ジャパニーズウイスキーの人気と高騰の理由【A4studio】

日本最大級のウイスキー情報総合サイト「Dear WHISKY」の編集部員である牧尾友裕氏は、ジャパニーズウイスキーの高騰の背景には、とくに外国人の間でのその人気の高まりがあるといいます。その主な理由は次の3点です。まず最初に、類をみないほど繊細な味わいや香り、次に経済情勢の影響、そして需要と供給のバランスの問題です。実際、日本産のウイスキーは高騰しています。その人気の高まりは驚くべきもので、限定発売された「マルスモルト ル・パピヨン 小松孝英エディション」の定価は約30万円でしたが、現在はオークションサイトで60万円から70万円のプレミア価格で取引されています。

繊細な味わいと香りが生み出される理由は、日本特有のミズナラという木の存在が大きな要因となっているのです。ウイスキーは木樽で熟成されるため、木の種類によって香りが異なります。戦後間もない頃はミズナラの木樽が主流でしたが、コストの問題から日本でもオーク材を使った製法に切り替えられました。しかし近年は、あえて高価なミズナラを使ったウイスキー蒸溜所があらわれました。そしてその風味が、特に海外のウイスキーファンを驚かせ、外国人の間で高い人気を集めることになったのです。

ジャパニーズウイスキーのバブルともいえる現象は、昨今の経済情勢も影響していると牧尾氏は述べています。大きな要因として、日本のゼロ金利政策により円安になったことが一因でしょう。海外でジャパニーズウイスキーを購入しようとすると、1本で約1万円は払わなければいけません。しかし為替差の影響で、アメリカドルやユーロを使っている国の人たちは、日本国内では同じ商品を3割から4割安く購入できるのです。欧米にはジャパニーズウイスキーのファンが多いため、彼らがそうした商品をここぞとばかりに購入しているのでしょう。、

さらに、ジャパニーズウイスキーの需要が供給を上回ってしまったことも、価格が高騰しているのも事実です。いまの2つの理由に加え、コロナ禍による巣篭もり需要も追い風となって、ウイスキーの需要は伸びました。しかし、ウイスキーの製造には長い熟成期間が必要であり、生産調整が難しいのです。そのため、需要が増えても供給が追いつかず、市場ではウイスキーの争奪戦が繰り広げられています。特に希少性の高いウイスキーは非常に高価に取引されているのです。なかでもシングル・モルト・ウイスキーはジャパニーズウイスキーの中でも特に評価が高く、世界中で注目を浴びています。

2023年2月22日(水)「A4studio」

外国人が「日本のウイスキー」をこぞって大絶賛している驚きの理由

https://gendai.media/articles/-/106288?imp=0

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