラスは香りと刺激をそのまま伝えますが、保冷力は低めです。そのため、香りが繊細で、温度が少し上がっても崩れない銘柄が合います。真空断熱ステンレスは香りが鼻に届きにくい代わりに、冷たさとガスを長く保ちます。こちらは、冷えたときのキレが持ち味のブレンデッドやカナディアンが合います。口がやや広めのガラスは、香りの強い銘柄に使います。

グラス合う銘柄の例理由
薄いガラス・細身グレンフィディック 12年洋梨や青りんごのような果実香がある、スペイサイドの軽快なモルト。冷たさで香りが閉じきらず、薄い縁から鮮明に届く
真空断熱ステンレスカティサーク、カナディアンクラブグレーン主体で軽く、香りより冷たさとキレで飲むタイプ。見えなくても損が少ない
厚手の強化ガラス・筒形キリン 陸穀物の甘さが冷えても残り、日常使いで量を飲む場面に向く
口がやや広めのガラスアードベッグ 10年、キリン 富士山麓 シグニチャーブレンドピートや樽由来の香りを立たせて取る。ガスが抜けやすいので早めに飲み切る

スモーキーな香りがソーダに負けない理由

アードベッグ 10年のようなピーテッドモルトの香りの出発点は、製麦の段階にあります。発芽させた大麦を乾燥させるとき、キルン(乾燥炉)でピートを焚きます。その煙に含まれるフェノール類が麦芽の表面に吸着します。麦芽にどれだけ吸わせたかはフェノール値(ppm)で示され、アードベッグの麦芽は55ppm前後とされています。ただし、ppmは麦芽段階の値で、製麦業者に発注するときの仕様です。測定法(比色法とHPLC法)によっても数値が変わります。蒸溜を経たニューメイク(蒸溜直後の原酒)では、フェノールは麦芽の値から大きく減ります。

最終的な煙たさを決めるのは、その後の工程です。フェノール類は蒸溜の後半に多く出てくるため、ミドルカット(製品に使う中留部分)を後半まで取るほど多く残ります。蒸溜器の形やラインアームの角度で還流(蒸気が冷えて釜に戻ること)が強いほど、重い成分は残りにくくなります。さらに、樽の種類と熟成年数によって、フェノールの感じ方は変わります。

グアイアコールやクレゾールといったフェノール類は、ごく低い濃度でも鼻が感じ取れる成分です。そのため、1:4で割った状態でも香りがはっきり残ります。加えて、ソーダの泡が香りを液面に運びます。アードベッグ 10年のような46%の銘柄は、1:4で割っても9%台にとどまるため、香りを取りやすくなります。

「ジャパニーズウイスキー」表示を選ぶ目安にする

この表示基準は日本洋酒酒造組合が自主的に定めたもので、法律ではありません。2021年2月に発表され、経過措置を経て2024年4月に本格施行されました。組合は、国税庁による地理的表示(GI)指定を目指しています。主な要件は次のとおりです。

  • 原料に麦芽を必ず使う(麦芽以外の穀類も使用可)。日本国内で採水された水を使う
  • 糖化・発酵・蒸溜を、日本国内の蒸溜所で行う
  • 700L以下の木樽で、日本国内で3年以上熟成する
  • 日本国内で瓶詰めし、度数は40%以上(カラメル着色は可)

国産原酒だけで造られたものを選びたいときは、ラベルの表示を確かめます。輸入原酒を使ったブレンドは、味が良くてもこの表示はできません。

2026年の缶ハイボールと、グラスへの移し方

  • キリン 陸ハイボール:度数6%。2026年8月25日から通年販売。富士御殿場蒸溜所の原酒を主体にブレンドした「陸」を使用

缶の中身は、すでに設計どおりの比率で割られています。薄まりを嫌って氷を減らすと、かえって液温が上がってガスが抜け、残った氷1個あたりもよく溶けます。缶でも、グラスと缶を両方よく冷やし、透明な氷を縁まで詰め、缶の口をグラスの内壁に当てて沿わせるように注ぎます。どうしても薄まりを避けたいなら、氷を入れずに、冷凍庫で冷やした厚手のグラスへ注ぎ、早めに飲み切る方法もあります。香りを確かめたい銘柄は、薄いガラスに移すと缶から直接飲むより香りがはっきりします。

出典・参考にした情報

ウイスキーのイメージ写真

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。