山崎12年の定価はいくら?入手困難な理由とどこで買えるか
山崎12年の現行定価は税込17,600円(2026年4月改定)。過去の価格改定の推移と旧価格の見分け方、定価と実勢価格・買取価格の違い、入手困難な理由、抽選販売など購入先の選び方まで整理して解説します。
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。 掲載している商品の価格・在庫は変動するため、最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
この記事で紹介した銘柄:シーバスリーガル ミズナラ 12年・キリン 富士 シングルモルト 価格と購入先へ ↓
山崎12年の定価は税込17,600円|価格改定の時系列と「定価」の正しい意味
**2026年10月時点の山崎12年(700ml)の希望小売価格は、税別16,000円(税込17,600円)です。**サントリーは「山崎」を含む一部商品の価格を2026年4月1日出荷分から改定しました。山崎12年は現行の商品ページにも掲載されている、終売していない定番品です。
価格改定の時系列と、どの数字を信じればよいか
ネット上には複数の「定価」が出回っています。いつの時点の、税別と税込のどちらの数字なのかを分けると整理できます。
- 2022年3月以前:税別8,500円
- 2022年4月1日出荷分から:税別10,000円(税込11,000円)
- 2024年4月1日出荷分から:税別15,000円(税込16,500円)。よく見かける「定価16,500円(税込)」はこの旧価格の税込額です
- 2026年4月1日出荷分から:税別16,000円(税込17,600円)。これが現行価格です
判断の基準は次のとおりです。**「税別15,000円」「税込16,500円」と書かれていれば、2024年4月から2026年3月までの情報です。税別1万円台前半以下(10,000円や8,500円など)の数字は、2024年3月以前の情報です。**贈答品の予算を組むときや、訪日客に日本の正規価格を説明するときは、税込17,600円を使ってください。改定は出荷分から適用されるため、改定前に仕入れた在庫が旧価格のまま店頭に残ることもあります。店頭の値札が旧価格でも誤表示とは限りません。
「定価」は販売価格を縛らない
一般に「定価」と呼ばれる数字は、正確にはメーカーの希望小売価格です。サントリーも販売店の価格を拘束するものではないと明記しています。独占禁止法は、メーカーが小売価格を強制する再販売価格の拘束を原則として禁じています。そのため店が希望小売価格より高く売っても違法ではありません。訪日客から「なぜ定価より高いのか」と聞かれたら、「メーカーが示す目安の価格であり、店の売値は各店が決める」と答えれば正確です。
定価・実勢価格・買取価格を分けて考える
山崎12年は、売る側の買取価格が定価を上回ることがあります。原因は熟成年数による供給の制約です(詳しくは次章)。価格を見るときは、次の3つを混同しないことが大切です。
| 区分 | 意味 | 誰が決めるか | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| 定価(希望小売価格) | 税込17,600円 | メーカー | 正規ルートの抽選・百貨店で買えるかの基準 |
| 実勢価格 | — | 各販売店 | 今すぐ買う場合の相場の確認 |
| 買取価格 | 店・状態で変動 | 買取業者 | 手放すとき、転売品の相場の推測 |
買う側の判断基準は次のとおりです。定価で手に入れたい場合は、百貨店や酒販店の抽選販売を狙います。期限のある贈答で確実に入手したい場合は、実勢価格での購入を前提に予算を組みます。実勢価格と定価との差額が、抽選に外れた場合の追加コストです。この差額をいくらまで受け入れるかで、購入の上限額を決めます。店の一杯の値付けは第4章で扱います。
一次情報で確認できる基本スペック
- 容量:700ml
- アルコール度数:43%
- 原材料表示:モルト(大麦麦芽だけを原料とするモルトウイスキーで、グレーンウイスキーは含まない)
- 使用原酒:ホワイトオーク樽・スパニッシュオーク樽・ミズナラ樽で熟成した原酒
- ブランド「山崎」の発売日:1984年3月14日
- 表示:日本洋酒酒造組合の「ジャパニーズウイスキー」表示基準に適合するとメーカーが明記
この表示基準は、国内での糖化・発酵・蒸溜、木樽での3年以上の熟成、国内での瓶詰めなどを定める一方、色調を整えるためのカラメル着色は認めています。スコッチウイスキー規則(SWR 2009)も、最低3年・700L以下のオーク樽での熟成を定めつつ、普通カラメル(E150a)の使用を認めています。そのため、規格に適合していることは無着色の証明になりません。使う麦芽のピートの度合い(フェノール値 ppm)や、冷却濾過・着色の有無も、メーカーの公開情報では確認できません。「ノンチルフィルタード」「無着色」と断定している情報は、根拠を確かめてから使うのが安全です。
なぜ山崎12年は入手困難なのか|12年熟成という供給の制約を製法から読み解く

山崎12年は販売中止ではありません。2026年10月時点でもメーカーの現行商品ページに掲載されている定番品です。手に入りにくい理由は、生産を止めたからではありません。12年熟成という製法そのものが出荷量の上限を決めているためです。
「12年」は最低熟成年数を表す
ラベルの年数は、ボトルに使った原酒のうち最も若いものの熟成年数です。平均年数ではありません。そのため12年より古い原酒を混ぜることはできますが、12年未満の原酒は1滴も使えません。今年出荷できる量は、12年以上前に仕込んだ量と、その後の熟成を経て樽に残った量で上限が決まります。
熟成中は、エンジェルズシェアと呼ばれる蒸発分が樽から失われます。減り方は気候や貯蔵庫の条件で変わり、山崎12年での具体的な比率は公表情報で確認できません。確かなのは、仕込んだ量がそのまま出荷量にはならないことです。さらに、目標の香味に届かなかった樽は12年物には回せません。
増産しても12年物になるのは早くて12年後
サントリーは、プレミアムウイスキーの熟成には長い年月が必要で、需要に十分応えられていないと説明しています。12年熟成の原酒は12年以上前の仕込み量で上限が決まり、需要が増えても後から増やせません。今日蒸溜量を増やしても、その原酒が12年物として出荷できるのは早くても12年後です。さらに、山崎蒸溜所の原酒は12年だけでなく、山崎(ノンエイジ)や18年などの年数品、ブレンデッドウイスキーの「響」にも振り分けられます。同じ原酒在庫を複数の製品で分け合うため、12年への配分には上限があります。山崎蒸溜所は2023年に設備と一部の建物を刷新しました。これは今後の供給体制に関わる事実です。ただし、刷新後に仕込んだ原酒はまだ12年に達していません。12年物の出荷量がいつ、どれだけ増えるかを判断する材料は、現時点ではありません。「品薄はいつまで」という問いに確かな答えはなく、時期を断言している情報は根拠を確かめてください。
16基のポットスチルで原酒を作り分ける
山崎蒸溜所には、形状の異なるポットスチル(単式蒸溜器)が16基あります。ただし、原酒の性格を決めるのは蒸溜器の形だけではありません。サントリーは、木桶とステンレスの発酵槽を併用していること、蒸溜の加熱に直火を採用していることを公開しています。
発酵槽の材質や発酵時間によって、生まれる香気成分は変わります。木桶は材に乳酸菌がすみつきやすく、発酵の後半に乳酸菌が働くと、果実のような香りのもとになるエステル類が増えやすいとされます。直火で加熱すると釜の底が高温になり、香ばしく厚みのある原酒になりやすいとされます。蒸溜では、製品に使う中間部分(ミドルカット、本留液として採る範囲)を早めに切ると軽く華やかに、遅くまで採るとオイリーで重くなります。採る範囲を狭くするほど軽い原酒になります。山崎での発酵時間やカットの度数は公表されていません。
蒸溜器の形は還流(蒸気が冷えて釜に戻ること)の量を左右します。首にふくらみのあるバルジ型では、上昇した蒸気がふくらみで冷えて釜に戻る還流が増えます。重い成分ほど戻りやすいため、軽やかな原酒になります。首がまっすぐなストレート型は還流が少なく、重めの原酒になりやすい形です。還流は首の形のほか、首の高さや、ラインアーム(スチル上部から冷却器へ蒸気を送る管)の角度でも変わります。ラインアームが上向きなら還流が増えて軽く、下向きなら減って重くなります。加熱を強めて蒸溜速度を上げても還流は減ります。また、蒸気が銅に触れる量が多いほど硫黄系の重い香りが除かれます。形状は、原酒の性格を決める要素の一つという位置づけです。
スコッチのブレンデッドでは、蒸溜所同士で原酒を融通し合って香味の幅を確保する慣行があります。一方、シングルモルトの山崎は、一つの蒸溜所の中で原酒の作り分けまで自前で行っています。足りない性格の原酒を外から買って補うことができないため、供給が設備と在庫に強く縛られます。
目標の香味に合わせて、3種の樽の原酒の構成比をロットごとに調整する
山崎12年には、ホワイトオーク樽・スパニッシュオーク樽・ミズナラ樽で熟成した原酒が使われています。樽ごとの構成比は公表されていません。樽は一つずつ熟成の進み方が違うため、同じ12年の香味を出し続けるには、性格の違う原酒をそろえたうえで、目標の香味に合わせてロットごとに構成比を調整します。
- ホワイトオーク:北米産のオークで、バニラのような甘い香りの主な由来です。樽の大きさや使用回数(新樽かリフィルか)で効き方が変わります
- スパニッシュオーク:シェリーで味付けした樽として使われる例が多い樽材です。詳しくは第5章で扱います
- ミズナラ:日本産のオークです。材の確保や樽への加工が難しく、香りが出るまでに長い熟成を要するとされ、在庫の制約になりやすい樽です
山崎12年での樽の内訳や使用回数は公表されていません。確かなのは、特定の樽の原酒が不足すると、比率を動かしても目標の香味に届かないことです。在庫全体の量に加えて、樽ごとの原酒の在庫も出荷量を制約します。
海外での評価の高まり
サントリーウイスキー100周年記念ラベルの山崎12年は、ISC 2024(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で、全出品の最高賞にあたるシュプリーム・チャンピオン・スピリットを受賞しました。海外での評価が高まっていることを示す一例です。
山崎12年はどこで買える?購入ルート別の価格帯・確率・条件を比較
山崎12年の購入ルートは、定価を狙う抽選型と、相場価格で確実に買う通常販売型の2つに分かれます。どちらを選ぶかは、期限があるかどうかで決まります。まず6つのルートを比べます。
| 購入ルート | 価格の基準 | 手に入る確率 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 百貨店の抽選 | 定価(税込17,600円)。セット販売は組み合わせ商品との合計額 | 低い(倍率は非公表) | カード会員限定、セット販売、応募期間の厳守 |
| 酒販チェーン・量販店 | 店の設定価格。抽選分は定価基準が多い | 低い。入荷のタイミング次第 | アプリ会員、購入履歴、1人1本 |
| スーパー | 店の設定価格 | 不定期で低い | 告知なしの店頭入荷、本数制限 |
| ECモールの通常出品 | 出品者ごとの相場価格(—) | 高い | 販売者の免許表示、箱の有無と状態の確認 |
| 酒類専門通販 | 抽選は定価基準、通常販売は相場価格 | 抽選は低い、通常販売は在庫次第 | 会員登録、メールマガジン |
| 山崎蒸溜所のショップ | 現地の販売価格 | 保証なし | 見学予約が必須。日時やコースによっては購入できない |
百貨店の抽選は「応募資格」から確認する
百貨店の抽選は、応募資格が細かく決まっています。例として、日本橋三越本店は2026年7月、エムアイカード会員(ベーシックも対象)向けに、山崎12年を含む「山崎飲み比べ3本セット」(税込43,450円)を抽選販売しました(同店公式サイトのショップニュースで告知。応募期間は終了)。このように、指定カードの会員であることと、単品ではなくセットでの販売が典型的な条件です。セットの場合、支払額は山崎12年単体の定価を上回ります。抽選の告知が出てからカードを作っても、審査が締め切りに間に合わないことがあります。百貨店の抽選を狙うなら、カードは先に作っておきます。
「この店なら当たりやすい」は再現できない
「やまややイオンなら確率が高い」といった話は、特定の店舗と時期の体験談です。入荷の本数や配分は店舗ごと、回ごとに変わるため、同じ結果になる保証はありません。店の名前を頼りにするより、次の手順で入荷情報を自分で追うほうが確実です。
- 近所の酒販チェーンと百貨店の会員登録を済ませ、アプリの通知をオンにします
- 各店と酒類専門通販のメールマガジンに登録します。抽選の告知はメールで先に届くことが多いためです
- 店頭の掲示を週に1回確認します。抽選告知が店頭にしか出ない店もあります
- 応募したら、当選連絡の期限と受け取り期限を予定表に入れます。期限を過ぎると当選が無効になります
抽選まとめサイトを使うときの注意
抽選情報をまとめたサイトは、告知を見つける入口としては便利です。ただし応募の前に、必ず販売元の公式ページで原文を確認してください。まとめサイトでは、条件が省略されていることがあります。特に次の3点を確認します。
- 購入履歴:「対象期間内に○円以上の購入」など、過去の買い物実績が求められます
- 会員ランク:一定以上のランクに限るものです。新規会員は応募できないことがあります
- セット販売:抱き合わせの商品と合計額です。贈答の予算を超えないか確認します
ECモールは「価格」より「販売者」と「箱」を見る
ECモールの価格は出品者が決めた相場価格で、定価販売ではないことがほとんどです。購入前に、販売者のページに酒類販売業免許の表示(免許の種類や所轄の税務署)があるかを確認します。表示がない出品は避けてください。贈答に使う場合は、化粧箱が付いているか、箱の状態はどうかも重要です。商品画像が実物の写真か、箱の角のつぶれや日焼け、液面の高さが分かるかを確かめ、分からなければ購入前に出品者へ問い合わせます。「箱なし」や「箱にダメージあり」の出品は安くなっていることがあり、自分用なら選択肢になります。取引先や海外の知人に贈る場合は、箱付きで状態のよいものを選びます。
山崎蒸溜所のショップは確実な購入ルートではない
「蒸溜所に行けば買える」というのは誤解です。山崎蒸溜所は予約なしでは入場できず、ショップを利用するだけでも見学予約が必要です。さらにメーカーは、来場日時や見学コースによってはショップでウイスキーを購入できない場合があると案内しています。見学予約が取れても、山崎12年が買えるとは限りません。訪日客を案内する場合も、見学を目的として予約し、購入はできたら幸運という前提で伝えてください。
状況別の選び方
- 定価で買いたい:百貨店・酒販チェーン・酒類専門通販の抽選を使う
- 期限までに確実に買いたい:ECモールの通常出品で箱付きを購入(確認方法は前述)
- 近所で入荷を待ちたい:酒販チェーン・量販店・スーパーの店頭とアプリの告知を追う
- 蒸溜所:購入ルートには数えず、見学のついでと考える
相場で買うか、待つか|用途別の判断基準とよくある失敗

山崎12年を相場で買うか、定価の抽選を待つかは、用途・期限・上限額の3つで決まります。上限額は「定価(税込17,600円)の何割増しまでなら払うか」を先に決めておきます。
| 用途 | 期限 | 上限額の考え方 | 取るべき行動 |
|---|---|---|---|
| 自分で飲む | なし | 定価に近い額 | 抽選に継続して応募する。並行してバーで一杯から試す |
| 贈答 | 決まっている | 相場での購入を前提に予算化 | 箱付きを購入(確認方法は前章) |
| コレクション | なし | 将来の買取価格を当てにしない額 | 箱・ラベル・液面の状態がよいものだけを選ぶ |
海外への贈答は「価格の説明」と「規制の確認」まで準備する
受け取る側が現地の流通価格を知っていると、日本の定価との差が話題になることがあります。「日本のメーカー希望小売価格は税込17,600円だが、品薄のため日本国内でも定価で買うのは難しい」と説明できるようにしておきます。現地での販売価格は国によって大きく違うため、推測では答えず、相手の国の小売価格を事前に調べておきます。持ち込みの免税範囲や、国際宅配便で酒類を送れるかどうかは、国と運送会社ごとに異なります。出発前や発送前に、相手国の税関と運送会社の案内を確認してください。
訪日客への説明は、誤解を生まない言葉を選ぶ
「定価」を英語で fixed price と訳すと、固定された正式価格だと受け取られます。その場合、店頭価格との差が上乗せや不当な価格に見えてしまいます。suggested retail price(メーカー希望小売価格)と伝えるのが正確です。
- 価格差の説明例:「メーカーが示す目安は17,600円です。当店の価格は、仕入れ値をもとに当店が決めています」
- 品薄の説明例:「販売中止ではありません。熟成年数の制約で、出荷量に上限があります」
- 購入場所の説明例:「主な入手方法は抽選販売です。蒸溜所も予約制で、購入できる保証はありません」
- 入荷の説明例:「入荷は不定期で、次の時期はメーカーからも知らされていません」
- 避ける言い方:「来週入ります」「もうすぐ増産されます」など、根拠のない予定や見通し
よくある失敗
- 旧価格の税込16,500円を基準にして「割高だ」と判断し、現行の定価に近い額で買える機会を逃す
- 蒸溜所に行けば買えると思い込み、旅程の中に購入の代わりの手段を用意しておかない
- 箱なしや保管状態の分からない品を相場で買い、贈答に使えなくなる
- 家族の名義で重複して応募する、購入後すぐに出品するなどして転売目的と見なされ、店の抽選対象から外れる
飲むのが目的なら、バーの一杯から始める
700mlはシングル30mlで約23杯分です。実際には量り誤差やテイスティング分を差し引いて見込みます。バーの一杯の値段は、仕入れ値を杯数で割った原価に、店の利益(人件費・家賃・グラスや氷のコストを含む)を上乗せして決まります。仕入れ値は定価ではなく次に仕入れるときの相場で考えるのが一般的です。注文するときは「山崎12年をシングルで、まずストレートで」と量と飲み方を伝えます。加水を試すなら、加水用に常温の水を少量別にもらい、数滴ずつ加えます。チェイサーは冷えた水や氷入りで出ることが多く、加えると温度まで下がって加水の効果が分かりにくくなるためです。香りの開き方の確かめ方は、次章の飲み比べ手順を参考にしてください。
開栓後の保管
ボトルは立てて保管します。寝かせると、度数の高い液体にコルクが触れ続けて傷み、コルク臭の原因になります。直射日光と高温も避けます。中身が減ると、ボトル内の空気が増えて酸化と揮発が進み、香りの輪郭が変わりやすくなります。残りが3分の1を切ったら、早めに飲み切る計画を立ててください。
手に入らないときの選択肢|樽の構成から考える代わりの銘柄と、よくある質問
山崎12年と同じ味の代用品はありません。一つの蒸溜所で造り分けた原酒を、3種の樽の熟成原酒として組み合わせた香味は、ほかの銘柄では再現できないためです。
代わりを選ぶ前に、山崎12年の香味を樽と結びつけて整理しておきます。サントリーの公式商品ページのテイスティングノートは、香りに桃やパイナップル、グレープフルーツなどの果実、クローブ、伽羅(香木の一種)、バニラを挙げています。一般的な樽の傾向から読むと、熟した果実や甘いバニラはホワイトオーク樽、ドライフルーツやクローブのような香りと渋みはスパニッシュオーク(シェリー)樽、香木を思わせる香りはミズナラ樽に結びつく要素です。代わりを選ぶときは、このうちどの香味を味わいたいかを先に決めてから絞り込みます。
同じジャパニーズウイスキーで比べる
- イチローズモルト:埼玉県秩父の蒸溜所の銘柄です。シングルモルトのほかに海外原酒を含むブレンドもあるため、ラベルの「ジャパニーズウイスキー」表示を確かめてから選んでください
- キリン 富士 シングルモルト:静岡県の富士御殿場蒸溜所のシングルモルトです。一つの蒸溜所の中で原酒を造り分けて構成する点が山崎と共通します
どちらも入手のしやすさや店頭価格は時期によって変わります。
スパニッシュオークの要素を求めるならシェリー樽熟成のスコッチ
現在シェリー樽と呼ばれる樽の多くは、ウイスキー用にシェリーを一定期間しみ込ませた「シーズニング樽」です。材にはスパニッシュオークとアメリカンオークの両方が使われます。スパニッシュオークはタンニンが多く、バニラ香のもとになるバニリンは控えめです。そこに樽に残ったシェリーの成分が加わり、ドライフルーツやクローブのような香りと、舌を締める渋みが出ます。ファーストフィル(初めてウイスキーを詰める樽)ほどこの影響は強く、リフィル(2回目以降に使う樽)では穏やかになります。
| 銘柄 | 樽の構成 | 山崎12年のどの香味に近いか | 比べるポイント |
|---|---|---|---|
| グレンドロナック 12年 | ペドロ・ヒメネスとオロロソのシェリー樽 | ドライフルーツと渋み(スパニッシュオーク樽由来の要素) | シェリー由来の甘さと渋みの強さ |
| アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード | 伝統的なオーク樽とシェリー樽の原酒を合わせる | 甘い樽香とドライフルーツの重なり | 性格の違う樽の原酒を合わせる構成 |
| グレンファークラス 12年 | シェリー樽中心 | ドライフルーツとクローブのような香り | シェリー樽の香味とモルトの厚みの釣り合い |
ミズナラ樽で熟成または後熟(フィニッシュ)した製品は、スコッチにもジャパニーズにもあります。ただし、短期間の後熟と、長期熟成のミズナラ樽原酒を構成の一部として組み合わせる山崎12年とでは、ミズナラ由来の香りの出方が違います。ミズナラ樽を使った銘柄でも、山崎12年のような香味の釣り合いは再現できないと考えてください。候補としては、ミズナラ樽原酒を構成に含むブレンデッドの「響 JAPANESE HARMONY」や、ミズナラ樽で後熟したブレンデッドスコッチの「シーバスリーガル ミズナラ 12年」があります。いずれも現行品であることと、ラベルや公式ページでミズナラ樽の使用が明記されていることを確かめてから選んでください。
飲み比べの手順
- 同じ量(15〜30ml)を、同じ形のテイスティンググラスに注ぎます。口のすぼまった形なら香りがこもり、違いをつかみやすくなります
- すべて室温にそろえ、香りの軽いものから順に並べます。シェリー樽の濃い銘柄を先に飲むと、後に飲むものの香りを感じにくくなります
- まずストレートで、グラスの縁から少し鼻を離して香りを取ります。近づけすぎると、アルコールの刺激で香りが隠れます
- スポイトで常温の水を数滴ずつ加え、加えるたびに香りを確かめます。刺激が和らいで果実や樽の香りが立つまでの早さと、香りが現れる順番を比べます
よくある質問

山崎12年をハイボールにするのはもったいないですか?
飲み方に正解はありません。ただし炭酸で割ると、ミズナラ樽やスパニッシュオーク樽に由来する繊細な香りは感じにくくなります。作るなら、グラスに氷を詰め、マドラーで回してグラスを冷やし、溶けた水を捨ててからウイスキーを注ぎます。ウイスキー30mlに対して炭酸90〜120ml(1:3〜1:4)が目安です。香りを残したい場合は1:3寄りにします。ウイスキーを氷となじませてから、冷えた炭酸を氷に当てないよう静かに注ぎます。マドラーで縦に一度だけ混ぜると、炭酸が抜けにくくなります。水割りはウイスキー1に対して水2〜2.5が目安で、ハイボールより割り材を少なくして香りを残す飲み方です。
ロックで飲むと香りはどう変わりますか?
温度が下がると香りの成分が揮発しにくくなります。そのためストレートより香りは閉じ、甘さや渋みの感じ方も穏やかになります。氷が溶けるにつれて度数も下がり、味わいは時間とともに変わります。樽由来の香りを確かめたい場合は、まずストレートか少量の加水で香りを取り、その後にロックで冷えた状態の変化を比べるとよいでしょう。
トゥワイスアップとはどんな飲み方ですか?
ウイスキーと常温の水を同量ずつ合わせる飲み方で、香りを評価するときにも使われます。43%の山崎12年なら、約21〜22%になります。氷は入れず、冷やしていない軟水を使います。
同じ山崎12年でも、買った時期によって味は違いますか?
山崎12年は、性格の違う樽の原酒を組み合わせて、毎回同じ香味に近づけるよう造られています。ただし樽は一つずつ個性が異なるため、仕上がりに細かな差が出る可能性はあります。ロットごとの違いは、メーカーの公開情報では確認できません。比べたい場合は、開栓の時期をそろえ、同じグラスと温度で並べて飲むと判断しやすくなります。
山崎(ノンエイジ)との違いは何ですか?
年数表示がないため、12年未満の原酒も使えます。12年熟成の香味を期待せず、同じ蒸溜所の別の製品として飲み比べてください。
ボトルのロット番号(瓶や箱の印字)はどこを見ればよいですか?
ロット番号は、瓶のガラス面やラベルの周辺、化粧箱の底面などに、英数字で印字されていることが多いものです。印字の位置や読み方について、メーカーの公開情報で確認できる解説はありません。飲み比べやロット差を記録したい場合は、瓶と箱の印字をそのまま書き写すか写真に残し、購入時期や開栓日と一緒に控えておきます。箱付きで買う場合は、瓶と箱の印字が対応しているかも確かめておくと、中身の入れ替えを疑う材料になります。
開栓済みボトルを長期間置くとき、小瓶へ移す意味はありますか?
あります。ボトル内の空気が増えるほど酸化と揮発が進むため、残りが少なくなったら、口元まで満たせる大きさのガラスの小瓶に移すと、液面に触れる空気を減らせます。小瓶は密閉できるキャップのものを選び、移した日付を書いておきます。移し替えのたびに空気に触れるため、何度も小分けにするより、一度で移し切るほうが香りを保ちやすくなります。
出典・参考にした情報
この記事で紹介した銘柄
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 妊娠中・授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。 お酒は適量を楽しみ、飲酒運転は絶対におやめください。