GTRウイスキー販売、中国市場の回復待望【The Spirits Business】

IWSR Drinks Market Analysisによると、昨年、グローバル旅行小売(GTR)におけるウイスキーの販売量は77%増加し、2023年にはさらに16%増加すると予測されています。

ウイスキーとシャンパンが将来のGTRチャネルの復興を牽引するとIWSRは予測しています。しかし、完全な回復は高いインフレと経済的な懸念、さらにはウクライナの戦争などから短期的には困難であると分析されています。それでも、GTRウイスキーの販売量は2023年から2027年の間に年間複合成長率(CAGR)8%を記録すると予測されています。

“2022年、ウイスキーが販売回復のキーとなり、特に米国ウイスキーが米国での高いパフォーマンスを受けて利益を上げた”と、IWSRのGTRインサイト担当責任者、Jairo Lopez Suarez氏は述べています。しかし、スコッチのブレンデッドウイスキーやモルトウイスキーは深刻な落ち込みから成長を見せたものの、前危機レベルにはまだ遠く、それぞれマルトが-22%、ブレンドが-26%となっています。

また、IWSRはジンがチャネル内のスピリッツ回復を主導し、アガベベースのスピリッツは2019年レベルを2022年に上回ったと指摘しました。一方で、ブランデーとコニャックの回復はあまり明るくなく、後者は米国の需給緩和と中国人旅行者の減少により打撃を受けています。

GTRチャネルの一般的な回復は中国人旅行者の帰還に依存していると、IWSRは指摘しています。中国人消費者に対するパンデミック制限が2023年初頭に緩和されて以来、GTRチャネルは国際旅行が増えるのを待っています。

また、高価なセグメントに対する注目度が低下する中で、2022年に減少を記録した免税ショッピングエリアの海南は、2024年には回復すると予想されています。これは、中国の膨張する中産階級の規模と成長、海南を旅行先として採用する傾向が、中国人が国際旅行を再開することで補填されると信じられているからです。

最後に、IWSRはブランドの活性化が高級客向けに「再想像」されるというトレンドを挙げています。その一部として、「GTR環境での単独のブティック、ショップ・イン・ショップのコンセプト、ポップアップ、非飲料の高級ブランドとのタイインなどは、高級飲料愛好家だけでなく、ファッション、アクセサリー、化粧品などを求める一般的な高級ショッパーを狙うブランドオーナーの目指す方向を示しています」とSuarez氏は述べています。

2023年7月11日 The Spirits Business
Whisky to drive GTR recovery
https://www.thespiritsbusiness.com/2023/07/whisky-to-drive-gtr-recovery/

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