ウイスキーが投資対象として魅力的な理由は、これが他のアルコール飲料とは本質的に異なる点にあります。まず大きな理由として、ウイスキーは保管が楽なことが挙げられます。ワインとは異なり、ウイスキーは瓶詰め後に熟成させる必要はありません。ウイスキーは瓶の中ではなく、樽の中で熟成するのです。また瓶詰めの後も、セラーのような特別な環境で保管する必要も、ウイスキーにはありません。瓶が正しく保管されていれば、ボトルの状態によって価値が変わることもありますが、非常に高価なウイスキーでも品質を保つことができるのです。
また、ウイスキーが投資家の関心を集めているもう一つの理由は、その市場の急速な拡大です。特に東アジア、とりわけ中国では、ウイスキーは富裕層を中心に人気があります。ウイスキーは中華圏では依然として高級品であり、洗練と社会的地位のシンボルと見なされているからです。したがって、富裕層の増加により、中華圏ではウイスキーの需要が大きく増加しています。しかし、ウイスキーの製造には非常に時間がかかるため、需要の速さに供給が追いつくことができていません。これもまた、ウイスキーの価値を高めることにつながっています。
最後に投資家にとって、ウイスキーは分散投資の対象としても人気が出てきています。チェイス・ド・ヴェールのアドバイザーであるパトリック・コノリー氏は、「投資ポートフォリオのリスクを分散させることは重要であり、ウイスキーは興味深い選択肢です」と述べています。つまり、将来的に資産を確実に作りたいのであれば、投資対象は複数にすべきであるし、その中には安定した収入をもたらす対象をもつべきであると、氏は述べているのです。そしてその安定した投資対象として、これにより、より多くの人々がウイスキーに注目すべきだというのが、氏の意見です。
そして、投資対象としてとくに注目されるのがジャパニーズ・ウイスキーです。ジャパニーズウイスキーは、年々二桁の値上がりを示しています。希少なヴィンテージ・ウイスキー市場では、スコッチが依然として圧倒的な強さを誇っていますが、ジャパニーズ・ウイスキーはそれに引けを取りません。スコッチウイスキーの真の競争相手となっているのは、ジャパニーズウイスキーのみと言ってもいいでしょう。
2016年3月14日(月)「dekantà」
Japanese Whisky Investing?
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