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マッカラン12年 ダブルカスクの定価と購入ガイド|価格改定の推移

マッカラン ダブルカスク12年(700ml)の定価は税別9,900円・税込10,890円。2025年4月の改定内容、税込と税別を揃えた比べ方、定価と売値が違う理由を整理し、購入時の判断基準がわかります。

本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。 掲載している商品の価格・在庫は変動するため、最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

マッカラン ダブルカスク12年の定価は税込10,890円|「税別9,900円」との関係と数字が食い違う理由

ザ・マッカラン ダブルカスク12年(700ml・40%)の希望小売価格は、税別9,900円/税込10,890円です。サントリーのニュースリリースで示された価格で、2025年4月1日出荷分から適用されています。この改定は2024年11月8日に発表され、税込9,944円から10,890円へ約9.5%の値上げでした。2026年4月の改定との関係は、価格改定の時系列の章で扱います。

ネットで見かける数字の正体

数字何の価格か税込にすると今の定価として使えるか
9,900円現行の希望小売価格(税別)10,890円使える
10,890円現行の希望小売価格(税込)—使える
9,040円2025年4月改定前の税別価格9,944円使えない(旧価格)
7,000円2017年3月7日の日本発売時の税別価格(700ml)—使えない(発売時価格)
12,500円(シェリーオーク12年の改定前の税別価格)・14,850円(同じく現行の税込価格。税別13,500円、2025年4月1日出荷分から)シェリーオーク12年の価格。ダブルカスクの価格ではない—使えない(別銘柄)。シェリーオーク12年の価格は4,530円前後

発売時には700mlと同時に350ml(税別3,500円)も出ています。容量違いの別商品なので、700mlの定価と並べて割安・割高を判断しないでください。シェリーオーク12年はダブルカスクと同じ12年表記ですが、別の銘柄です。ダブルカスクはシェリーで味付け(シーズニング)した樽の原酒だけを使い、樽材にはヨーロピアンオークとアメリカンオークの2種類を組み合わせています。香味の違いは、シェリーオーク12年との比較記事で詳しく扱っています。

税別か税込かをそろえて比べる手順

  1. 比べる商品が700ml・40%か確認する。日本の正規品は40%なので、容量と度数が違えば定価比較の対象外とする。
  2. 売値が税込か税別かを確認する。メーカーの希望小売価格は税別で書かれ、販売店は税込で表示することが多い。
  3. 税込表示なら10,890円と、税別表示なら9,900円と比べる。酒類は軽減税率の対象外で消費税は10%なので、税別×1.1が税込になる。
  4. ネット通販では、送料やギフト箱代を含めた総額で比べる。
  5. 酒販店やバーが仕入れ値を比べるときは、税別9,900円を基準にする。

ラベルの新旧は定価比較の基準になりません(新旧ラベルとボトル仕様の判断は「どこで買うか」の章を参照)。

定価より高い店・安い店がある理由

希望小売価格はメーカーが示す目安で、販売店の値付けを縛るものではありません。そのため実際の売値(4,530円前後)は、店によって定価より高いことも安いこともあります。判断の目安は次のとおりです。

  • 税込10,890円を上回る場合:差額が送料込み、ギフト包装、すぐ届く在庫といった内容に見合うかで判断する。「休売」の噂を理由にした上乗せには応じなくてよい(噂の経緯は終売・休売の章を参照)。
  • 税込10,890円を下回る場合:容量・度数・正規品の表示を確かめたうえで、店の値付けとして受け取ってよい。
  • バーの1杯の値付け:1杯原価は「買ったあとの実務」の章の表を参照。これを起点にし、こぼれなどで出る目減りを見込んで値付けする。

価格改定の時系列|2017年の発売から2025年4月の値上げ、2026年4月改定の対象確認まで

ウイスキーのイメージ写真

ザ・マッカラン ダブルカスク12年の国内価格には、押さえるべき節目が3つあります。2017年の発売時、2025年4月の改定、そして混同されやすい2026年4月の改定です。今の店頭価格が高いか安いかを正しく判断するには、どの数字がいつの価格なのかを区別しておく必要があります。

時期出来事700mlの価格判断上の扱い
2017年3月7日日本で発売税別7,000円(350mlは税別3,500円)今の定価ではない
2024年11月8日値上げを発表改定前:税込9,944円(税別約9,040円)発表時点では旧価格のまま
2025年4月1日出荷分から価格改定税込10,890円(税別9,900円)、約9.5%増現行の希望小売価格
2026年4月1日出荷分からサントリーが値上げ(主な対象は響・山崎・白州の15品目)ザ・マッカランが対象かは確認できていない「2026年4月に9,900円へ」は2025年改定の数字の取り違え

2025年4月の改定:発表から適用まで約5か月の時差

値上げが発表されたのは2024年11月8日で、適用は2025年4月1日出荷分からでした。価格は税込9,944円から10,890円へ上がり、上げ幅は約9.5%です。「出荷分から」は、メーカーが卸や小売に出荷する時点の価格が変わるという意味で、店頭の値札が4月1日に一斉に変わるわけではありません。改定前に仕入れた在庫を旧価格で売り切る店もあれば、早めに新価格へ寄せる店もあります。そのため改定の前後には、同じボトルでも店によって価格に差が出ました。

バーのシングル30mlの1杯原価(ml単価×注ぐ量)は、税込10,890円なら約467円、旧価格の9,944円なら約426円で、差は1杯約40円です。メニュー価格は、旧価格で仕入れた在庫が切れる時点で見直すのが合理的です。杯数と原価の一覧は「買ったあとの実務」の章にまとめています。

2026年4月の値上げ:マッカランが対象かは確認できない

サントリーは2026年4月1日出荷分からの値上げを発表しました。主な対象として示されたウイスキーは「響」「山崎」「白州」の15品目です。ザ・マッカランの各品がこの改定の品目一覧に載っているかは、確認できていません。この記事で示している定価は、2025年4月1日出荷分から適用された価格です。購入や仕入れの前に、下の手順で品目一覧を確かめてください。

一方、「2026年4月に9,040円から9,900円(税別)へ値上げ」という記述は、**2025年4月の改定前後の税別価格を、2026年のものと取り違えた誤りです。**2025年4月以降の定価はすでに税別9,900円なので、2026年4月の改定前の価格が9,040円だったことはありません。もし2026年4月にさらに値上げされていたなら、改定後の価格は9,900円を上回るはずです。

一次情報で最新の定価を確かめる手順

  1. サントリー公式サイトのニュースリリースを開き、「価格改定」「マッカラン」で検索する。国内で扱う輸入洋酒の改定もここで告知される。
  2. 告知は「○年○月○日出荷分より」の形で出る。この日付は店頭価格が切り替わる日ではなく、メーカーが出荷する時点の基準日として読む。
  3. 品目一覧が付いている場合は、「ザ・マッカラン ダブルカスク 12年」の行があるかを確かめる。あわせて容量(700ml/350ml)と、改定前後の価格を確認する。本文に挙がった主な銘柄名だけで判断しないでください。
  4. 価格が税別か税込かを確かめ、比べる相手の価格と表記をそろえる。

旧価格や発売時の価格を基準にしない

税込9,944円は2025年3月までの旧価格、税別7,000円は2017年発売時の価格で、どちらも今の定価ではありません。これを基準にすると、定価どおりに売っている店を「割高」と誤って判断してしまいます。比べる基準は、現行の希望小売価格である税別9,900円/税込10,890円です。

  • 自分用に買う場合:店頭や通販の価格(4,530円前後)を税込10,890円と比べる。上回る分が送料や販売店の上乗せとして妥当な幅かで判断する。
  • 贈り物にする場合:古い値札や販促ページに9,944円や7,000円が残っていても、それは改定前の情報です。予算は定価の税込10,890円を前提に組む。
  • 酒販店・バーで仕入れる場合:見積もりの単価が改定前の水準なら、旧在庫の可能性がある。次回以降の原価は改定後の価格で計算しておく。

どこで買うか|実売価格の相場、正規品の見分け方、新旧ラベルの判断基準

購入先は主に、家電量販店や大手酒販店、ネット通販(モールや専門店)、フリマなどの個人売買の3つです。どこで買う場合も、確かめることは2つあります。定価10,890円(700ml・税込)との差と、正規品かどうかです。ネット通販や価格比較サイトでは税込8,000円台の例もあります。ただし価格は時期によって変わるので、その時点の目安として見てください。現在の参考価格は 4,530円前後 です。

実売価格を3段階に分けて判断する

価格帯目安買ってよいか確認すること
定価割れ10,890円未満(8,000円台の例あり)実績のある通販サイトや量販店なら買ってよい販売元の所在地、輸入者の表示、送料を含めた総額
定価どおり10,890円前後迷わず買ってよい水準箱の有無、新ラベルと旧ラベルのどちらが届くか
プレミア価格10,890円を大きく超える飲むためなら見送る。旧ラベルの収集や、急ぎの贈答に限る上乗せの理由(旧ラベル、箱付き)が商品説明に書かれているか

定価割れの商品には並行輸入品が含まれることがあります。個人出品で極端に安いものは避けてください。開栓されていないか、液面が下がっていないか、高温で保管されていなかったかを確かめられないためです。

正規品の見分け方|裏ラベルで確かめる手順

  1. 裏ラベルの輸入者の表示を見る。国内の正規品は、輸入者がサントリーです。
  2. 度数を見る。日本の正規品は40%です。
  3. 容量を見る。国内の正規品は700mlと350mlです。
  4. 箱の有無と状態を見る。通販では、「箱なし」「箱にへこみあり」が価格に反映されているかを商品説明で確かめる。

並行輸入品は、偽物という意味ではありません。サントリー以外の業者が、海外の市場向けに作られた商品を輸入したものです。そのため、度数や容量が国内の正規品と違うことがあります。必ずラベルの表示で確かめてください。度数が違うと、同じ量を注いでもアルコールの刺激の強さが変わります。加水したときの香りの開き方や、ハイボールにしたときの味の感じ方も変わります。

新ラベルと旧ラベル、ボトル仕様変更の判断

ダブルカスク・シェリーオーク・カラーコレクションのボトルとラベルのデザインは、2025年6月から世界で順に新しくなっています。中身は変わらないとされています。**飲むためなら新旧どちらを選んでもかまいません。**旧ラベルに上乗せ価格を払う価値があるのは、ボトルを揃えたいコレクション目的の場合だけです。なお、ロットごとの色の違いはラベルの新旧とは関係がありません。メーカーは色を「完全に自然な色」としています。着色で色を揃えていないため、樽ごとの差がそのまま液色に出ることがあります。

2026年8月初めにボトルの仕様が変わるという販売店の情報もありますが、サントリーの公式発表は確認されていません。メーカーは終売も発表しておらず、正規品はいまも流通しています。「仕様変更の前に」「なくなる前に」といった売り文句を理由に、急いで買う必要はありません。

贈答用、海外への贈り物、業務用の仕入れ

  • 贈り物には箱付きを選ぶ。箱なしの商品は、贈答に使えないぶん安くなっていると考え、値引き額がそれに見合うかで判断する。
  • 350mlは、相手の好みが分からないときや、少人数の家庭に贈るときに向く。開栓後は瓶の中の空気が増えるほど、揮発しやすい香りから先に抜けていく。小さい瓶のほうが、香りの良いうちに飲み切りやすい。価格は、700mlの半額を基準にml単価で比べる。
  • 海外に住む知人や外国人の取引先に贈る場合は、送り先の国の酒類の輸入規制を事前に確かめる。
  • 酒販店やバーが仕入れる場合は、サントリーの商品を扱う卸や酒販店といった正規の流通ルートを使う。同じロットをまとめて確保しやすく、色や香味のばらつきを抑えられる。1杯の原価の出し方は「買ったあとの実務」の章を参照。注ぐときの誤差や試飲分を見込み、理論上の杯数より少なめに見積もると安全。

なぜこの価格なのか|シェリーシーズニング樽、2種類のオーク、小さなスチルが生むコストと香味

ウイスキーのイメージ写真

マッカラン ダブルカスク12年(700ml・40%)の価格 4,530円前後 には、原価のかかる理由があります。主な要因は、樽の調達とシーズニング、そして原酒を造る設備です。使う原酒はシェリー樽で熟成したものだけで、樽材はヨーロピアンオークとアメリカンオークの2種類です。熟成年数は12年以上です。SWR 2009(スコッチウイスキー規則)では、ラベルの年数は使った原酒のうち最も若いものの年数を指します。つまり「12年」は平均ではなく最低ラインで、12年未満の原酒は入っていません。

「シェリー樽」はシェリーの空き樽ではない

かつてスコッチの「シェリー樽」といえば、シェリーを英国へ運んだ輸送用の樽を再利用したものでした。いまのマッカランの樽は事情が違い、樽材ごとに次のように用意されます。

  • アメリカンオーク:アメリカで育ったオーク材を、スペインで樽に組む。
  • ヨーロピアンオーク:スペイン北部で育ったオーク材を、同じくスペインで樽に組む。

どちらの樽も、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラで辛口のオロロソシェリーを一定期間しみ込ませます。この工程がシーズニング(樽を酒で慣らすこと)です。そのあと樽はスペイサイドの蒸溜所へ運ばれます。ウイスキーを1滴も詰める前に、木材の調達、製樽、シーズニング、輸送に時間がかかり、アメリカンオークは大西洋をまたいで運ばれることになります。この手間と期間が、樽1本ごとの原価にそのまま乗ります。

2種類のオークと公式テイスティングノートの対応

アメリカンオークはバニリンやラクトン(ココナッツのような香りの成分)が出やすく、バニラや柑橘の明るい甘さにつながります。ヨーロピアンオークはタンニンが多く、ドライフルーツやスパイスの重さが出やすい樽材です。この銘柄の香味は、この2つが重なったものとして読み解けます。下の表は製法から見た香味の手がかりで、公式テイスティングノートの引用ではありません。公式ノートの表現はボトルのリニューアルや市場ごとに変わってきたため、照合するときはサントリーの現行の商品ページで確かめてください。

段階探す香味の手がかり結びつく要素
ノージング(香り)バニラ、柑橘、焦がした砂糖のような甘さバニラと柑橘はアメリカンオーク側。焦がした砂糖のような甘さはオロロソで慣らした樽の影響
パレット(味)レーズンなどのドライフルーツ、トフィーのような丸い甘さドライフルーツ系はオロロソとヨーロピアンオーク。丸い甘さはアメリカンオーク
フィニッシュ(余韻)オーク由来の甘さ、穏やかなスパイス木由来の甘さと、ヨーロピアンオークのタンニンによる締まり

グラスに注いだ直後は柑橘とバニラを、空気に触れたあとは奥にあるドライフルーツやスパイスを探してみてください。2種類の樽の構成が確かめやすくなります。

無着色だから、ロットで色が揺れる

色は「完全に自然な色」とされ、カラメルで色を付けていません。SWR 2009は着色料としてプレーンカラメル(E150a)を認めているため、無着色は造り手が選んだ方針です。色の濃さは樽の種類と熟成から生まれます。ボトリングごとに樽の組み合わせが変われば、色もわずかに変わります。

  • 店頭で2本の色が少し違う場合:無着色の銘柄では自然な範囲です。色の差だけで偽物や劣化と判断しないでください
  • 色が濃いほど熟成が長い、とは限りません。樽の種類や使用回数で色は大きく変わります
  • 真贋は色ではなく、販売経路、ラベル、封の状態で確かめます(見分け方は前の章を参照)

2018年の新蒸溜所と「驚くほど小さなスチル」

新蒸溜所は2018年に開業し、建設費は約1億4,000万ポンドです。スチルは36基で、初溜釜12基は各約13,000L、再溜釜24基は各約3,900Lと、スペイサイドのほかの蒸溜所より小型で、「curiously small stills(驚くほど小さなスチル)」と呼ばれています。原酒の性格を決める要因は、次の2点に分けて考えます。

  • 形状:首が短く背の低いスチルでは、蒸気がネックで冷えて釜に戻る還流(リフラックス)が少なくなります。そのため重い成分が原酒に残りやすくなります。
  • ミドルカット:再溜で流れ出る蒸溜液のうち、原酒として取る本留の区間をミドルカットといいます。マッカランはこの区間を非常に狭く取っており、蒸溜所はおよそ16%としています。前溜(最初に出る揮発性の高い部分)と後溜(終盤に出る重く油っぽい部分)を大きく切り捨て、中心の部分だけを原酒にする方法です。

こうして得られる厚みのある原酒は、長いシェリー樽熟成にも負けにくいのが特徴です。小型の釜を36基並べるという構成が、設備投資の大きさを物語っています。

公表されていない項目

麦芽の品種、ピートのフェノール値(ppm)、冷却濾過をしているかどうかは、メーカーの案内では確認できません。そのため推測の数値は書きません。店頭やカウンターで質問されたときは、「無着色は公表されている。冷却濾過の有無は公表されていない」と分けて答えるのが正確です。

年数違いや他シリーズとの味の比較は、飲み比べの別記事で詳しく扱っています。

買ったあとの実務|1杯あたりの原価、注ぎ方と加水、開栓後の保管

1杯あたりの原価|定価10,890円で計算する

定価の税込10,890円を700mlで割ると、1mlあたり約15.6円です。700mlからは、シングル(30ml)で23杯が取れ、10mlが残ります。ダブル(60ml)では11杯が取れ、40mlが残ります。店の仕入れでは消費税を分けて扱うことが多いため、税別9,900円で計算した値も並べます。350mlは発売時の価格しか確かめられていないので、ここでは計算しません。

注ぐ量700mlから取れる杯数1杯の原価(税込10,890円)1杯の原価(税別9,900円)
1ml—約15.6円約14.1円
シングル 30ml23杯約467円約424円
ダブル 60ml11杯約933円約849円

この表は液量だけで出した理論値です。計量のときにこぼれる分、店で味を確かめるための試し注ぎ、瓶の底に残る分は含んでいません。

店で値付けするときの判断

  • 原価率は「1杯の原価÷提供価格」で出す。原価と提供価格は、どちらも税込か、どちらも税別かにそろえる
  • 定価より高く仕入れた場合は、実際の仕入れ値(4,530円前後)で1ml単価を出し直す。定価のまま計算すると、利幅を実際より大きく見積もってしまう
  • 補充しながら売り続ける銘柄は、手元の在庫の値段ではなく、次に仕入れるときの値段で計算する
  • 価格が改定されたときの手順:①メーカーの案内で対象品目と出荷日を確かめる(2026年4月の改定については価格改定の時系列の章を参照)②新しい仕入れ値で1ml単価を出す③目標とする原価率から提供価格を逆算する④旧価格で仕入れた在庫を使い切った時点で、メニューを切り替える

香りを確かめる飲み方と、加水の比率

まず、口のすぼまったチューリップ形のグラスに15〜30mlを注ぎます。最初は鼻を少し離して嗅ぎ、アルコールの刺激を避けます。「なぜこの価格なのか」の章の表にある柑橘、バニラ、ドライフルーツを手がかりに香りを探します。次に、常温の水をスポイトで2〜3滴ずつ加えます。40%は瓶詰めの前にすでに加水された度数で、カスクストレングス(樽出しのまま加水しない度数)より薄める余地が小さいため、数滴でも香りが変わります。一度にまとめて入れず、香りが開いたと感じたところで止めます。

  • トゥワイスアップ(ウイスキー1:常温の水1、氷なし):度数は約20%になる。刺激が和らぎ、柑橘やバニラのように揮発しやすい香りが前に出る。その代わり、口当たりの厚みは減る
  • 水割り(1:2〜2.5、氷あり):度数は約11〜13%。冷えると香りは立ちにくくなるが、レーズンやトフィーのような甘さは穏やかに残り、食事に合わせやすい。氷を入れたグラスにウイスキーを注ぎ、よく混ぜて冷やしてから水を足し、軽く混ぜる
  • ハイボール(1:3〜4):1:3で約10%、1:4で約8%。1:4ではシェリー樽に由来する甘さが薄れやすいので、香りを残したいなら1:3から試す。グラスと氷を冷やし、ウイスキーを混ぜて冷やしてから、ソーダを氷に当てないように静かに注ぐ。最後にマドラーで底から1回持ち上げるだけにし、炭酸を逃がさない

開栓後の保管と、飲み切る目安

ボトルは立てて保管します。度数の高い液がコルクに触れ続けると、コルクが傷んで崩れたり、その匂いが中身に移ったりするためです。直射日光と高温も避けます。温度が上下すると瓶の中の空気が膨らんだり縮んだりして、外の空気と入れ替わります。冷蔵庫に入れる必要はありません。冷やすと香りが閉じてしまいます。

  • 残りが半分以上:栓をしっかり閉めていれば、香りは大きく崩れにくい
  • 残りが半分を切ったら:2〜3か月で飲み切るのを目安にする
  • 残りが3分の1以下:1か月ほどで飲み切るか、小瓶に移して瓶の中の空気を減らす

贈り物として未開栓のまま置いておく場合も、外箱に入れたまま立てて、暗く温度の変化が小さい場所に置きます。長く保管するときは、ときどき液面の高さと、コルクのまわりに漏れやにじみがないかを確かめます。キャップのシュリンク(封の役目を持つ包装)は、渡すまではがさないでください。

終売・休売の噂と、定価で買えないときの選択肢|よくある質問

ウイスキーのイメージ写真

メーカーは終売を発表しておらず、国内正規品(40%)はいまも売られています。「ダブルカスク12年は休売」という話は2022年ごろに酒販店の間で広まった噂がもとで、メーカーの発表は確認できません。噂を理由に、定価の税込10,890円を大きく超える価格で急いで買う必要はありません。

12年シリーズの販売状況

銘柄樽の構成状況
ダブルカスク 12年シェリーをしみ込ませたアメリカンオーク樽とヨーロピアンオーク樽継続販売
シェリーオーク 12年シェリーをしみ込ませたヨーロピアンオーク樽継続販売
トリプルカスク 12年上の2種類のシェリー樽に、バーボン樽を加える休売の公式発表は見当たらない(国内での流通状況は要確認)
ファインオーク 12年シェリー樽とバーボン樽を組み合わせる2020年4月にトリプルカスク12年へ名称・ボトル・パッケージを変更

ファインオーク12年は、2020年にトリプルカスク12年として引き継がれた商品で、単に終売になったわけではありません。ダブルカスク、シェリーオーク、トリプルカスクのいずれについても、サントリーの終売・休売の発表は確認できません。店頭で「マッカラン12年は品薄」と言われたら、まずどの12年の話なのかを確かめてください。

定価より大幅に高い価格しか見つからないとき

急ぎでなければ、正規の入荷を待つのが基本です。代わりの銘柄を選ぶなら、シェリー樽の比率とシェリーの種類を比べます。ダブルカスクはシェリー樽で熟成した原酒だけを使います。樽材はアメリカンオークとヨーロピアンオークで、どちらもドライオロロソ(辛口で酸化熟成させたシェリー)でシーズニングされています(樽の詳細は「なぜこの価格なのか」の章を参照)。

  • アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード(スペイサイド):シェリー樽と伝統的なオーク樽の原酒を合わせます。名前は同じ「ダブルカスク」でも、シェリー樽以外の原酒を含む点がマッカランとの違いです。シェリー由来の重さは控えめなので、軽めの味わいを好む人に向きます。
  • グレンドロナック 12年(ハイランド):オロロソとペドロ・ヒメネス(PX)のシェリー樽で熟成します。PXは極甘口のシェリーで、レーズンや黒蜜のような濃い甘さが出やすくなります。ダブルカスクより重く、甘い方向の味わいです。
  • グレンファークラス 12年(スペイサイド):オロロソシェリー樽で熟成し、直火焚きのスチルで蒸溜します。ファッジやトフィーのような甘さより、ナッツや乾いた樽の香りが前に出やすい銘柄です。

シーズニング樽の仕組みは「なぜこの価格なのか」の章で扱いました。銘柄ごとの差は、シェリーの種類、樽材の種類、ファーストフィル(シェリーを抜いたあと初めてウイスキーを詰める樽)の比率で生まれます。バーで代わりに出すときは、この3点を一言添えて勧めると、注文した客の期待と味の差を埋めやすくなります。

よくある質問

Q. 350mlの今の定価は? 発売時の価格は税別3,500円でした。現在の定価は公式の情報で確認できていません。現在の定価として確かめられているのは700mlの税込10,890円だけです。

Q. Amazonの定価割れ品は正規品? 定価割れというだけで偽物とは言えません。確認するのは次の3点です。販売元と発送元はどこか、裏ラベルにサントリーの輸入者表記があるか、度数が40%か。度数が40%でなければ国内正規品ではありません。

Q. 旧ラベルと新ラベルで味は違う? 2025年6月から世界で順にデザインが切り替わっていますが、中身は変わらないとされています。ただし、熟成した原酒を混ぜ合わせる以上、製造時期による多少の差は出ます。ボトル仕様変更の情報の扱いは「どこで買うか」の章を参照してください。

Q. 2026年にまた値上げされる? 「2026年4月に税別9,040円から9,900円へ値上げ」という説明は、2025年4月改定の数字の取り違えです。2026年4月の改定の対象かどうかは、サントリーのニュースリリースの品目一覧で確かめてください(手順は価格改定の時系列の章)。

Q. 贈り物に向くのは700mlと350mlのどちら? 改まった贈り物や目上の人へは700ml、試しに飲んでもらいたいときや手土産には350mlが向きます。海外へ持っていく場合、液体は機内に持ち込めないことが多いため、預け荷物に入れます。相手の国の持ち込みの決まりも事前に確認してください。

よくある質問

マッカラン12年 ダブルカスクの定価はいくらですか?

700ml・40%の希望小売価格は、2025年4月1日出荷分から税別9,900円(税込10,890円)です。2024年11月8日にサントリーが発表した改定で、それまでの税込9,944円から約9.5%上がりました。350mlの現在の希望小売価格は、公式の情報では確認できていません(発売時は税別3,500円)。店頭価格は、税込表示なら10,890円と比べてください。

マッカラン12年 ダブルカスクはどこで買えますか?

家電量販店や大手酒販店、百貨店の酒売場、ネット通販などで購入できます。国内正規品かどうかは、裏ラベルの輸入者がサントリーか、度数が40%かで確かめます。ネット通販では、送料やギフト箱代を含めた総額を税込10,890円と比べましょう。

マッカラン12年 ダブルカスクが定価より高く売られているのはなぜですか?

価格改定は「2025年4月1日出荷分から」の形で行われたため、改定の直後は旧価格で仕入れた在庫と新価格の商品が店頭で混在しました。また、希望小売価格は販売店の値付けを縛らないため、送料やギフト包装、在庫の確保を理由に上乗せする店もあります。メーカーは終売も休売も発表していないので、「休売」の噂を理由にした上乗せに応じる必要はありません。

マッカラン12年 ダブルカスクを買うとき、偽物や並行輸入品に注意すべき点は?

国内正規品は、裏ラベルの輸入者がサントリーで、度数は40%、容量は700mlか350mlです。並行輸入品は偽物ではなく、海外市場向けの商品をサントリー以外の業者が輸入したもので、度数や容量が違うことがあります。個人出品で極端に安いものは、開栓の有無や液面の低下、保管状態を確かめられないため避けましょう。

この記事で紹介した銘柄

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。