200年の歴史を持つ木内酒造は、地元産の穀物を活用したウイスキー製造を拡大しています。今年は穀物生産者の確保が課題ではありますが、小麦やコメを用いたウイスキーの販売を予定しており、茨城県をウイスキー造りの中心地にするとの意気込みを見せています。
同社は、2020年に筑波山麓の石岡市須釜にある「八郷蒸溜所」を稼働開始しました。この蒸溜所では年間30万リットルのウイスキーを生産でき、約4千本の木製樽に詰められたウイスキーが保管されています。
1823年創業の木内酒造は、2016年にウイスキー製造に参入し、醸造、蒸留、貯蔵という一連の工程を自社施設で行っています。今年6月には、精麦工場を稼働開始し、国産の麦から製造した麦芽をウイスキー製造に用いる予定です。
ウイスキー製造の課題として、木内社長は「必要な量の麦の確保」を挙げています。現在は那珂市の農家と契約して小麦と大麦を栽培していますが、今後は県内各地の生産者と連携し、地元産の麦やコメを使ったウイスキー製造を推進することが目標です。
同社は昨年、初のボトルウイスキー「日の丸ウイスキーブレンデッドニューボーン2022」を販売し、高い評価を得ました。既に「菊盛」や「常陸野ネストビール」で知られる同社ですが、ウイスキーでも世界的な認知度を目指しています。そのためには「日本独自のウイスキーの製造」が重要であり、地元の穀物の活用が大前提となると木内社長は述べています。
ウイスキーは穀物を発酵・蒸留し、木製樽で熟成させることで特有の風味や色を出します。穀物の種類や熟成期間、樽の材質などがウイスキーの風味を大きく左右します。木内酒造は、地元茨城県産の小麦やコメを主成分に、自社施設での一貫製造を行うことで、その風味の独自性と品質の高さを確保しています。
また、ウイスキーメーカーは地域の特性を活かした製品作りが求められます。木内酒造は、地元産の穀物を使用することで、地元の気候や風土が育んだ穀物の特性を活かしたウイスキー造りを進めています。これにより、「地元産」の魅力を伝えるとともに、世界市場での競争力を強化することができます。
木内酒造はウイスキー業界に新たな風を吹き込むことを目指しています。今後の動向に注目していきましょう。