三島発:新蒸留所『ウオータードラゴン』の挑戦【あなたの静岡新聞】

新たにウイスキー蒸留所「ディスティラリーウオータードラゴン」が三島市大社町の国登録有形文化財「懐古堂ムラカミ屋」を改装して立ち上げられました。バーボンウイスキーの製造販売を手がける「Whiskey&Co.」(東京)が設立したこの蒸留所では、14日に蒸留器の火入れ式が行われ、2~3年後の商品化に向けたウイスキーの製造がスタート。このウイスキーは三島の地でしか購入できない限定商品となる予定です。

製造されるウイスキーは、関東大震災直後に建てられた旧洋品店のムラカミ屋で蒸留され、その後市内各地に保管されます。ウイスキーが眠る街、三島市の風景を想像すると、非常にロマンチックな画像が浮かびます。また、蒸留所にはバーも併設され、「ムーンシャイン」と呼ばれる熟成前の透明なウイスキーも提供される予定です。

火入れ式では、世界的ダンサーのケント・モリさんがパフォーマンスを披露し、門出を祝いました。大森章平社長は「蒸留所と三島を世界に発信していきたい」と挨拶しました。ウイスキーは、その製造過程から味わい、香り、そしてその背景にある文化や歴史まで、全てが一体となった芸術作品とも言えます。この新しい蒸留所が、三島市の魅力を伝える新たな象徴となり、世界中のウイスキーファンを惹きつけることでしょう。

「ディスティラリーウオータードラゴン」は、その名が示す通り、三島の街並みを流れる川から水の竜をイメージした名前です。地元の水はウイスキーの品質に大きな影響を与えます。その独特な特性が最終的なウイスキーの風味を形成し、三島特有のウイスキーを生み出します。

ウイスキー蒸留所の存在は、地域の特産品を生み出すだけでなく、観光資源となり、地域経済の活性化に寄与します。ウイスキー愛好家は、製造過程を見学したり、試飲したりするために訪れます。そして地元の産品を購入することで地元経済に貢献します。これらの訪問者は、三島の魅力を広く伝える大切な役割を果たします。

さらに、ウイスキーの製造は長期間にわたる熟成が必要であり、その間に地元の風土が深く反映されます。これにより、その地域特有の風味と品質が形成されます。この新しい蒸留所が、三島市の特色と美しい風景を生かし、世界に誇れるウイスキーを生み出すことを期待します。

今後の「ディスティラリーウオータードラゴン」の成功が、三島市だけでなく、日本全体のウイスキー産業の発展に寄与することを願います。ウイスキー製造の伝統と革新が融合したこの新たな試みが、新たなウイスキー文化を創造する一石となることでしょう。

2023年5月14日(日)「あなたの静岡新聞」
三島発のウイスキー作りスタート 蒸留器に火入れ
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1240081.html

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