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マッカラン12年 ダブルカスクの定価と購入ガイド|価格改定の推移

マッカラン ダブルカスク12年の現行定価は税別9,900円(税込10,890円)。2017年発売時の7,000円から2025年4月改定までの推移、9,040円との違い、シェリーオーク12年(税別13,500円)との見分け方と購入時の比べ方を解説。

本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。 掲載している商品の価格・在庫は変動するため、最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

ダブルカスク12年の定価は税別9,900円(税込10,890円)|「ザ・マッカラン12年」との違いと数字が食い違う理由

ザ・マッカラン ダブルカスク12年(700ml・40%)の現行希望小売価格は税別9,900円です。 酒類には軽減税率が適用されないため、消費税10%を加えた税込換算は10,890円(9,900×1.10)になります。この価格は2025年4月1日出荷分からの改定で設定されたもので、サントリーの商品ページで確認できます。

9,900円・10,890円・9,040円が混在する3つの理由

  1. 税別と税込の表記差:メーカーの希望小売価格は税別で示され、販売店の多くは税込で表示します。9,900円と10,890円は同じ定価を別の表記で書いたもので、価格に食い違いはありません。
  2. 改定前の数字が残っている:2024年のサントリーの洋酒ギフト資料では、700mlは税別9,040円でした。2025年4月の改定前の数字なので、今の定価として使うことはできません。2017年3月7日の発売時の税別7,000円も同じ扱いです。
  3. 別の商品の価格と混同している:同じ「12年」でも、シェリーオークは別商品です。価格を書き写す段階で取り違えると、ダブルカスクの定価として誤った数字が広まります。

2026年4月改定での変更は確認できません(次章で詳述)。

「ザ・マッカラン12年」はシェリーオークのこと

現在の正式名は「ザ・マッカラン シェリーオーク12年」です。以前は「ザ・マッカラン12年」の名前で売られていたため、通販や店では今もこの名前で表示されることがあります。ダブルカスクとは別の商品で、希望小売価格は**税別13,500円(税込換算14,850円)**です。両者の差は税別で3,600円あります。ボトルや箱に「DOUBLE CASK」の表記があるかどうかで見分けられます。通販で「マッカラン12年」とだけ書かれた商品は、どちらを指しているのか商品名と画像で確かめてください。

目にする数字正体今の定価として使えるか
税別9,900円ダブルカスク12年 700mlの現行希望小売価格使える(仕入れ・業務の比較基準)
税込10,890円上の価格の税込換算使える(店頭・ECの税込価格と比べる基準)
税別9,040円2024年資料のダブルカスク12年の価格(2025年4月改定前)使えない
税別7,000円2017年発売時のダブルカスク12年の価格使えない
税別13,500円/税込14,850円ザ・マッカラン シェリーオーク12年の現行価格ダブルカスクの基準としては使えない

店頭価格は定価と一致しなくてよい

希望小売価格は販売店の売値を縛りません。実際の掲載価格(4,530円前後・2026年10月13日時点)は、店によって定価より高い場合も安い場合もあります。実売価格と送料は次々章の比較表を参照してください。

  • 自宅用・贈答用:送料と箱の有無を含めた総額を、税込10,890円と比べます。
  • 酒販店・バー:見積もりは税別9,900円と比べます。9,040円前後の単価が出てきた場合は、改定前の在庫か、表記の違いを疑ってください。
  • シェリーオークと迷っている場合:まず価格差の税別3,600円を把握します。香味の違いは、ダブルカスクとシェリーオークの比較記事で扱っています。

価格改定の時系列|2017年発売時の税別7,000円から2025年4月の9,900円まで、2026年4月改定の扱い

ウイスキーのイメージ写真

ザ・マッカラン ダブルカスク12年(700ml)の国内希望小売価格のうち、メーカーの一次資料で確かめられる時点は次の4つです。比較しやすいよう、すべて税別でそろえています。

時点根拠となる一次資料希望小売価格(税別)発売時からの上昇
2017年3月7日(日本発売)サントリーの発売告知7,000円―
2024年サントリー洋酒ギフト資料9,040円+2,040円(約29%)
2025年4月1日出荷分からサントリー価格改定告知(対象に明記)・同年の洋酒ギフト資料9,900円+2,900円(約41%)
2026年4月1日出荷分からサントリー価格改定告知商品ページは9,900円のまま変更は確認できない(下記参照)

2025年4月の改定による上げ幅は、9,040円から9,900円への860円で、**約9.5%です。発売時の7,000円からの累計では約41%**上がっています。2017年から2024年の間に何回改定があったか、途中の価格がいくらだったかは、ここに挙げた資料からは確定できません。そのため途中の金額は空欄のままにしています。「毎年上がった」「◯回値上げされた」といった説明は、一次資料に当たれない限り根拠のない推測として扱ってください。

2025年4月改定がバーの原価に与えた影響

改定による1杯あたりの差は約37円(シングル30ml、税別)です。原価の計算方法と早見表は「買ったあとの実務」の章にまとめています。メニュー価格を見直す時期は、旧単価で仕入れた在庫が切れる時点を目安にします。

2026年4月の改定はダブルカスクに及んだのか

2026年4月1日出荷分からのサントリーの改定告知で、主な対象として挙がっているのは「響」「山崎」「白州」です。ダブルカスク12年は主な対象として挙がっていません。また、現行の商品ページは税別9,900円のままです。この告知を根拠に「2026年にダブルカスクも値上げ」と書くことはできません。ネット上で「2026年最新」として流れている値上げ情報は、次の2か所で自分で確かめられます。

  1. サントリーのニュースリリースで価格改定の告知を開き、品目一覧に「ザ・マッカラン ダブルカスク 12年」の行と容量、改定後の価格が載っているかを見ます。見出しや本文に挙がったブランド名だけで判断しないでください。
  2. サントリーの商品ページで、現在表示されている希望小売価格(税別)を確認します。告知と商品ページの価格が一致していれば、それが今の定価です。

ある記事に「9,040円から9,900円へ値上げ」とあって、時期が2026年になっていれば、2025年4月の改定と取り違えています。2026年に値上げがあったのなら、改定後の価格は9,900円を超えているはずです。

値上げ前に買いだめすべきかの判断材料

改定は「出荷分から」適用されます。メーカーから卸や小売への出荷価格が変わるだけで、店頭の値札が同じ日に切り替わるわけではありません。旧単価で仕入れた在庫はしばらく旧価格で並ぶことが多いので、告知が出てから動いても間に合う場合があります。逆に、告知が出ていない段階では、次の改定にダブルカスクが含まれるかどうかは誰にも分かりません。

  • 自宅用:告知が出るまでは、必要な本数だけ買えば十分です。品目一覧に名前が載った時点で、店頭在庫の価格を見て判断します。
  • 贈答用:予算は現行の税込10,890円で組みます。渡す日が改定日の後でも、手元にある在庫の価格は変わりません。
  • 酒販店・バー:告知が出たら、品目一覧で対象かどうかと改定後の単価を確認します。仕入れ先には、改定日前の出荷分をどこまで旧単価で確保できるかを問い合わせます。開栓後のボトルは香りが抜けていくので、店で使い切れる本数を超えて抱えないようにしてください。

どこで買うと総額が安いか|実売価格・送料の比較と、正規品・新旧ラベルの見分け方

前の章で触れたとおり、希望小売価格は売値を縛らないため、店ごとの掲載価格には差があります。通販では掲載価格に送料と箱代を足した総額で比べます。以下の価格はいずれも2026年10月の確認時点のもので、変わることがあります。購入前に各店のページで価格と送料を確かめてください。

購入先(確認日)掲載価格(税込)送料(税込)総額の目安向いている用途
カクヤス・箱入り700ml(2026年10月)9,548円配送地域・条件により異なる9,548円+送料自宅用・店の補充(価格重視)
高島屋オンラインストア(2026年10月)10,890円715円11,605円贈答用(のし・包装・手提げ袋)
価格比較サイト・ふるさと納税掲載ごとに大きく上下掲載ごとに異なる都度計算比較の起点(容量・輸入者の確認が前提)

購入先ごとの向き不向き

  • 酒量販店・EC:総額を最も抑えやすい購入先です。箱の有無で価格が分かれることがあるので、「箱入り」の表記を確かめます。複数本をまとめて買うと送料の負担が1本あたりで薄まるため、酒販店やバーの補充にも向きます。
  • 百貨店:掲載価格は定価どおりのことが多いですが、のし・包装・手提げ袋に対応しています。酒量販店の総額との差(およそ2,000円+送料差)を、のし・包装・手提げ袋の代金として受け入れられるかで判断します。
  • 価格比較サイト・ふるさと納税:掲載の上下が大きいです。最安表示が箱なしや並行輸入品であることもあるので、商品名・容量・輸入者を確かめてから比べます。ふるさと納税は寄付額と返礼品の内容で判断する制度なので、実売価格との単純比較には向きません。
  • シェリーオーク12年を探す場合:同じ購入先で扱われていることが多いです。商品名とラベルに「SHERRY OAK」と「DOUBLE CASK」のどちらがあるかを画像で確かめてから注文します。

正規品の確かめ方|日本語裏ラベルの3点照合

  1. 日本語ラベルの輸入者欄が、国内正規輸入元のサントリーであることを確かめます。並行輸入品にも輸入者が日本語の表示ラベルを貼る義務があるため、日本語ラベルがあることだけでは正規品とは判断できません。見るのは輸入者名です。
  2. 容量700ml、アルコール度数40%、原材料「モルト」の表記がそろっているかを照合します。
  3. 通販では、裏ラベルの画像が載っているかを確かめます。載っていなければ、出品者に問い合わせます。

並行輸入品は偽物ではありません。ただ、海外の市場向けに作られた商品のため、容量・度数・ラベル表記が国内品と違うことがあります。度数が違うと、同じ30mlを注いでもアルコールの量が変わります。加水したときの香りの開き方や、ハイボールにしたときの味の感じ方も変わるため、バーでは国内品と同じレシピで出すのは避けます。

新ラベルと旧ラベル|プレミアム価格を払う理由は乏しい

ザ・マッカランは2025年6月に、ダブルカスク、シェリーオーク、カラーコレクションの新デザインを発表し、世界で順次切り替えを始めました。日本では発表時点で発売時期が示されておらず、新パッケージの紹介は2026年に入ってからで、2026年から新デザインへの切り替えが進んでいます。そのため、国内の店頭や通販では、しばらく旧ラベル品と新ラベル品が並ぶことがあります。メーカーは中身のウイスキーは変わらないと説明しています。飲むために選ぶのであれば、旧ラベルに上乗せ価格を払う理由は、少なくとも中身の面では乏しいといえます。上乗せを受け入れてよいのは、外装をそろえたいコレクション目的に限られます。旧デザインの写真を別商品と取り違えないよう、商品名の「DOUBLE CASK」表記で確かめてください。なお、色の濃淡はラベルの新旧とは関係ありません(「『12年』の意味と、公表されていない仕様」参照)。

定価より大きく安い個人出品・フリマの確認点

個人出品には、開栓済みのもの、中身を詰め替えたもの、液面が下がったもの(目減り)が混ざるリスクがあります。目減りは、コルクの乾燥や高温での保管によって進みます。購入する場合は、次の点を写真や質問で確かめます。

  • 封の状態:キャップシールに破れ・浮き・貼り直しの跡がないか
  • 液面の高さ:新品の液面はネック(首)の付け根付近。そこから下がっていれば目減りを疑う
  • ロット表記:箱と本体の印字が読めるか、箱と中身が別のものでないか
  • 裏ラベル:前述の3点照合ができる画像があるか

このうち1つでも確かめられない場合は、価格がいくら安くても見送るのが安全です。

海外の知人へ贈る場合

酒類を国際発送できるかどうかや、その条件は、運送会社ごとに異なります。受け取る国にも、輸入できる数量・申告・課税の規則があります。発送する前に、利用する運送会社の窓口と相手国の規則の両方を確かめてください。手渡しできる機会があれば、渡航する人が自分で持ち込みの条件を確かめる方法もあります。

なぜダブルカスク12年はこの価格で、この味になるのか|シェリーシーズニング樽・2種のオーク・小型スチルの製法から

ウイスキーのイメージ写真

ダブルカスク12年の味わいは、4つの工程から説明できます。樽の作り方、2種類のオーク、蒸溜器の形と本留の取り方、そして12年以上の熟成です。価格の内訳はメーカーが公表していませんが、ここで扱う樽づくりは、手間と費用のかかる工程として知られています。

シェリーシーズニング樽|「シェリーの空き樽」ではない

「シェリー樽」と聞くと、シェリー酒の熟成や出荷に使い終わった古樽を譲り受けたもの、と考えられがちです。マッカランの樽はこれとは違います。メーカーの説明では、ヨーロピアンオークはスペイン北部、アメリカンオークはアメリカで調達され、木材は屋外で天日乾燥させてから樽材に使われます。樽はシェリーの産地であるスペインのヘレスで組まれ、そこで辛口のオロロソ・シェリーを詰めてなじませます。これをシーズニングと呼びます。製樽の段階では樽の内側を火であぶる工程があり、軽く焼くものをトースト、表面を焦がすものをチャーと呼びますが、マッカランが樽ごとの焼き加減を細かく公表しているわけではありません。

シーズニングを終えた樽からシェリーを抜き、ウイスキーを詰めます。抜いたシェリーはシェリー酒の製品として瓶詰めされるものではなく、目的はあくまで樽材にシェリーの成分をなじませることです。原酒を1滴も詰める前から、木材の調達、乾燥、製樽、シーズニング、輸送、管理の手間が樽1本ごとにかかります。

樽は一度で使い終わるわけではありません。シーズニング後に初めてウイスキーを詰める樽をファーストフィル、2回目以降の樽をリフィルと呼びます。ファーストフィルほどシェリー由来の色と香味が強く出て、使用回数を重ねるほど穏やかになります。ダブルカスクはファーストフィルとリフィルの樽を組み合わせて構成されますが、その比率は公表されていません。全量が新しく組んだ樽で熟成されているわけではない点に注意してください。

なお、シェリー酒をウイスキーに混ぜているわけではありません。国内品の原材料表示は「モルト」だけです。シェリーらしい香りは、シェリーがしみ込んだ木材から長い熟成期間をかけて原酒へ移ったものです。

2種類のオークが受け持つ香味

樽(どちらもシェリーシーズニング)出やすい香味ダブルカスクでの役割
アメリカンオークバニラ、ハチミツ、柑橘のような明るい甘さ香りの立ち上がりと軽やかさ
ヨーロピアンオークドライフルーツ、スパイス、タンニンの厚み中盤の重さと渋みの骨格

ダブルカスクは、この2種類の樽で最低12年間熟成させた原酒を合わせて味を組み立てています。一方、シェリーオーク12年は、メーカーの表現では「シェリーシーズニング樽のみで熟成」で、樽材の比率は示されていません。ヨーロピアンオーク樽は一般に高価とされますが、両者の税別3,600円の価格差の内訳は公表されていません。香りの明るさを取るならダブルカスク、ドライフルーツの濃さを取るならシェリーオーク、というのが選ぶときの目安になります。

小型スピリットスチルと狭いミドルカットが生む原酒

マッカランのスピリットスチル(2回目の蒸溜に使う単式蒸溜器)は、背が低くずんぐりした形の銅製です。2018年に稼働した新蒸溜所には、この小型スピリットスチルが24基あります。ただし、現在流通している12年は、2018年以前に旧蒸溜所で蒸溜された原酒で造られています。両蒸溜所に共通する特徴として、ここでは小型のスチルであることと、還流が少ないことを軸に説明します。

背の高いスチルでは、上昇する蒸気の一部が途中で冷えて液体に戻り、釜へ落ちていきます。これを還流といいます。還流が多いほど、重い成分がふるい落とされて軽い原酒になります。還流の量はスチルの高さだけでなく、ラインアーム(スチル上部から冷却器へ蒸気を送る管)の角度や加熱の強さによっても変わります。背の低いスチルは還流が少ないため、重くオイリーな成分が残りやすくなります。

もう一つの要がミドルカット(蒸溜液のうち製品に回す中間部分)の取り方です。スピリットスチルから流れ出る蒸溜液は、前留・本留・後留に分けられます。マッカランは本留をごく一部に絞り、前留側と後留側を広く切り捨てることで、果実味のある厚い部分だけを集めます。メーカーはこれを「ファイネストカット」と呼び、蒸溜液のうち約16%だけを使うと説明しています。小型スチルで重さを残し、狭いカットで雑味を落とす。この組み合わせが、重いのに果実香がクリーンな原酒を生み、シェリー樽で12年以上熟成しても樽の香味に押し負けない骨格を保ちます。

「12年」の意味と、公表されていない仕様

  • 年数表示:スコッチウイスキー規則(SWR 2009)により、年数表示は使用した原酒のうち最も若い原酒の熟成年数を示します。同規則では、スコッチはスコットランド国内でオーク樽に3年以上熟成させることが求められます。12年より長く熟成した原酒が含まれていても、表示は「12年」です。平均年数ではなく、最低ラインを示しています。またシングルモルトは、単一の蒸溜所で、大麦麦芽だけを原料に、ポットスチルで蒸溜したものと定義されます。原材料表示が「モルト」だけなのはこのためです
  • 色:メーカーは樽由来の自然な色、つまりカラメル着色をしていないと説明しています。樽はオーク材の種類、ファーストフィルかリフィルか、熟成期間が1本ごとに違い、色の出方も異なります。そのため、樽を組み合わせて造るロットごとに濃淡の差が出ます。この差はラベルの新旧とは関係ありません
  • 麦芽のピート値(ppm):メーカーの公表資料では確認できません
  • 冷却濾過の有無:メーカーの公表資料では確認できません

販売ページに「ノンピート」「ノンチルフィルタード」と書かれていても、メーカーの公表資料では裏付けが取れません。仕入れやメニューの説明文に転記するのは避け、確認できる事実だけを伝えてください。

香味の言葉を工程に戻す

香味要素主な由来
バニラ、ハチミツ主にアメリカンオーク由来とされる
ドライフルーツヨーロピアンオーク、オロロソのシーズニング、長い熟成中の酸化が重なって生まれるとされる
スパイス主にヨーロピアンオーク由来とされる
余韻の渋み主にヨーロピアンオークのタンニン
口当たりの厚み原酒の酒質(小型スチル・狭いミドルカット)と樽成分の両方

ノーズ(香り)、パレット(口に含んだ味)、フィニッシュ(余韻)のどの段階でも、これらの要素は重なって現れます。香りの段階でヨーロピアンオーク由来のドライフルーツやスパイスを感じることもあり、段階ごとに由来が1つに決まるわけではありません。香味は、原酒の性格・樽材・シーズニング・熟成年数が重なって生まれます。それを踏まえたうえで「甘い香りは主にアメリカンオーク、果実の濃さや渋みは主にヨーロピアンオークから」と傾向として伝えれば、カウンターでも短い言葉で説明できます。加水やシェリーオーク12年との飲み比べなど詳しい比較は、テイスティング比較の記事で扱っています。

買ったあとの実務|1杯あたりの原価、注ぎ方と加水、開栓後の保管

1杯あたりの原価|購入価格別の早見表

700mlをシングル(30ml)で注ぐと約23杯、ダブル(60ml)なら約11杯取れます。1杯の原価は、購入価格を700で割った1mlあたりの単価に注ぐ量を掛けて出します。店頭価格は4,530円前後(2026年10月13日時点)のように店ごとに違うため、自分の購入価格に置き換えて計算してください。店は仕入税額控除を前提に税別で、自宅用は実際に払った税込で計算します。

購入価格(税込/税別)店向け・シングル30ml(税別)店向け・ダブル60ml(税別)自宅用・シングル30ml(税込)自宅用・ダブル60ml(税込)
10,890円/9,900円(定価・百貨店の掲載価格)約424円約849円約467円約933円
9,548円/約8,680円(大手酒販店の箱入り掲載価格)約372円約744円約409円約818円
業務用:実際の仕入れ値(税別)で計算仕入れ値÷700×30仕入れ値÷700×60――

業務用の仕入れ値は、定価ではなく卸値になることが多いため、店では上の定価の行ではなく、実際の仕入れ値で計算してください。

店の売価の決め方

  1. 実際に取れる杯数を決める:こぼれ・計量の誤差・試飲分を差し引き、理論上の23杯より少なく見積もる。杯数が減るぶん、1杯あたりの原価は早見表の数字より高くなる
  2. 1杯原価を出す:仕入れ値(税別)÷実際に取れる杯数
  3. 売価を出す:1杯原価÷店で決めた原価率

原価率は、家賃や人件費、ほかの銘柄との釣り合いによって店ごとに変わるため、一律の数字はありません。同じ原価率を全銘柄にそろえるのか、高単価の銘柄は原価率を上げて売価を抑えるのか、店の方針を先に決めてから計算します。改定で仕入れ値が変わったときは、手順2からやり直します。

ストレートと加水|香りを取る注ぎ方

香りを確かめるなら、口がすぼまったテイスティンググラスにストレートで注ぎます。すぼまった口で揮発した香りがグラス内にたまるので、アメリカンオーク由来のハチミツやバニラの香りを拾いやすくなります。

トゥワイスアップは、常温の水をウイスキーと1:1で加える飲み方です。度数が40%から約20%まで下がるので、鼻を刺すアルコールの刺激が引き、樽由来の甘い香りが前に出やすくなります。冷水や氷を使うと、香りが揮発しにくくなるため常温の水を使います。いきなり1:1にせず、ストレートの香りを確かめてから数滴ずつ足していくと、香りが開く加水量を自分の舌で確かめられます。

ハイボールと水割り

ダブルカスクは軽やかで甘さのある香味なので、炭酸で割っても樽の甘さが残り、ハイボールにも向きます。

  1. グラスと炭酸を冷やしておく
  2. グラスに氷を満たし、ウイスキーを注いで軽く混ぜ、液温を下げる
  3. 炭酸をウイスキー1に対して3〜4、氷に当てないように静かに注ぐ
  4. マドラーで氷を一度持ち上げる程度にとどめ、混ぜすぎない(炭酸が抜けるため)

甘い香りを残したいなら炭酸を3、すっきり飲ませたいなら4に寄せます。水割りも氷と冷やしたグラスで同じ手順を踏み、加水量は1:2前後から始めて薄さを調整します。

開栓後の保管|期間より液面で判断する

ボトルは立てて保管し、直射日光と高温を避けます。横に寝かせると、度数の高い液体がコルクに触れ続けて傷みやすくなります。ウイスキーは開栓後に腐るものではありませんが、液面が下がるほど瓶内の空気が増えて酸化が進み、香りが変わりやすくなります。何か月以内、といった期間で区切るより、残量で判断するほうが実際的です。

  • 残りが半分以上:立てて保管し、通常どおり飲み進める
  • 残りが3分の1を切った:香りの変化が気になるなら、口元まで満たせる小瓶へ移して空気を減らす
  • 店で回転が遅い銘柄:開栓日を瓶に書き、香りが落ちる前に飲み切れる本数だけ開ける

贈答の選び方|相手の事情で決める

  • 日本在住の相手(目上・取引先):百貨店で箱入りを選び、のしと包装を付ける
  • 外国人や海外在住の相手:日本語ラベルの輸入者欄がサントリーの国内正規品なら、日本の正規流通で選んだ品であることが伝わります。のしは意味が伝わりにくいので、包装だけにするか、渡す場面に合わせて付けるかどうかを選ぶ
  • 持ち帰りや手渡しの相手:重さとかさを考えて、手提げ袋の有無を確認する

終売・休売の噂は本当か|定価で買えないときの代わりの選択肢とよくある質問

ウイスキーのイメージ写真

**ダブルカスク12年は終売していません。**終売・休売の告知はサントリーから出ておらず、2026年10月時点でサントリーの商品ページに700mlが掲載されています。希望小売価格は前の章で触れた税別9,900円のままです。噂と混同されやすい出来事として、次の2点があります。

  • 外装刷新による旧ラベル品の入れ替わり(前述の「新ラベルと旧ラベル」参照)
  • 価格改定の前後は、一部店舗で在庫が切れることがあります

店頭で見かけないときは、まずサントリーの商品ページで掲載が続いているかを確かめます。掲載が続いていれば、その店の在庫切れと判断できます。

今買うべきか|売値で決める判断基準

送料込みの総額(税込)判断
1万円前後〜10,890円買ってよい(定価圏)
11,605円前後まで贈答対応や即納に価値があれば買う
14,850円に近づく待つ。または、シェリーオーク12年の定価購入か他の銘柄を検討する

税込14,850円は、シェリーオーク12年の定価です。ダブルカスクの売値がここまで上がると、樽構成が違う上位の商品を定価で買える計算になります。そのため、この金額を待つかどうかの境目として使えます。

定価で買えないときの代わり|条件別

求めるもの候補選ぶ理由
シェリー樽の濃さグレンファークラス 12年シェリー樽熟成を軸にする蒸溜所の12年もの
シェリー樽の濃さグレンドロナック 12年シェリー樽由来の濃い果実味を軸にした12年もの
2種類の樽を合わせる発想アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアードマッカランは2種ともシェリーシーズニング樽でオーク材を変えるのに対し、アベラワーはバーボン樽系とシェリー樽を合わせる。シェリーの甘さはやや控えめで、バニラ寄りの軽さを求める人向け

売値(5,880円前後・2026年10月13日時点、5,940円前後・2026年10月13日時点、5,687円前後・2026年10月13日時点)は変わるため、購入時に確かめてください。度数や容量も銘柄ごとに違う場合があります。バーで置き換えるときは、裏ラベルで度数と容量を確かめてから、1杯の原価と加水量を計算し直します。

よくある質問

バーで注文するとき、どう伝えればシェリーオークと取り違えられませんか。

「マッカランのダブルカスク12年」と、樽の名前まで添えて伝えます。現在の正式名は「ザ・マッカラン シェリーオーク12年」ですが、以前は「ザ・マッカラン12年」の名前で売られていたため、今もこの名前でシェリーオークを指す店があります。そのため「マッカラン12年」とだけ頼むと、店によってはシェリーオークが注がれることがあります。注ぐ前にボトルの「DOUBLE CASK」表記を見せてもらうと確実です。

オン・ザ・ロックで飲むのには向きますか。

飲めますが、香りを楽しむうえでは一長一短があります。冷えると香りが揮発しにくくなり、ハチミツやバニラの甘い香りは控えめになります。溶けにくい大きな氷を使ってください。最初は冷えて締まった味が出て、氷が溶けて温度と度数が下がるにつれて香りが戻ってきます。この変化を追うと、この銘柄の甘さを拾いやすくなります。

前に買ったボトルと味が違う気がします。ロット差でしょうか。

まず比べる条件をそろえます。開けたばかりのボトルと残りの少ないボトルを比べると、酸化による香りの変化が混ざるためです。同じグラス・同じ量・常温で、開栓直後のものどうしを並べても違うなら、ロット差と考えられます。色の濃さの違いについては「『12年』の意味と、公表されていない仕様」を参照してください。

冷蔵庫や冷凍庫で冷やして保管してもよいですか。

保管は常温の冷暗所で、ボトルを立てておくのが基本です。冷やすと香りが揮発しにくくなり、ストレートやトゥワイスアップで感じたい甘い香りが閉じてしまいます。ハイボールを冷たく仕上げたい場合も、ボトルは冷やさないでください。グラスと炭酸を冷やして温度を下げるほうが、ほかの飲み方と兼用しても香りを損ないません。

箱なしでも正規品ですか。

正規品かどうかは箱の有無では決まりません。並行輸入品にも日本語ラベルは貼られるので、日本語ラベルの輸入者名がサントリーかどうかで見分けます。箱なしは贈答には使いにくいので、そのぶん値引きされているかを確かめます。

トリプルカスク12年はどうなっていますか。

サントリーの「ザ・マッカラン」商品一覧で、現行の掲載品を確かめてください。一覧に載っていなければ、国内の正規品として今は案内されていないと判断できます。ただし、終売の時期や後継品については、メーカーの告知で確かめられない限り断定できません。

この記事で紹介した銘柄

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